スリザリンの継承者―魔眼の担い手―   作:寺町朱穂

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「ホグワーツ七不思議」編、開始します。
呪いの子編のオリジナル前日譚です。







1話 未知との遭遇

 かたん、ことん。

 真紅の汽車は、魔法の城を目指して走り出した。

 ほとんどの生徒はコンパートメントに座り、夏休暇の思い出を友人たちと語り合っている時間だったが、新入生の3人は車両の通路を通り抜けている。

 

 アルバス・ポッターは組み分けに関する恐怖を胸に溜め、エリザベス・ノットはアルバスのことだけを考え、そして、ローズ・グレンジャー―ウィーズリーはホグワーツに対する興奮で頬を上気させていた。

 

「いい、2人とも。気持ちを集中させるのよ」

 

 ローズは肩で風を切るように歩きながら、後ろに続く二人に声をかけた。

 

「誰と友だちになるのか決めるの。私のパパとママがアルのパパに出会ったのは、ホグワーツ特急だったのだから」

「生涯の友だちを決めるの? それって、僕、すっごく怖いよ」

「アル、何を言ってるの? 私、わくわくするわ! 私はグレンジャー―ウィーズリーだし、リザはゴーントの娘、あなたはポッターよ。みんなが友だちになりたがるわ。選り取り見取りじゃない!」

「アル様、安心してください。アル様に友だちができなくても、このリザが傍にいますので」

「はいはい、エリザベス。ありがとう。

 それで、ローズ、どうやって決めるの? どのコンパートメントに座るかって」

 

 アルバスはリザを軽く受け流すと、ローズに質問を投げかけた。

 ローズは得意げに背筋を伸ばしながら、

 

「全員を評価して決めるのよ!」

 

 手近なコンパートメントの扉を開く。

 そこには、一人……寂しげなブロンドの少年が座っていた。アルバスが少年に笑いかけると、彼もにこっと笑みを返してくる。

 

「ここの席……」

「空いてるよ、僕一人だ」

「よかった。じゃあ、僕たち……ちょっとの間だけ、座ってもいいかな?」

 

 アルバスはローズの顔色を窺いながら、少年に尋ねる。

 

「いいよ、座りなよ」

 

 アルバスとリザ、そして、ローズは並んで座った。

 

「僕はアルバス。アルだ」

「僕はスコーピウスだ。君はアルバスで、僕はスコーピウス。それで、君は確か……」

「ローズよ」

 

 ローズは少し強張った表情で応える。

 

「やあ、ローズ。フィフィ・フィズビーは食べる?」

「結構よ。朝食を食べたばかり」

「じゃあ、君は? えっと……」

「リザです。ごめんなさい、リザはフィフィ・フィズビーが苦手でして……アル様は好きですよね?」

「エリザベス、人前でその呼び方止めて。

 でも、まあ、僕はそのお菓子好き。ママが甘い物を食べさせてくれないんだ」

 

 アルバスはお菓子を受け取ろうとしたとき、ローズが背中を叩いてきた。

 不審そうに彼女を見るが、ローズは強張った顔をしていた。

 

「ローズ、なんで叩くんだい?」

「あら、叩いてないわ」

 

 アルバスはそこで一回黙り込む。

 スコーピウスは怪訝そうな顔をしたが、すぐに表情を戻した。

 

「アルバス、お菓子は好き? 他のもあるよ。激辛ペッパーに蛙チョコレートも。母の考えなんだ。『スイーツがあれば、きっと友だちになれる』って……あ、でも、馬鹿げた考えだな」

「僕、少し貰うよ。でも、どれから食べればいい?」

 

 アルバスが会話を続けようとすると、再びローズが背中を叩いてきた。

 

「ローズ、やめてよ」

「なにもしてないわ」

「叩いてる。痛いよ」

 

 アルバスが重ねて言うと、スコーピウスの顔が曇った。

 

「僕のせいで叩いてるんだ」

「え?」

「僕は君が誰なのか知ってる。だから、君も僕のことを知らないとフェアじゃない。君はアルバス・ポッターで、彼女はローズ・グレンジャー―ウィーズリーで、その子はエリザベス・ノット。そして、僕はスコーピウス・マルフォイ。僕の父親は……君たちの両親と相性が悪かった」

「そんな生易しいものじゃないわ! この子のパパとママは死喰い人よ!」

 

 ローズが断定する。

 すると、スコーピウスの眉間にしわが寄った。

 

「父はそうだったけど、母は違う。知ってるだろ、アステリアはADのメンバーだった!」

 

 スコーピウスに返されて、ローズは目を逸らす。

 彼女の反応を見た途端、スコーピウスの声に怒気が混ざった。

 

「あの噂を知ってるんだね。でも、嘘だ」

「なんの噂?」

「僕の両親には子供ができなかった。そういう噂だよ。父と祖父がマルフォイ家の血筋を絶やさないようにと強い後継ぎが欲しくて必死だった。だから、二人は……逆転時計を使って、僕の母を過去に送り――……」

「過去の、どこ?」

「アル様……ヴォルデモートが生きていた時代ということです」

 

 リザが少し重たい口調で答える。

 その先の言葉は、はっきりと口にしなかったが、アルバスにも理解できた。アルバスも視線を逸らした。すると、彼の上質なトランクが目に飛び込んできた。そこには黄色のスプレーで『ヴォルデモートの息子!』と落書きされていた。

 

「トイレから戻って来たら、こうなってたのさ」

 

 スコーピウスが肩をすくめた。

 ローズは一瞬、気の毒そうな顔をしたが、いつもの気の強そうな表情に戻ると

 

「まったく、たぶんいい加減な噂よ。だって、あなたには鼻があるわ」

 

 と言い切り、杖を取り出した。

 

「『スコージファイ―清めよ』!」

 

 トランクの文字が歪んだ。あいかわらず黄色は残っていたが、少なくとも、何が書いてあるのか分からない程度にマシになった。

 

「ありがとう!」

 

 張り詰めていた空気が少し緩み、スコーピウスは嬉しそうに笑った。

 

「感じの悪い言葉だったから消しただけよ」

「それでも嬉しいよ!

 それに、僕は父とそっくりなんだ! 鼻も髪もね。それが別に素晴らしいってことじゃないんだけど……父と息子の問題、それがあるしね。だけど、いろいろ考えると、僕はマルフォイ家の息子の方がいい。なんていうか、闇の帝王の息子よりね」

 

 はにかみながら話してくれた言葉を聞いて、アルバスは少しだけ目を見開いた。

 

 アルバスは生まれてからずっと、どこへ行っても偉大なる父の名前が付いて回る。周りから噂されるし、ハリー・ポッターらしい兄のジェームズとも比べられる。

 自分は目立ちたくないのに、親のことで話題に上がってしまう。スコーピウスも同じだと知って、アルバスはなんだか通じ合うものを感じた。

 

「アルバスったら……」

 

 そんな二人を見て、ローズは大きく肩を落とした。

 

「さあ、どこか別のところに座った方がいいわ。二人とも、行きましょう」

「いや……僕はここでいい。君だけ行って」

「アルバス、待たないわよ?」

「ああ、勝手にすればいいさ。僕はここに残る」

 

 ローズは少し驚いたように一瞬、アルバスを見つめると立ち上がった。

 

「リザ」

「ローズ、ごめんなさい。リザもここに残ります」

 

 ローズはリザを見て呆れたように息を吐くと

 

「ご自由に!」

 

 荒々しい足取りで、外へ出ていった。

 

 コンパートメントには三人だけが残された。気まずい沈黙が流れる。

 

「えっと……リザは、うん。気にしてませんよ。おじいさまは死喰い人でしたが、とっても優しくて、博識です」

「……ありがとう、二人とも」

「ぼ、僕は君のために残ったわけじゃないさ!」

 

 アルバスは慌てて、スコーピウスから目を逸らした。

 そして、必死に残った言い訳を考える。

 

「僕がここに残ったのは……そう、フィフィ・フィズビーのためだよ。他にもスイーツ、持ってるんでしょ?」

「もちろん!」

 

 スコーピウスは大きく頷くと、にやっと笑った。

 

「ねぇ、アルバスって呼んで欲しい? それとも、アル様?」

「アルバスにして!」

 

 アルバスは即答する。

 すると、スコーピウスは雨上がりの日差しのように晴れ晴れとした笑顔で

 

「アルバス! スイーツのために残ってくれて、ありがとう!」

 

 と叫んだ。

 アルバスも照れくさそうに髪を掻きながら

 

「うん、まあね」 

 

 と答える。

 ここまで喜ばれるとは思っていなかったので、どのような反応をすればいいのか分からなかったのだ。

 

「アル様は優しいですね」

「優しくないよ。リザはローズと行かなくてよかったの?」

「アル様のいるところ、エリザベスあり! リザは、どこまでも付いてきます」

「……この子、こういうところあるんだ。たまに鬱陶しい」

 

 アルバスは申し訳なさそうにスコーピウスを見た。リザは邪険にされたが、にこにことした笑顔を崩さない。

 

「よろしく、エリザベス」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 

 ホグワーツ特急が汽笛を鳴らす。

 それからの時間は、アルバスにいつになく早く感じた。

 

 アルバスはローズと一緒にいると気疲れすることも多かったが、スコーピウスと話していても疲れることがない。むしろ、その逆で、楽しくなって会話が弾んだ。

 話せば話すほど、彼が「ヴォルデモートの息子」だなんて噂は嘘だと確信する。

 ヴォルデモートの息子だったら、ハリー・ポッターの息子を毛嫌いするに決まっているし、もっと暗くて陰気な人だ。

 

「アルバスは、スリザリンになりたくないの?」

「うん、そうなんだ」

 

 アルバスは少し声を潜めた。

 アルバスは、どこか恥ずかしいことを告白したような気持ちになった。

 

「その……勇敢な魔法使いの寮じゃない」

「スリザリンはセブルス・スネイプ先生の寮ですよ」

 

 リザが教師の名前を上げた。

 

「蛇顔男のスパイとして長年働き、アル様のお父様を護るために最後まで戦った勇敢な英雄です。愛に殉じた人……リザは彼の生き方に憧れます」

「本人は英雄扱いが嫌みたいだけどね」

 

 スコーピウスが話しを続けた。

 

「いろんな歴史家が彼にインタビューをしに行くんだけど、すぐに追い返されちゃうんだってさ。『本を読め。我が輩が語ることは何もない』って。そういうところ、ちょっとカッコ良いよ。……でも、アルバスが言いたいのは、そういうことじゃないんだろ?」

「……うん」

 

 アルバスは怖かった。

 勇敢な魔法使いの寮……グリフィンドールに入れなかったら、さらに父との確執が開いてしまいそうで怖かったのだ。

 ハリー・ポッターのように勇敢でもないし、機知に富んでいるわけでもない。

 似ているのは髪の色と目の色だけ。むしろ、その繋がりのせいで、周りの人たちは

 

『彼が一番、ポッターに似ている』

 

 と勘違いしている。

 アルバス自身は、そこまで父と似ているとは思わないし、それが息苦しいまで重く圧し掛かっていた。

 

「僕の両親はスリザリンだった。僕がスリザリンじゃないと、父はがっかりすると思う」

 

 スコーピウスが考えながら話し出す。

 

「でも、僕は僕だ。グリフィンドールでもハッフルパフでも、スコーピウス・マルフォイであることには変わりない。 エリザベスはエリザベスだし、アルバスがアルバスであることには変わらないさ」

「スコーピウス……」

「……あー、ごめん。でも、やっぱり、落ち込むかも」

 

 スコーピウスは苦笑いを浮かべた。

 そんな彼を見て、アルバスも表情を緩めた。

 

「君って、優しいね」

「ありがとう、アルバス」

 

 

 こんな調子で時が流れていく。

 だから、アルバスは汽車にいる時間が好きだった。このまま時が止まればいいのに、とさえ思ってしまったほどだ。

 

 

 しかし、現実は厳しい。

 汽車は駅に着き、新入生はハグリッドと一緒に船で城まで向かう。アルバスはスコーピウスとリザの間に隠れるように、少し頭を低くして船に乗り込もうとしたが、ハグリッドに見つかってしまった。

 

「ん? おお、アルバス。そんなところにいたのか! 元気にしとったか?」 

 

 ハグリッドはアルバスを見つけるや否や、コガネムシのような瞳をきらきら輝かせ、弾んだ声で話しかけてくる。

 

「懐かしいわい。お前の親父さんもこんなちっこい時に船に乗ったんだ」

 

 彼に他意はない。

 純粋な喜びなのは分かるが、そのせいで周りに「アルバス・ポッター」の存在が知れ渡ってしまった。船から身を乗り出して見ようとしたり、隣の子と囁き合ったりしている。アルバスは身体がむず痒くなった。

 

「……あの連中、湖に落としましょうか」

 

 リザが腰に下げた杖に右手を伸ばしながら尋ねてきた。

 アルバスは急いで首を横に振り

 

「いいよ、気にしてないから」

 

 と、すぐに止めさせた。

 リザは杖から手を放したが、どこかぴりぴりした様子で周囲を見渡していた。

 湖から望むホグワーツ城は絶景で心を奪われた。その間は誰もが城に夢中になっていたので良かったが、大広間に入る前、組み分けを待つ間は、これまでの人生で一番苦痛の時間だった。

 

「ほら、あの子、見た? 黒髪の女の子の隣の……」

「ハリー・ポッターと瓜二つだ」

「同じ髪をしてる。眼の色も同じよ」

 

 周囲のざわめきが聞こえてくる。

 その声、一つ一つが重く鉛のようにアルバスの首を絞めつけているように思えた。

 

 もっとも、

  

「そうよ、私のいとこだもの」

 

 ローズが腰に手を当てながら声を上げた一瞬、全員の視線が彼女に向けられた。

 

「ローズ・グレンジャー‐ウィーズリーです。初めまして」

 

 この言葉で、ローズに注意が逸れた。

 同じ一年生たちは全員、ローズの周りに集い、質問したり話に花を咲かせたりしている。ローズはまんざらでもない表情で一人一人に応えていた。

 きっと、まだ「全員を評価して友だちを決める」を実行しているのだろう。

 

「ローズは人気者ですね……」

 

 リザが感心したように呟いていた。

 

「エリザベスだって、両親の名前をあげれば周りに人が寄ってくるさ」

 

 アルバスは少し投げやりな気持ちで答えた。

 

「んー……でも、リザだったらああはなりません」

 

 リザは蒼い瞳を少し細めた。

 

「人は集まりますが、盛り上がりません。ローズはリザとは違い、人を従えるような気配を漂わせていますから」

「そうだね、僕はローズとは違う」

 

 アルバスは人だかりの中心にいる赤毛の少女を眺める。

 いとこ同士だが、性格は全然違う。

 ローズは自分の出自に誇りを抱いている。どことなく、兄のジェームズに近い気がした。二人とも親の偉業を重荷とは思わず、むしろ当然と受け止めている。偉業に恥じないだけの実力がある。先ほどだって、ローズは上級生で習う呪文を使っていた。

 アルバスは、まだ呪文を使ったことがない。

 訂正。使えたことがない。父の杖をこっそり使ったことがあったが、居間を壊して叱られた。

 

「いいえ、アル様の周りに余計な人が集まらないのは違いますよ」

 

 リザが真顔で否定する。

 

「どうして?」

「リザの眼が黒いうちは、不届き者を近づけさせないからです」

「いや、そういうのいいから」

 

「おしゃべりは、そこまでにしたまえ」

 

 アルバスとリザが話していると、上から黒い影が降ってきた。

 顔を上げると、そこには土気色の顔に鉤鼻の男が立っていた。髪は黒くねっとりとしており、肩まである長髪の前髪を左右に分けている。

 

「寮も決まっていない諸君から減点はできない。よって、退学という形の処分をくだすことになるやもしれん」

 

 しん、と静まり返る。

 セブルス・スネイプ副校長に睨まれた新入生たちは、蛙のように縮こまった。アルバスも怖くて小さくなる。ちらっと周囲を見たかぎり、スコーピウスだけがらんらんと目を輝かせ、スネイプ副校長を見上げていた。

 

「ついてきたまえ」

 

 スネイプは漆黒のローブを翻して歩き出した。

 アルバスたち新入生は彼の後に続く。大広間は想像していたよりも狭かった。生徒たちから先生まで、びっしり四つのテーブルに座っているからかもしれない。

 

「入学おめでとう、皆さん」

 

 真ん中に座っている深緑のローブを着た魔女が立ち上がった。

 

「学校長のミネルバ・マクゴナガルです。歓迎の宴の前に、組み分けの儀式が行われます。恐れることはありません。帽子が皆さんに最もふさわしい寮を決めます」

 

 マクゴナガル校長が杖を一振りすると、新入生の前に古びた帽子が現れた。

 スネイプはマクゴナガルから帽子を受け取ると、長いリストに目を落とした。

 

「ポリー・チャップマン」

 

 新入生の中から、ひと際背の高い女の子が颯爽と現れた。ぱっちりとした二重瞼に金髪の美少女は組み分け帽子を被る。

 そして、帽子が叫んだ。

 

「グリフィンドール!」

 

 ポリーは顔を輝かせながら、グリフィンドールのテーブルに加わった。

 このように、帽子が選ぶのだ。それぞれの子が7年間過ごし、指針となる寮の名前を。

 

「ローズ・グレンジャー―ウィーズリー」

 

 スネイプが平坦な声色で名前を呼んだ。

 ローズは自信たっぷりの表情を浮かべていたが、アルバスの傍を通り過ぎるとき

 

「大丈夫、落ち着いて」

 

 と、自分に言い聞かせるように呟いていた。

 そして、ローズの髪に帽子が触れるか触あれないかのところで、帽子がくわっと口を開き

 

「グリフィンドール!!」

 

 と叫んだ。

 ローズは歓声を上げるグリフィンドール生に加わった。

 

「ダンブルドア様、ありがとう!!」

 

 ローズはダンブルドアに祈りを捧げる。

  

 ダンブルドアは神様にも等しい。

 ハリー・ポッターたちに英知を捧げ、不死鳥の騎士団を率いた賢者だ。ヴォルデモートに壊滅的な一撃を与えただけでなく、その前に名を馳せていた極悪人グリンデルバルドを倒したほどの実力者。

 アルバスの名前は彼から来ているが、これも名前負けしてるようで恥ずかしく思っていた。

 

「リザは分かりませんね」

 

 アルバスの耳元に、リザが囁いてきた。

 

「パーシヴァルおじさまは『ダンブルドアは神格化されるほど素晴らしい人ではない』って言ってましたよ」

「グレイブスさんだって、かなり胡散臭いと思うけどね」

 

 アルバスがリザとひそひそ話していたときだった。

 

「エリザベス・ノット」

 

 リザの名前が呼ばれ、彼女は少し早足で帽子に近づいて行った。

 彼女にしては珍しく、少し緊張気味な顔で帽子を被る。

 

「……スリザリン!」

 

 ややあってから、寮が決まった。

 リザは少しほっとしたように肩を落とすと、テーブルの方へ走り出した。

 

「なんだ。エリザベスも不安だったんだ」

 

 まったく気にしてないように振る舞っていたが、やはり両親や義姉のデルフィーニと同じ寮が良かったらしい。

 アルバスは再び、組み分けに集中した。

 スコーピウスが呼ばれて、歩き始めたのだ。スコーピウスは厳しい目付きで、組み分け帽子を被る。

 

「スリザリン!」

 

 スリザリンのテーブルから喝さいが上がる。

 スコーピウスは中途半端に微笑むと、そのテーブルに加わった。

 

「まあ、当然ね」

 

 近くのテーブルから、そんな声が聞こえた。

 声の方を見ると、ポリーがいた。彼女はスコーピウスを小馬鹿にするような目で見ていたが、アルバスが見ていることに気が付くと、にっこりと微笑みかけてくる。アルバスは彼女からいそいそと目を逸らした。

 

 新入生の人数が少しずつ減ってきている。

 アルバスを含め、あと数人しか残っていない。

 

「アルバス・ポッター」

 

 アルバスの名前が呼ばれた。

 騒がしかった空気が、しんっと静まり返る。生徒や先生たちの視線が一身に集まり、アルバスは足がすくみそうになった。

 帽子を持っているセブルス・スネイプの視線も痛い。

 このまま消えてなくなりたい、と思いながら、アルバスは帽子を被った。

 

『ふむ……ポッターの息子か……』

 

 アルバスの脳内で帽子の声が響いた。

 

『難しい、非常に難しい……。

 勇気もある。頭も悪くない。才能もある。さて、どこの寮へ入れたものか……』

 

 アルバスは帽子の声を聞きながら、首を横に振る。

 僕はそんな大したものではありません、ポッター家の落ちこぼれです、と。 

 

『父と比べられるのが嫌なのかね?

 君には御父上から受け継いだ大きな才能がある。恥じることではなく、誇るべきことなのだ。だが、そうだな……間違いなく偉大なる道が開ける寮があると知ったら……その寮を選ぶかね?』

 

 帽子が囁いてくる。

 アルバスは少し悩んで首を縦に振った。

 こんな僕でも少しでも偉大な父のようになれるのであれば、その寮に進みたいと。

 

 すると、帽子は口を大きく開いた。

 

「スリザリン!」

 

 瞬間。

 静寂が重くなった。

 完璧な、深い静けさだ。沈黙は重く、わずかに捻じれ、痛みを内包している。

 

「スリザリン?」

「ポッター家の子が? スリザリンに?」

 

 だがやがて、囁き声がさざ波のように広がっていく。

 アルバスはどうしていいのか分からず、落ち着かない顔であたりを見た。

 

「スリザリンに行きたまえ、ポッター」

 

 スネイプが声をかけてくる。

 おそるおそる顔を上げたが、のっぺりとした表情から何も読み取れない。アルバスは、この場から逃げるようにスリザリンのテーブルへ駆けだした。

 

「アル様、こっちです!」

「ここに来て、アルバス!」

 

 リザとスコーピウスが嬉しそうに笑いながら、手を大きく振ってくる。

 

「あ、ああ、うん」

 

 アルバスはリザの前、つまり、スコーピウスの隣に座った。

 そこから一瞬遅れて、スリザリンのテーブルが歓迎ムードに包まれる。アルバスは困惑しながら、周囲に笑いかける。

 

「アルバス? 何かの間違いよ、アルバス! そんなはずないわ!」

 

 ローズの悲鳴が一瞬、聞こえたような気がした。

 だけど、それはスネイプの次の生徒を呼ぶ声でかき消されてしまう。スネイプが何事もなかったかのように進行してくれたから、アルバスは安心した。

 

「アルバス、心配いらないさ」

 

 上級生たちが物珍しそうな目を向けてくる中、スコーピウスが背中を叩いてきた。

 

「スリザリンは、スネイプ副校長が寮監だよ。大船に乗ったつもりで過ごしたらいいんじゃないか?」

「でも……スネイプ先生は、父さんのことを……」

「意地悪をしていた。それは本当さ。本にも書いてある。でも、さすがに息子にまでそれを引き継ぐことには……ならないんじゃないかな、たぶん」

「スネイプ先生のことについて、ジェームズから聞かされていないのですか?」

 

 リザが投げかけてきた。

 アルバスはポークチョップをつまみながら、少し悩みこんだ。

 

「魔法薬の授業で、減点されない日はないって。見かけた途端、すぐに難癖付けて減点してくるから大っ嫌いな先生って」

「……それは、ジェームズの容姿と名前が原因なのでは?」

 

 リザの答えに、アルバスは苦笑いをした。

 

 セブルス・スネイプがアルバスの祖父を憎んでいたことは、すでに周知の事実だ。

 父が彼に授業のたびに虐められていたのは、それが起因しているらしい。

 

「いいや。きっと、僕もそうさ」

「それはないですって。デルフィー姉さんは言ってましたよ。なにかとスリザリン贔屓だって」

「デルフィーだからだよ。僕は……君の義姉さんほど優秀じゃない」

「まあまあ、二人ともそこまでにして。余計なことは考えない。明日一番の授業は『飛行訓練』だよ。杖はいらない。何も気に病むことはない」

 

 スコーピウスが配られたばかりの時間割を提示する。

 それを見て、アルバスは一段と胃が重くなった。

 

「僕、箒に乗ったことがないんだ」

「えっ?」

 

 スコーピウスが目を丸くする。

 

「君のお母さんはホリヘッド・ハーピーズの選手だろ?」

「だった、だよ。今は日刊預言者新聞のスポーツ面の特派員」

 

 アルバスの表情が暗くなった。

 それを見て、リザは肩をすくめる。

 

「リザが聞いた話では、ポッター家では箒の使用が禁止されているそうです。危ないからって」

「シリウスおじさんが、ジェームズの1歳の誕生日に箒を贈ってくれたらしいんだ」

 

 アルバスはスープを匙でかき混ぜながら話し始めた。

 

「だけど、ジェームズが近所の猫とかピグミーパブをひき殺しかけたみたいで……父さんとシリウスおじさんは面白がったんだけど、母さんが激怒してさ。『箒はホグワーツに入学するまで禁止です! 入学してからでも、十分、クィディッチはできます!』ってね」

「うわっー……」

「だから、ジェームズは去年、おじさんから新しく貰った箒でたくさん練習したらしいんだ。それで、すぐにグリフィンドールのクィディッチチームに入団したんだって。休みの間、ずっと喜んでいたよ。父さんや母さんと同じ、シーカーになったって」

 

 アルバスはグリフィンドールのテーブルに目を向ける。

 ジェームズがローズと話し込んでいる姿が見えた。ローズは背中だけしか見えないが、ジェームズはアルバスが見ていることに気付くと、一瞬、辛そうな顔になったが、すぐに目を逸らした。

 いつもの通り悪戯っぽく笑いかえされたり、冗談を言われたりする方が、ずっとマシなのに。

 

 アルバスの心が再び落ちていく。

 

「ということなので、アル様は箒を持ったことがありません。だから、まだまだ可能性があるってことです」

 

 リザがさらっと言葉をかけてきた。

 

「ジェームズより才能があるかもしれませんよ?」

「……そうかな」

「エリザベスの言う通り、アルバスは気にしすぎだよ。ほら、糖蜜パイがあるよ。食べる?」

「……ありがとう」

 

 アルバスはスコーピウスから糖蜜パイを受け取りながら、少し気持ちが楽になっていく気がした。

 

 

 箒で空を飛ぶのは、アルバスの夢だった。

 たしかに、魔法は上手くできないし、ジェームズと比べて何もかも劣っている落ちこぼれだけど、箒で飛ぶくらいは父の才能を受け継いでいるのではないか?

 それに、組み分け帽子も言っていたではないか。「君には才能がある」と。

 

 

 糖蜜パイを食べながら、明日の授業に思いを馳せる。

 

 

 風を切って自由に大空を飛ぶことができれば、それは、なんて気持ちの良いことなのだろうか――……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ついに次の日。

 一時間目が「飛行訓練」だった。

 グリフィンドールとの合同で、アルバスたちが校庭に入ると、ローズが近づいてきた。

 

「アルバス。もう一度、組み分けを頼んだらどう?」

「ローズ。組み分けは覆せないよ」

「貴方、そういうところが駄目なのよ。授業後、一緒にマクゴナガル先生の所へ行きましょう。きっと、やり直してくれるわ」

「だけど……」

 

 アルバスがローズの言葉に圧されていると、

 

「私の親友。彼が遠慮しているのだから、放っておけばいいのよ」

 

 ポリー・チャップマンが彼女の肩を叩いた。

 

「彼はスリザリン。私たちはグリフィンドール。決まったことですもの。ほら、行きましょう」

「ポリー……ええ、そうね。行きましょう」

 

 ローズはポリーと一緒に、グリフィンドールの生徒たちへ交ざっていった。

 不思議と、悲しい気持ちにはならなかった。

 

「ああ、彼女って優しいな」

 

 アルバスの隣で、スコーピウスが声を上げた。

 

「ローズ……本当に人がいいね」

「そうかな?」

 

 アルバスが首を傾けていると、フーチ先生が風を肩を切りながら歩いてきた。

 

「全員、箒の横に並ぶ! もたもたしない!」

 

 フーチ先生の檄で、アルバスたちは急いで箒の横に並んだ。

 

「箒の上に手を出して! 『上がれ』と言いなさい」

「「「上がれ!」」」

 

 誰よりも先に、ローズの箒が上がった。

 それよりも半歩遅く、リザの箒も上がる。

 アルバスの箒は動かなかった。

 

「さあ、怠け者には用がありません。『上がれ』と言いなさい。『上がれ』と本気で!」

「「「上がれ」」」

 

 今度は、ほとんどの生徒の箒が上がった。

 スコーピウスやポリーの箒も上がっている。アルバスは焦った。

 

「上がれ! 上がれってば!」

 

 箒は動かない。

 ぴくりともしない。アルバスは幾度となく叫んだが、まったくもって音沙汰がない。アルバスは打ちひしがれて箒を見下した。

 クラス中から忍び笑いが聞こえてくる。

 

「ふふ、マーリンの髭。なんて、恥さらし! 父親とまるで違うじゃない?」

「くすくす、アルバス・ポッターはスリザリンのスクイブだ」

「『サーペンソーティア―蛇よ出よ』」

 

 瞬間、ばんっと大きな音が鳴った。

 

「人が言われて嫌なことを言ってはいけないって、親から習ってこなかったんですか!?」

 

 リザが杖を引き抜いていた。

 ポリーとグリフィンドールの男の子が怯えたように尻もちをついている。彼らの前には一匹のヘビが蠢いていた。

 

『首をあげろ』

 

 リザがシューシューと呟く。 

 すると、蛇が首を上げて、リザと一緒に威嚇するように二人を睨み付けた。リザの青い瞳の奥に、ちらちらと赤い色が混じっている。

 

「ノット、やめなさい」

 

 しかし、この睨み合いは長く続かなかった。

 フーチ先生が間に割って入る。軽く杖を振って蛇を消失させると、鷹のような目でリザを一瞥する。

 

「勝手に呪文を使わない。スリザリンから2点減点! ほら、貴方たちもぼさっとしていない。授業を再開します。さあ、飛んでみますよ」

「ですが、先生! あの人たちは――……」

「まずは授業優先です。さあ、箒に跨って握りなさい」

 

 フーチ先生は強い口調で言い放った。

 リザは悔しそうに唇を噛みしめると、力強く箒を握る。アルバスは彼女の姿を横目で見ながら、地面に転がった箒を拾った。

 

「私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください」

 

 アルバスはその声を聞いて、ぐっと腹が捩れるように気持ち悪くなった。

 

 また、置いて行かれる。

 また、後ろ指をさされる。

 また、女の子に庇われる。

 

「笛を吹いたらですよ、一、二の――……」

 

 アルバスは思いっきり蹴った。

 だけど、緊張するや怖気づくやの気持ちがごったまぜになり、先生の唇が笛に触れる前に、思いっきり地面を蹴ってしまったのだ。

 

 その後は、凄かった。

 アルバスはシャンパンのコルク栓が抜けたかのように、ばびゅーんと城の三角に尖った屋根まで飛ばされた。箒を持つ指からも血の気が失せて、感覚が消えていく。けれど、ここで指を離したら、絶対に死ぬ。

 アルバスは必死になって箒にしがみついた。地上に戻りたい、その一心を願ったら、今度は箒が地面へ急速に落ち始めたのだ。

 

 真っ逆さまに落ちていく。

 ずっと昔、両親に連れて行ってもらったマグルの遊園地の遊具「ジェットコースター」みたいに。あの時も心臓が縮む思いだったが、安全バーが身体を固定してくれたし、コースターは定められた線路の上を走っていた。

 

 今回は、その両方がない。

 

「―――ッ!!」

 

 アルバスは声にならない悲鳴を上げた。

 

 地面が近づく。

 そして、草が見極められるほど近くまで接近したとき、アルバスは四肢が粉々になるような衝撃を感じた。周囲が暗転し、視界が黒ずみ、誰かが駆け寄ってくる音が遠くから聞こえる。

 

 そして――………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、目が覚めたのですね」

 

 消毒液の臭いと一緒に、花のような甘い香りがする。

 アルバスは瞬きをした。すると、穏やかな眼差しがアルバスを覗き込んでいた。

 

「フーチ先生から、箒で10メートル落下したと聞きました。骨が折れていましたので、僭越ながら貴方が眠っている間に治させていただきましたわ」

「はあ、ありがと――っ、うございます!」 

 

 アルバスは答えようと彼女を見上げ、すぐに視線を逸らした。

 距離が、物凄く近い。

 リザやローズがこのくらいの距離にいても(たぶん)何とも思わないが、今回ばかりは違った。しなだれかかっている女性の重みが肉感的で、正常の思考が追い付きそうにない。顔が真っ赤に茹で上がるのを感じる。

 

「元気になられてよかったです。入学後、わずか1日も経たずに医務室の世話になる生徒がいるとは驚きでしたが、こうして初日から知りえたのも何かの縁。これからよろしくお願いしますね」

 

 どこか夢をみるような声で言いながら、女性はようやく身体を退けてくれた。

 ここで初めて、女性の全身を見る。煽情的な身体つきであることも眼を惹いたが、なにより物珍しかったのは服装だ。修道女のように黒い服を纏い、頭は白い布を巻き付けている。

 

「えっと、貴方は……?」

「ああ、申し遅れました」

 

 女性はジニー・ポッターよりも豊満な胸に小さな手を添えると、少し屈みこんで嫋やかに名を告げた。

 

「私、マダム・ポンフリーの助手、キアラと申します」

「キアラさん?」

 

 アルバスは耳に馴染まない名前を口にしながら、ふと、デルフィーニに言われた言葉を思い出す。

 

「もしかして……デルフィーの知り合いですか?」

「ええ、もちろん。彼女は私の後輩ですから」

 

 キアラはふふっと清楚に微笑んだ。

 

「ですが、もしかしたら、私が彼女の後輩になる可能性もあったのですよ。私は14歳の時にイギリス人の魔法使いに引き取られて、ホグワーツに編入しました。マクゴナガル先生は『学校に通ったことがないなら、1年生に編入しますか?』と優しくおっしゃってくださいましたが、年齢通りの学年に入らせていただいたのです。1年生に編入していたら、貴方たちの上級生であり、デルフィーニさんの後輩になっていました」

「キアラ。患者とおしゃべりばかりしない! カルテの整理が残ってますよ」

 

 医務室の奥の部屋から叱責が飛ぶ。

 

「マダム、申し訳ありません。すぐ戻ります。それでは、アルバス。ゆっくり休んでくださいね――……きゃっ」

 

 キアラは立ち去ろうとしたとき、ヒールが少しずれて倒れ込んだ。

 具体的には、アルバスの真上に。

 

「――ッ!?」

 

 アルバスは、こんらんした。

 

 物凄いインパクトに思考が乱れる。

 息が、苦しい。

 マシュマロで顔面を圧迫されているような感覚から逃れるため、身体を押しのけようとするのだが、アルバスの指は相手の柔らかい肢体に溶け込んでしまう。

 

「ああっ、女性のそのようなところに、手を触れるなんてっ……」

 

 上で、誰かが、なにか言ってる。

 だけど、それよりも、まずは凶悪な障害物を退けないと、息が苦しい。

 押せば押すたび、瑞々しい肉の弾みが返ってくる。それでいて重さを支えた指先は衣服から離れず、むしろ、癒着するように食い込んでいく――……。

 

 

 そんな、時だった。

 

「アル様、お怪我は大丈夫ですか? ご安心を、薬草学のノートは――っ!?」

 

 とっても聞き覚えのある声が、アルバスの耳に飛び込んでくる。

 ここでようやく、キアラの強烈な身体が退けられた。

 

「ごめんなさい、アルバス。私、うっかりしていまして……でも、貴方にあんな激しい一面があったなんて……」

 

 キアラは、ぽっと頬を朱に染めて顔を背ける。 

 そんな助手の仕草を見て、入り口にいたスコーピウスは生暖かい眼をしていた。

 

「アルバス……君って意外に積極的だったんだね」

「ち、違う! 誤解だよ、スコーピウス! リザも勘違いしないで……リザ?」

 

 こんなとき、うるさく騒ぎ立てそうな娘は固まっていた。

 リザは何か言おうとして口を開け、しかし押し黙るように口を閉ざし、また口を開けてと、わなわな震えている。顔に全身の熱が集まったかのように茹で上がり、形の良い耳まで真っ赤に染まっていた。

 

「リザ……大丈夫?」

 

 アルバスがそっと尋ねると、彼女は声を絞り出した。

 

 

「な、な、なんて、はしたないことを! 不潔! そう、不潔です――ッ!」

 

 

 

 これがホグワーツ初日。

 そして、アルバス・セブルス・ポッターの始まりの物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 




原作からの大きな変更点&独自解釈
〇スネイプ副校長
呪いの子を読む限り、ホグワーツ校長職を辞して一般教員に戻っているようだったので、生き残った男は「魔法薬学」の先生に戻りました。
ただ、他に人がいないということで「副校長」の職に就いています。

〇ハグリッド
呪いの子を読む限り、1年生を城まで案内していませんでしたが、7巻の最後に「ハグリッドのお茶の約束を忘れるな」と書いてあったので、これまで通り、1年生の案内係にしました。


〇ポリー・チャップマン
アルバスたちと同学年の女の子。
「呪いの子」を読む限りだと、かなりの美少女でグリフィンドール生。
原作だとローズの人間関係がまったく出てこなかったので、たぶん同室の彼女と行動を共にさせました。


〇殺生院キアラ
型月屈指のR18。
本作ではR12くらいに引き下げ……られてる、のかな?
19年後で名前がさらっと出したとき、気にしている人も多かったのですが、セラフィックスに就職した時空と辿った道のりが近いです。
14歳の時にイギリス人癒者によって病を治療されて下山。そのままイギリスへ渡り、ホグワーツへ入学ルートです。




次回もよろしくお願いします。






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