コードギアス 反逆のルルーシュ Request C.C.   作:グリムゼン

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お付き合いいただければ幸いです。


第五十五話 芽吹く信頼 腐れる悪意

シャーリーからの通信がハウリングを起こした・・・

というか、ヴェパールが揺れたよ、物理的に。

 

『えっ!ルルって王子様だったの?私っ!ずっとルルって!皇族にあんなに親しく!?

ちょっと待ってナナちゃんも皇族ってこと!お姫様っ!?嘘っ!?ホントッ!?

というか、なんでC.C.さん教えてくれなかったんですか!ホテルのレストランの時に!

言えたはずですよね!明らかに知ってる感じですもん!』

「落ち着けシャーリー」

『落ち着きたいけど、落ち着けないですよっ!ランペルージじゃなかったの!?

ヴィ・ブリタニアって間違いなく皇族ですよね!?ユーフェミア様もそう言ってるし、

そのうえなんでこの場所にユーフェミア様がいるの!?式根島にいるんじゃなかった!?』

「落ち着けと言っているだろう!」

『ふぇっ!?』

 

全く、チョウフの時に立派に努め上げたあのシャーリーはどこへ行ったんだ・・・

 

「とりあえず落ち着け。まずは感情を冷やせ」

『でも、でも・・・』

「気持ちはわかる、私だってそういう経験はある。だがいざ相手に話したとしてそれで態度が変わったら、相手は傷つくぞ?お前はそういう経験はないのか気まずくなったとか」

『・・・あります』

「なら、今はそういうことだと思っていることだ。その方が楽だぞ」

「でもC.C.、それでも難しかったらどうすればいいの?」

 

おっと、珍しいなリートがこの手の話題に入ってくるとは・・・

いや、それもそうか。

こいつは私以外の存在をこの時代に来るまでほぼ知らない。

かつての教会にいた時も覚えはあるだろうかその時は子供

実感できないのが普通だ。無理もない。

なら・・・

 

「そういう時は、発散するのが大事だ。うまい食事、気兼ねなく買い物。遊園地で遊ぶでもいい。

とにかく一時でもそれを自分から忘れてやるのが大切だ。

そのことそのことをずっと思い続けていればいずれにしても自分が壊れる。リートだったら、どうする?」

「そうだな~、C.C.と何かすればきっと大丈夫かな?」

「なっ・・・」

 

・・・こいつは、たまに本当に不意打ちでこういうことを言ってくれるからますます好きになる。

複座型はこういう時躊躇いなく背中から抱きしめてやれないのが非常に悔やまれる!

段差もある上に、正面にコンパネがある以上、どけないといけないじゃないか!

これだとよけた時にリートの背中にのしかかってしまう!

・・・いや、リートだったら問題なく抱きしめてくれるだろうが・・・

・・・・・・・・・お姫様抱っこになったりしないか。

・・・・・・・・・不可抗力でもなく本当に・・・

・・・・・・・・・二人っきりのナイトメアの中で・・・

 

・・・私でもTPOはわきまえるぞ、さすがに・・・多分・・・おそらく・・・万が一

 

『・・・わかりました、今度ルルにお詫びしてもらいますっ!』

「んっ!?あ、ああ、責任転嫁か、なるほど、なるほど。まぁ大丈夫だろう」

『それで、二人を見てるのもいいけど、助けなくていいのC.C.?』

 

・・・すまんマオ、私の意識が接続を切っていたCの世界に行ってしまう所だった。

 

「今は助ける必要はない。まぁ一日ぐらいあいつでも問題ないだろう」

「僕たちもビバークでもする?」

「いいや、私たちのナイトメアなら一旦租界に戻っても問題はない。明日早朝にこちらに戻ってくるとしよう」

 

元々、黒の騎士団の援護で一日来たわけだ。

こちらの食料の有無は向こうは考慮しているはずもない。

それに、シャーリーの発散もかねてホテルで食事といこう。

自分でいうのもなんだが、本当に私たちは異端だな。

 

 

私たちはそこからホテルに戻って食事をした。

C.C.さんに色々言われたけどやっぱりやりきれないのが本音。

だから、いつもよりおいしいものをたくさん食べちゃったのは仕方ないと思う。

でもホテルの人に悪いけど、個人的にはリート君のお弁当のほうがおいしかったなぁ。

食べてる最中に太るぞなんて言われちゃったから太らないので大丈夫ですって

言い返したら、お前もかみたいな顔でうなずかれた。

やっぱりC.C.さん太らないんだ・・・複雑

 

翌日僕たちはみんなのナイトメアフレームに乗って神根島に向かった。

遊覧飛行はこの前C.C.と一緒にやったけど、今度もC.C.はやってくれるかな?

でも、不思議だ。前にはこんな感覚味わったことなんてなかったのに。

自分本位、つい最近読んだ小説にそんなことが書いてあった。

C.C.に聞いてみたら、苦い顔をしてパソコンを開いてその意味を調べてくれた。

そのあと僕が言った言葉はごめんだった。いや、本当にごめんねC.C.

 

さて、神根島についた、

遺跡頂上に近づいているな

あの時はルルーシュから少し聞いているがユーフェミアとゼロ、枢木とカレンが共に行動していたはず

だが、カレンはすでに黒の騎士団が回収している

身元はバレずに済んだが、代わりにゼロの護衛がいなくなったわけだ。

なら、こちらが打つ手は、

 

「シャーリー、おそらくもうしばらくでゼロが来る。マップデータには

サザーランドがいくつかいるはずだ。それを叩け」

『わかりました・・・あのぉ、ルルの事なんですけど』

「学園に戻ってそれとなく当人に聞いたらどうだ?お前ならそれほど問題ないと思うが、

顔を合わせづらいのなら、ゼロの援護が終わった後通信で聞け」

『はい』

「それとも、二人っきりにした方がいいか?」

『えっ?それってどういう?』

「どうもなにも、今回私とリート、マオの通信を無しでやってみろってことさ」

『・・・はいっ!?』

「厳しいことを言うようだが、私たちはおおよそ外れたことをしている。

チョウフでは私たちの手の届く範囲で戦闘をしてもらったが、今後誰の手も借りず単独でナイトメアを駆ることがあるかもしれん。そうなったときの訓練にはちょうどいいと思ってな?」

 

ガウェインの起動はしているけど、妨害は極端な話、ヴェパールだけで十分かもしれない。

ゲフィオンディスターバー自体、サクラダイトに干渉する機械だ。

辺りのサザーランドは第五世代以下のナイトメア、動かなくなるのは必然だ。

C.C.はそのあたりを、考えて・・・いや、これは実践試験ってところかな?

シャーリー自身がそれに気づけるかどうかの

 

『・・・わかりました。やらせてください』

「やってくれるか?」

『もちろんです!』

 

ヴェパールさんにも頼りすぎているのは、私自身も感じていたことだ。

スパルタしてくれたことにも感謝しないと。

戦闘って言っても役割があるんだよね。

私、ううん、私たちの役割は、敵ナイトメアの制圧。

この前の白兜・ランスロットって言ったっけ、その時の制圧と一緒に考えればいい。

良し、今回は私一人で!

 

「スザク!」

「えっ!?ユーフェミア様!」

「動くな、枢木スザク、彼女はわが手中にある」

 

スザク君も・・・この島にいたんだ。C.C.さんたちは気づいてたのかな。

ゼロ、ルルがユーフェミア様を捕まえた。

広域望遠ができるからわかるけど、手の捕まえ方がちょっと紳士的だ。

やっぱり、そういう意味で仲がいいのかなぁ。

 

「ゼロ、貴様!」

「卑怯だとのたまうつもりなら止めておけ、如何な犠牲を払うのを是とするブリタニアの

皇女一人、我が覇道の前には障害にすらならんぞ」

「くそっ!」

 

 

 

         見つけた

 

 

 

 

あっ!今、落盤事故!?

いけない、下に回らないと!

 

なるほど、私はこの場にいなかったが、そうやったのかV.V.

ルルーシュを見つけることと、枢木の記憶を透かしてみせたのか

一挙両得というわけか、小賢しいまねをするものだ。

 

「C.C.」

「ああ」

『あれって』

「ギアスの、Cの世界の扉だ」

 

そういえばマオはあの扉を見るのは初めてか。

バトレー・・・なるほど、ガウェインがこの場にいたのは、

解析をするためか、無意味なことを。響団でなければあれの真の使い方はわからんからな。

 

「バカ者、ユーフェミア様もおられるのだ当たったらどうする確保するのだ!」

『そうはさせない!』

 

洞窟の中に入った!

今まさに、洞窟内にサザーランドは一体!これなら!

レバーを引いてトリガー!ゲフィオンショックをサザーランドに当てる。

対応ができていなかったみたい、これで対応できるのは兵士さんたちだけ。

 

『ゼロ!今のうちに!』

「わかった、そのナイトメアを奪取する!」

『援護する!』

 

兵士さんたちが高台に上ってくる。だけど、ヴェパールさんは硬さが取り柄!

腕を伸ばしてルルを守る。

はじいた弾が自分たちのところに戻ってくる。一瞬ユーフェミア様の方に弾がいったせいで、撃ち方が止まった。

でも、変だ。ユーフェミア様はスザク君を心配してるけど、スザク君まるで反応がない。

焦点が合ってないっていうか、上の空っていうのか。

 

『ゼロ!』

「脱出するぞ、援護を頼む!」

『はい!』

 

ナイトメアの起動はしていたみたい。

私が先陣を切る、後ろにはルル。えっと・・・王子様とお姫様だったら普通逆じゃないかな?

相手は・・・サザーランド・・・なら!

ゲフィオンディスターバーだよね!

 

「なに!?敵のナイトメアが」

『私がやった、跳ね飛ばすだけで倒れてくれる』

 

ヴェパールさんにはちょっと悪いけど、壁になっているサザーランドに思い切り機体をぶつけた。

そして改めて確信した。チョウフの時、ランスロットに乗っかられたときは少し揺れたけど、

ぶつかりにいっただけだとほっとんど揺れない。

頑丈さが取り柄の私の相棒、やっぱりやっぱりすごい!

 

「新手が来たが、こいつは飛べるな!そっちは!」

『大丈夫!』

 

私たちはそのまま空を飛んだ

ナイトメアが空を飛ぶのって普通だと思ってた。ルルの喜び様がなんとなくそう思わせた。

リート君達のナイトメアは言ってたけど異端なんだねぇ。

あ、そうだ。

 

『ルル?』

「リーシャ・・・いやシャーリー、ありがとう助かった」

『ううん、お礼ならヴィエルさんたちに言って?私はただ手助けしただけだから』

「それでも、ありがとう」

『ふふふ、どういたしまして。あ、そ、それでねルル。ちょっと聞きたいことあるんだけど』

「なんだい、聞きたいことって」

『・・・ルルって、王子様、なの?』

「!それは・・・」

『ううん、いいよそれでなんとなくわかったから。そっかナナちゃんも、なんだね』

「ああ、言ったら、学園でいろいろ厄介なことになりそうで」

『ゼロにもなって厄介な事?むしろ王子様でブリタニアに反旗っていう時点で十分厄介事でしょ?』

「それもそうだな」

『改めて聞くけど、ゼロになったのって、ナナちゃんのため?それとも自分のため?』

「両方の他に、いろいろある。それでも俺は前に進みたい」

『いつか、きっと、しっかり話してくれる時までは、私は聞かないよ』

「ありがとうシャーリー」

『さてと、ゼロは黒の騎士団に戻らないと!私もヴィエルさん達と合流しなきゃ』

「助けてもらっていて何なんだが、そちらはどうなんだ?」

『別に~、寮生活は不自由ないし、ナイトメアの練習もそれほど・・・ちょっと厳しめかな。

でもそれは私を守るための裏返しになってるってわかってるから気にしてない」

「そうか・・・」

『心配した?』

「少しは・・・だが、これからはもっとリーシャを頼らせてもらおう」

『了解した、ゼロ♪』

 

――――――――――つながりは相変わらずだけど、ルルーシュの反応がイマイチね

          C.C.ったら、何をしているのかしら

          まぁでもV.V.がしてくれたことに関してはしっかりお礼をしてあげないと

          出て行って・・・私から・・・

          あら?いけないこだこと、抵抗されてもかなわないから、

          少しお灸をすえてあげましょうか

          あなた、また会えるわ




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