コードギアス 反逆のルルーシュ Request C.C. 作:グリムゼン
「結構長い時間歩いてるけど、どこに行こうとしてるのC.C.」
「ついたら、説明するさ」
「過去を壊すのだって、どうやるのさ?過去を変えるって言ったって、別にこの世界の歴史を消すわけじゃないんでしょ?」
「まぁな。なぁ、リート。私が何をしようとしてるかわかるか?」
「少しだけなら、ね。ギアスをあの時僕にくれたって事は、そういうことなんでしょ?」
「ほう、察しがいいじゃないか。頭のまわる子は好きだぞ」
「ルルーシュの方が頭はいいんじゃないの?」
「知らん。あんなの裏から見ていればすぐに気づく」
僕たちは、ずっと歩いていた。
C.C.は目的地をまだ、教えてくれてないんだ。
ギアスがどういうのかも。
力とは言ってくれた。
契約とも言ってくれた。
孤独になるとも言った。
だけど、私が共犯者だと言ってくれた。
それは、きっと嘘じゃないと僕は思う。
「なるほどね。逆に言えばそれは真正面から見れば、分かり辛いって事ね」
「なっ、それはあいつがひねくれ者だからな・・・」
「はいはい、それだけルルーシュを信頼してるのはよく分かったよ」
「お前!言うに事欠いてそんなことを言うか!」
C.C.と長い間過ごしてきて、いわゆるツンデレって言う事がわかってきた。
話しててルルーシュには結構ツンケンしてくるんだ。
まぁ、それだけルルーシュと長い時間いたんだろうけどね。
でも、僕にはそう言う事はしてこないんだ。
親・・・がわりなのかな?
「まぁいい。このまま言っても水掛け論だ、やめにするぞ」
「分かったよ」
「でもまぁそうだな、歩きながらその事について話そうか」
「お前にギアスを与えたのは、前に言った通り過去を変え壊すためだ。
ギアスはその人間の心からの願いによって発現するものだ。ルルーシュには、絶対遵守の力。だがそれは思い通りにならない世界を思い通りにしたいという願いから来たものだ。マオは、人の心が知りたいから人の思考を読み取る力になった」
「それが、僕のギアスと何の関係があるのさ」
「一番初めに会ったとき、お前は言ったな。【前まではよかったのに】と。
この言葉を聞いたときに、お前の根底が分かったんだ。
おそらく、お前の発現するギアスは、
【時空を移動するギアス】
だとな」
「へっ!?ちょっと待って、それじゃ何。今ここで僕がギアスを使ったら、
過去にタイムスリップしちゃうってこと!?」
「まぁ、おおむねそう言う事だ。どうした?カラスがフレイヤを落とされたような顔をして」
「・・・だって、小説とか物語とかの話でしょ!?」
「お前も、やはり驚くんだな。ギアスの話をかなり聞いてきているはずなのに、実感は湧かんか。まぁ、無理はない」
「じゃあ、このギアスを使って過去を変えるってことなんだよね?」
「順応が速いな、まぁそう言う事だ。だがまだ足りない。お前だけでは、まだな」
この時、僕は違和感を感じた。
「ねぇ、C.C.今僕だけが過去に行くって言う風に聞こえたんだけど」
「ん?ああ、そう聞こえたか。その通りだ。私は過去には行けない」
「どうして!」
「私にはコードがある事は前に話したな?ギアスは私にはきかないと。それ故に、私はお前のギアスで過去には行けないんだ。」
「そんな・・・」
「大丈夫だ。お前はこっちに帰ってこれるんだ。そうだろ?リート」
「・・・うん」
その後の話は、少し聞いてなかった。
てっきり、C.C.も一緒に行くものだと思ってた。
私と一緒に過去を変えるのってギアスを与えるだけだったの?
急に不安になった。なんでだろうと思うまでもなかった。
「・・・僕はC.C.に依存してただけだったんだ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・ト」
「・・・・リート」
「おい!リート!!」
「!?」
「どうした?さっきからボーっとして」
「えっ・・・ううん、何でもない」
「それは、そうと着いたぞ」
「え?」
「ここが、目的地。ギアス嚮団跡地だ」
さっきから、ボーっとしてどうしたんだリート。
そんな様子じゃ、送り出せてやれないじゃないか。
リートに責任を押し付ける形にはなるが、仕方ない・・・
私は、ギアスで過去には行けないんだ・・・
いや・・・
「懐かしいな・・・チッ、皆殺しの跡がまだ残っているか」
「じゃあ、このあたりの血って・・・」
「そうだ、ここにいた・・・かつての同胞だ」
「・・・うん・・・・そういえばC.C.さっき僕だけだと足りないって言ってたけど、
あれってなんだったの。ここに来た理由はそれなんでしょ?」
「そうだな。もう引き返せないからな、話そう。このギアス嚮団に入っていたのは覚えてるな?」
「自分でお飾りの嚮主になったっていうあの話でしょ?」
「そうだ。だがな、私もお飾りでいるのにも限界が来た時期があってな。身の世話をさせていた。奴に、一世一代の大博打をしたんだ。そいつにギアスを託したんだよ。願いは、暇つぶしに付き合ってくれだったかな」
「それも、結構いい加減な理由だよね」
「だが、そいつのおかげで今ここに来る理由ができた。そいつは兵器のことを語りたがる兵器オタクでな。まぁ、その話は置いておこう。発現したギアスは【動き続けるギアス】だった」
「ん・・・いまいちどういう能力か読めないんだけど」
「命じたことを、その寿命が尽きるまでさせ続けると言った方が早いか?」
「ええっ!?でも、それってルルーシュのギアスより強いんじゃないの?」
「違うな。やつのギアスの対象は無機物限定だ。それで私自ら許可を出して常に進化する兵器を作ってくれと言ったんだ。だが、その場所は私とそいつしか入れない場所でな。黒の騎士団も嚮団も見つけることはできなかったようだがな」
ジークフリードを作っている最中に、それ以上のナイトメアがあったらV.V.も
そっちに飛びついただろうがな もっともゼロレクイエムをする時、
私はルルーシュが勝手に用意した、ランスロット・フロンティアを
使わざるを得なかったのは感謝しておいてやろう。
おかげで、そのナイトメアの存在を世に出さなくて済んだ。
「ここだ」
「えっ・・・ここ、牢屋だよ?!」
「かつては、コーネリアが囚われていた場所と聞いた。まさか、牢屋の中に最新鋭の格納庫があるとは誰も思うまい。行くぞ」
(C.C.のからかい好きってここから始まったのかな・・・)
昔と変わらずここは暗いな
フレイヤがここに落ちない限り、おそらく壊れん場所だからな
着いたか・・・
そこには、灰色の異形が存在していた
見ていて一発で覚えられそうな外見でないなこれは
「こ、これって・・・ナイトメア?」
「おそらくそうだろうな、だが、まだアームが動いているか・・・あいつの執念はギアス以上か。いい置き土産を残してくれた」
「コンソールにスペックデータが載ってるけど、これ異常だよ?」
「どれどれ・・・」
形式番号 分類
no code 第十五世代ナイトメアフレーム
所属 生産者
no 非表示
生産形態 全高
専用機 7.51m
全備重量
20.6t
推進機関
ランドスピナー 二連
エナジーウイング 二対 (紅蓮聖天八極式仕様 ランスロット・アルビオン仕様)
武装
3900年3月18日現在全ナイトメアフレーム兵装
スラッシュハーケン ×16
特殊装備
ブレイズルミナス改良型
ステルスシステム
流体肩 ネビロス
乗員人数
2人
「既存のナイトメアフレームって、今までの全部!?しかも第十五世代って聞いたことないよ!?」
「あくまで、相当といったところだろう。あの時代は第9世代が最高ランクだったから、おそらく向かうところ敵なしか」
実際に見てみると、あいつがどれだけがんばったのかがよく分かる
私のためにとは言うが、あいつの趣味も多分に入っているだろう
だが、それでいい いや、そうでなければ
つぎはぎのナイトメアフレーム
「ねぇC.C.突然なんだけど、ちょっと考えたんだけどさ」
「なんだ?」
「このナイトメア、複座型だよね」
「そうだな、それがどうかしたか?」
「僕のギアスって、どういう感じなのかな」
「ギアスのスペックか?まぁ、教えてやってもいいが聞きたいか?」
「うん、これからの事が決まるからね」
「いいだろう。本当は教えないんだからな、特別だぞ。お前のギアスは、回数制限がある。ただ、時間移動の時何百年戻ろうが、回数は一回だ。回数はお前の生きた日数になる。今15歳だから、5500回って所か」
「そんなに!?」
「まぁ、使いすぎると痛い目を見ることになる。その代償はわからんがな。それと、触れているもの全てを移動させる。服も持っていけないんじゃ、それは変態だ。こんなところだが?」
「・・・ねぇ、C.C.」
「なんだ、さっきから」
「もし、あのナイトメアに乗ってさ、僕とC.C.が時間移動した場合どうなるの?それが知りたいんだ」
「その場合は、ナイトメアに乗っている全員が・・・」
しまった この事は隠しておくつもりだったのに
「ナイトメアごと時間移動する」
「・・・」
「違う?」
「・・・違わない」
「・・・一緒に行きたくない理由でもあるの?」
「それは・・・同じ世界に私が二人いることに」
「タイムパラドックスって言うんだよねそれ。でもさ、過去にいって僕が未来を変えたら、『君』がいなくなるんだよ」
「それが、どうした。それだけの代償を支払うのも覚悟の上だ」
「なら、その代償を僕も背負う」
「なに!?」
「・・・共犯者なんでしょ?僕たちは」
「・・・」
「どんな代償も、どんな罪も、どんな裁きも、全部全部僕も受ける。それが、共犯者じゃないの?」
確かに、そのとおりだ
だが、私の記憶に、『私』にあったという記憶はない
だから、『私』は・・・・
「君は、言ったよ?過去を壊し変えるって。だから一緒に行こうよ」
そうか・・・
『私』は、私に会うのが怖いのか
だから、嘘をついてまで・・・
「もし、一緒に行かないって言うなら、拘束服もってきて、
縛ってでも連れて行くよ?そうじゃないと来ないでしょ?」
ふっ・・・
リートの違う一面も見られたな。
私が断っていたらそんなことをするつもりだったのか
案外・・・
「Sなんだな、リートは」
「・・・ぇっ、・・・・・・いや、今のは言葉の綾ででも、それくらいの覚悟があるってだけで、そんなつもりは・・・まぁやってみたいけど・・・ち、ちが、今のはぜったい嘘だっ・・・」
「はいはい、わかったわかったよ。お前のそういう一面がある事をいまはっきりと分かった」
多分、ここ数百年でイイ笑顔だろうな 今の私は
「だからそんなんじゃ!!」
「だが、お前の覚悟は伝わった」
「!!」
「決めたよ。一緒に行く」
「C.C.!!」
「私は、未来から過去へ行って壊し変えるのが怖かったのかもしれない。だが、今ので決心がついた。これで、心置きなく過去を壊せる」
「僕も、精一杯手伝うよC.C.」
『私』の共犯者だ
やはり、こうでなくてはな
「お前に、名前をあげたい。リート」
「名前?」
「人であることを捨てるための名前だ。せっかくお前の名前もそうなっているしな」
「お前の『私達』の名前は【
「・・・うん」
私たちは、操縦席に乗り込んだ
互いの手をつないだままな
ひさびさの晴れ晴れとした気分だ
さて、一言かけてやるか
これからが本番だ
「さぁ、行くぞ、
「うん、一緒に、
――――――――――――『ギアス!跳べ!!ルルーシュ達のいる過去へ!!!』
これで、プロローグは終わりになります。次回からは原作介入です。
ご感想など頂けたら幸いです。