もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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眠いです・・・


いざ旅行へ

一日を無駄にしてしまったため、今日は何時も以上に忙しい。

まずは碧さんの部隊との訓練をするために訓練場に向かうが・・・

 

「何ですか碧さん、いきなり抱きついて?」

 

「やっぱり一夏さんの反応はこうじゃなきゃ!でもいちかさんも可愛かったな~。」

 

「昨日の事は曖昧にしか覚えてませんけど、抱きつきすぎやしませんか?」

 

「だってあんな反応は初めてだったし、すっごく可愛かったんだもん!」

 

「・・・遊んでいる時間はありません。早速訓練をしますよ。」

 

「は~い。でもやっぱりこれが一夏さんだよね!」

 

「何なんですか、まったく・・・」

 

 

さっき怒ってきたが、もう少し強めに怒ればよかった。

昨日だけではなく今日もまで影響するとは思ってなかったのだ。

 

「・・・だから抱きつくの止めてくださいよ。」

 

「照れてるの?」

 

「照れてるのは碧さんでしょ。明らかに鼓動が俺に伝わるくらい早いですよ。」

 

「やっぱりいちかさんの反応が良かったかも///」

 

「・・・俺だって少しくらいは照れてますよ。」

 

「じゃあなんでそんなに冷静で居られるのよ?」

 

「それは俺以上に碧さんが照れてるからですよ。」

 

「じゃあ照れが外に出てくるまで抱きつく!」

 

「・・・訓練しますよ。ほら、他の人も顔が赤くなってますから止めてください。」

 

「それじゃあ今度一夏さんが照れるのが見れるまで抱きつきますからね。」

 

「・・・勘弁してくださいよ。」

 

 

昨日の一件で箍が外れたようで、碧さんは俺に抱きつくクセがついたようだ。

別に抱きつかれるのは嫌では無いのだが、人前では止めてほしいもんだ。

 

「それじゃあ皆、訓練始めるよ。準備して~!」

 

「随分と砕けましたよね。」

 

「畏まった話し方は疲れるからね~。しっかりとしなきゃいけない場所ではしっかりとしてるんだから、普段くらい素の私の話し方でも良いでしょ?」

 

「まあ最初の時みたいなのは少し堅苦しいかなとは思いましたが・・・」

 

「でしょ?だから、今の方が楽だし皆と仲良くなれたよ!」

 

「ある程度の友好関係は必要ですけど、馴れ合いで訓練を疎かにするのは駄目ですよ。」

 

「分かってるって。」

 

「だから抱きつかないでくださいよ!」

 

「えへへ~。」

 

 

前から後ろからと抱きつかれては、さすがに精神上よろしくない。

俺だって高校生男子だ、胸の感触に欲情もすれば照れもするのだ。

 

「いちかさんも良かったけど、一夏さんも良いわね~。彼氏に抱きついてる感は一夏さんじゃなきゃ味わえない感覚ね。」

 

「時間無いんですから止めてくださいよ。」

 

「嫌なの?」

 

「嫌ではないですけど、これ以上は止めてください。」

 

「残念・・・」

 

「まったく・・・」

 

 

とりあえず止めてくれたので訓練を開始する。

しかし一日でここまで変わるとは・・・

これは他の四人も心配だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ一夏さん、また後でね~。」

 

「そう言うなら離れてくださいよ・・・」

 

「一夏さんを感じてるの~、もう少し待って。」

 

「本当に昨日の騒動を起こしたあの二人を殺したい・・・」

 

「物騒ね~。」

 

「碧さんが抱きつき魔になったのはあの二人が原因ですからね。」

 

「えへへ~///」

 

「だから離れてください!」

 

 

やっと離れてくれた碧さんと別れ、仕事部屋に移動する。

昨日しなかった分、今日は大変だろうな。

 

「失礼します・・・」

 

「一夏さん!」

 

「うお!」

 

 

扉を開けた途端に虚さんに抱きつかれた。

 

「虚さんもですか・・・」

 

「私も?何がですか?」

 

「俺に抱きつくの・・・」

 

「?・・・!?///」

 

 

俺に指摘され、自分が抱きついてる事をゆっくりと認識した虚さんは慌てて離れる。

良かった、虚さんは指摘すれば離れてくれる。

 

「す、スミマセン!何だか無償に一夏さんに抱きつきたくなってしまって・・・」

 

「昨日の一件が原因でしょうね。」

 

「多分そうだと思います。今まで我慢していた分、箍が外れてしまったら抑えられなくなってしまいまして・・・」

 

「それは碧さんも一緒でしたけど、お願いですから仕事中や人前では止めてくださいね。」

 

「・・・努力します。」

 

 

するつもりだったのか。

 

「ところで、刀奈さんと本音は?」

 

「何時もの事です・・・」

 

「そうですか・・・」

 

「「はぁ・・・」」

 

 

山のように積まれた書類と、何時もの如く仕事をしない刀奈さんと本音に思わずため息を吐く俺たち。

それは何時も通りなのだが・・・

 

「虚さん?」

 

「何ですか?」

 

「何で抱きついてるんでしょうかね?」

 

「・・・!?///スミマセン!完全に無意識でした!!」

 

「ある意味碧さんよりたちが悪い・・・」

 

 

虚さんから離れ、溜まった仕事を片付けるために集中する。

これは終わるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほ~!」

 

「おりむ~!」

 

「!?何ですかいきなり・・・」

 

「「えへへ~。」」

 

「そして何故抱きつくんですか?」

 

「いちか君には抱きついたけど、一夏君には抱きついてないから~。」

 

「大きいおりむ~にもギュー!」

 

「・・・まあいいや。仕事してくださいね?」

 

「しまった!」

 

「おりむ~の策に嵌っちゃった~!」

 

「策もなにも、俺は何もしてないだろ・・・」

 

「一夏さんに抱きつきたい衝動は抑えられないんですよ。」

 

「そんなものですかね?」

 

「現に私も抱きつきたいですし・・・」

 

「・・・仕事しましょうよ。明日から旅行なんですからこれ全部終わらせないといけないんですから。」

 

「そうですね・・・お嬢様と本音も来ましたし、早めに終わらせられそうですね。」

 

「「そ~と・・・」」

 

「「逃がすか(しません)!!」」

 

「「え~ん!」」

 

 

逃げようとしていた刀奈さんと本音を捕まえて、仕事に戻る。

本当に終わらせなきゃいけないんだから、逃げようとしないでほしかったんだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん居る?」

 

「か、簪ちゃん・・・助けて。」

 

「かんちゃ~ん・・・私も助けて~。」

 

「・・・如何したの?」

 

「仕事をしていただけだ。」

 

「二人は普段まともにしてないので、疲れてるだけですよ。」

 

「そうなんだ・・・」

 

 

普段仕事部屋に来ない簪は、仕事の量とヘロヘロの刀奈さんと本音を見て驚いていた。

 

「これだけやれば普通は疲れると思うけど、一夏と虚さんは平気そうだね?」

 

 

いや、驚いてたのは俺と虚さんが平気な顔をしていたからか・・・

 

「慣れてますから・・・」

 

「俺も慣れたくはなかったがな・・・」

 

「ゴメンなさいね。お姉ちゃんと本音がサボるから二人に迷惑かけちゃって・・・」

 

「簪は悪くないだろ。」

 

「そうですね、その代わりに簪お嬢様は他の仕事をしてくれてますし。」

 

「ええ!?簪ちゃんも何か仕事してたの?」

 

「初めて聞いたよ~!」

 

「知らなかったんですか?簪にが経理を担当してもらってるんですよ。毎日計算してもらってるから、知ってるもんだと思ってましたけど。」

 

「簪お嬢様は計算が早いですからね。非常に助かってます。」

 

「それほどでも・・・///」

 

 

口では否定しても、褒められて嬉しいのだろう。

顔が少し赤くなってる。

 

「簪ちゃんも仕事しない仲間だと思ってたのに・・・」

 

「かんちゃんに裏切られたよ~!」

 

「裏切ってないよ!?元々仲間じゃないんだよ!」

 

「簪はもの凄く仕事熱心だからな。」

 

「二人とは違うんですよ。」

 

「「そ、そんな~。」」

 

「さあ、仕事してください!」

 

「まだこんなに残ってるんですからね!」

 

「「嫌だ~!」」

 

「頑張ってね・・・」

 

 

何か用があったのだろうが、残ってる仕事の量とここに居ては手伝わされると思ったのだろう、簪は部屋から出て行った。

 

「簪ちゃんだけは味方だと思ってたのに!」

 

「まさか敵だったとは~!」

 

「遊んでないで手を動かしてくださいよ。」

 

「私たちのノルマはとっくに終わってるんですよ?遊んでるなら私たちは部屋に戻ります。それでも良いんですか?」

 

「「駄目!!」」

 

 

こないだの事を思い出したのだろう。

急に真面目に仕事をし始める刀奈さんと本音。

 

「やれやれ・・・それじゃあ俺たちも仕事しますか。」

 

「そうですね・・・私たちの分では無いですけどね。」

 

「・・・虚さん。抱きつくのは止めません?」

 

「・・・無意識でした。」

 

「ああ~!虚ちゃんズルイ!」

 

「おね~ちゃんだけ不公平だよ~!」

 

「だから仕事してくださいよ!本当に帰りますよ!!」

 

「「駄目!それだけは絶対に駄目!!」」

 

 

脅しが効きすぎな気もするが、真面目に仕事をしてくれるので善しとしよう。

 

「俺たちもやりますか。」

 

「そうですね・・・それと一夏さん。」

 

「何ですか?」

 

 

急に小声になったので俺も合わせる。

 

「後で思いっきり抱きついても良いですか?」

 

「・・・仕事が終わった後ならば。」

 

「はい!」

 

「な、何!?」

 

「おね~ちゃん、如何かしたの~?」

 

 

急に大声をだした虚さんに驚く刀奈さんと本音。

内心俺も驚いたが、一先ず仕事を終わらせようと思い既に作業に集中し始めてたので声を出す事はなかった。

 

「ほら、お嬢様も本音も早く終わらせますよ!」

 

「は、早い!」

 

「凄いね~!」

 

「口じゃなくて手を動かしてください!」

 

「「は、はい!」」

 

 

結局虚さんのもの凄いスピードと俺の集中力でほとんどの仕事を終わらせたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ一夏さん・・・」

 

「まあ約束ですし・・・」

 

「何々?何かするの?」

 

「私も気になる~!」

 

 

仕事が終わったので、さっき約束した事を実行する。

 

「では、失礼します。」

 

「「ああ~!」」

 

「何だ騒々しい。もう少し声量を抑えてくださいよ。」

 

「だって虚ちゃんが!」

 

「おりむ~に抱きついてるんだよ!?」

 

「さっき約束したんですよ。仕事が終わったら思いっきり抱きつきたいって。」

 

「それなら私も・・・」

 

「駄目です!まともに仕事しなかったお嬢様や本音には、一夏さんに抱きつく資格なんてありません!!」

 

「別に終わったから良いじゃん。」

 

「そうだよ~!」

 

「二人がやったのってあれだけですよ。」

 

 

それぞれの処理した書類を確認すると、俺と虚さんで全体の8割強は捌いている。

 

「あれだけやったのに・・・」

 

「二人はやっぱり化け物だよ~・・・」

 

「失礼な!れっきとした人間ですよ。俺も虚さんも。」

 

「えへへ~///」

 

「お~い、虚さん?」

 

 

俺に抱きついて完全に心ここにあらず状態の虚さん。

そんなに良いものかな?

 

「ねえねえおりむ~?」

 

「何だ?」

 

「えい!」

 

「ああ~!」

 

 

なんと本音が後ろから抱きついてきた。

 

「えへへ~、隙あり!だよ~///」

 

「身動き取れない相手に隙ありって如何なんだ・・・」

 

「「えへへ~///」」

 

「ず~~る~~い~~!!」

 

「誰も聞いてない・・・」

 

 

最早混沌とした空間になっている気がするんだが・・・

 

「お姉ちゃん、終わった?」

 

「簪、助けてくれないか?」

 

「・・・如何言った状況なの?」

 

「良く分からないが、虚さんが抱きついていたところに、本音が後ろから抱きついてきた。それを刀奈さんがズルイって喚いている状況だ。」

 

「それなら私も一夏に抱きつく!」

 

「はぁ!?」

 

 

簪だけは、簪だけはまともだと思ってたのに・・・

 

「横!?その手があったか!」

 

「え?刀奈さんまで!?」

 

 

簪が横から抱きついてきたのを確認していたら、反対側に刀奈さんが抱きついてきた。

何でこんなに抱きついてくるんですか!

 

「「「「えへへ~///」」」」

 

「・・・はぁ、駄目だこりゃ。」

 

 

全員が心ここにあらず状態なので、説得する事も出来ない。

無理に離そうとしても、手が動かないんじゃ如何にも出来ない。

こうなったら・・・

 

「起きろ!!!」

 

「「「「はっ!」」」」

 

 

大声で強制的に意識を現実に引きずり戻す。

 

「いい加減離れてくれませんかね?さすがの俺も怒りますよ?」

 

「「「「ご、ゴメンなさい・・・」」」」

 

 

意識が戻った四人はバツの悪い顔をして離れてくれた。

 

「で、でも!私と簪ちゃんは一夏君に触れてた時間も面積も少なかったんだよ!」

 

「確かに、本音と虚さんは広い面積で一夏と抱きついてた・・・ズルイ!」

 

「「えへへ~///」」

 

「だから今度は私と簪ちゃんが広い面積で・・・」

 

「少しは反省してくださいよ!」

 

 

一人一人ならまだしも、全員まとめて抱きつかれるとさすがに痛いのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変でしたね~。」

 

「まったくだ。千冬姉と束さんにもう少し言っておけば良かった。」

 

「そっちですか!?」

 

「?原因はあの二人だしな。」

 

 

部屋に戻り、訪ねてきた須佐乃男をお茶を飲みながら今日の事を話す。

須佐乃男は特に影響無いので安心して会話が出来る。

 

「それにしても・・・」

 

「何だ?」

 

「一夏様の子供時代のお姿を私も見たかったですね。」

 

「・・・散々写真撮られたから、見たかったら見れるぞ。」

 

「何で疲れてるんですか?」

 

「思い出しただけで疲れるんだ・・・」

 

「いったい何があったんですか?」

 

「昨日写真を撮るからって、着せ替え人形並に着替えさせられたんだ・・・」

 

「どのような服を着たんですか?」

 

「大体は本音のお下がりだったが、何処から持ってきたのか子供用しかも女の子のドレスや浴衣まで着せられたんだぞ!」

 

「それは・・・」

 

 

確かに昔は女の子に間違えられた事もあったが、女の服を着たことは無かった。

 

「やっぱりあの二人は殺す!」

 

「一夏様、落ち着いてください!」

 

「これが落ち着いていられるか!!」

 

「殺人は何処の国でも犯罪ですよ!」

 

「今の俺に法律は関係ない!!」

 

「駄目ですって!」

 

 

頭に血が上っているために、このやり取りは30分は続いた。

 

 

 

 

「・・・すまなかった。」

 

「いえ、落ち着いてくれて良かったです。」

 

「さすがに殺しはいけないよな・・・」

 

「ええ・・・」

 

 

興奮していたためだが、殺しはやり過ぎだと思う。

 

「精々半殺しくらいだな。」

 

「それも駄目です!」

 

「お前に俺の気持ちが分かるのか!?」

 

「どれどれ・・・スミマセン、私にはその痛みは分かりません。」

 

「お前は一応女だもんな・・・」

 

「女が男物着ても別に平気ですしね・・・」

 

 

須佐乃男が俺の気持ち、感情、思考を共有して謝った。

他の人もこの気持ちが分かれば半殺しくらい許してくれるだろう。

 

「ほ、ほら。明日から旅行ですし、気持ち切り替えましょうよ!」

 

「そうだな・・・そう簡単に切り替えられれば良かったな・・・」

 

「一夏様の目が死んだ魚のようになってる!?」

 

「いっそ記憶なんて無ければよかったのに・・・」

 

「一夏様、もう寝ましょう!寝て忘れましょう!!」

 

「そんな単純な事じゃないんだよ・・・」

 

「ああもう!兎に角寝てください!!そうすれば少しは楽になりますから!!!」

 

「ああ、そうだな・・・」

 

 

必死に俺を寝かそうとする須佐乃男。

明日は早いし、本当に寝てしまうか。

 

「おやすみ・・・」

 

「はい、おやすみなさい。」

 

 

部屋から須佐乃男の気配が消える。

アイツも部屋に戻ったのだろう。

この心の傷は治るのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりむ~、おはよ~!」

 

「・・・こういった時は早いんだよな、本音は。」

 

「だって楽しみだもんね~!」

 

「だからってまだ4時だぞ?」

 

「おりむ~だって来たでしょ~?」

 

「俺は日課のランニングだ。」

 

 

早朝なのに、本音は既に集合場所の門の前に居た。

いったい何時から居るんだ?

 

「本音、一先ず部屋に戻れ。」

 

「何で~?」

 

「集合時間は8時だ。まだ4時なんだから部屋で寝てろ。」

 

「分かった~。それじゃあおりむ~後でね~。」

 

「ああ、後で。」

 

 

本音が屋敷に戻ったのを確認して俺は屋敷周りを走る。

昨日あれだけ早く寝たため、気分は少し回復した。

須佐乃男の言った通り、寝れば少しはマシになるものんだな。

 

 

 

 

 

 

「何でまた居るんだよお前は!」

 

「えへへ~楽しみすぎて駄目だね~。」

 

 

戻ってきたらまた本音が立っていた。

 

「はぁ・・・それじゃあ一緒に走るか?」

 

「おりむ~と一緒じゃ無理だよ~。」

 

「自分のペースで良いんだが・・・」

 

「おりむ~が走る距離も無理だよ~。」

 

「一周くらい走れるだろ。」

 

「おりむ~の基準は普通の人には当てはまらないんだよ~。」

 

「それは知ってるが・・・」

 

 

屋敷の周り一周くらい普通の人でも出来ると思うんだが・・・

 

「兎も角、時間まで部屋に居なさい!」

 

「は~い・・・おりむ~ってお父さんみたいだね~。」

 

「いいから!」

 

 

前にも言われた事があるが、俺にこんな大きな娘など居ない。

そもそも子供すら居ないんだがな・・・

 

「もう一周するか・・・」

 

 

本音を再び部屋に帰し、走りに行く。

もしまた居たら説教だな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがに居ないか・・・」

 

 

一周走り終え戻ってきて確認するが、本音の姿は無かった。

 

「良し、今度は道場にでも行くか。」

 

 

旅行当日でも日課は欠かさない。

一昨日出来なかったから余計にしっかりとしなくては。

 

「あれ?一夏さん、早いですね。」

 

「碧さんも自主練ですか?」

 

「精神統一です。昨日は迷惑をかけましたので、その反省も込めて。」

 

「ああ、あれですか・・・」

 

 

道場に居た碧さんと軽く訓練をして、部屋に戻った。

さて、そろそろ時間だな。

俺は荷物を持って門に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「本音が来ない・・・」

 

「おかしいわね~。絶対一番に本音が居ると思ったのに・・・」

 

「居ましたよ、朝の4時に。」

 

「早っ!」

 

「多分寝てると思いますけど・・・」

 

「はわわ~!寝ちゃったよ~!!」

 

「来ましたね。」

 

 

集合時間5分前、全員がそろったので出発する事にした。

 

「今回は碧さんが運転してくれるからね~。」

 

「電車での旅行も良かったけど、車移動の方が楽だもんね。」

 

「その分碧さんが大変ですけどね・・・」

 

「だいじょ~ぶ!向こうに着いたら碧さんには休んでもらうから。」

 

「・・・護衛のついでですよね?」

 

「一夏君の気配察知能力があれば平気だって。」

 

「つまり常に気を張れと言うんですね?」

 

「違う違う、碧さんと虚ちゃんと交代でだよ。」

 

「・・・刀奈さんはしないんですね。」

 

「だって私当主だもん!」

 

「まあ良いですけど・・・」

 

「スミマセンね、家の当主が・・・」

 

「慣れてますよ。」

 

「酷くない!?」

 

 

そんなやり取りをしながら、俺たち七人は旅行の目的地に向かうのであった。




一夏の苦労は耐えないんですね~。
ちっちゃくなった時の記憶があるせいで、余計な苦労してます。
次回は旅館での一時を書きたいと思ってます。

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