もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

55 / 394
ね、眠いです・・・



虚の休日

布仏虚は自室で悩んでいた。

理由は急遽決まった一夏と二人っきりの外出、所謂デートが原因だ。

 

「どうしましょう、何を着ていけば良いんでしょう。」

 

 

これまで集団デートなら経験があるが、二人っきりは初めてで少し困惑してしまっているのだ。

 

「そう言えば、前に一夏さんに買ってもらった服なら・・・いえ、あんな可愛い服、私には似合いませんし・・・しかし一夏さんが買ってくれた服を一度も着ないのも失礼ですし・・・ああ、どうすれば?」

 

 

完全に恋する乙女だ。

普段落ち着いてる虚だが、彼女もまだ17,8の女子高生だ。

こう言った事に対しては年相応、いやそれ以下の経験しかないのだから、こうなってしまうのも無理は無い。

 

「こう言った時はお嬢様や本音のような性格が羨ましいですね。緊張はするでしょうが、私ほどでは無いでしょうし、簪お嬢様もこの間一緒に出かけられたようですし、やはり私が一番こう言った事に疎いのでしょうか?」

 

 

誰も答えてくれる者の居ない疑問を口にして、虚は更に困惑した。

 

「一夏さんが私たちと付き合い始めてもう暫く経つと言うのに、私は一向にこう言った事に慣れない・・・」

 

 

正式に付き合い始めたのは、一夏が学園に入学してからだが、それ以前からそう言う感じではあったし、刀奈に連れられて一夏が居る風呂や布団に侵入もした事があるのだ。

 

「私個人の感情で一夏さんに何かをした事はほとんど無いかもしれませんね・・・お嬢様や本音に嫉妬して頭を撫でてもらうくらいですし。」

 

 

それも他の彼女の頭を撫でてる一夏を見て自分もしてほしくなっただけで、自分から強請る事はほぼ無かった。

 

「積極性が足りない?しかし、いきなり積極的になれるなら苦労はしませんし。」

 

「おね~ちゃん、ご飯だよ~!」

 

 

部屋の外から本音が呼びに来た。

 

「分かった、すぐ行くわ。」

 

「は~い、待ってるよ~。」

 

 

返事をして、本音が遠ざかってくのを確認して、ため息を吐く虚。

もはや虚の習慣になりつつあるため息だが、今回のは自分に対してのため息だった。

 

「本音のように一夏さんに接する事が出来れば変わるのでしょうか?・・・おりむ~私も撫でて~・・・駄目、恥ずかしい///」

 

 

妹の真似をして一気に恥ずかしくなったのだ。

 

「何をしてるのでしょう、私が本音のようにしゃべったら、一夏さんもさすがに引きますよね。ですので真似はやめましょう、ええそうしましょう!」

 

 

誰に言い訳するのではなく、虚は慌ててそう結論付けたのだった。

本音が呼びに来てから暫く経っていたのに気付かず、再び思案する虚。

 

「prrrrr」

 

「ひゃあ!なんだ、電話ですか///」

 

 

集中していたために、着信音に過剰に反応してしまった事に顔を赤らめ、電話に出る。

 

「はい。」

 

「おね~ちゃん、ご飯食べないの~?もう10分も待ってるんだよ~?」

 

「あら?もうそんなに経ったのね。今すぐ行きます。」

 

「早くしてね~。もうお腹ペコペコだよ~。」

 

「先に食べてれば良かったじゃない。」

 

「ええ~、ご飯は一緒に食べた方が美味しいんだよ~?」

 

「そうね、すぐ行くわ。」

 

 

そう言って電話を切る。

 

「さて、一先ずは皆の所に行きますか。」

 

 

悩みを一旦忘れ、皆が居る食堂に移動するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~う、お腹いっぱいだよ~。」

 

「そりゃあれだけ食べればそうだろうよ。」

 

「本音ってさっきおやつ食べてたような・・・」

 

「うん食べたよ~。」

 

「よく太らないわね~、羨ましいわ。」

 

 

本当にうらやましそうに本音を見る刀奈。

 

「ほとんどお腹にはつかないよ~。最近またおっぱいが大きくなったし~。」

 

「そう言えば私も大きくなったような気がするのよね~。」

 

「む!」

 

「はぁ・・・」

 

「そう言う話は男の居ない所でしてくれませんかね?さすがに気まずいんですけど・・・」

 

「一夏君でも気にするのね~。」

 

「刀奈さんは俺のこといったいどう言う風に思ってるんですか?これでも健全な普通の高校生男子なんですけど。」

 

「普通では無いと思うけど、一夏君なら鋼の自制心で如何とでもなるでしょ~?これだけ誘惑しても手も出さないんだし。」

 

「何拗ねてるんですか。それに俺は、自分の問題が片付くまでそう言った事をするつもりは無いだけです。」

 

「でも興味はあるんだ~?」

 

 

小悪魔のような笑みを浮かべ一夏に迫る刀奈。

 

「まぁ、人並みにはありますよ。ですが、無理矢理襲い掛かるとか、我慢できずに襲うなんて事はしませんので、その笑みはやめてください。」

 

「ええ~!つまんないの~。」

 

「人で遊ばないでくださいよ。」

 

「だって一夏君、ほとんど反応してくれないんだもん。こっちばっかり恥ずかしい思いして・・・ずるいよ。」

 

「何がずるいんです?」

 

「何って・・・私たちだって一夏君に恥ずかしいがってもらいたいの!」

 

「何ですかそれ・・・」

 

 

刀奈の発言に呆れる一夏。

 

「兎も角!一夏君ばっかズルイのよ!偶には照れてよね!!」

 

「そう言われましても、刀奈さんの行動は、照れる前に慌てる事が多いですので、俺の問題ではなく刀奈さんの大胆すぎる行動に問題があるような気もするんですが・・・」

 

「そうだね、お姉ちゃんは極端すぎるんだよ。お風呂に突撃したり、布団に潜り込んだりしてるのに、一夏が起きてる時には何もしなかったりしてさ。本当に一夏の事を照れさせたいのならもっと考えなきゃ!」

 

「・・・簪?別にそこは応援する所では無いと思うんだが・・・」

 

「お姉ちゃんが出来なきゃ私だって出来ないもん!」

 

「そ、そうか・・・」

 

 

理不尽に迫られ引き気味の一夏。

こう言った行動をするから、照れる前に慌てたり呆れたりされるのだが、更識姉妹はその事を分かっていなかった。

 

「それじゃあお嬢様、本音、明日はしっかりと仕事してくださいね?もし逃げたりしたら・・・どうなるか分かってますよね?」

 

「う、うん。大丈夫だから。」

 

「へ~きへ~き、おね~ちゃんはしんぱいしょ~だね~。」

 

「普段の行いだろ。少しは反省したらどうなんだ?」

 

「ええ~!ひどいよおりむ~!」

 

 

ぽかぽかと袖で一夏の胸を叩く本音。

見ようによってはじゃれている様に見えなくも無い。

 

「羨ましい・・・」

 

「ん?虚さん、何か言いましたか?」

 

 

今回は本当に聞こえなかったようで、何時もの人を喰った感じはしていない一夏。

 

「い、いえ!何でも無いです!!」

 

「虚ちゃんが慌てるのって珍しいね。何があるのかな~?」

 

「ですから!何でも無いんです!!」

 

 

そう言って部屋に戻っていく虚。

 

「刀奈さん、後で怒られても知りませんからね。」

 

「ええ~!一夏君だって気になるでしょ~?」

 

「気になりはしますけど、虚さんを怒らせてまでは知りたく無いです。」

 

「そっか・・・じゃあ本音、行くわよ!」

 

「お~!」

 

「やめなさい・・・本当に怒ったらどうするんですか。」

 

「「ちぇ~。」」

 

「はぁ・・・まったく。本当に反省してくださいね?明日までの仕事も結構残ってるんですから。」

 

「分かってるわよ~。一夏君も相当心配性だよね~。」

 

「さっきも言いましたけど、普段からちゃんとしてくれていればここまで心配する事は無いですよ。」

 

「ゴメンね一夏、こんなお姉ちゃんで・・・」

 

「え!?簪ちゃん!?」

 

「こんな人でも大事な人だからな。ある程度は仕方ないと思ってるから、簪もそこまで気にする必要は無いぞ。」

 

「それも酷くない!?」

 

 

妹と彼氏にこっ酷く言われ慌てる刀奈。

 

「それが嫌ならしっかり仕事してね?明日は私も用事があるから手伝えないから、本音と二人でしっかりと終わらせないと、虚さんと一夏のカミナリが落ちるかもね~?」

 

「そうだな・・・2時間くらい正座させての説教とか良いかもな。」

 

「「ひぃ!」」

 

「しっかり終わらせてくれれば、何も問題は無いんですけど?」

 

「しっかり終わらせます!」

 

「私も頑張るよ~!」

 

 

脅しが効いたのだろう、すでにやる気の二人を見て、一夏と簪は苦笑いをした。

 

「じゃあお休みなさい。俺はもう部屋に戻ります。」

 

「私も戻るね。お姉ちゃん、本音、今からそれだと持たないよ?」

 

 

それぞれの部屋に向かうため、食堂前で別れる。

一夏は虚に用事があるのだが、さっきの様子から、部屋を訪ねるより電話の方が落ち着いて話せるだろうと思い、一先ず自分の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、どうしましょう!」

 

 

虚は部屋に戻ってから再びテンパっていた。

 

「本音に嫉妬してもしょうがないのに。あれは本音だから出来るのであって、あれを私がやったところで一夏さんは慌てるだけでしょうし・・・」

 

 

先ほどのじゃれ付きをしている自分を想像して、大きくため息を吐く。

 

「もう少し可愛げがあれば良かったのに・・・」

 

 

こうやってへこんでいる虚を、一夏は可愛いと思っているのだが、その事を虚は知らないし、一夏も口にはしていない。

だからなのかは知らないが、虚は自分が一夏に可愛いと思われてないと思い込んでいるのだ。

 

「prrrrr」

 

「ひゃ!って電話ですか///」

 

 

再び着信音に対して悲鳴を上げたことに頬を赤らめ、電話に出る。

 

「はい?」

 

「すみません虚さん、一夏です。」

 

「一夏さん?何かありましたか?」

 

 

一夏からの着信に首を傾げる虚。

普段、用があるときは大抵部屋を訪ねてくる一夏が電話をしてきたのだ。

何か特別な事があったと思うのはおかしくは無い。

 

「明日の事です。本当なら部屋に行った方が良いんですけど、虚さんなんだか考え事してるようでしたし、直接会うよりは落ち着いて話せると思って電話しました。」

 

 

見透かされてる。

虚は一夏の観察眼に舌を巻いた。

 

「こう言った事は鋭いんですね。」

 

「基本的に鈍くないとは思うんですけど・・・」

 

「ああ言う事は無意識でしてますしね。仕方ないです。」

 

「ああ言う事?何の事です?」

 

「そこが鈍いんですよ。」

 

「??」

 

 

電話越しでも分かる一夏の疑問顔を思い浮かべて、思わず笑う虚。

 

「虚さん?何かありました?」

 

「いえ、一夏さんの悩んでいる顔を思い浮かべたら・・・」

 

「?まあ良いですけど。それで、明日何処か行きたい場所はありますか?」

 

「そうですね~・・・何処かゆっくりと休める所とか良いですね。」

 

「それは別に二人っきりで行くような場所じゃ無いと思うんですけど・・・」

 

「二人っきり・・・そ、そうですよね///」

 

 

改めて言更に頬を赤くする虚。

もし一夏がこの虚を見ていたら、やはり可愛いと思っていたのだろう。

 

「それじゃあ公園なんて如何です?一夏さんのお弁当を持っていってゆっくりと過ごすのも良いと思うんですけど。」

 

「公園ですか?それじゃあそうしましょうか。虚さんはゆっくりとする時間が足りてませんからね。弁当はちゃんと準備するんで安心してください。」

 

「楽しみにしてますね。」

 

「期待に応えられる様に頑張ります。それじゃあ明日、10時くらいに出発で良いですか?」

 

「それで大丈夫です。」

 

「では、明日。お休みなさい、虚さん。」

 

「ええ、お休みなさい、一夏さん。」

 

 

互いに就寝の挨拶をして電話を切る。

電話が掛かってくる前の不安や困惑は、綺麗さっぱりなくなっているのを感じ、虚は苦笑いをした。

 

「私も意外と単純なのかもしれないですね。一夏さんと話しただけで心の靄が晴れてます。これはやはり一夏さんの力なのでしょうね。よし!明日はこの服で行きましょう!」

 

 

決心がついたのか一夏に買ってもらった服を選ぶ。

これを着ていったら一夏は如何言った反応をするのか想像しながら、虚は夢の世界に旅立って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、一夏さん。」

 

「おはようございます、虚さん。その服着てくれたんですね。良かった、気に入らなかったのかと思ってましたよ。」

 

「そんな違いますよ!ただ着る勇気が無かっただけで・・・とても嬉しかったです。」

 

「そうですか・・・似合ってますよ。」

 

「本当ですか?お嬢様や本音の方がこう言った服、似合うと思いますけど・・・」

 

「でもその色が似合うのは虚さんですよ。それにとても可愛いです。」

 

「///」

 

 

一夏が虚に送ったのは黒のワンピース。

普段虚が着ているものに近いが、このワンピースにはフリルが付いている。

それで虚は刀奈や本音の方が似合うのではと言ったのだ。

だが一夏に面と向かって可愛いと言われ、完全に茹で上がってしまったのだ。

 

「それじゃあ行きましょうか?・・・虚さん、大丈夫ですか?」

 

「え、ええ!大丈夫です!行きましょうか!」

 

「・・・本当に大丈夫ですか?」

 

 

例の鈍さが発動している一夏は、本気で虚の事を心配している。

虚にしてみれば、一夏鈍さが恨めしい反面、可愛いと言われた事が嬉しいので、如何しようもなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、着きましたね。」

 

「そうですね。それじゃあゆっくりとしましょうか。」

 

「ベンチがありますから、そこでゆっくりしましょう。」

 

 

普段からゆっくりする事の少ない二人は、特にする事の無いこの状況に若干戸惑っているが、そこは持ち前の冷静さで態度には出さなかった。

 

「そう言えば、須佐乃男は如何したんですか?」

 

 

昨日から姿の見えない須佐乃男の事が気になって、虚が一夏に尋ねた。

 

「クラスの女子たちと泊り込みで遊びに行ってます。何でも交友を深めるらしいですよ?まあ期間が短かったですから学園では時間が足りなかったんでしょう。今はISを使う事はあまり無いですので許可しました。」

 

「そうだったんですか。確かにクラスメイトと親交を深めるのは良いことですからね。でも、それなら一夏さんも一緒に行けば良かったのでは?」

 

「さすがに女子たちと同じ部屋では寝れないですよ。寝る前が一番盛り上がるんでしょ、女子って?」

 

「確かに・・・一夏さんのクラスメイトなら、そう言った悪戯をしそうな人が何人か居ますからね。」

 

「それに先約もありましたし、部屋が別でも断ってましたよ。」

 

「そうですか。大変ですね、一夏さんも。」

 

「そうですね・・・虚さんほどでは無いですけどね。」

 

 

互いに普段から忙しくしている者同士苦労を共有しているのだ。

 

「まあ弁当でも食べてくつろいでください。」

 

「ありがとうございます。一夏さんの料理は本当に美味しいですからね。それに比べて私は・・・」

 

「練習する時間がありませんからね。今度時間を作って練習しましょう。」

 

「本当ですか!?約束ですよ!」

 

「ええ、それくらいなら何時でも平気です。」

 

 

家事が苦手な虚が必死に練習していたのを知っている一夏は、力になれるならと前から練習に付き合っていたのだが、最近多忙の為練習出来ていなかった。

一夏としたら、練習する時間があるのなら、その分休んでほしいのだが、虚自身が練習したがってるので言えなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様でした、とっても美味しかったですよ。」

 

「お粗末様です、そう言ってもらえると、作り手としては嬉しい限りです。」

 

「何だか眠くなってきました・・・」

 

「疲れてるんでしょう。俺のでよければ膝かしますよ?」

 

「え?良いんですか!?」

 

「ええ、虚さんがしてほしいなら、俺はしますよ?」

 

「それじゃあお願いします。」

 

 

一夏に膝枕をしてもらい、幸せいっぱいに綻んだ顔をしながら虚は眠ってしまった。

 

「本当にお疲れ様です。」

 

 

眠った虚の頭を優しく撫でながら、一夏は首だけを背後に向けた。

 

「碧さん、居ますよね?」

 

「やはり一夏さんにはバレましたか。完璧に隠れられたと思ったんですけど。」

 

 

背後の木々から小鳥遊碧が現れた。

 

「気配は完璧に近いくらい消せてましたけど、俺は存在を察知出来ますから。そこに居る限り隠れきることは無理でしょうね。本気で俺から隠れたいなら、存在を誤魔化すしか無いでしょうね。」

 

「本当に規格外な能力ですね。」

 

「身に付けたくて身に付けた訳では無いんですけどね・・・ところで碧さんも弁当食べます?」

 

 

そう言って小さな弁当箱を取り出す一夏。

 

「これは?」

 

「碧さんの分ですよ。どうせ着いてくると思ってましたし、一人分増えたくらい問題は無いですしね。」

 

「すみません、頂きます。」

 

「ええ、どうぞ。」

 

 

一夏の弁当を素直に受け取り、食べる碧。

もし、この場に一夏の事を良く知っている人間が居れば、この配慮がフラグを建てるんだと指摘したのだろうが、生憎この場に居る虚は寝ているし、一夏自身はその事を分かっていない。

顔を赤らめながらも、一夏の手作り弁当を食べる碧を見たら、誰しも一夏に惚れていると気が付くだろう。

言動、行動には疎くても感情には聡い一夏は、すでに碧の気持ちには気付いている。

だが一夏からその事を指摘する事は無いし、碧自身もその事を打ち明けるつもりは無い。

 

「ご馳走様でした。美味しかったです。」

 

「お粗末さまでした。俺たちはもう少しのんびりしてから帰るので、碧さんは刀奈さんたちを見張っててください。」

 

「楯無様を、ですか?」

 

「しっかりと仕事をしているか心配なんですよ。アドレス教えますので、報告してください。これは当主様の為でもありますので、どうかお願いします。」

 

「楯無様の為・・・分かりました!引き受けましょう。」

 

「ありがとうございます。」

 

「任せてください。それでは一夏さん、また明日訓練で。」

 

「ええ、また明日。」

 

 

それだけ言って姿を消した碧。

もう一夏の捜索範囲に気配は無い。

 

「さすが隊長、行動が早い。」

 

「う~ん・・・」

 

「お?・・・寝言か。」

 

 

虚の反応を見ながら、自分ものんびりと過ごす一夏。

碧からの報告で、しっかりと仕事をしているのを確認出来たので、一先ず心配事は無くなったので、心からゆっくりとする事が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし碧さんが俺を・・・ねえ。あまり接点無いんだけどな。」

 

 

心配事は無くなっても考え事に事欠かない一夏だったのだ。




今回は忙しい二人にのんびりとしてもらいました。
さて、次回はどうしようか・・・
そして碧もどうしよう・・・

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。