もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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今回はイチャイチャ回です。


一学期終了

「後一週間で一学期も終わりだね~。」

 

 

生徒会室で作業をしていたら刀奈さんがいきなり独白をした。

 

「なんですか?いきなり。」

 

「だって夏休みに出かける約束したでしょ~?まだ予定も立ててないじゃん。早く決めようよ~。」

 

 

そう言えば臨海学校に行く前にそんな約束したな・・・。

 

「その前にこの書類の山を片付けてください!」

 

「虚ちゃん!?やってるよ!?」

 

「刀奈さん、虚さんの言う通りまずはこの書類の山を片付けましょう。」

 

「一夏君まで~。少しは休みたいよ~。」

 

「お嬢様がサボったから溜まってるのですよ!休んでるヒマはありませんよ!」

 

「それで俺が巻き込まれてるんですよ?もう少し頑張ってくださいよ。」

 

「わかってるけどさ~・・・疲れたよ~。」

 

 

刀奈さんが机に突っ伏してぼやいている。

疲れたのは同感ですけど、早く終わらして部屋に戻った方が休めますよ・・・。

 

「ほら、頑張ってください。」

 

 

突っ伏している刀奈さんの頭を撫でる。

 

「はふ~~~。」

 

 

気持ちよさそうに息を吐き、目を細め擦り寄ってくる。

完全に猫だな・・・。

 

「一夏さん、私も撫でてください!お嬢様ばかりズルイですよ!」

 

「分かりましたよ・・・。」

 

 

刀奈さんを甘やかすと虚さんが嫉妬して甘えてくる。

可愛い反応だが、虚さんも仕事してくださいよ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「終わったーーー!」

 

 

頭を撫でた事によって気力が回復した刀奈さんがもの凄いスピードで仕事を片付けてくれたので、予想していたより早く書類の山が片付いた。

 

「お疲れ様です。」

 

「一夏君が撫でてくれたからやる気が出たんだよ~!」

 

「そうですか。」

 

 

擦り寄ってくる刀奈さんを無意識に撫でる。

 

「はふ~~~。」

 

「一夏さん、私も!」

 

「へ?・・・あ、撫でてましたか。」

 

 

虚さんに言われて気がつく。

 

「むぅ~~~~~。」

 

「分かりましたよ、虚さんも撫でてあげますから・・・。」

 

「本当ですね!」

 

「え、ええ。」

 

 

しかし、そんなに頭を撫でられるのは気持ちいいのか?

疑問に思いながらも虚さんの頭を撫でる。

 

「むふ~~~。」

 

「一夏君、私ももっと撫でて~!」

 

「部屋に戻りません?」

 

 

俺もさすがに疲れたんだが・・・。

 

「もう少し。」

 

「わ~た~し~も~!」

 

「・・・本当に少しですよ?」

 

 

結局甘やかしてしまう。

もし須佐乃男が居たらあきれられるんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を少し遡りIS学園食堂。

 

「これがケーキと言うものですか~!」

 

 

目を輝かせ念願のケーキにありつけた須佐乃男。

彼女も色々あって今日までゆっくりケーキを食べる時間がなかったのだ。

 

「おりむ~のおごりだから何時もより美味しいね~。」

 

「須佐乃男はともかく、私たちまでおごってもらって良いのかな?」

 

「学食なら安いですし、前にもらった2,000円で十分3人で楽しめますので一夏様も許してくれると思いますよ?」

 

 

今日のこのケーキ代は須佐乃男が臨海学校の時に一夏から渡されたお金で支払われてる。

間接的とはいえ本音と簪も一夏におごってもらっている形になったのだ。

 

「ほうほう、あほでほりむ~にほれ~ひっろけはたいしょうふたよ~。」

 

「本音、何言ってるか分からない。」

 

 

ケーキを口にほおばり何かを言う本音。

もしこの場に一夏が居たら怒られてただろう。

 

「んっとね、後でおりむ~にお礼言っとけば大丈夫だよ~って言ったの~。」

 

「そうだね。一夏は知らなくても実際におごってもらったんだからお礼は言わなきゃね。」

 

「一夏様なら気にしないと思いますけどね~。」

 

 

ペロッとケーキ一個を食べおかわりをする須佐乃男、ここのケーキは意外とリーズナブルなのだ。

 

「簪さまと本音様ももう一つ食べます?」

 

「もっちろ~ん!」

 

「私はどうしよう・・・。」

 

「かんちゃんが食べないなら私が食べるよ~?」

 

「ずるいですよ本音様!ここははんぶんこしましょう!」

 

「いいね~。」

 

 

まだ簪が悩んでいるのに勝手に話を進める二人。

 

「なんかもういいや。二人で食べて。」

 

 

本当は食べたいのだが、二人を見て諦める簪。

 

「やった~!じゃあはんぶんこだね~。」

 

「そうですね!」

 

「はぁ・・・。」

 

 

こうして放課後のひと時は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰り、遅かったな。」

 

 

食堂でケーキを堪能した三人・・・いや二人と簪が部屋に戻ってきたらすでに一夏が居た。

 

「うん!食堂でケーキ食べてたんだ~。」

 

「一夏様、ご馳走様でした。」

 

「ん?・・・ああ、あの時の金を使ったのか。」

 

「そうです。本当に美味しかったです。」

 

「それは良かったな。」

 

 

須佐乃男と本音は満足しているようだが、簪の様子は少し二人とは違った。

 

「簪も食べたのか?」

 

「うん、私は一つだけ・・・。」

 

「私は?二人は幾つ食べたんだ?」

 

「え~とね二個半だよ~!」

 

「二個半?学食のケーキってそんなに小さいのか?」

 

 

一夏はケーキを作るはするが自分はあまり食べない人間なので、当然学食のケーキも食べたことがない。

遠目で女子が食べているのを見たことはあったが、そのときの記憶が確かならそんなに小さくないはずだ。

 

「おりむ~、女の子は甘いものは別腹なんだよ~?」

 

「そうですよ、一夏様!」

 

「それ迷信だよな・・・。」

 

 

胸を張って断言する本音と須佐乃男に若干の目眩を感じた一夏だったが、ふと気がついたように、

 

「それなら簪も食べれば良かったんじゃないか?」

 

 

そう言った。

 

「私が悩んでいる間に二人が盛り上がっちゃったから何か言い出せなくって。」

 

「そうなのか?それなら今度おごるぞ?」

 

 

この優しさがこの四人が一夏に惚れた原因の一つだろう。

 

「ええ!いいよ、今日もおごってもらったし・・・。」

 

「ん?俺は今日おごってないだろ?」

 

 

「あっ」っと本音が思い出したように一夏にお礼を言った。

 

「今日ね~おりむ~が須佐乃男にあげたお金でケーキ食べたんだ~。おりむ~ありがね~。お腹いっぱいだよ~。」

 

「そう言うことか。だが本音、この後夕食なのにケーキでお腹いっぱいなのか?」

 

「うん!もう夕飯はいらないかな~。」

 

「私も今日はもういいです。」

 

 

須佐乃男と本音の発言に思わずため息が出た。

 

「そんな食生活だと体調崩すぞ。」

 

「だいじょ~ぶ!昔からだから~。」

 

「私はISですしね!」

 

「・・・そうか。」

 

 

もはや呆れを通り越し諦めの境地に至っている。

 

「それで簪、如何する?」

 

「何が?」

 

「何がって、ケーキ。」

 

「二人っきりでなら良いよ?」

 

 

滅多に無い機会なので甘えようとする簪。

普段から甘えている刀奈と本音、そして簪の居ない場所で甘えている虚。

四人の中で一番甘えていないのは間違いなく簪だ。

 

「二人っきり?それだと学食では無理だな・・・どっか出かけるか。」

 

「本当!!」

 

 

前半部分で少し落ち込みかけた簪だったが、後半部分で一気にテンションが上がった。

 

「あ、ああ。本当だ。明日か明後日なら時間があるからどっちかで出かけよう。」

 

「うん!」

 

 

簪の反応に若干押されぎみな一夏だったが、一夏も簪があまり自分に甘えてこないのは気付いていたので、珍しく簪がお願いしてきたので嬉しかったのだ。

 

「いいな~簪ちゃん。私も行きたいな~。」

 

「刀奈さんはいっつも甘えてるじゃないですか・・・。そもそも生徒会の仕事をしっかりやっていればもっと時間があるはずですけど。」

 

「うえ、またやぶへび。」

 

「一夏様、私も行きます!」

 

「須佐乃男は明日から定期メンテナンスだろ。」

 

「そうでした・・・」

 

「それで簪、明日と明後日、どっちがいい?」

 

 

刀奈と須佐乃男を軽くあしらい、簪に予定を尋ねる。

 

「えーと・・・明後日がいいかな?」

 

「そうか、じゃあどこかで待ち合わせを・・・」

 

「え?一緒に行けば良いんじゃ?」

 

「ん?・・・ああ、俺明日と明後日は実家に戻るから。」

 

「そうか、週末だった。」

 

 

本当なら今日戻って掃除なりなんなりをするつもりだったのだが、生徒会の仕事が大量にあったためそれは諦めたのだ。

 

「じゃあ明後日の12時にショッピングモールの最寄り駅で待ち合わせでいいか?」

 

「うん!」

 

 

これってデートの待ち合わせみたいと、簪は顔を赤めながら頷いた。

 

「これってデートみたいですね。」

 

 

虚が口にしたため簪は更に赤くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二日後。

 

「え~と待たせたか?」

 

「いや、私も今来たとこ。」

 

 

現時刻はA.M10時。

一夏は野暮用をすませてから簪と合流するつもりだったのでこの時間に来たのだが、簪の方は完全に舞い上がっているようだ。

 

「まだ早い気がするが・・・」

 

「一夏だって早いでしょ?」

 

「俺は野暮用を片付けてから来るつもりだったからな。」

 

「そ、そうなんだ・・・。」

 

 

完全に舞い上がっているのを自覚して、急に恥ずかしくなった簪。

 

「なんならそっちにも付き合ってくれるか?」

 

 

そんな簪に一夏はフォローとも取れる発言をした。

 

「いいの!でも何の用なの?」

 

「須佐乃男と千冬姉の服をな。」

 

「そう・・・羨ましい。」

 

「何か言ったか?」

 

「何も!」

 

 

聞こえてはいたが、聞こえてないフリをする一夏。

これも一種の優しさなのだろう。

 

「でも須佐乃男は自分で具現化出来るんじゃ・・・?」

 

「そうだが、買ってやれば喜ぶだろ。サイズは洗濯してるから知ってるし、好みもなんとなくだが分かるしな。」

 

「織斑先生は?」

 

「あの人は自分で服を買わないからな。」

 

「そうなんだ。」

 

 

実際は一夏が買わせないのだが、そのことを言う必要は無い。

千冬が自分で服を買ったのはもう大分昔の事だ。

あまりのセンスの無さに呆れた一夏が返品して交換したのをきっかけに、千冬は自分で服を買う事を禁じられた。

 

「じゃあ行くか。」

 

「うん!」

 

 

一夏の後ろについて歩く簪。

傍から見れば完全にデートだろう。

ちなみに、すれ違った人は・・・

 

「(今の男の子、カッコよかったな。)」

 

「(なんであんな奴があんな可愛い女の子を連れてるんだよ、俺のほうが良いだろ!)」

 

「(初々しい彼女だな~。)」

 

 

など色々と思っていたが、実際に絡んだ人は居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の服を買い終えた一夏は少し考えていた。

何を考えていたかと言えば、さっきの簪の発言だ。

 

「(羨ましいとか言ってたな。簪も買ってほしいのか?それとも選んでほしいのか?)」

 

 

相手の感情には敏感だが、どうも乙女心は完全には理解できていない一夏。

簪が一夏に服を見てほしいのは分かってるが、意見を聞きたいのか買ってほしいかまでは分からないのだ。

 

「(いっそ聞くか?)」

 

 

そう考えたが、首を振り自分の思考を否定する。

 

「(いくらなんでもデリカシーが無いか。さて、どうするかな。)」

 

 

現在簪は店の外で時間を潰している。

一夏があまりにも物怖じせずに進んでいくので、簪の方が恥ずかしくなってしまったのだ。

 

「(ふむ、これは本音に似合いそうだな・・・こっちは刀奈さんだな。これは虚さんが似合うな。)」

 

 

色々見て回りながらそれぞれに似合いそうな服を探していく。

 

「(うーん・・・簪はどれが似合うかな・・・おっ!)」

 

 

グルリとあたりを見渡し、簪に似合いそうなワンピースを見つけた。

 

「(控えめだが可愛い簪にはこれかな。)」

 

 

一夏は普段積極的に四人と付き合おうとはしないが、ちゃんと四人の事は考えている。

口にしないだけでそれぞれ違った可愛さがあるのも分かっている。

 

「(でも簪にだけ買ったら怒るだろうな・・・)」

 

 

そして互いに嫉妬深いのも分かっているから、悩むのだ。

 

「(いっそ皆に買うか。)」

 

 

今月は質素に生きようと決め、四人に似合いそうな服を買った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせ。」

 

「ずいぶんといっぱい買っただね。」

 

 

両手に袋を持った一夏を見て簪は率直にそう言った。

 

「ん?ああまあな。寮に送ってもらっても良かったんだが、あいにくもう簪におごるくらいしか手持ちがなくてな。コンビニで金を下ろしてくるからもう少し待ってってくれ。」

 

「良いけど、そんなにお金使うの?」

 

 

ケーキだけならそんなにかからないはずだ。

だが一夏はお金を下ろしてくると言っているのだ。

 

「迷惑料も兼ねて、昼飯もおごるぞ?」

 

「なんか悪い気が・・・」

 

「気にするな。それじゃあちょっと行ってくる。」

 

 

一夏が居なくなって、軽く息を吐く。

 

「(やっぱ一夏は優しい。)」

 

 

心の中でそうつぶやきどこか座れる場所を探していると・・・

 

「お譲ちゃん一人?俺たちと一緒にどっか行かない?」

 

 

典型的なナンパ野郎たちに絡まれた。

 

「えーと・・・一人じゃないです。」

 

「でも何処にも連れ見当たらないじゃん。俺たちと遊ぼうぜ~。」

 

「そうだよ。こんな可愛い子ほっとく奴なんかじゃなくて俺たちと行こうよ~。」

 

「嫌!」

 

 

迫ってくるナンパ野郎の手を弾く。

 

「イテっ!こいつ下手に出てるうちに一緒に来ればいいものを、やっちまえ!」

 

 

急に態度を変え、強硬手段に出てくるナンパ野郎たち。

簪は脅えてしゃがみこんでしまった。

 

「人の彼女に何してるんだ?」

 

 

簪の耳に頼もしい声が聞こえた。

 

「一夏!」

 

「これ、もしかしてチンピラ?」

 

「誰がチンピラだ!」

 

 

今にも飛び掛って来そうな相手を指差して一夏が尋ねる。

 

「違うのか?如何見てもチンピラなんだが。」

 

「テメエ、なめてると痛い目見るぜ!」

 

 

殴りかかってきたナンパ野郎その1。

 

「遅いよ。」

 

 

一夏は簡単に避け、相手の足に自分の足をかけた。

 

「グェ!」

 

 

顔からコンクリートに落ちた。

・・・痛そう。

 

「おい!やっちまえ!!」

 

「「「おう!」」」

 

 

いかにも小物臭漂う感じのナンパ野郎たちに、一夏はため息を吐いた。

 

「これ、相手しなきゃいけないのか?」

 

「たぶん・・・」

 

「はぁ、仕方ないな。」

 

 

あっさりとナンパ野郎たちを退け、約束の昼食に向かう。

 

「あれ、放っておいて良いの?」

 

「別に気にする事ないだろ。そのうち気がつく。」

 

 

一夏に延髄チョップをされ、全員意識を刈り取られた。

だが弱めなのですぐに意識を取り戻すだろう。

 

「さて、何食べたい?」

 

「う~ん・・・パスタが良いな。」

 

「じゃあ、それにしよう。」

 

 

簪の希望をあっさり聞き入れ、昼食に向かう。

 

「ここ、すごく高そうなんだけど・・・。」

 

 

簪は普段外食をしないため、一夏の向かった店に若干驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ケーキも食べたし帰るか。」

 

「そうだね。一夏、ご馳走様。」

 

「お粗末さまです。」

 

 

昼食とデザートを終え、学園に戻る事にする。

相変わらず一夏の両手には紙袋がある。

 

「何買ったの?」

 

「後で教える。」

 

 

普段なら教えてくれるのだが、さっきから一夏は答えをはぐらかしている。

 

「気になるんだけど。」

 

「そうか。」

 

「ぶぅ~。」

 

「そう膨れるな。」

 

このやり取りも果して何回目か。

駅に着き、丁度モノレールが着たので乗り込む。

 

「疲れたか?」

 

「少し・・・」

 

「寝ても良いぞ、着いたら起こすから。」

 

「大・・・丈・・・夫・・・」

 

「・・・寝たか。」

 

 

昨日から緊張していたのだろう。

席に着いたとたんに睡魔に襲われ、簪は眠ってしまった。

 

「寝顔も可愛いな。」

 

「ん・・・」

 

 

眠っている簪の頭を撫で、気持ちよさそうに反応する。

 

「お休み、簪。」

 

 

学園の最寄り駅に着くまで、ずっと簪の頭を撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま。」

 

「遅い!何処行ってたの!」

 

「・・・知ってますよね?」

 

「一回やってみたかったんだ~。」

 

「そうですか。」

 

 

部屋に着いたら刀奈さんが迎えてくれたが、どうやらご機嫌斜めみたいだ。

 

「一夏君、凄い荷物ね~。」

 

「これお土産です。」

 

 

紙袋を渡し、そう言う一夏。

 

「わぁ~可愛い!」

 

「どれが誰のですか?」

 

「おりむ~、似合う?」

 

「まてまて、本音のはこれだ。それは刀奈さんのだ。」

 

「じゃあこれは~?」

 

「それは虚さんだ。それでこれが簪の。」

 

「私のもあるの!」

 

「?当然だろ。」

 

 

簪の反応に首をかしげる一夏。

どうやら自分の分は無いと思っていたらしい。

 

「似合うと思って買ったんだが、どうですか?」

 

 

四人に尋ねる一夏は首を傾け四人を見ている。

 

「可愛い・・・」

 

「抱きしめたい・・・」

 

「そうですね・・・」

 

「おりむ~かっわいい~!」

 

 

それぞれの反応は服ではなく一夏に対してだった。

 

「そうじゃなくて服ですよ?」

 

 

この後四人が気に入ったと言うと満足そうに頷いた一夏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではこれで一学期は終了となる。各自羽目を外しすぎないようにな!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

HRも終わり、明日から夏休み。

全員の予定も合い、再び旅行に行く事にもなってるので、非常に楽しみだな。

俺たちは更識の屋敷に戻るために荷物を纏めて寮から駅に向かう。

さて、しっかりと楽しまなくちゃな。




刀奈と虚が甘え、須佐乃男と本音が一夏の金でケーキを食べる。
そして簪とデート・・・一夏爆発しろーーーー!

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