もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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 ひとまず誘拐騒動は終了です。まだいろいろとあって原作までが遠い・・・
 皆さん飽きずに付き合ってください。


誘拐騒動終結

 千冬視点

 ようやく話が求纏まったようだ。更識が後方支援、ドイツ軍が正面および側面から突撃というかたちを執るようだ。

 千「(そんなことはどうでもいい、一夏さえ無事なら誰が死のうが関係ない。)」

 相変わらずのブラコン炸裂。周りの人間のことなど気にしないのだ。しかし、口にしたのは別のこと。

 千「私はどうしたらいい?」

 当然の疑問だ。呼ばれたのに作戦の中に自分の名前がなかったのだから。

 女1「貴女には露払いをお願いしたい。正面の敵を払った後、こちらの行動に追行し陽動をお願いしたい。流石に相手もブリュンヒルデが陽動とは思わないだろうからな。」

 ドイツ軍としては目的のために千冬は邪魔なのだからこの作戦は当然だろう。だが---------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千「それでは私が一夏に一番に会えないではないか。」

--------彼女はブラコンだったのだ。自分の手で一夏を救い出したいようだ。

 女2「しかし、貴女が弟さんの下に向かったら最悪弟さんを殺されかねない。」

 この一言は効いた、しかも抜群に。織斑千冬において弟一夏が殺されるということは、この世の終わりとイコールなのである。

 

 

 刀奈視点

 女2「しかし、貴女が弟さんの下に向かったら最悪弟さんを殺されかねない。」

 その言葉に感じたのは白々しさだった。なんとしても彼女を弟の下へ向かわせないようにしているように感じたのだ。しかし、そのことはあくまで刀奈の勘であり確証はない。彼女は下手なことを言って士気を下げるわけにもいかない立場なのである。

 

 

 閑話休題

 刀奈の考えていることは正しいことだ。しかし彼女の立場は更識隊の副隊長であって更識内には意見できるがドイツ軍に意見して国際問題になってはそれこそ大問題、第三次世界大戦の引き金になど誰もなりたくないだろう。『触らぬ神に祟りなし』…昔の人はよく言ったものだ。

 

 

 ドイツ軍視点

 どうにか千冬(ブラコン)を説得し協力を確約した。これで余計なことを言われる前に始末することが出来るだろう。

 女1「(まったく余計な苦労したわね。)」

 女2「(しかし、ばれたらただじゃすまないのだから必要労力なのじゃないかしら?)」

 女1「(そういう考えも出来るわね。)」

 女3「(そう考えるとこれぐらいの労力ですんだと思えるわね。)」

 女2「(じゃあもう余計な労力を消費しないうちに始末してしまいましょう。)」

 女1.3「(了解)」  

 ここまで小声で話していた彼女らを不審に見ていた楯無に気づいたのか愛想笑いを浮かべた後に、

 女1「これより作戦を実行する。各自所定の位置に移動の後合図を待て。」

 そのように命令を出し自分も移動していった。

 

 

 一夏視点

 一「(どうやら外の新しい気配は味方らしい。)」

 そう結論付けた一夏は自分はどうするか考えていた。

 一「(こちらも動くか?いやおとなしくしているべきか?)」

 五体満足ならともかく今の一夏は邪魔になりかねない。しかもISの気配も察知しているためにさらに一夏を悩ませていた。

 一「(ISもあるのか。なら俺が動くのは駄目だな。下手すれば巻き込まれる。おとなしくしているか。)」

やはり彼は冷静だった。自分がすべきことをすぐに理解し行動に移せる。(この場合移せると表現していいのかは微妙なとこではあるが。)気配が動き始めたのと同時に彼がよく知っている気配を感じ取っていた。

 一「(千冬姉か?そういえばさっきTVでインタビューを受けた後何か怒鳴っていたような……ああ、あのタイミングで俺のことを知ったのかな。そしてその大軍はひょっとしてドイツ軍か?証拠隠滅でも図るつもりなのか?)」

 恐るべき推理力だ。もう探偵か刑事にでもなればいいじゃないか。どっちを選んでも一流になれるぞ一夏。

 

 

 千冬視点

 私は突撃の合図を待っている。合図があればすぐにでも見張りを蹴散らし陽動を実行するつもりだ。愛する一夏のためなら人殺しだって厭わない、そんな覚悟で時を待っていた。

 女1「突撃!!」

 プライベート・チャネルに合図がきた、と同時に私は敵に突っ込んで行った。

 

 

 刀奈視点

 女1「突撃!!」

 その合図とともに敵に挑んでいく織斑千冬さんとドイツ軍の人々。私たちは特にすることもなく戦況を見守っていた。敵の数が少ないので後方支援など必要なく要するに戦力外なのだ。

 男1「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 男2「やめろぉぉぉ、やめてくr・・・」

 男3「はなしが・・・・ちg・・・」

 ドイツ軍のやり方なのだろうか、容赦なく誘拐犯たちを殺していく。見ていて気分のいいものではない。そんな中ドイツ軍の一人が別の人と争っている。

 女5「・・・・やりす・・・ここまで・・・・」

 女1「・・・なきゃ・・・終わって・・・・」

 遠くてよく聞こえないがドイツ軍の中にも不満を持っている人はいるんだなぁなんて思っていると、

 女4「・・が・・よ」

 何かを言って仲間の一人に襲い掛かった。

 

 

 一夏視点

 女6「織斑一夏さんですね。」

 争いが始まってから暫くして一人の女性が話しかけてきた。

 一「はい、貴女は?」

 一夏はある程度予想のついている相手に素性を尋ねた。その答えは------

 女6「私はドイツ軍IS部隊の一員です。」

 -----一夏の予想通りの答えだった。

 

 

 千冬視点

 私が陽動をしていると外から何か言い争いが聞こえてきた。ある程度の殲滅が完了していたので外に出てみるとドイツ軍の2,3人が言い争っていた。そしていきなりその内の一人が味方に襲い掛かったのだ。

 千「(何があったんだ?とにかくとめなくては。)」

 千冬がそう思ったと同時に何かが千冬の横を凄まじいスピードで飛んでいった。目を向けると-----

 一「あんたら仲間じゃないのか?」

 -----愛する弟がそこに居た。ISを纏って。

 

 一夏視点

 一「彼女たちは、貴女の同僚ではないのですか?」

 女6「そうですけど、何故ああなっているのか私には分かりません。」

 一夏が女性に確認をしても帰ってきたのは欲しかった答えではなかった。どうしたものか、一夏が考えていると声が聞こえてきた。

 ?「貴方は、力を欲しますか?」

 一「今の声は?」

 一夏が女性に聞くが、

 女6「声、ですか?」

と答えた。

 つまり彼女には今の声が聞こえなかったのだ。一夏はそう考え、声の主を探した、得意の気配探知で。

 ?「貴方は、力を欲しますか?」

 再び声がした。耳で感じるのではなく直接頭に響いた感じがした。そして一夏にはその声の出所が分かっていた。監禁されていた場所のすぐ近くにあったものそれは----

 一「これが俺に語りかけているのか?」

 ------ISだった。

 

 

IS視点

 私の壁を挟んで後ろに少年が縛られている。どうやら彼は私たちISの生みの親篠ノ之束の親友で私たちを使って世界最強と言われている織斑千冬の弟のようだ。見た目は非常に格好良く、よく鍛えられた肉体、私が『生身』の女だったら一目ぼれしてすぐ告白していただろう、いや一目ぼれはしている。だが私たちの声は人間には聞こえない。なので告白は出来ないだろう。現に今「好きです。」とつぶやいても彼は反応してはくれない。

 「何で私はISなのだろう・・・。」

 そんなことを考えていると外にISの気配が大量にあることに気がついた。どうやら彼を助けに来たらしい。

ISを装備した女性と生身の男性、勝負はあっという間に着いたが、なにやらISの搭乗者同士で言い争っている。それを遠目で見ていると、私の中に声が聞こえてきた。

 「何とかしないとな。だがIS相手じゃどうにもならない。」

 いままで私には女性の声しか聞こえなかったのに、今聞こえてきたのは男性の、いや少年の声だった。つまりは織斑一夏の声なのだ。だから私は彼に向けて言葉を発した。「貴方は、力を欲しますか?」と。

 

 

 一夏視点

 どうやらISが語りかけてきているようだ。力を欲するか?そんなものは決まっている。

 一「あたりまえだ!あの騒動をとめる力をお前がくれるなら、俺は何だってする。」

 俺は、言葉に出してそう答えると、俺を助けてくれた女性は不思議そうな目でこちらを見ていたが、

 「分かりました。では私に乗ってください。」

 頭の中にそう響いた。俺はISに乗り込み、騒動の中心に向かっていった、なぜISを『男』である自分が動かせるのかを気にしないまま。

 

 

 刀奈視点

 突然のことに私の頭はパニック寸前になっている。いきなり仲間同士で争い始めたと思っていたら、それを仲裁に来たのが『ISを身にまとった』織斑一夏君だったのだから。ISは女性にしか使うことが出来ない。これは今や世界の常識になっている。つまり彼は『世界初の男性操縦者』であり『ISの常識を覆した男』なのだ。そのことに驚いている間に彼は味方内の戦いをとめていたのだ。

 刀「すごい・・・。」

 私はそうつぶやいた。

 

 

 千冬視点

 なんということだ。一夏がISを纏って争いを止めたではないか。この出来事に私は興奮していた。----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千「流石は私の一夏だ。あんな争いなどあっと言う間だな。」

-------千冬よ、IS業界のトップがそんなことで良いのか?

 

 私は一夏の元に駆け寄り、声をかけた。

 千「一夏、無事だったんだな!よかった、心配したぞ。」

 一「千冬姉か、心配かけたな。だがこの通り俺は大丈夫だ。」

 千「安心した。もし一夏に傷などついていたら、私は敵味方関係なく暴れていたぞ。」

 一「・・・・ほどほどにな。」

 一夏はそれだけ言うとドイツ軍の女共と話をしにいった。私をおいて・・・。べっ、べつに寂しくなんかないんだからな、本当だぞ。

 

 そこでふと一夏がISを纏っていることが気になったが一夏なら別に不思議はない。なぜなら「私の」弟だからな、決してどこかのウサ耳女を敵視しているわけではない。

 

 

 一夏視点

 争っている両者を気絶させその場の騒動を治めた俺は、何故このような騒動になったのかをドイツ軍の人に聞いた。どうやら誘拐犯を殺したのは、やり過ぎではないのかとの口論からヒートアップしてあのような騒ぎになったのだそうだ。・・・それでいいのかドイツ軍といった突っ込みは無しで。

 ようやく解放された俺は、ISから降り本来の救出隊である更識の元へ向かっていった。

  

 




 いや~今回はかなり長かったです。自分的にはもう少し短くいけるかなと思っていたのですが、思いのほか書いてしまいました。
 次回は日本に帰ってからのお話にしたいと思います。ではまた。

 P,S, 
 お気に入り登録および感想ありがとうございます。こんな駄文に付き合ってくださる方々がいるとは・・・感激です。
 なお台本形式および台詞の前の名前は今回で一応終わりにするつもりです。モブが多かったのと、その中での善悪をはっきりさせたかったのでこのような形にしていました。苦手だった方々には不快な思いをさせてしまったと思いますが、次回からはもう少し読みやすくなるように努力してまいりますのでご容赦ください。

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