もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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専用機が完成、でもまだもう一機……


完成・黒椿

 一夏君に呼ばれ、私は再び授業を抜け出して第三アリーナへと向かっている。本来なら授業を抜け出すなんて怒られるから出来ないんだけども、何故か一夏君に呼ばれたと言えば先生たちは納得してくれるんだよね……それだけ一夏君が信頼されているのだろうか? それとも恐れられてるのだろうか……きっと両方なんだろうな。

 

「やっほー一夏君、呼ばれたから来たけど、一体何の……」

 

 

 用事とは続けられなかった。だって私の目の前には、私が想像してたよりも遥に立派な専用機が置かれていたからだ。

 

「最終調整をしたいからな。フィッテングするから乗ってくれるか?」

 

「もう……出来たの?」

 

「だから最終調整をするって言ってるだろ。フィッテングしたら軽く模擬戦だ」

 

「えっと……相手は?」

 

 

 今は授業中だし、さすがに他の人が抜け出してくるなんて出来ないだろうしな……

 

「須佐乃男を呼んであるから、俺が軽く相手する」

 

「ですよねー……」

 

 

 一夏君相手に軽くも重くも無いと思うんだけども、折角一夏君が造ってくれた専用機なんだから、簡単に負けるなんて事の無いようにしないとね……

 

「……さすがに本職のようにはいかないな」

 

「何の話?」

 

 

 本職って何だろう……

 

「いや、フィッテングを十分で終わらせる化け物が知り合いに居るんだが、さすがにそれだけ早く出来る訳無いなと思っただけだ」

 

「えっと、その知り合いって……」

 

「多分想像通りだと思うぞ」

 

 

 そうだよね……フィッテングが本職って訳では無いけども、一夏君が素直に負けを認めたんなら、その相手はISにおいて誰よりも詳しいって事だ。そうなると該当する人は一人しか存在しない事になる……

 

「篠ノ乃博士ってフィッテングを十分で終わらせるの!?」

 

「普通がどれくらいかは、俺は知らないんだけどな……ほい、フィッテング終了」

 

「えっ、もう!?」

 

 

 一夏君がフィッテングにかけた時間は十五分。IS開発部の技術者でも、フィッテングにかかる時間は平均で四十五分だと聞く。早い人でも三十分切れないフィッテングを、一夏君は初めてにも関わらず十五分で終わらせたのだ。

 

「あとはパーソナライズを……って、如何かしたのか?」

 

「ううん、一夏君も十分化け物だよってね……」

 

「は?」

 

 

 一夏君のキョトンとした表情を、珍しいとはしゃげる気分では無かった。まぁ、ISを一から一人で組み上げる人なんだから、今更って感じなんだけどさ……もう少し私たちの常識の範疇に居てほしかったな……

 

「とりあえず飛んでみてくれ。それから武装を展開して軽く攻撃する感じで。基本武装は希望通り槍にしてあるから」

 

 

 一夏君に言われモニターに武装情報が表示される。随分と積んであるけど、バススロットは問題無いのかしら……

 

『どんな感じだ?』

 

「うん、問題ないよ」

 

 

 オープン・チャネルで呼びかけられ、私は一夏君に快適だと伝える。訓練機でも空を飛ぶ時は気分がよかったんだけど、やっぱり専用機だと一段と気分が良いわね。もちろん感覚は変わらないのだけども。

 

『まずは「紫電の槍」を展開してみてくれ。ちゃんと突きと雷撃が出来るか如何かをチェックしたい』

 

「突きはチェックしなくても大丈夫なんじゃないの?」

 

『そっちにも仕掛けがあるんだ』

 

「仕掛け?」

 

 

 一夏君に言われた通りに、『紫電の槍』を展開して突きを放つ。すると元々の長さの倍くらいまで突きが伸びていった。

 

「えっと……」

 

『とりあえずはそれだけ伸びるようにしたが、長さはエイミィが調整してくれ。頭で考えるだけで設定を変えられるようにしてあるから』

 

「これなら遠距離武器は要らないんじゃ……」

 

『槍は直線にしか攻撃出来ない。それに遠距離武器の方が回避されるリスクが少ないぞ』

 

 

 一夏君が言っても説得力が……何せ遠距離武器、てか銃火器での攻撃を相殺したりあっさりと回避したり出来るんだからね……

 

『それから、「黒雷」も一応積んであるからな。槍と剣ならどっちでも使えるって言ってたからな』

 

「でもさー一夏君、『黒雷』って扱いが難しいって言ってなかった?」

 

 

 元々は一夏君専用に篠ノ乃博士が開発したものだ。それを私が扱えるとは思えないんだけどな……

 

『設定は弄ってあるから、俺が使ってるのより遥かに使いやすくなってるはずだ。まぁ「黒雷改」とでも思ってくれ』

 

 

 一夏君の説明だけでは、イマイチ分からなかったので、私はとりあえずその『黒雷改』を展開し素振りをする。

 

「あれ? それほど反動が無い」

 

『あれは駄ウサギが設定した威力が高かったからな。だからある程度威力を犠牲にして反動を減らした。最初の設定じゃ俺でも難しかったからな』

 

「そういえば開発に一日かかったとか聞いたよ?」

 

『正確には最終調整にだな。あの駄ウサギ、俺なら出来るとか言ってもの凄い威力の電圧を仕掛けやがってたからな』

 

 

 一夏君の話を笑いながら聞き、私は『黒雷』の雷攻撃を試してみる。

 

「おおぅ、結構痺れるね」

 

『それでも弱めになってるんだがな……キツイならもう少し威力を弱めるが』

 

「大丈夫、これなら何とかなる」

 

 

 さっきの『紫電の槍』より痺れるけども、これはこれで使える。

 

『後は何本か刀が積んであるのと銃火器だな。二刀で使っても良いしつなげても使える』

 

「名前は?」

 

『右が「村雨」で左が「時雨」だ』

 

 

 一夏君の説明がそこでとまり、オープン・チャネルから聞こえてくる声が若干怖いものに変わった。

 

『さて、須佐乃男が到着したから模擬戦を開始しよう。一旦降りてきてくれ』

 

「は、はーい……」

 

 

 一夏君相手なんて、会長や布仏先輩でも勝てないって噂されてるのに……まぁあくまでも最終調整が目的だから、勝ち負けは二の次なんだろうけどさ……

 

「自動照準補助システムも、前のとは比べ物にならないくらい使いやすくなってるし、性能もよくなってるからな。だけどそれに頼りすぎるとエネルギー消費が普通に使う時よりも多くなるから気をつけるように。オンオフは思念で出来る」

 

「牽制の時は使わないほうがいいのね」

 

「元々の射撃の腕なら、牽制にしか銃火器が使えないからな」

 

「どうせ下手くそですよーだ」

 

「誰も言って無いだろ、そんな事」

 

 

 一夏君の笑いながらの否定に、私もつられて笑い出す。普段厳しい表情や真面目な表情が多い一夏君だけども、こんな風に笑ったり出来るんだと、新たな発見をした。

 

「一夏、審判は私がしてやろう」

 

「織斑先生!?」

 

「……問題児三人の監視は如何した?」

 

「この時間は私はフリーだからな。授業は真耶が担当だし、監視にはナターシャと小鳥遊がついてるからな」

 

 

 一夏君は少し考えて、何とか納得したらしい……かなり厳しい顔をしてたから、てっきりまた怒るのかと思ったよ……

 

「それじゃあ頼む。だがあくまでも軽めの模擬戦だからな。審判が必要かと問われれば微妙なところだ」

 

「気にするな。カウントぐらいは必要だろうしな」

 

 

 そう言って織斑先生は管制室に移動して、一夏君は須佐乃男と何かを話している。何か打ち合わせでもしてるのかな……

 

「エイミィ、とりあえずエネルギーの補給をするからちょっとピットに来てくれ」

 

「分かった」

 

 

 今さっきまで試運転してたからね。少しとはいえエネルギーは消費してるもの。補給は必要だし、自分じゃ一夏君のように早く終わらせられないからね。

 

「そういえば、一夏君はこの『黒椿』の声は聞こえるの?」

 

「一応はな。だがこの子はエイミィの専用機だ。たとえ学園に在籍してる間だけとは言え、この子の持ち主はエイミィだからな。声は聞こえても俺はこの子に乗る事は無い」

 

 

 そういって一夏君は黒椿のエネルギーを補給し終えた。

 

「さてと、とりあえず全ての武器を使う事。それからちゃんと補助システムのオンオフを試す事。それから……」

 

「大丈夫! 一夏君に言われなくてもこの模擬戦の意味くらい理解してるから」

 

「なら良いが……」

 

 

 一夏君がイマイチ納得してないようだったけども、私は既に模擬戦に向けて闘志を燃やしているのだ。

 

「興奮し過ぎてアリーナ施設を壊すなんて事はしてくれるなよ。修繕するのが大変なんだから」

 

「分かってるよ」

 

 

 生徒会副会長でもある一夏君は予算の事を気にしているのだろう。例の三人が修繕するのはあくまでも「亡国企業が破壊した箇所」だけなのだから……

 

『それでは両者準備は良いか?』

 

「私は大丈夫です」

 

「こっちも問題は無い」

 

 

 そういいながらも、一夏君はまだ須佐乃男を展開していない。

 

「一夏君、展開しないの?」

 

「とりあえずはエイミィの動きを見てからだ。必要なら展開するし、必要なければそのまま戦う」

 

「危ないよ!?」

 

 

 いくら一夏君が強くても、さすがに生身ではISの相手はキツイと思うんだよね……何度か対戦してるようだけども、いずれも無傷では済んでないんだから……

 

『ではカウントを始める』

 

「えっ! でも……」

 

『3……2……1……』

 

 

 織斑先生も気にしてないし、須佐乃男も横でニコニコしてるし……ええい! もう如何にでもなれ!

 

『0! 開始!』

 

 

 織斑先生の合図と共に、私は『紫電の槍』を展開して一夏君を貫こうとして突っ込む。いくら伸びるとはいえ、近くで刺した方が威力は高いのだ。

 

「動きが単調だ、それじゃあ簡単に受け止められるぞ」

 

「嘘でしょ……」

 

 

 ISでの攻撃を、一夏君は素手で受け止めていた。槍の先端では無く、少し奥を掴んでいるので、やってやれ無い事は無いのだけども、普通の人にはまず無理な芸当だった。

 

「それなら!」

 

 

 槍に電気を纏わせ掴めなくする。するとそれが分かっていたかのように一夏君は掴んでいた手を離して距離を取った。

 

「いくわよ!」

 

「甘い」

 

 

 一夏君は腕に装備してる武装から武器を取り出し、雷撃を受け止める。てか、何で雷を反射出来るんだろう……

 

「さてさて、今度はこっちの番だな」

 

「ッ!」

 

 

 一夏君の雰囲気から、あれはヤバイと本能的に察知して、私は一気に距離を取りライフルを展開、遠距離からの攻撃を試みる。

 

「(えっと確か、思念でオンオフが出来るんだったよね)」

 

 

 自動照準補助システムを作動させ、私は一夏君目掛けて引き金を引く。もちろん直撃すれば大怪我で済まないかもしれないのだが、一夏君相手にそんな心配は無用だって分かっているのだから。

 

「なかなか戦況を落ち着いて見られてるな。これなら良い戦闘員になれる」

 

「ッ! 私は実戦に出るつもりは無いよ!」

 

「もちろんそうだろうな。ISを実戦で使うのは原則禁止されてるから。だが今の状況ではそんな悠長な事を言ってられないんだよ!」

 

「キャッ!」

 

 

 一夏君の蹴りから来る衝撃を受け流し体勢を整える。ホント、生身でIS相手に出来るなんて人間業じゃないわよ……

 

「なら、おいで『村雨』! 『時雨』!」

 

 

 二刀を構えて一夏君に斬りかかる。すると一夏君は何時の間にか須佐乃男の隣に立っていた。

 

「そろそろ行くぞ」

 

「了解しました!」

 

 

 如何やら漸く須佐乃男を展開するらしい。さすがに生身では危ないと判断したのか、それとも別の理由かしら……

 

「篠ノ乃流剣術、二の太刀」

 

 

 そう一夏君が言うと、私の二刀は何にもぶつかってないのに衝撃を喰らった。今一夏君動いてないよね……

 

「篠ノ乃流剣術奥義、神速の太刀」

 

 

 さっきよりも強い衝撃が私の構えた二刀に加わり、それと同時に凄い風が私に襲い掛かる。

 

「一夏君、さっきからどんな攻撃をしてるのよ!」

 

「元々修めていた篠ノ乃流剣術を、ISで再現してるだけだ」

 

「それって篠ノ乃さんの実家の?」

 

「ああ、そしてアイツはこの剣術を使えない」

 

 

 実家なんだよね……それなのに篠ノ乃さんは使えないんだ……ISより先にそっちを会得した方が良いんじゃないのかな……

 

「さて、後残ってる武装はマシンガンかライフルだな。黒雷でも良いが、近距離で相手出来るか?」

 

「……出来れば遠慮したいわね。そんな見えない攻撃してくる相手に、近距離で挑むほど自惚れて無いわよ!」

 

 

 生身でも出来るって事は、一夏君を本気で怒らせたら気付く前に攻撃されるって事なんだろうな……覚えとこう。

 

「撃てー!」

 

 

 やけくそでマシンガンを乱射し、一夏君目掛け……いや、須佐乃男目掛けてぶっ放す。だけど一夏君は表情一つ変えずに弾丸を斬り捨てていく。

 

「どんな動体視力してるのよ!?」

 

「こんなの誰でも出来るだろ?」

 

「出来てたまるかー!」

 

 

 一夏君の常識は、私たちの非常識なのだ。弾丸を斬り捨てたり、同じ弾丸で相殺したりなんて普通の人に出来る芸当では無いのだ!

 

「やれやれ、そろそろ終わらせるか。調整課題も分かったしな」

 

 

 そう言って一夏君は一本の刀を展開した。

 

「いくぞ、『零落白夜』!」

 

 

 単一仕様能力であるはずの『零落白夜』を、須佐乃男は普通に使う事が出来るらしいのだ。恐ろしい事よね……

 

『そこまで! 勝者一夏』

 

 

 エネルギーは互いにまだ残っている。だけどこの模擬戦の目的はあくまでも試運転、最後まで戦う必要な無いのだ。

 

「如何だ? 実際に乗って戦ってみた感想は」

 

「うん! フィッテングしたから当然だけど、私の動きにちゃんとついてこれてる!」

 

「まぁエイミィの癖なども計算に入れて造ったからな。だが微調整は必要だな」

 

 

 とりあえず解除して、一夏君に黒椿を渡す。待機状態は指輪のようだ。

 

「一夏、ウェルキンの方の専用機は何時くらいに出来上がる?」

 

「エイミィと違ってデータが揃ってないからな……セシリアのデータじゃあまり役に立たないしな」

 

「実力差があるからな、あの二人は」

 

「武装の参考にはなるが、機体を造る上ではな……」

 

 

 一夏君は黒椿の調整をしながら、織斑先生とウェルキン先輩の専用機の話をしている。作業とは別の話をしてミスをしないんだから、一夏君ってホント凄い人だよね……

 

「修学旅行を間に挟む計算だから、後二週間はかかると思うぞ」

 

「年末の対抗戦には間に合うんだな?」

 

「本当ならそっちでもデータを取って造りたいんだが、そんな悠長な事を言ってられないからな」

 

 

 一夏君は調整を済ませ黒椿とモニターを繋いでいたコードを片付けている。

 

「エイミィ、これで専用機は完成だ。バススロットはまだ空いてるからほしい武装が出来たら俺に言う事。出来る限り対応はする」

 

「同時進行なのに、何故カルラの方が先に出来上がったんだ?」

 

「だから言ってるだろ。データの問題だ」

 

「なら、私のを造るとしたらどれくらいだ?」

 

 

 えっ、織斑先生の専用機も造るの? そう思ったのは私だけで、一夏君は口の端を上げて笑っていた。

 

「アンタの専用機を造るなんて、何処の国も認めてくれる訳ねぇだろ。ただでさえ危険人物なんだからよ」

 

「だから話の中だけだ。実際に造れとは言わん」

 

「そうだな……モンド・グロッソの時と今では能力に差があるだろうし、測定しなおしてデータ化して三日ってところか」

 

「その辺は束がデータを持ってるだろうからな。それを考えると如何だ?」

 

「駄ウサギのデータが正確だと仮定すれば、一日あれば出来ると思うぞ。エイミィと違ってアンタなら刀一本で世界の頂点に立てるだろうしな」

 

 

 一夏君の発言を聞いても、私は落ち込む事は無かった。だって実際に刀一本で織斑先生はモンド・グロッソを連覇してみせたんだから……

 

「大体、コアが無いんだから妄想でも成り立たない話だ」

 

「偶には妄想に耽るのも良いだろ」

 

「アンタは何時も妄想に耽ってるだろうが……」

 

 

 一夏君が呆れながらこめかみ辺りを親指と中指で押さえる。最近よく見る一夏君の癖で、この仕草をするって事はかなり疲れてるんだろうな。

 

「一夏様、楯無様からお電話ですが」

 

「刀奈から? 授業中じゃねぇのかよ……」

 

 

 ぼやきながらも一夏君は携帯を受け取り、そして二,三言話したら表情を変えた。

 

「やれやれ……対応が早すぎるだろ」

 

「如何かしたのか?」

 

「イタリアが早速エイミィの機体データを送って寄越せと言ってきたらしい」

 

 

 まぁ本国はISの第三世代開発に苦戦してるからしょうがないけど、それにしても完成直後なんて……

 

「第三世代の開発には役に立たないと思うんだがな……」

 

「えっ、何で?」

 

 

 このデータがあれば開発も捗るだろうし、一夏君の技術があればイタリアは一気にIS先進国になると思うんだけど……

 

「何でって、黒椿は第四世代型ISだ。第三世代の開発には使えないぞ?」

 

「第四世代!? だってまだ何処の国も第三世代の開発でしのぎを削ってるのに……」

 

「須佐乃男や、刀奈たちのISは第四世代だが」

 

「そろそろ第五世代にシフトするかもですがね」

 

「漸くか?」

 

 

 次元の違う話に、私はついて行く事が出来なかった……専用機製造だけでも凄いのに、まさか第四世代型ISを製造するなんて……一夏君はやっぱり私たちの常識の範疇に存在しない人だったんだね……

 

「あっ、そういえばこの武装は第五世代とか駄ウサギが言ってたな」

 

「それをお前が進化させたともな」

 

 

 もう驚くのにも疲れるくらい驚いたよ……男の子でISを使えるだけでも凄いのに、この人はもっと先を行っているのだから……

 

「(よろしくお願いしますね)」

 

「え?」

 

「「ん?」」

 

「エイミィさん、如何かしましたか?」

 

「えっと……幻聴が」

 

 

 今の声は誰のだったんだろう……もう聞こえないし、やっぱり幻聴だったのかな……




修学旅行までが遠いな……

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