もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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今回は大人しい日常?


臨海学校にむけて

「諸君、おはよう。」

 

 

SHRの時間になったので織斑先生がやって来た・・・頭にコブを作ったままで。

そこまで強く殴ったつもりは無かったんだがな。

・・・あれ?確か今日は山田先生が担当だったはずじゃなかったか?

 

「織斑先生、山田先生は如何したんですか?」

 

 

どうやら俺以外にも不審に思った生徒が居たようだ。

 

「山田先生は今度お前たちが行く予定の旅館やその周辺の下見に行っている、したがって今日明日と山田先生は不在だ。それに伴い山田先生が担当するはずだった教科は私が変わりに担当する。山田先生みたいに甘く無いので覚悟するんだな、小娘共。」

 

 

なるほど、現地の下見か。

確かに下見をしておかないと安全かどうか分からないからな・・・でもそれってもっと早くやるものじゃないのか?

何でこんな直前とも言える時期に・・・いや直前だからか?

などと俺が考え込んでいると周りが騒がしくなっていた。

 

「えーーやまちゃん一人で先に海に行ってるの!?」

 

「ずるいな~やまま」

 

「泳いでるのかな?泳いでるだろうな~。」

 

 

仕事で行ってるんじゃ無いのか?

周りで山田先生に対するブーイングが吹き荒れているのを聞いてそんな事を考えていたら織斑先生が一喝した。

 

「やかましいぞ、小娘共!仕事で行ってるのだ!遊びでは無い!それが分かったらおとなしく座れ!」

 

 

織斑先生に注意され、大人しく席に座るクラスメイト達。

此処は織斑先生が軍曹の軍隊なのだろうか?

あまりにも調教されたクラスメイト達を見て、そんなくだらない事を考えていた。

 

「よし!大人しく座った貴様らに褒美として良い事を教えてやろう。実は山田先生は泳げん。だから海に行っても泳ぐなんて事は出来ない。」

 

「そうなんだ~、やまちゃん泳げないんだ。」

 

「でもやまやは運動苦手そうだしね~。」

 

「でも羨ましいのは一緒だけどね~。」

 

 

またもや騒がしくなったクラスメイト達。

てか、バラしてやるなよ。

山田先生が居ないことを良い事に言いたい放題のクラスメイトと、本人は言われたくない事をあっさりとばらした千冬姉。

 

「織斑先生・・・時間、良いんですか?」

 

 

さすがにこれ以上暴走したら面倒くさいので、俺はとりあえず織斑先生に時計を見るように促した。

 

「おや?既にこんな時間か。それでは授業を始める。」

 

 

俺のツッコミで本来の流れに戻って授業が始まる。

やれやれ、これは後で説教でもしてやるか。

 

「(一夏様、今回暴走したのは千冬様では無いですよ?)」

 

 

須佐乃男に言われた事は分かっている。

だが、暴走の原因を作ったのは千冬姉だ。

 

「織斑、この問題の答えは何だ?」

 

 

おっと、当てられてしまった。

俺は授業に集中する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業間の休み時間に織斑先生に話しかける。

 

「織斑先生、ちょっと良いですか?」

 

「何だ?」

 

 

俺はここではちょっとと言って人気の少ない場所に移動した。

 

「千冬姉、山田先生の事バラしてよかったのか?本人が居るならともかく、本人不在のあの場所でバラしたら、山田先生が可愛そうじゃないか。」

 

「気にするな。誰が如何見ても真耶は泳げそうに無いだろ?」

 

「それは・・・そうだな。」

 

「だろ?」

 

 

思わず納得してしまった。

 

「って、違うだろ。本人が言うならともかく、千冬姉が言ったら山田先生は泣き寝入りするしかないだろ。」

 

「何だ?まるで私が真耶をいじめてるみたいじゃないか。」

 

「まるでじゃなくて、その通りだろ。後輩をいじめて楽しいのか?」

 

「ああ!楽しい!」

 

 

言い切ったよこの人・・・。

 

「なら説教だな。」

 

「何故だ!?」

 

「人の嫌がることをするなと子供の時に言われただろ?」

 

「誰に?」

 

「そりゃ・・・誰だ?」

 

 

普通なら親や親戚などの大人達に言われるか、教師に教えられるのだろうが俺たちに親は居ないし、親戚共は屑だらけ。

オマケに教師達は俺たちに関わりたく無かったのか、あまり俺たちに話しかけなかった。

 

「ともかく世間一般的に人の嫌がる事をすれば誰かに叱られるものだ。だから今から説教だ。」

 

「だが一夏そろそろ授業だぞ?」

 

 

今度は千冬姉に時間を指摘され、俺は須佐乃男の待機状態である腕時計を見る。

 

「・・・本当だ。しかたない、今度山田先生を交えてじっくりと説教してやるから・・・覚悟しとけよ。」

 

「分かったから早く教室に行け。お前でも遅刻してら例外なく罰があるからな。」

 

「分かってるわ!」

 

 

俺は早足で教室に向かった。

ちなみに・・・

 

「え!?織斑君!?」

 

 

俺の早足は普通の女子のダッシュよりも速いので、周りには走っているように見えるのだ。

 

「走ってないからな。後お前らも急がないと授業に遅れるぞ。」

 

 

すれ違いざまにそれだけ言って教室に急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局間に合わなかったので放課後にクラスの掃除を言い渡された。

・・・掃除くらい別にいいが、遅刻の原因に言われるのは納得出来ないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりむ~手伝う~?」

 

 

放課後掃除をしている俺の傍らで本音が尋ねてきた。

 

「珍しいな。本音が自分から仕事を手伝おうなんて言うなんて、明日は雨か?」

 

「むぅ~酷いよ~。おりむ~大変そうだから手伝ってあげようとしたのに~。」

 

 

どうやら本気で手伝ってくれようとしていたのか、少しへこんでしまった本音。

 

「悪かった。本音、こっちおいで。」

 

 

手招きをして本音を近づかせる。

 

「な~に?」

 

 

首をかしげながらもこちらに来る本音。

その頭を優しく撫でる。

朝虚さんに使った技だが、これが意外と効果あるのだ。

 

「むふぅ~もっと撫でてほしいな~。」

 

 

気持ち良さそうに息を吐き、もっと撫でてとねだる本音。

 

「ああ、これくらいなら別にいくらでもやってやるぞ。」

 

 

そう言ってさらに本音の頭を撫でる。

そんな事をやっていたら・・・

 

「一夏・・・何やってるの?」

 

 

簪がやって来た。

 

「罰掃除。本音が手伝うって言ったのを疑ったら機嫌悪くなったからお詫びに頭を撫でている。」

 

 

俺は今起こっていることを簡潔に簪に伝えた。

 

「(簡潔過ぎると思いますよ?簪様、固まってますし。)」

 

 

・・・ん?

須佐乃男に言われ俺は簪を見る。

 

「おい、簪?起きてるか?」

 

 

目の前で手を振り起きているか確認する。

 

「はっ!一夏?今変な事言わなかった?本音が手伝うとかなんとか・・・。」

 

「かんちゃんまで疑うなんて~、酷いよ~。」

 

「だから悪かったってば。でもそう思われても仕方ない生活をしているんだから、少しは反省してくれ。」

 

 

俺の慰めと注意を受けて笑い出す本音。

 

「あはは~、別に本気でへこんでるわ訳じゃ無いよ~。おね~ちゃんや楯無様がうらやましかったから、おりむ~に撫でてもらうために演技したんだ~。」

 

 

どうやら朝の事を知っているみたいだな。

 

「本音、お姉ちゃんや虚さんが羨ましいってどう言う意味?」

 

「別に~最近一緒に居る時間が多いから、撫でてもらう機会も私たちより多いかな~って思ったんだ~。それに朝機嫌良かったし~。」

 

「むぅ~・・・一夏、私も撫でて。」

 

「さっき本音にも言ったが、これくらい何時でもやってやるのに・・・。」

 

「何時も撫でてもらったら~、ありがたみが減っちゃうよ~。」

 

「そうだよ。これはご褒美なんだからさ。」

 

「俺は機嫌を取ったり、落ち込んだりしているときに慰めるために撫でてるのだが・・・ご褒美なのか?」

 

「「当然(だよ~)!」」

 

 

二人の声がハモった。

 

「ご褒美なら、簪を撫でる訳には行かないな。」

 

 

俺はちょっとした悪戯心からそう言った。

 

「えっ?」

 

「だって簪は今何もしてないだろ?」

 

 

あ、ちょっと泣きそうだ。

 

「・・・・プッ冗談だ。ほら簪、こっちおいで。」

 

 

こらえられずに噴出してしまい簪に睨まれる。

それでもこっちに来て頭を差し出す簪。

 

「一夏・・・酷い。」

 

「悪かったって。ちょっとした悪戯だから気にするなよ。」

 

「・・・今度一緒に出かけてくれるなら気にしない。」

 

「今度?何かあるのか?」

 

「本音と水着を買いに行く。」

 

「水着?・・・臨海学校か?」

 

「そうだよ~。去年の水着、入らなくなっちゃったしね~。」

 

「デザインも新しい方が良いし。」

 

「女子は大変だな・・・。」

 

 

しみじみとつぶやいた俺に本音が疑問顔で言った。

 

「何言ってるの~?おりむ~も買うんだよ~。」

 

「俺も?何で?」

 

「だっておりむ~も大きくなったし~・・・それに私たちが買ってあげたいからね~。」

 

「うん、一夏には何時もお世話になってるからそれくらいは。」

 

「そうか・・・ならお願いしようか。」

 

 

二人の気持ちを無碍にするわけにはいかないので、素直に買ってもらうことにした。

 

「それで、何時買いに行くんだ?」

 

「今度の日曜。時間空いてる?」

 

 

え~と日曜は特に何も無かったな。

 

「ああ、空いてるぞ。」

 

「それじゃ~日曜はお出かけだ~。」

 

 

無邪気にはしゃぐ本音と、静かに、でも凄く嬉しそうな顔をしている簪を見て、俺も楽しみになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃除を終え適当にブラブラとしていると、周りの女子たちの会話が聞こえてきた。

 

「今年はちゃんとした水着を選ばなきゃね。」

 

「見せる相手が居るからね~、ただでさえ印象薄いのに下手な水着選んだら一発でアウトオブ眼中だよ。」

 

「そうだよね~。布仏さんや更識さんが羨ましい。」

 

 

見せる相手と言うのは、もしかしなくても俺の事だろう。

会話の内容からそれくらいは簡単に推測できる。

 

「(推測以前にこの学園に男子は一夏様だけですよ。)」

 

 

男子以上に漢な教師が一人居るじゃないか。

 

「(あ・・・千冬様ですか?確かに十分イケメンですしね。それに人気も高いですけど・・・女性ですよね?いくら家事一切が出来なくて、休日はビール片手にテレビを見てるだけでも千冬様は女性ですよ。)」

 

 

・・・そこまでは言ってないんだが。

須佐乃男のあまりにも本人に言ってはいけない事のオンパレードの言葉に俺は苦笑いを堪えられなかった。

もし千冬姉に今の須佐乃男の言葉を聞かせたら・・・うん、考えるのをやめよう。

悲惨な結末しか考え付かないし。

良かったな、須佐乃男・・・お前の声が俺にしか聞こえなくって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻ったらいきなり、刀奈さんに本音と簪と出かける事を問い詰められた。

何処で聞いたんだ?

 

「本当なの!?一夏君。」

 

「え、ええ本当ですよ。」

 

「いいな~簪ちゃんと本音。私も行きたかったな~。」

 

「駄目ですよお嬢様。その日は大切な仕事がありますので・・・羨ましいのは同意できますけど。」

 

「あ、あはは・・・また今度と言う事で。」

 

 

明らかに残念そうな刀奈さんと小さな声でつぶやく虚さんを見て引きつった笑いをした。

でも、刀奈さんと虚さんは臨海学校には行かないんだから水着を買うのはまだ先でも良いんじゃないのか?

 

「(駄目ですね~一夏様は。女の子は好きな男の子と出かける事が嬉しいんですよ。買い物も大切ですけど、一夏様と出かける、これのほうが何倍も大切であって重要なのですよ。)」

 

 

・・・女心とは難しいな。

須佐乃男に力説され、俺は困ったようにそう考えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして日曜日。

俺と簪、本音は外出許可を取り、新しく出来たショッピングモールに来ている。

ここは随分と俺の実家に近い場所だ。

知り合いでも居るかも知れないな。

などと暢気なことを考えていたら、本音に腕を引っ張られた。

 

「如何した本音?何かあったのか?」

 

 

いきなり腕を引っ張った事は気にせず、俺は本音に尋ねる。

 

「あそこにリンリンがいるの~。」

 

「鈴?・・・本当だ。それにセシリアとラウラも一緒だな。」

 

 

背後の看板に身を隠し、こちらの様子を伺ってる三人・・・いや四人だな。

上手く隠れているが、シャルもあそこに居る。

身を隠しても気配を消さなければ意味が無いんだがな。

 

「やれやれ・・・そこの四人!ついてくるのは良いが、邪魔したら容赦しないぞ?」

 

 

軽く脅すと四人は逃げていった。

逃げるくらいなら初めからついて来るなよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ~私とかんちゃんは水着を選んでるから~、おりむ~はちょっと待っててね~。」

 

 

そう言われ俺は今個人行動をしている。

しかしやる事といってもウインドウショッピングくらいしかないしな~。

ショッピングモールと言っても、基本的に女子向け、女性向けの店が多いのでそれもあまり出来ない。

困りながらブラブラとしていたら声を掛けられた。

 

「そこの貴方!」

 

 

ん?俺か?

知らない相手にいきなり呼ばれ、俺は周りをキョロキョロと見回したが、他に人は居なかった。

 

「えっと・・・俺ですか?」

 

 

確認のために自分を指差し尋ねる。

 

「他に誰が居ますの?貴方に決まってるでしょ!」

 

 

なんか最初の方のセシリアみたいな女性だな。

無条件で女性が偉いと勘違いしている、俺がもっとも嫌いな人種だ。

 

「何か用ですか?生憎ですけど貴女に付き合うつもりはありませんよ。」

 

 

どうせ荷物持ちをしろとかなんとか言うだろう相手の出鼻を挫く。

 

「な、貴方自分の立場が分かってるの!?私が言えば貴方なんてすぐに警察行きよ!」

 

 

やれやれ・・・面倒くせ!

俺は本気でムカついてきたので叩きのめす事にした。

当然暴力ではなく言葉でだ。

 

「そうやって無条件で女性が偉いと思い込んでるとそのうち痛い目に遭うぞ?例えば・・・この俺が織斑千冬の弟で世界で唯一ISを動かせる男性だったら、警察に連れて行かれるのは俺ではなく貴女の方ですよ?」

 

「そんな偶然あるわけないでしょ?馬鹿なの?」

 

「それがあるんですよ。」

 

 

そう言って生徒手帳を出す。

もしもの時のために持ってきて良かったな。

 

「な!?・・・こんな偶然・・・」

 

「分かったらとっととどっかに行け!俺はアンタのような人種が大嫌いなんだよ。これ以上俺の気分を害するなら・・・アンタを社会的に抹殺するぞ?」

 

「ひぃ!?」

 

 

軽く脅すと偉ぶっていた女性はどっかに消えうせた。

なんだ・・・まだまだこれからだったのにな。

 

「(相変わらず鬼畜ですね~。この際メガネでもかけてキャラを確立させましょうよ。)」

 

 

・・・なんでメガネなんだ?

偶にあるが、須佐乃男の言っている事を理解できない。

 

「(何でって、鬼畜メガネですよ!知らないのですか?)」

 

 

ああ知らん、そんなもの。

どうせろくなものではないので追求はしなかった。

・・・また束さんが興味を持ったモノを須佐乃男にインプットさせたんだろうしな。

 

「おっ、一夏じゃねえか。」

 

「ん?弾か、久しぶりだな。」

 

 

今度は悪友が声を掛けてきた。

 

「何してるんだ?」

 

「お前こそ・・・ああ、蘭の荷物持ちか。」

 

 

弾の手には女用の水着の入った袋があった。

 

「ああ、そうだよ!悪いか!!」

 

「別に悪いなんて言ってないだろ。」

 

「おにぃ!何処行って・・・い、一夏さん!?」

 

 

弾の背後から蘭がやって来た。

相変わらず弾には厳しいようだ。

 

「久しぶり、蘭。今日は買い物か?」

 

「ええ、少々水着を・・・」

 

「少々?これが?一夏に見せるって・・・ひぃ!」

 

 

何か言いかけた弾だが、蘭に睨まれて縮み上がっている。

 

「一夏さんはどうして此処に?」

 

「ああ、彼女たちとね・・・。」

 

 

弾と蘭には彼女が居ることを言ってあるのでハッキリと言う。

 

「へぇ~、どんな人たちなんですか?」

 

 

蘭が興味を持って俺に聞いてくる。

 

「そうだな~・・・」

 

 

俺が答えようとすると、

 

「おりむ~・・・あっ居た~。」

 

「本音・・・速いよ。」

 

 

話題の中心である簪と本音が俺を迎えに来た。

 

「あの二人。後は二人のお姉さんだな。」

 

 

あっさりと説明を終わらせ二人の方に移動する俺の背後で・・・

 

「何で四人も居るんだよーーーーー!」

 

 

弾の魂の咆哮を聞いた気がするが、すぐに蘭に鎮圧されたから確認のしようがなかった。

しかし、よく四人だと分かったな。

もしかしたらもっと居るかも知れないのに。

 

「(さすがにそれは多すぎるかと。ですがいつかはその中に私も入りますからね。)」

 

 

須佐乃男の謎の宣言を聞き流し二人の水着を確認することにした。

今回は本音もふざけた水着ではなくちゃんとした水着らしい・・・正直想像つかんのだが。

 

「如何かな~?」

 

 

本音の水着は白のワンピースタイプの水着だった。

去年はあの猫みたいなヤツだったからな。

 

「可愛いぞ。本音もそういった水着を着れば大人っぽいんだな。」

 

 

俺のセリフに顔を真っ赤にしてカーテンを閉める本音。

相変わらずストレートに言いすぎなのだろうか?

 

「(逆に聞きますけど、捻ってるつもりですか?)」

 

 

・・・別に捻りは無いだろうが本心から言ってるだけだぞ?

 

「(それがストレート過ぎるんですよ!!)」

 

 

須佐乃男に言われて納得する。

下手に捻って本心が伝わらないのが嫌なだけだったのだが、それが女性には恥ずかしいみたいだった。

まあ、変える気は無いがな。

 

「次は私・・・。」

 

「ああ、楽しみだ。」

 

 

更衣室に入っていった簪と入れ違いに出てきた本音と一緒に簪が出てくるのを待つ。

 

「どんな水着なんだ?」

 

「ふっふっふ~それは内緒なのだ~。」

 

 

本音に尋ねてもこれだからな~。

俺は簪が出てくるのを大人しく待つ事にした。

 

「お、お待たせ。一夏・・・如何かな?」

 

「・・・随分と攻めたな。」

 

 

簪が着ているのは本音と同じワンピースタイプの水着だが、背中が大きく開いている。

刀奈さんなら納得できたが、簪が着ていると少なからず衝撃を受ける。

 

「変?」

 

「いや・・・似合ってるし良いと思うぞ?何より新しい簪が見られた。」

 

「~~~~~~」

 

 

顔を真っ赤にして勢いよくカーテンを閉めた簪。

そんなに恥ずかしがること無いだろうに・・・。

 

「(一夏様がハッキリと言い過ぎなんですよ!)」

 

 

須佐乃男に突っ込まれ簪の行動に納得がいった。

でもそんな反応してくれる簪・・・可愛い!

あれ・・・最近俺、壊れてる?

 

「(ええ。始めて会った時より大分・・・)」

 

 

自分の変化を自覚すると恥ずかしいな。

そんな事を考えながら俺たちは学園に戻った。




別に大人しくなかったですね。
一夏の周りは何時も騒がしいです。
さて次回は海ですね。
束さんを如何絡ませるか・・・シレっと登場はさせますが、箒に専用機を渡しには来ません。

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