もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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デート後半は学園で……


昼間から酒盛り

 キャッキャウフフなお買い物を済ませて、私たちは一夏君と合流する為に待ち合わせ場所に移動する事にした。

 

「やっぱり本音が一番大きかったね」

 

「その次は楯無様じゃないですか~」

 

 

 女の子同士、触りあって大きさを競ったのだが、やはり本音には敵わなかった。身長ほど変わらないのに、何であれほど成長してるんだろうな……

 

「三位はナターシャ先生でしたね」

 

「うんまぁ……」

 

「如何かしました?」

 

「何だか皆の雰囲気が怖いなと思って……」

 

 

 虚ちゃんや簪ちゃんを先頭に、確かに皆の雰囲気はお買い物前よりも怖い感じはしている。理由ははっきりしてるので気にしてなかったけども、ナターシャ先生にとってはこのやり取りは初めてだったのよね……恐怖を感じても仕方ないのかな。

 

「それにしても、美紀ちゃんも随分と成長したわよね~。去年は簪ちゃんとそう違わなかったのに」

 

「お姉ちゃん、それは暗に私が成長して無いって言ってるの?」

 

「別にそんな事は無いわよ? 簪ちゃんだってしっかりと成長してるじゃないの。お姉ちゃんの計測能力を甘く見ない方がいいわよ? 簪ちゃんはこの一年で……もが」

 

「人が大勢居る場所で何を言うつもりなのよ!」

 

 

 簪ちゃんの胸の成長記録を発表しようとしたら、簪ちゃんに羽交い絞めにされ口を押さえられた。

 

「お前ら……往来の場所で何騒いでるんだよ」

 

「一夏さん……お嬢様がちょっとふざけすぎただけですよ」

 

 

 近くに居た一夏君が呆れ気味に近付いてきて、虚ちゃんがそんな事を言う……別に私はふざけた訳では無いんだけどな……

 

「これ、一夏さんの財布です。ありがとうございました」

 

「でも一夏、本当に良いの? 服だけじゃなくてこれまで買ってもらって……」

 

「偶にはな。第一他に何かを買ってやる機会なんてあまり無いし……出かける余裕が無いのもあるんだがな」

 

「学園が問題だらけだもんね~。一夏君が警戒してくれてても、やっぱり先延ばしにしかならないしね」

 

 

 亡国企業が何の目的でIS学園を狙ってるのか、まだ完全にはっきりと分かってる訳じゃないのよね……とりあえず分かってるのが一夏君を狙ってるという事くらいだものね……

 

「この後如何するんですか?」

 

「飯でも食って帰るとするか。あまり学園を離れるのはな……駄姉も居ないし、万が一が起こっても不思議では無い状況だしな」

 

「でも一夏君、ご飯って言ってもこの人数じゃ……」

 

 

 普段の倍……までは行かなくても、それなりに人数は増えている。何処かのお店に入るにしても予約してなければなかなか入れるお店は無いだろう。

 

「仕方ねぇ、食材買って帰るか。昼飯は俺が作る」

 

「ホントですか!? まさかこれほど早く一夏様の手料理を食べられる機会が来るとは」

 

「ルームメイトの子に羨ましがられたんだよね。一夏君のご飯を食べたって言ったら」

 

「商売しても確実に儲かるだけの腕前がありますからね、一夏様には」

 

 

 須佐乃男の言い分に、一夏君以外が強く頷いた。一夏君の料理の腕は、そこら辺の食堂になら確実に負けないだけの技量が備わっている。それだけでは無く素材にだけ拘ってる訳でもないので、高値をつけなくても出来るという面も兼ね備えているのだ。なにせ一夏君が食材を買うのは、普通のスーパーや学園の購買部なのだから。

 

「そうだ! 今度の体育祭で、一夏君には生徒全員の為に炊き出しをやってもらおう!」

 

「は?」

 

「だって一夏君、競技には出ないでしょ?」

 

「当たり前だろ……あんな競技に好き好んで俺が出る訳ないだろうが」

 

 

 競技内容は結局、私が提案したコスプレ障害物競走や生着替えありの長距離走、そして的当てなどで的当て以外は一夏君が参加出来そうに無いものなのだ。

 

「だから、みんなのやる気を出す為にも、一夏君には美味しいご飯を作ってもらってみんなに振舞ってもらうのよ!」

 

「全員分って、そんな予算はねぇだろ」

 

「大丈夫、学食に協力を仰ぐから」

 

「……的当てに参加した方が楽な気がするんだが」

 

「一夏さんはまだISを動かせるまで回復してません」

 

 

 虚ちゃんにそう言われ、一夏君は視線を逸らした。だけど逸らした先にも似たような目をしている簪ちゃんや静寂ちゃんが居たために、一夏君はため息を吐いて降参してきた。

 

「分かった分かった、作れば良いんだろ。だが不味くても文句言うなよな」

 

「大丈夫だよ! お兄ちゃんのご飯を不味いなんて思う味覚障害者は学園に居ないだろうからさ!」

 

「そうですよ! もし不味いなんて言った人が居ましたら、私がコッソリと始末しますのでご安心を!」

 

「出来ねぇよ! むしろ不安になるわ!」

 

 

 碧さんの冗談とも取れる言葉に、一夏君は結構本気でツッコミを入れていた。でも碧さんの気持ちは私もよく分かるわね……貴重な一夏君のご飯を不味いなんて言ったものなら、この世の果てまで追いかけて消し去りたい気持ちになるかもしれないわ……

 

「お前も! 危ない思考してんじゃねぇよな!」

 

「痛いよ一夏君……」

 

 

 思考を読まれたようで、一夏君にチョップされた……加減してくれてるからいいけど、一夏君の本気攻撃を受けたら、今こうしてふざける事も出来なくなってしまうのよね……それだけは気をつけておこう。

 

「じゃあ買い物に付き合う人と、先に帰って部屋の掃除をする人に分かれましょうか」

 

「それなら買出しよりも掃除の方に人数がほしいわね」

 

「何で? 普通なら荷物が多いから買出しに人数を割くんじゃないの?」

 

 

 簪ちゃんの素朴な疑問に、私は一夏君の腕を指差して答える。

 

「一夏君の武装にしまえるんだから、それほど人数は必要ないでしょ。むしろ一夏君一人でも構わない」

 

「大勢で掃除したって捗らないだろ。むしろ遊びだす可能性が高い」

 

「うっ……確かにそれもそうね」

 

 

 考えを見透かされたような気分になり、私は一歩後ろに下がる。別に遊ぼうとは思って無かったのだけども、もしかしたら心のどこかでそんな事を思っていたのかもしれないわね。

 

「ねぇ一夏君、偶にはお酒飲みたいな~」

 

「は? ナターシャは酒弱いだろうが」

 

「いいじゃない。偶には飲んだってバチは当たらないわよ。それに明日からまたお仕事なんだからさ」

 

「……なら買出しには大人が必要になるな。いくら年相応に見られないからと言って、未成年が酒を買うわけにもいかねぇだろ」

 

「それだったら私と小鳥遊先生で行くわよ~。飲むのは私たち二人だけだから」

 

「……碧も酒強くないよな」

 

 

 一夏君が心配するように、ナターシャ先生はお酒を飲むと泣きだすし、碧さんはやたらとハイになるのだ。それにお昼から飲もうとするなんて……ここに織斑先生が交ざってきたら大変な事になりそうね。

 

「それじゃあ買出しは俺とその二人でいい。掃除はお前らに任せるからな。静寂と虚が中心になってしっかりと片付けておいてくれ」

 

「分かりました」

 

「任せといて」

 

 

 一夏君の中で、虚ちゃんと静寂ちゃんの信頼度はかなり高いらしい。そりゃまあ、生徒会で一緒に仕事をしてる虚ちゃんや、一夏君が居ないときのクラスのまとめ役である静寂ちゃんを信頼するのは分かるけども、偶には私たちも頼られたいわよね……

 

「簪は刀奈がサボらないように見張っておいてくれ。出来れば本音も同様に見張ってくれると助かる」

 

「大丈夫。一夏に怒られる可能性を考えれば、その二人もサボらないから」

 

「一夏君はお姉さんを何だと思ってるのかしら?」

 

「……俺に姉は一人しか居ないのだが? しかも飛び切りの駄目人間の姉が」

 

 

 一夏君の事情を知っている私と虚ちゃん、マドカちゃんは一夏君の皮肉を微妙な気持ちで受け止めたが、他の面々は言葉通りに受け取ったらしい。

 でも何故だか、ナターシャ先生だけは私たちと同じような表情をしている……もしかして一夏君から聞いてるのかしら。

 

「それじゃあ掃除は頼むからな。くれぐれも遊びださないように。特に本音と刀奈」

 

「だ、大丈夫だよ~……」

 

「そうそう、私たちだってお掃除くらいちゃんと出来るわよ」

 

「なら良いが……ふざけるとお前ら二人にはデザートは作らないからな」

 

 

 一夏君の脅しに、私と本音は誓ってふざけないようにしようと決意した。一夏君の作るデザートを食べられない恐怖は、私たちにとって死の宣告に匹敵するくらいの恐怖なのだから。

 

「よし本音! 急いで掃除しよう!」

 

「そうですね~。さぁ皆! のんびりしてないで学園に帰ろう!」

 

 

 急にキビキビ動き出した私たちを見て、他の皆は笑い出した。でも急ぐ事には賛成のようで、私たちはなるべく早く学園に戻る事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 またこうして一夏様たちの部屋にお邪魔出来るとは正直思ってませんでした。お買い物に誘っていただけたのも光栄でしたが、一夏様のお作りになった料理をこうして頂けるのも、また光栄なのです。

 

「一夏君、私ちゃんと先生としてやってけるかな」

 

「大丈夫だろ。ナターシャはちゃんとやってる」

 

「そうよね~! ナターシャ先生はまだ大丈夫よ! 私なんてろくに学内の地図すら把握してないんだから~!」

 

「碧も大声で自虐ってんじゃねぇよ」

 

 

 お酒が入ったナターシャ先生と小鳥遊隊長は、一夏様に絡みまくっていますが、誰もそこに介入しようとはしませんでした。

 理由は当然、自分も巻き込まれたら困るからなのですが、それ以外にも、一夏様が何とかしてくれるだろうという信頼がそこにあったからでしょうね。

 

「やっぱり一夏君のご飯は美味しいわね。ルームメイトが羨ましがる気持ちが分かるわ」

 

「エイミィは自分で料理しないの?」

 

「……簪、人には触れてほしく無い部分というものが存在するのよ」

 

「あっ、なるほど……」

 

「つまりカルカルは料理出来ないんだね~」

 

「ちょっと本音!?」

 

 

 簪ちゃんが察して黙ったのにも関わらず、本音ちゃんがあっさりとその事を言ってしまった。相変わらず本音ちゃんの空気の読めなささは凄いな……

 

「ところで静寂、出かける前に篠ノ乃さんに絡まれたんでしょ? あの後一夏が如何やって篠ノ乃さんを諦めさせたのか分かる?」

 

「何となくだけど……部屋に戻ったら惨状の跡が残ってそうなのよね」

 

「いくら一夏君でも、そこまでしないと思うけど?」

 

「でも、シノノンがおりむ~に付き纏ってたときには、おりむ~はシノノンにそれくらいしてたよ?」

 

「前に聞いた話では、幼少期にはもっとしつこかったとか」

 

 

 そう言えば篠ノ乃さんは、一夏様とは昔なじみだとか。篠ノ乃さんは幼馴染だと言い張ってるようですが、一夏様は昔なじみ、しかも出来る事なら知り合いだという事を認めたく無さそうでした。

 

「それにしても、姉さんが学園に居なくて良かったよね。あそこに姉さんまで加わったらお兄ちゃん一人じゃ処理出来ないよ」

 

「如何でしょうか。夏休みに似たような状況になっていましたし」

 

「あ~、あったねそんな事」

 

 

 刀奈お姉ちゃんや虚さんが話してる事は、私には何の事だか分かりませんでした。もちろん静寂や香澄もですし、その時はまだ一夏様の傍に居なかったマドカも似たような表情を浮かべていました。

 

「あの時はおりむ~が可哀想だったよね~」

 

「織斑先生に山田先生、それに篠ノ乃博士だもんね」

 

「後はシャルロットさんやセシリアさん、それにラウラさんに鈴さんも来てましたしね」

 

「まさか生徒の前で酒盛りするとは思って無かったわよね」

 

「しかも飲まされましたし……」

 

 

 何だか凄そうな光景が私たちの頭の中で描かれていく。お酒を飲みまくって暴走する織斑先生と篠ノ乃博士、その二人に弄られながらも自分も飲みまくる山田先生を、一夏様が頭を押さえながらも相手している、そんな光景が……

 

「そう言えば、何であの時篠ノ乃さんたちは一夏君の家に来たのかしら?」

 

「普通に遊びに来たのでは?」

 

「須佐乃男は最初から一夏と居たんでしょ? 何でか分からないの」

 

 

 この中で一夏様以外で真相を知っているだろう須佐乃男に簪ちゃんは尋ねた。

 

「それが、始めはシャルロットさんが一夏様を尋ねて来まして、その後にセシリアさんが、そしてラウラさん、鈴さん、篠ノ乃さんが纏めて尋ねて来ました。そしてその後で本音様、簪様、虚様がいらっしゃいまして、最後に楯無様が尋ねて来ました、後半四人は既に恋人でしたので訪ねて来た理由は分かりましたが、前半の五人……いえ、ラウラさんはいきなり尋ねてきて一夏様を驚かそうと言ってましたので四人ですが……その四人の理由は明確には分かりません。鈴さんは純粋に遊びに来たのかもしれませんが、残りの三人には下心が見え隠れしてましたし」

 

「あの三人はおりむ~に付き纏ってるもんね~」

 

 

 確かに同じクラスに居ると分かるように、オルコットさん、デュノアさん、篠ノ乃さんは一夏様にいたく執心してるようですしね……一夏様に好意を寄せてるのは分かりますが、暴力的なアプローチや傲慢な態度では一夏様は靡きませんし、そもそも一夏様には既に刀奈お姉ちゃんや簪ちゃんといった恋人がちゃんと居るんだから諦めればいいのに……

 

「一夏君、こんな私でもちゃんと好きでいてくれる?」

 

「あ~ズルイぞナターシャ先生! 一夏さん、私の事も好きでいてくれますか~?」

 

 

 随分とお酒を飲んでいるようで、ナターシャ先生と小鳥遊隊長はさっきから一夏様に絡みまくっている。一夏様も如何処理したものかと悩んでる様子ですが、あの質問の答えは二人のみならず他の面々も気にしてる様子でした。

 

「水飲んで落ち着け。この部屋で酒盛りしてたなんてバレたら、後が面倒だ」

 

 

 一夏様は質問には答えずに空き缶や空き瓶の始末を始めました。袋の中に纏めてそして分子レベルまで分解して処理した手口に、初見の私たちはかなり驚きました。

 

「さすが一夏君よね」

 

「リサイクルした方が良いんだろうけども、この近くに回収してる場所がねぇしな。こうやって処理した方が楽なんだよ」

 

「おりむ~を本気で怒らせたらその人がああなるって事なんだよね~」

 

 

 本音ちゃんが無邪気に言った言葉に、私たちは戦慄する。まさか人間を分子レベルまで分解する事なんて、いくら一夏様でも出来る訳が……

 

「ん? 何かついてるか?」

 

「い、いえ! 何でもありません」

 

 

 一夏様を見つめていると、何故だか出来るような気がして来ました……だって色々と人の枠に収まっていない一夏様ですし、それくらい出来てもおかしく無いんですよね……

 

「言っとくが本音が言ったのは冗談だからな」

 

「そ、そうですよね」

 

「ああ。もし本気で怒らせるようなヤツが居るのならば、そいつは塵一つ残さず消し去るからな」

 

「ヒィッ!?」

 

「冗談だ」

 

 

 より過激な表現をした一夏様に驚きの声を上げた私たちでしたが、一夏様が滅多に見せない笑顔を見せてくださったので一安心しました。さすがに塵一つ残さず消し去るなんて出来ないでしょうしね……出来ませんよね?

 

「うにゅ~……一夏く~ん、チュー」

 

「寄るな酒臭い!」

 

「いいじゃない。ほらほら、チュー」

 

 

 完全に酔っ払っているナターシャ先生が一夏様にキスしようと抱きついていたのですが、一夏様はあっという間にすり抜けてナターシャ先生を寝かしつけました。

 

「う~ん……一夏君」

 

 

 寝言でも一夏様の事ですか……よほど一夏様を好いているのでしょうね。

 

「ねぇ一夏君、午後は如何するの?」

 

「好きにして良いぞ。ゲームしても良いし、好きなだけ寝てても構わん」

 

「一夏さんは? 如何するんですか?」

 

「俺はまず片付けて、それから阿呆二人の近況を確認、サボってるようなら直接カミナリを落としに出かけるつもりだ」

 

 

 そう言えば私たちはテスト終了で解放されたのですが、一般高校に通っている一夏様のご友人はまだテスト前でしたね……

 

「それじゃあ一夏の許しも出たし、ゲーム大会と行こうか」

 

「かんちゃん、目が生き生きしてる」

 

「簪はゲームとなるとお兄ちゃん以外には負けないもんね」

 

「今日こそは簪ちゃんの牙城を崩さなきゃ!」

 

 

 一夏様が早速頭を押さえていましたが、簪ちゃんたちは既に遊びに意識が集中してるようで気付いていないようでした。

 

「一夏様、お手伝いしましょうか?」

 

「いや、大丈夫だ。気持ちだけ貰っとく」

 

 

 間近で一夏様の表情を見て、私は一気に顔が熱くなりました。いったい何でしょう、この気持ちは……私は一夏様に頼られるのが喜びだと思っていたのに、何でこんな気持ちになってるのでしょう……だって一夏様は私が仕えている主人、刀奈お姉ちゃんや簪ちゃんの恋人であり、私の師匠とも言えるお方なのに……

 

「如何かしたか?」

 

「い、いえ! 大丈夫です! きっと気の迷いですから!」

 

「?」

 

 

 私が慌てて首を振ると、一夏様は不思議そうに首を傾げながらキッチンに向かって行きました。

 そうですよね、きっと一時的な気の迷いですよね! 自分にそう言い聞かせるように心の中で何度も繰り返しつぶやくと、だんだんと気持ちが落ち着いていきました。やはりあれは一時的な気の迷い、私が一夏様とだなんて……

 

「美紀? 何だか顔が赤いわよ?」

 

「だ、大丈夫よ静寂! ちょっと熱いだけだから」

 

「……この部屋寒いくらいだと思うけど」

 

 

 言われてみれば寒いかもしれない……私は適当な言い訳が思いつかずに、そのまま黙りこくるのだった。




あの場に千冬が居なかったのは幸いだったのでしょうね

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