もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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可愛い嫉妬ですかね


楯無の嫉妬

 みんなで一夏君の帰りを待とうと言ってたのだけど、結局殆どが寝ちゃってたし、私も十二時前には眠くなって寝ちゃったんだよね……

 

「う~ん……今何時よ……」

 

 

 まだ少し眠いけどそろそろ起きないと……授業は無いけど授業みたいな事はやるんだから、ある程度頭を起こさないとまともに教えることも出来ないし……

 

「そろそろ七時だな」

 

「そっか、ありがとう……?」

 

 

 今、誰が答えてくれた? 男の子の声だったような……

 

「漸く起きたか」

 

「一夏君……帰って来てたんだ」

 

「さすがにな。お前らの朝食の準備もあったし、掃除や洗濯もしなきゃいけないからな」

 

「お母さんみたいなスケジュールだね」

 

「言うな、自分でも思ったけど……」

 

 

 一夏君はそれだけ言うとキッチンに戻って行っちゃった……何しにこっちにきてたんだろうな……

 

「うう~ん! 眠いけど起きなきゃ……ん? もうすぐ七時?」

 

 

 随分と寝てたのね……普段ならとっくに起きてる時間に目が覚めた事に驚いたけど、せっかくの日曜なんだし、これくらいの寝坊は許されると思うんだよね。

 

「顔洗お……」

 

 

 もう一度ベッドに潜りたい気持ちもあったが、これ以上寝てると一夏君に怒られそうだからやめておいた。本音みたいに毎朝起こされるのも悪く無いけど、一夏君に負担をかけるのは避けたいしね。

 

「おはようございます、お嬢様」

 

「虚ちゃん、おはよー。今日は虚ちゃんもお寝坊さんなの?」

 

「普段より疲れたんでしょう。私たちは普段誰かにものを教える事は無いですから」

 

 

 確かにそうなのだ。普段は教わる側だし、友達に質問されても、昨日のように何個も立て続けに聞かれるなんて事はないし、あそこまで噛み砕かなくてもある程度理解してくれてるので簡単な説明で済むのだ。

 

「そう言えば虚ちゃんも途中で寝ちゃったんだっけ?」

 

「そうですね、私はお嬢様よりか早くに寝てしまいました」

 

「そうだっけ? 私、虚ちゃんが寝たの知らないんだけど」

 

「そうなんですか? ですが、私もお嬢様が寝たのを知らないので、恐らく私の方が先に寝たと思います」

 

 

 如何なんだろう……たぶんそれ程差が無く寝ちゃったんだろうけど、そこら辺は誰か起きてた人に聞かないと分からないわね……誰か起きてたのかしら?

 

「ねえ虚ちゃん」

 

「なんでしょうか」

 

「私たちより先に寝たのって誰だっけ?」

 

「簪お嬢様と本音は確実に私たちより先に寝ましたね。後は須佐乃男と香澄さん、カルラさんも我々より先に寝てたと思います」

 

「そうなると、残りは静寂ちゃん、美紀ちゃん、マドカちゃん、碧さんだね」

 

 

 マドカちゃんは私が寝そうになってた時に既に眠そうだったし、碧さんも同様に船漕いでたし……可能性があるのは静寂ちゃんと美紀ちゃんだね。

 

「それにしても、今日は皆随分とお寝坊さんなんだね」

 

「日曜日ですし、まだ七時前ですよ」

 

「でも、マドカちゃんは兎も角として、普段早起きしてる簪ちゃんまでも寝てるし」

 

 

 マドカちゃんは既に部屋に居ない。何時ものように運動してるんだろうな。

 

「一夏さんを待つために、慣れない夜更かしをした所為でしょう。簪お嬢様は規則正しい生活をしてますから」

 

「でも、十一時には寝てるのは早くないかな……普段だって十時過ぎくらいまで起きてるんだからさ」

 

「まあ、簪お嬢様は夜が苦手ですから」

 

「そうなんだよね……深夜アニメも録画してみる子だし」

 

 

 簪ちゃんはかなり深夜アニメにハマってるらしいのだが、夜更かしが出来ない上に寮には消灯時間がある為に、簪ちゃんは見たいアニメは録画して見るタイプなのだ。中には期待外れで途中から見なくなるアニメもあるが、大抵は全て取り溜めしている。

 

「私には面白さがあまり伝わってこないのよね……」

 

「お嬢様はアニメよりも映画ですものね」

 

「うん! 派手なアクションとか最高じゃない!」

 

「何興奮してるんだよ……寝てるヤツらも居るんだから、なるべく声のトーンは抑えろ」

 

「は~い、ゴメンなさ~い」

 

「……ホントに分かってるのか?」

 

 

 一夏君は呆れながら再びキッチンに戻って行く。それにしても一夏君、エプロン姿が様になってるわね……

 

「あれって簪ちゃんが前にプレゼントしたやつよね?」

 

「そうですね。お嬢様のは更識の屋敷で使ってるのを見たことがありますね」

 

「まさか姉妹でプレゼントが被るとは思わなかったな~……」

 

 

 中学生の頃、簪ちゃんと気まずかったあの時に一夏君が私たちの間を取り持ってくれたお礼として簪ちゃんと二人で一夏君にプレゼントをした事がある。予算だけ決めて別々に買いに行ったのだが、結局考えていたのは同じものだったのだ……あの時から一夏君の家事スキルは高かったものね……

 

「でも、まさかこんなに長く使ってもらえるとは思って無かったんだけどね」

 

「一夏さんはものを大事に使う方ですから、あまり汚れてませんし、ほつれたりしても一夏さんなら直せますからね」

 

 

 あのエプロンだって、数年も使ってると所々ほつれたりする事もある。その都度一夏君は自分で補修して使い続けてくれている。実際、一夏君はエプロンなどしなくても良いのに、毎回律儀に使ってくれてるのだ。

 

「簪ちゃんも幸せよね、ちゃんと使ってもらえてるんだからさ」

 

「何をしみじみと、お嬢様だって使ってもらえてるじゃないですか

 

「そうなんだけどね」

 

 

 でも、私のは屋敷にあって、今は殆ど使われてない。一夏君が更識の屋敷で調理するのは本当に稀で、それこそ、何かイベント事でもない限りは一夏君は屋敷で調理する事は無いのだ。

 

「私のもこっちに持ってきてもらいたいわね……」

 

「頼めば良いじゃないですか」

 

「だって面倒だって思われたら嫌じゃない」

 

「……既に思われてるので大丈夫じゃないですか?」

 

「酷ッ! 酷いよ虚ちゃん」

 

 

 一夏君にそんな風に思われてるなんて、そんな事は無い! ……はずだよね。だってそこまで面倒な女じゃないし、一夏君だって面倒だと思えば言ってくれるだろうし……

 

「兎も角、今は簪お嬢様が贈られたものをつかってらっしゃいますので、お嬢様のは当分出番は無いかと思いますよ」

 

「そうなのよね……でも、今度屋敷に戻ったらこっちに持ってきてもらえるように頼んでみようっと」

 

 

 それくらいなら一夏君も聞いてくれるだろうし、別に何度もせがむ訳じゃないから、面倒な女だとも思われないわよね?

 

「お姉ちゃん? 何してるの?」

 

「見ての通り、顔を洗ってるのよ」

 

「……全然そんな風には見えないんだけど」

 

 

 確かに、顔を洗ってたのはもう結構前だし、おしゃべりしてた所為で長いこと洗面所に留まってたわね……

 

「一夏さんが簪お嬢様が差し上げたエプロンを使ってるので、お嬢様が羨んでるのですよ」

 

「そ、そんな事無いもん!」

 

 

 実際は虚ちゃんの言う通りなのだが、此処で羨んでると言うと何だか負けなような気がするし……

 

「お前らは洗面所で何時までくっちゃべってるんだ? もう飯の支度出来たぞ」

 

「は~い! 今行く~!」

 

 

 如何やら今日は全員一緒では無く、起きた人から先に食べて良いようだ。一夏君も全員起きるのを待ってるのが面倒なんだろうな……

 

「一夏君、今度屋敷に帰ったらお願いがあるんだけど」

 

「お願い? 今じゃ駄目なのか?」

 

「うん、屋敷に行かなきゃ意味が無いから」

 

「はぁ……何だか分からないが、可能ならかなえてやる」

 

「大丈夫、一夏君なら簡単にかなえてくれる事だから」

 

「なら此処でも良いんじゃないか?」

 

「屋敷じゃなきゃ意味が無いのよ」

 

「? なんなんだいったい……」

 

 

 一夏君は不思議そうに首を傾げながら、咥えたパンをお皿に置いてコーヒーを淹れにキッチンに戻って行った。何時も思うんだけど、何で一夏君だけパンで、私たちはちゃんとしたご飯なんだろう……

 

「お嬢様、如何かしましたか?」

 

「んにゃ、大した事じゃ無いんだけど、一夏君って最近ご飯食べてるっけ?」

 

「一夏? ……言われてみれば食べて無いかもしれない」

 

「だよね。一夏君は最近パンばっかで、ご飯を食べて無いよね」

 

 

 これだけ美味しいご飯を作ってるのに、自分が食べないのは何でだろう……聞いても答えてくれるか如何か分からないしなぁ……

 

「今度は何の話だ?」

 

「一夏がご飯を食べて無いって話」

 

「……食べてるだろ?」

 

「食事って意味のご飯じゃなくって、お米って意味のご飯だよ」

 

「昨日食っただろ? 刀奈たちが準備してくれたヤツを」

 

「でも、一夏君自身が準備したものは食べて無いよね?」

 

「そうだな、殆ど食べないな」

 

「如何してですか? 一夏さんだって美味しいものを食べて早く身体を回復させた方が良いと思うのですが」

 

「食い飽きたのか、自分の作ったものを食っても満足しないんだよな……だから味見くらいで殆ど最近は食わないんだよ」

 

「へ~、こんなに美味しいものにも、飽きってくるんだね」

 

 

 一夏君の作ってくれたものなら、一生飽きない自信があるんだけどね。如何やら一夏君は既に飽きちゃってたから食べないようで、自分の料理が嫌いって訳じゃ無い様だ。

 

「それじゃあ一夏、新しい料理にチャレンジしてみたら?」

 

「新しい? 何で」

 

「そうすれば一夏自身も食べられるじゃない?」

 

「そうなんだろうが、面倒だ」

 

 

 一夏君はさっさと食べ終えた自分の食器を片付ける為に、またまたキッチンに引っ込む。さっきから行ったり来たりと忙しいわね……

 

「う~ん、一夏も一緒のものを食べたらきっと美味しいと思うんだけどな……」

 

「仕方ないわよ、一夏君は結構面倒事を嫌うから」

 

 

 それなのに生徒会の仕事とか更識の仕事はやってくれてるのよね……感謝感謝と。

 

「おはようございます……」

 

「今何時ですか……」

 

「あらあら、静寂ちゃんに美紀ちゃん、凄い眠そうね……」

 

「一夏様を待ってたので、夕べは遅くまで起きてました」

 

「美紀ちゃんは何時まで起きてたの?」

 

「一夏様が帰ってくるまで起きてました。その後一夏様に命令されたので寝ましたが」

 

 

 一夏君に……命令!? 普段から美紀ちゃんは一夏君に忠誠心のようなものを見せているけど、まさかホントに主従関係があったなんて……

 

「それで、一夏さんは何と命令したんですか?」

 

「早く寝ろと」

 

「「「え?」」」

 

 

 私と簪ちゃんと虚ちゃんの声が重なる。だってそれだけなら普段から一夏君は言ってるんだもん……

 

「それから、これから先、一夏様の帰りが遅い事があろうとも、起きて待つ必要は無いとも言われました」

 

「そうなんだ……」

 

 

 確かに起きて待ってたって、一夏君は帰って来ない事もあるだろうし、その命令は実に意味のあるものだ。だけど何で一夏君は美紀ちゃんに命令なんてしたんだろう……?

 

「静寂に美紀、さっさと顔洗ってこい。その間に準備しておくから」

 

「はーい……」

 

「一夏君、やっぱりお母さんみたい……」

 

「まだそのネタを引っ張るのか……」

 

 

 静寂ちゃんの言った事に肩を落としながらも苦笑いを浮かべている一夏君を、私と簪ちゃんと虚ちゃんはジッと見つめた。

 

「な、何だよ?」

 

「一夏、美紀に命令したってホント?」

 

「そうでもしないと寝そうになかったからな。強権と言う形で寝てもらった」

 

「つまり美紀ちゃんを奴隷のように扱うんだね?」

 

「は? 何だそれは……」

 

「だって美紀ちゃんに命令するって事は、一夏君はご主人様なんでしょ?」

 

「……俺と美紀に上下関係も主従関係も無い。だが、ああでもしないと一睡もしないで待ってそうだったから仕方なく命令しただけだ」

 

「それじゃあ一夏さん、今度は私たちにも命令して下さいね?」

 

「何で……お前らは比較的素直に言う事聞くだろうが」

 

 

 一夏君は呆れた様子を隠そうともせずに、私たちを一瞥してキッチンに下がっていった。

 

「美紀、羨ましいね……」

 

「そうですね。普段一夏さんは命令口調は使いませんから……あっ!」

 

「? 如何かしたの、虚ちゃん?」

 

「いえ……」

 

 

 何かを思い出したように慌て、私たちから顔を逸らした虚ちゃん……見るからに怪しい行動に、私は簪ちゃんとアイコンタクトで会話して虚ちゃんの正面に回りこむ。

 

「うわぁ……虚ちゃんの顔が真っ赤だ」

 

「何を思いだしたんですか?」

 

「な、何でもありません!」

 

 

 この慌てっぷり、確実に何か言えない事を思い出したわね……再び簪ちゃんとアイコンタクトで会話して、虚ちゃんから秘密を聞きだす為に動く。

 

「いったい何を隠してるのかな~? 虚ちゃん、ご主人様に隠し事をして良いのかな~?」

 

「そんな事言われても、私は何も隠してませんし……そもそもお嬢様は私に主従関係を強要するつもりは無いと仰ってたじゃないですか!」

 

「でもさ、虚さん。隠し事はいけないって言われなかった? 小学校で言われたよね?」

 

「お前ら、何やってんだ?」

 

 

 タイミング悪く(虚ちゃんにとっては良いタイミングで)一夏君がキッチンから戻ってきた。そして虚ちゃんの顔を見て首を傾げる。

 

「何で顔が赤いんだ? 急に風邪でも引いたか?」

 

「一夏君、最近虚ちゃんに何か命令しなかった?」

 

「~~!?」

 

 

 虚ちゃんが何か言いたそうにしていたが、簪ちゃんが虚ちゃんの口を塞いだ。意外とこう言った時の反射神経は簪ちゃんに敵わないのだ。

 

「命令? ……特にしてないが」

 

「本当に?」

 

「こんな事で嘘吐いて如何するんだよ……馬鹿な事やってないで、さっさと食べろ。片付かないから」

 

 

 一夏君の牙城を崩すのは不可能か……となるとやはり攻めるのは虚ちゃんね……あの表情は絶対何か思い出した顔だし、そのタイミングで顔を赤らめたとなると、それはかなり恥ずかしい事か一夏君に何かされた時の反応よね……そして会話から考えると、あのタイミングで恥ずかしい事を思い出す事はまず無いだろう。

 

「刀奈お姉ちゃん、何してるの?」

 

「更識さんも布仏先輩の口を塞いで……」

 

 

 顔を洗いに行っていた二人が戻ってきた。この二人を味方につける事が出来れば、虚ちゃんを陥落させるのはそう難しくなくなるだろう。

 だけど、美紀ちゃんは一夏君の言う事には逆らわないし、静寂ちゃんもこう言った事には興味無さそうだし、味方にするのはかなり難しいわね……

 

「一夏様、お二人は何をしてるんです?」

 

「さぁ? 俺も分からないが、虚が急に顔を赤らめた原因を探ってるらしい」

 

「そうなんだ……あっ、これ美味しい」

 

「そりゃどうも。遠慮なく食べてくれ」

 

 

 二人分の食事を運んできた一夏君は、チラッとこっちに視線を向けてきた。普段はそれ程視線に圧は感じないのだが、今はただならぬものを感じた。

 

「簪ちゃん、そろそろ離してあげましょ」

 

「そうだね……」

 

 

 一夏君の視線に込められたものに脅えた私たちは、とりあえず虚ちゃんへの追及を諦める事にした……とりあえずであって、完全に諦めた訳では無いのだけどもね。

 

「そう言えば美紀ちゃん、一夏君が帰ってこなかったら如何するつもりだったの?」

 

「ずっと起きてましたよ。一夏様が帰って来ないのに寝られる訳がありませんし」

 

「でも、一夏だって美紀に徹夜してほしいなんて思って無かったと思うよ?」

 

「そうですね。一夏様も私が起きていた事に若干呆れ気味でしたし」

 

 

 やっぱり……私たちの誰が起きていても、一夏君は同じ反応をしただろう。もしかすると美紀じゃなくて他の人が起きてたら怒ってたかもしれない。

 

「美紀が最後まで起きてたんなら、誰がどの順番で寝たか分かるんじゃない?」

 

「そうですね。お嬢様と私、どちらが先に寝たのかがはっきりします」

 

 

 別にそんな事気にしなくても良いんじゃないだろうか……さっきは気になったけど、今は虚ちゃんが何を隠してるのかが気になって、他の事は正直如何でもいいんだけどな……

 

「それで美紀、誰がどの順番で寝たか分かる?」

 

「そうですね……まずは本音ちゃんが寝ました。それから、香澄、簪ちゃん、須佐乃男、刀奈お姉ちゃんと虚さんはほぼ同時でしたね。その後、マドカ、隊長、静寂の順ですね」

 

「そうなんだ……」

 

 

 随分とはっきり覚えてるのね……勉強以外で頭を働かせてないで、もう少し勉強に使ったら如何なのかしら……って、結構真面目に勉強してるんだっけ……

 

「一夏君が帰ってきたのって何時?」

 

「十二時は過ぎてました。一夏様も明日と言ってから今日と言い直したので間違いありませんよ」

 

 

 つまり三時間超お説教してたと言う事なのか……いったいあの二人はどれだけ一夏君を怒らせたら気が済むのだろう……

 

「お兄ちゃんは徹夜したみたいだけどね」

 

「マドカちゃん!? 何時の間に」

 

「一夏様なら徹夜してもそのまま普通に生活出来ますからね」

 

「須佐乃男も……」

 

 

 何時の間にか話に加わっていたマドカちゃんと須佐乃男にビックリして、ちょっと牛乳をこぼしてしまった……

 

「あっ……」

 

「ほれ、さっさと拭け」

 

「うん、ありがとう……」

 

 

 それ程多くはこぼしてないので、臭いは気にしなくても大丈夫だとは思うけど、牛乳ってこぼすと如何してあんなに臭いのかしらね……

 

「マドカ、手は洗ったか?」

 

「うん!」

 

「じゃあ持ってくる。碧と香澄とエイミィの分もな」

 

 

 後ろで漸く目が覚めたであろう三人の分も一夏君は持ってきた。これでまだ起きてないのは本音だけ……これじゃあ何時も通りね……




一夏、愛されてるな……

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