もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

3 / 394
三連続投稿。
今回は少し長かったな。



一夏救出作戦

 一夏視点

 一「(さて、どうしたものか。)」

 手足を縛られているので自由に動くことの出来ない一夏はそんなことを考えていた。手足が動けばISが無い限り誘拐犯に負けることは無いと思っている一夏はどうにかして手足の自由を確保したいと色々と頭の中で模索していたがどれもうまくいかない確率の方が高いためにそのようなことを頭の中でつぶやいたのである。

 一「(声がしたのが3人分、少なくとも今この場所には3人以上の敵が居る。手足が使えない状態ではよくて5人だな、それ以上はキツイ。)」

 誘拐されているのになんとも冷静な状況判断ですね。

 一「(千冬姉は来ない。となると救出が来るのは期待できない、何とか手足の自由を得なくては。)」

 普通の人間はそう簡単には出来ないことをあっさりとやってしまう。それが昔の織斑一夏に対する周りの評価であり、現在もISに関すること以外でそれは事実である。そのことを周りは忘れていても織斑一夏という人物そのものの能力はなくならないのだ。

 一「(そういえばさっき硝子の破片が見えたような。そこまでいければ何とかなるかな。しかし、敵の数が分らない以上下手には動けない。気配を探ってみるか。)」

 そう考えて一夏は周りの気配を探った。

 

 ???視点

 女1「チフユオリムラがそのまま試合に出ています。計画は失敗です。」

 男1「なぜ彼女は弟の救出に向かわないのだ。」

 女2「このままではチフユオリムラが優勝してしまう。」

 一夏誘拐を企てたグループは千冬が決勝戦に出ている事実を受け入れることが出来なかった。世界のブラコン織斑千冬が弟のことを無視することなど最初から頭に無かったのだ。

 TV「チフユオリムラのきめ技零落白夜が炸裂。試合終了~~~。」

 TVから無慈悲にも千冬の優勝が決まったことが知らされた。

 男1「こうなったら彼女に弟が誘拐されたことを知らせて恩を売るかたちにしよう。」

 女1「下っ端はどうするのよ。」

 女2「あんな下種共は消してしまえばいいのよ。」

 男2「ならIS隊を編成し救出に向かえ。こちらはチフユオリムラに連絡を入れる。」

 作戦失敗をカバーしようと必死になっている。しかも実行犯を始末する形で話を進めていた。

 

 千冬視点

 私は早々に大会連覇を果たしインタビューを受けていた。

 イン「今の気持ちを誰に伝えたいですか。」

 実に陳腐でありきたりな質問である。また彼女の答えももちろん---------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千「最愛の弟、一夏にです。」

------ご想像の通りだっただろうか。

 そんなやり取りをしていた千冬の元に一本の通信が入った。

 男2「織斑一夏が誘拐された。この情報を元にこちらで救出チームを作った。貴女もすぐ来てほしい。」

 この通信を受けてすぐ千冬は指定された場所に向かった。

 

 刀奈視点

 私たちは今織斑一夏が誘拐され監禁されている場所へと向かっていた。

 刀「(誘拐されるなんて有名人の身内も大変なのね~。)」

 自分も十分有名人であるのを棚に上げ更識刀奈はそんなことを思っていた。しばらくして目的地付近に差し掛かったところで通信が入った。

 女3「こちらはドイツ軍IS部隊。織斑一夏救出に向かっている。もしよければ手を貸してほしい。」

 ずいぶんと上から目線の通信ではあったが目的が同じでかつ報酬が出る仕事でもない。そう父が判断をしたのだろうか、楯無が「了解した。では現場付近で合流しよう。」と返したのを聞き一気にモチベーションが下がった。いくら報酬が出ないからといって正式な依頼を他の人たちの力を借りるのが、どうにも許せなかった。

 

 千冬視点

 私は一夏が誘拐されたのを知り、攫った奴等とそれを教えなかった日本政府に対して怒りを覚えていた。

 千「(まったく一夏に比べたらモンド・グロッソ連覇と言う名誉など月とスッポン、いや太陽と石ころ並みの差があると言うのに。)」

 救出に向かっている中、私はそんなことを思っていた。

 

 閑話休題

 ちなみに、日本政府が情報を持っていると千冬に教えたのもドイツ軍である。その際、なぜそのようなことを知っているかと疑問に思ったが、そこは世界のブラコン、些細な疑問など気にしないのだ。相手が一夏誘拐の主犯格だとも知らずにドイツ軍に感謝していた。

 

 

 一夏視点

 一「(俺の近くに4人、少し離れた場所に6人、出入り口付近に5人か。キツイな。)」

 彼にかかれば周辺の気配を探るなど造作も無いことだった。しかし敵の数が分っても今の状況を打破することは難しいのだ。

 一「(あれが硝子の破片じゃなかった場合、俺は殺されるのかもしれないな。)」

 一夏の位置では微かに光る物が硝子の破片かただの金属なのか判別が難しいのだ。しかも落ちている場所は敵の視界ギリギリ、下手をすれば見つかるのだ。

 一「(一か八かやってみるか。失敗してもその場で何とかなるだろう。)」

 冷静な判断が出来るのに少し楽観的じゃないか?一夏よ。

 

 

 刀奈視点

 女2「これから織斑一夏救出に当たる。よって役割を決めたいと思う。」

 私たちはドイツ軍と合流いて監禁場所付近まで来ていた。私たちは精々10人なのに向こうは50人近くの人員で当たっていた。訓練機とはいえ軍隊所属のIS部隊だ。私より強いんだろうなと思っていた。

 

 

 閑話休題 

 ちなみに更識の人員の内半分は男だ。移動方法も運んでもらうと言ったもので軍隊との共同戦線において邪魔になるのではないかと刀奈は思っていた。

 

 

 千冬視点

 細々とした取り決めをしているドイツ軍と更識の人間を他所に私は一刻も早く一夏を助け出したかった。

 

 

 一夏視点

 一「(周辺に気配が増えた。しかもここにいる奴等よりもはるかに強い。)」

 外に集まった救出隊の気配を察知した一夏はさっきまで考えていたことを実行することを止めた。

 一「(敵にしろ味方にしろ数が多すぎる。ここは一旦待つか。)」

 そう結論付けて一夏は再び周りの気配を探った。

 

 

 

 




次回一夏救出終了予定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。