もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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続きです。原作ネタをアレンジで使いました。


虚とのデート 後編

 山田先生たちと別れて、私たちは昼食の為に一夏さんの予約してくれたお店に向かってます。普段なら一夏さんは外食を好まない人なのですが、今回は私が如何しても気になっていたお店に付き合ってくれるそうなのです。

 

「雑誌で紹介されてて、気になったんですよね」

 

「虚も意外とミーハーなんだな」

 

「私だって女子高生なんですから、多少ミーハーでも問題無いと思いますけど?」

 

「普段を見てるととてもそんな風には見えないんだがな」

 

「如何言う意味ですか!」

 

「だってあんな店に興味があるようには見えないだろ」

 

「着るのは無理ですが、別に興味があっても良いじゃないですか!」

 

 

 あんなフリフリを着るのは絶対に無理です。

 

「だが珍しいよな。普通は喫茶店じゃないのか?」

 

「それだとありふれてますから、あのお店は食事にも力を入れているそうなんですよ」

 

「ふ~ん……」

 

「一夏さんは興味無いんですか?」

 

「弾や数馬と一回だけ行った事があるが、そんなに騒ぐような事か?」

 

「そう言われると確かにそうなのですが……でも可愛いですよね?」

 

「さぁ? 大体虚も本音も立場的には一緒じゃないのか?」

 

「あんな制服は更識にはありません!」

 

「いや、別に着ろとは言わんが」

 

 

 兎に角、今この近くで予約するのも困難なお店、メイド食堂に到着したのだ。

 

「もうちょっと名前無かったのか?」

 

「細かい事は気にしないで行きましょう」

 

「はいはい……変なスイッチが入ったなこりゃ」

 

「何か言いましたか?」

 

「何も」

 

 

 一夏さんの腕を引っ張ってお店の中に入る。お店の中にはやたらと男性客が多いような気がするのですが、もしかして男性専用のお店なのでしょうか?

 

「……目がチカチカするんだが」

 

「凄いですね」

 

 

 照明や飾り付けで店内はとても明るくあちらこちらから光が反射してきます。

 

「お帰りなさいませ、ご主人様」

 

「……予約してた織斑ですが」

 

「えっと、織斑様のご予約は二件ありますが、どちらの織斑様でしょうか?」

 

「二件? ちょっと失礼」

 

 

 一夏さんは予約帳の名前を指でなぞっていき、なにやらため息を吐いた。

 

「こっちです。織斑一夏の方です」

 

「はい、織斑一夏様ですね。……織斑一夏様?」

 

「何か?」

 

 

 なにやら引っかかりを覚えたようなメイドさんを、一夏さんは無愛想に眺めています。

 

「い、いえ! ちょっと何処かで聞いたような名前だと思いまして……あっ!」

 

「如何したの?」

 

 

 いきなり大声を出した店員さんを、同僚の方が不思議そうな感じで近寄ってきて尋ねる。

 

「もしかして、世界で唯一ISを使える男の子ですか?」

 

「一応は」

 

「やっぱり! あの、握手してください!」

 

「は?」

 

 

 困惑気味ながらも一夏さんは右手をメイドさんに差し出す。するとメイドさんは感極まって両手で一夏さんの手を掴み思いっきり上下に振る。それを見ていた同僚のメイドさんも一夏さんに握手を求め、一夏さんは仕方無さそうに左手を差し出した。

 入り口で騒いでいたのを主任さんに見咎められたので、店員さんたちは漸く私たちを席まで案内してくれました。

 

「一夏さん、もう一人の織斑様ってひょっとしなくても……」

 

「多分想像通りだ」

 

「何故?」

 

「何か趣味らしい」

 

「なるほど……はい?」

 

 

 今聞き間違えでは無ければ趣味とか言いませんでした? だってあの、えっ!

 

「如何も信じられないが、駄ウサギに影響されたのかああ言った服装に興味があるらしい。それでこう言った店にも来てるんだろ。如何やら貸衣装もあるようだしな」

 

 

 一夏さんは天井に吊るされている広告を指差し、呆れたように説明してくれました。つまりはそう言う事なんでしょうね……ちょっと信じられません。

 

「つまりその、コスプレが目当てと言う事でしょうか?」

 

「さぁ? そんなのは知らないし、知りたくも無い」

 

「じゃあさっき山田先生たちと会ったのは」

 

「偶然なのか必然なのか知らんが、あの後山田先生は此処に連れて来られる可能性が高い。あの人は不幸体質だからな」

 

「榊原先生もですか?」

 

「そこまでは分からん。別れた後に出会うかもしれないしそうじゃないかもしれない」

 

 

 一夏さんがメニューを見ながらつまらなそうに話していると、入り口がまた騒がしくなった。如何やら彼女が来たようだ。

 

「予約していた織斑だ」

 

「はい、ご案内します」

 

「一夏さん、やっぱりそうだったんですね」

 

「だから言ったろ」

 

 

 あの声とあのしゃべり方は間違い無くあの人だろう……イメージが全然違うんですけど。

 

「んなっ! い、一夏!?」

 

「よう駄姉。アンタも飯か?」

 

「そ、そうだ!」

 

「ふ~ん、まあ自分の金で好きな事をしてる分には関係無いがな。頼むから日常的にするのだけは止めてくれよな。マドカにも影響しかねないからな」

 

「あれ? 千冬さんはご飯じゃなくて……」

 

「真耶、如何やら貴様は死にたいらしいな」

 

「ヒィ!?」

 

「周りに迷惑だから威圧するなら外でしてくれ。営業妨害で訴えられても知らんぞ」

 

「ち、違うからな」

 

「はいはい。天下のブリュンヒルデ様がコスプレなんかに興じる訳無いもんな」

 

 

 一夏さんのワザとらしい言い回しに、織斑先生は固まって動かなくなってしまいました。それにしても、まさか本当に山田先生まで来るとは……やっぱり途中で捕まったのでしょうか。

 

「それにしても可愛らしい衣装ですね。一度来てみたかったんですよ~」

 

「山田先生も興味があったんですか?」

 

「さすがに自分では着れませんけど、こうやって見てるだけで可愛らしいじゃないですか~」

 

「真耶、それは私へのあてつけと取って良いんだな?」

 

「ち、違いますよ!?」

 

「だから違うと言ってるだろうが!」

 

「やかましい、此処はアンタの家でも寮でも無いんだから場所を弁えろ」

 

「「あっ……」」

 

 

 良く見れば周りのお客さんたちは徐々にお店から出て行ってしまってますし、残ってるお客さんも帰り支度をしています。

 

「お客様、あまり騒がれると此方としても困りますので……」

 

「す、スマン……」

 

「ごめんなさい……」

 

 

 主任さんに怒られた織斑先生と山田先生は、一夏さんに怒られたのと相俟って更に小さくなってしまいました。

 

「こりゃ客引きでも手伝わないと駄目だろうな」

 

「何!? つまり一夏は私と真耶にこの格好をして客引きをしろと言うのか!?」

 

「条例に反しない程度なら問題無いだろ。店の前で呼び込みするくらいなら平気だろ」

 

「あの~、それじゃあ貴方にもお願いしたいのですが……」

 

「……俺も? 女性客の入りが悪いんですか?」

 

「ランチタイムが終われば普通にデザートがメインに切り替わるんですが、如何もこう言った格好ですと女性のお客さんの引きが弱くて……」

 

「そうでしょうね。この三人が稀であって、普通は女性はあまり引かれるようなものじゃ無いですしね」

 

 

 一夏さんは私と先生二人を見てそう言いました。興味がある女性だって居ますよ! ただ一人では来れなかったりしてるだけですよ! きっと……

 

「別に手伝うのは構いませんが」

 

「それじゃあ彼女さんもご一緒に」

 

「えっ! 私もですか!?」

 

「良かったな虚。衣装貸してくれるみたいだぞ」

 

 

 ワザとらしくそう言った一夏さんは、笑いを堪えてるのがバレバレでした。どうせ似合いませんよだ。

 

「い、一夏」

 

「何だ、駄姉」

 

「お前もメイド服を着るのか?」

 

「……死ね」

 

「じょ、冗談だからその目は止めてくれ!」

 

 

 織斑先生の冗談に、一夏さんが本気でキレた。一夏さんがメイド服か……

 

「虚、そして山田先生、二人は何を考えてるんですかね?」

 

「え? ……何でも無いですからね」

 

「そ、そうですよ! 織斑君がメイド服を着てるところなんて想像して……あれ?」

 

 

 余計な事を口走った山田先生に、一夏さんが殺意の篭った目を向けている。

 

「やはりこの駄姉を引き取ってもらいましょうか」

 

「嫌ですよ! 私は普通に恋愛して普通に結婚がしたいです! 織斑先生と一緒に生活するなんて絶対に嫌です!」

 

「おい真耶、そこまで言う事無いだろうが……さすがにへこむぞ」

 

「何時までも無駄話してないで、さっさと着替えて下さい! 一夏様は此方です」

 

「ん? 分かりました。駄姉とあの無駄乳女は扱き使っても構わないので」

 

「無駄乳……」

 

 

 本気で頭にキテるんでしょうね。一夏さんは山田先生の事も酷い呼び方で呼ぶようになりました。それにしても確かに無駄乳……如何やったらあそこまで育つのでしょうか。

 

「あの、布仏さん」

 

「はい、なんでしょうか無駄乳先生」

 

「酷い!? そうじゃなくて、そんなに見られると恥ずかしいのですが」

 

「如何やったらそこまで育つんですか?」

 

「知りませんよ~。普通にしてたらこうなったんですから」

 

 

 これは私に喧嘩を売ってると取って良いんですよね? 今なら特別価格で買い取りますよ?

 

「~~~」

 

「……織斑先生は随分と浮かれてますね」

 

「なっ! 違うぞ布仏姉! 別に可愛い服が着られて浮かれてる訳じゃ無いぞ!」

 

「………」

 

 

 一夏さんが呆れてた理由が分かったような気がします。これがあのブリュンヒルデだと誰が思うでしょうね……それくらい衝撃的な事実ですよ。

 

「それにしても一夏のヤツ、まさか私と同じような趣味があるなんて知らなかったぞ」

 

「あっ、別に一夏さんの趣味で此処に来た訳じゃ無いですよ。私が前から来てみたかったのを知ってた一夏さんが予約してくれたんです」

 

「予約? わざわざ予約などしなくても、この店は昼時を過ぎれば空いてるぞ」

 

「服にではなく料理に興味があったんです!」

 

 

 何で私がメイド服に興味なんか……ほんのちょっとくらいしか興味なんて無いんですからね!

 

「あの~、これってサイズこれしか無いんですか? 胸がキツくて」

 

「「……無駄乳」」

 

「二人揃って言わないでくださいよ!」

 

 

 織斑先生と気持ちが同じになるなんて珍しい事もあるんですね。それだけ山田先生が無駄乳なんでしょうが……

 

「とりあえずもうワンサイズ上のものにすれば良いだろ!」

 

「でも、それだとブカブカなんですよ」

 

「お前が無駄乳なのがいけないんだ、我慢するんだな」

 

「ううぅ……その呼び方が定着しないのを祈るしか無いんでしょうかね」

 

 

 別に学園で呼ぶ訳でも無いので広まらないとは思いますけど……織斑先生が悪意で広めない限りは。

 

「準備出来ましたか? それじゃあさっさと接客をお願いします」

 

「ふん、何故私がこんな事を……」

 

「一夏さんに言いつけましょうか?」

 

「さぁて! 全力で働くか~!」

 

 

 あの織斑先生を操れるなんて思いもしませんでした。それにしても、一夏さんの名前だけで此処までビクつくなんて……どれだけ一夏さんに怒られてきたんでしょうか。

 

「んな!?」

 

「如何かしました? ……!」

 

「ん? 如何かしたのか?」

 

「一夏が、執事だと……学祭以来の眼福!」

 

「好きで着てるんじゃねぇよ」

 

「一夏様、執事はそんなに口汚くありませんよ? もっと綺麗な言葉遣いを心掛けて下さい」

 

「綺麗な……ねぇ。それではお嬢様、此方へご案内いたします」

 

「!?」

 

「こんな感じで良いんですかね」

 

「い、良い……」

 

「主任!! 鼻血出てますよ!?」

 

「我が人生に悔い無し!」

 

 

 何か何処かで聞いたような事を言ってますが、こんな所で死なれても困るでしょうね。

 

「それじゃあ俺は接客をやるから、駄姉と無駄乳は客引き……って、それだと男しかこなさそうだな」

 

 

 少し考えて一夏さんは私と一緒に外で客引きをする事にしたようです。それにしても、一夏さんも役者ですね。普段からは考えられないほどの愛想の良さで、どんどんお客さんを捉まえてますよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏が呼び込んだ客を次々と捌き、私と真耶は休み無く店を駆けていた。

 

「これがあっちでこれがこっちで……」

 

「真耶、お前大丈夫か?」

 

「忘れるから話しかけないで!」

 

「す、スマン……?」

 

 

 何で私が真耶に謝ってるんだ? そもそも真耶は後輩でタメ口で話しかけられるような関係でも無いんだが……

 などと考えていたが、すぐにオーダーが来たので私もあくせくと店を再び駆け回る事になった。

 

「お帰りなさいませ、ご主人様」

 

 

 今度は男か……入店の挨拶で男か女かが分かるのは便利だが一夏のヤツ、男まで虜にしてるのか……

 

「ご主人様は二名様でよろしいですか?」

 

「………」

 

「あの?」

 

 

 何だあの男は。さっきから黙って……不審な男二人がメイドの一人を捕まえ、懐から改造銃を取り出した。

 

「全員動くな!」

 

「俺たちは強盗だ!」

 

 

 自分で自分を強盗と名乗るとは……間抜けな強盗も居たもんだな。

 

「お前ら全員人質だ! 大人しくしてろよ」

 

「さもないとこの女の頭を打ち抜くからな」

 

 

 何が目的なんだ? 金か? それとも何か他に目的があるのだろうか?

 束がISを発表してからと言うもの、男の犯罪率が非常に高くなっている傾向があると言うニュースを見た事があったな。確かISの所為で職を失ったとか何とか言って女性を襲う阿呆が増えていると。こいつらもそうなのだろうか。

 

「大人しく此処にある金を此方に寄越せ!」

 

「店の金だけじゃなく貴様ら客や従業員もだ!」

 

 

 何だ、単なる金目的か。それなら容赦無く……しまった、今は動き難い格好をしてるんだった。

 普段の服装ならあの阿呆共が引き金を引く前に蹴り飛ばす事が出来るが、こんなヒラヒラのスカートでは動き難くてかなわん。くそ、これも一夏が私にこんな格好をさせるから……ん?

 自分の愚痴で思い出したが、外には一夏や布仏姉が居るじゃないか。

 

「さっさとしろ! さもないとこの女の服をひん剥いて世界中にその映像を配信するぞ!」

 

「……下種が」

 

「何だと!」

 

 

 低い声が響いたと思った次の瞬間には、阿呆共は床に這いつくばっていた。

 

「同じ男とは思えないほどの下種っぷり、見ていて反吐が出る」

 

「一夏!」

 

「アンタならこんなヤツら簡単に熨せるだろうが」

 

「格好が悪かったんだ。こんなフリフリ、普段から着てないからな!」

 

「実家のクローゼットの隠しスペースに……」

 

「何故それを知っている!?」

 

「「?」」

 

 

 いきなり大声を出した所為で、真耶と布仏姉が不思議そうな目で私を見てきた。そして一夏は口端を上げ、私を見ていた。しまった! これは一夏の罠だったのか。

 

「俺が知るわけ無いでしょ。大体アンタの部屋には殆ど入ってないんだから。それにしても本当に隠しスペースなんてものが存在するんですね。それで? そこに何を隠してるんですかね?」

 

「な、何にも無いからな! そもそもそんなスペースなど存在しない!」

 

「……フン!」

 

 

 いきなり一夏が蹴りを放ったと思ったら、阿呆共が再び悲鳴を上げた。如何やら逃げるタイミングを窺っていたらしく、気絶していたフリをしていたようだ。

 

「さっさと警察に突き出して終わらせましょう。ところで貴女は大丈夫ですか?」

 

「は、はい……」

 

 

 人質にされていたメイドに手を差し伸べる一夏……また一夏に惚れた女が増えた……アイツは無自覚でフラグを建てる天才だからな……

 

「お嬢様方にも多大なるご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ありませんでした。ですがもう強盗は取り押さえましたのでご安心下さい」

 

 

 一夏が店に居る女共に頭を下げ、事態の収拾を図りだした。相変わらず行動の早い弟で安心したが、これでまたフラグが増えるじゃないか! 如何して一夏はこうも無自覚にフラグを建てるんだ! そして何故私には優しくしてくれないんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後あの強盗共は無事警察に連行されて行き、お店からはもの凄いお礼を言われたが、別にそこまでの事をした実感は俺には無かった。元々は俺らが客引きをして入ってきたヤツらだったので、俺らで片付けるのが普通だと思ってたからだ。

 

「ねえ聞いた?」

 

「え、何を?」

 

「今話題のメイド食堂に強盗が入ったんだって」

 

「それって危なく無い?」

 

「何でも謎の執事が強盗を一撃で熨しちゃったんだって!」

 

「謎の? 謎って如何言う意味?」

 

「何でも一日だけお店で働いてたらしいんだ」

 

「今日だけって事?」

 

「何かそうみたい。お店の人に聞いても教えてくれないし、ネットでも騒ぎになってるんだけど正体が分からないみたいなの」

 

「そうなんだ~。でもお客も居たんだろうし、誰かしら知ってるんじゃないの?」

 

 

 店を出てからこう言った話を結構聞くのだが、随分と情報が早い事で……

 

「一夏さん、今日は大変でしたね」

 

「せっかくの虚とのデートだったんだがな」

 

「いえ、これはこれで楽しかったですよ。それに一夏さんのあんな格好を見れましたし」

 

「まさか今時珍しい強盗にも出会えたしな」

 

「珍しいですか? 此処最近では増えてると聞いてますが」

 

「増えてるのは銀行強盗だ。あんな店を狙った強盗は絶滅したのかと思ってたがな」

 

「確かに銀行なら確実にお金がありますしね」

 

「まぁ銀行の方が警備が厳重で成功確率も低いからな。あの強盗たちはそう言った考えであの店を狙ったのかもな」

 

 

 まぁ運悪く俺や駄姉が居たんだがな。駄姉が普通の格好だったら俺よりも酷い仕打ちをしていたかもだしな。

 

「それにしても一夏さん」

 

「ん?」

 

「何故帰りもこの格好なんですか! 普通に普段着ている服を着させてくださいよ!」

 

「別に良いだろ。俺が可愛い虚を見たいんだから」

 

「なっ……もう! 知りません!」

 

 

 ストレート過ぎたか? 顔を真っ赤にした虚を見て、如何も加減が難しいと思ったのだった。

 それから寮に帰った後で駄ウサギに電話して、今日見た事を映像保存する事を禁じておいたのは言うまでも無い。




夏休みにシャルとラウラがメイド喫茶で働くネタを、一夏と虚、あと真耶と千冬でやってみました。

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