もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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タイトルほど昔ではありませんけど…


昔語り

 授業が終わってからずっと、お姉ちゃんが部屋で呻いている。朝早くから一夏の相手をしたらしく、私が起きた時には既に全身が痛いと呻いていたのだけれど、一日経ってもまだ痛いらしい。

 

「痛いよ~! 誰かマッサージして~!」

 

「それだけ大声が出せるなら平気でしょ? それにお姉ちゃんが動けない分また一夏と虚さんが忙しそうにしてたよ」

 

「私が動けなくなった原因は一夏君だもん。少しくらい忙しくなったからって文句は言わないわよ」

 

「お姉ちゃんが自分で付き合うって言ったんでしょ? そもそも如何して今日だけあんなに早起きしたのよ」

 

「一夏君が作ってた朝ごはんの匂いにつられて……」

 

 

 空腹で目が覚めたところに一夏の料理の匂いを嗅いだのか……それで完全に目が覚めて一夏の運動に付き合ったんだね。

 

「マッサージって言われても、整体に詳しいのは一夏と碧さんだけだよ」

 

「碧さんは?」

 

「本音と学校を見回ってる。須佐乃男とマドカも一緒」

 

「美紀ちゃんは? あの子もそれなりに整体の知識があるでしょ?」

 

「美紀は一夏につれられて生徒会室。納品されるISの情報を先に教えるらしいよ」

 

 

 誰も居ないから私がこの部屋に居るのであって、誰か暇なら私だって部屋で読書などしていないもん。

 

「皆忙しいのか……簪ちゃんは苦手だもんね」

 

「私がやっても凝りとかに力負けしちゃうから」

 

 

 力があれば良いって事でもないんだけど、まったく力が無いと効くものも効かなくなってしまうのだ。

 

「大人しく寝てるんだね」

 

「うぅ~痛いよ~!」

 

「今日は一人でゆっくりお風呂にでも入って、自分で全身マッサージでもすれば良いじゃない」

 

「一夏君にやってもらいたいな~」

 

「一夏だって忙しくしてるんだから、これ以上負担をかけない方が良いと思うよ」

 

 

 一夏だって人間なのだから、何時かぶっ倒れる可能性だってあるし、それを見計らって敵が攻め込んできたら此方は結構ヤバイ状況になってしまうんだから。

 

「一夏君なら大丈夫でしょうけど、虚ちゃんが許してくれないだろうな」

 

「諦めて虚さんにやってもらえば良いじゃん」

 

「虚ちゃんのだと少し効くが弱いのよね~。やっぱり一夏君のが一番効くわよ」

 

「そりゃ男の子だもんね。一夏は力もあるし、加減も出来るから丁度良い感じに揉んでくれるから」

 

 

 あれを受けたら並の整体師のでは満足出来なくなってしまうのだ。織斑先生も何度か一夏に頼んでるのを見かけたが、取り付く島も無く断られていたのを本音が見かけていたのだ。

 

「やっぱり後で保健室に行ったら?」

 

「湿布くれて終わりよあそこは。あくまでも簡単な処置しかしてくれないもの」

 

「しょうがないでしょ。滅多に使わないからって担当の先生をクビにしちゃったんだから」

 

「何考えてるのかしら、学長は」

 

 

 恐らく経費削減なんだろうけど、必要な人の首を切らなくても良かったんじゃ無いかと最近になって思い始めている。私たちが入学する前の話なのだが、意外と全校に知れ渡っている話なのだ。

 

「うぅ~!」

 

「寝れば痛みも忘れるよ」

 

「寝れないのよ!」

 

 

 そりゃそうか……これほど唸ってると言う事は、相当の痛みがあると言う事だろうし、寝ようにも痛みが走って寝れないのだろう。

 

「一夏君に電話してみる」

 

「怒られるよ?」

 

「彼女と仕事、どっちが大事なのか問いただしてやる!」

 

「嫌われるよ」

 

 

 面倒くさい女の典型みたいな事を言うなんて、よっぽど痛いんだろうな……

 

「やっぱりそうだよね……仕方ない、帰ってくるまで我慢しよう」

 

「帰って来てもしてくれるかは分からないけどね」

 

「せっかく気分良く過ごせると思ってたのに、まさかこんな激痛がね……迂闊だったわ」

 

「一夏の訓練に付き合う時はそれなりの覚悟が必要だって知ってたんじゃないの?」

 

「知ってたし覚悟したけど、それ以上に一夏君が激しかったの」

 

「……何か卑猥じゃない?」

 

 

 私の感性がおかしいので無ければ、今の言い方はとてもいやらしい感じがするんだけど……さっきからお姉ちゃんの枷が外れてるような……

 

「まさかあんなに激しい動きで私を攻めてくるなんてね」

 

「お姉ちゃん、私だけだから良いけど、虚さんが居たら怒られるよ?」

 

「あら、私は本当の事を言ってるだけなんだけど?」

 

「表現の仕方ってものを考えてないでしょ」

 

「偶には良いじゃないの。一夏君も居ないんだしさ」

 

「妹相手に言うような事でもないでしょ」

 

 

 付き合わされるこっちの身にもなってほしいものだ……まぁ冗談を言って痛みを誤魔化してるんだろうけど。

 

「須佐乃男辺りなら付き合ってくれるんだろうけど、簪ちゃんじゃ冷めたツッコミしか期待できないもんね」

 

「酷いなー、こうして付き合ってあげてるのに」

 

「棒読みで抗議されてもね。それに目が笑ってるわよ」

 

「だって昔ならお姉ちゃんとこんな事話してるなんて思っても無かったんだもん」

 

 

 一夏が更識に来る前は、私はお姉ちゃんと比べられるのが嫌で何となく距離を取っていたし、お姉ちゃんも如何やってその距離を詰めるべきか悩んでいて何処かぎこちなかった。それが一夏を間に挟んだだけであっという間に問題は解決し、今ではこんな話まで出来るようになっているのだ。

 

「あの時は周りが五月蝿かったからね。私が候補生になってからは特に」

 

「やっと候補生になったと思ったらお姉ちゃんは代表になっちゃうしね」

 

「あれは一夏君のおかげよ」

 

「一夏が来る前じゃなかった?」

 

 

 微妙な時期だったから覚えてないけど、代表になったのは確かに一夏が来た後だったけど、その前から内定は貰ってたんじゃなかったかな? 良く分からないけど兎に角あの時は家の人がお姉ちゃんと私を比べていたのだ。今も比べられてるけど、あの時よりあからさまに比べる事は無くなっているから特に気にしてないんだけどね。

 

「お姉ちゃんが代表で、私が候補生になれたのが一夏のおかげなら、私たちは一夏に何をして恩返しをすれば良いのかな?」

 

「やっぱり身体で……」

 

「それはもう良いから」

 

 

 そろそろ付き合うのも面倒だし。

 

「恩返しねぇ……一夏君なら『今更そんな事気にするな』とか言いそうだけどね」

 

「確かに……一夏なら言うだろうね。でも私たちだけじゃなくって、虚さんや本音の専用機が出来たのも一夏のおかげなんだよ?」

 

「まさか篠ノ乃博士を使うなんて思っても無かったわ」

 

 

 一夏がISを使える事を暴露した篠ノ乃博士を逆に一夏が利用したんだよね。自分の専用機を作るついでに虚さんと本音の分のコアを用意させたのだ。

 

「私たちのISも調整してくれたし、簪ちゃんのはしっかりと完成させてくれたんだよね」

 

「今でも如何やって組み立てたのか分からないもん」

 

 

 整備科の人に見てもらっても定かでは無いのだ。一夏なら分かるんだろうけど、わざわざ見てもらうのも悪いと思ってるから今は頼んで無いけどね。

 

「随分と懐かしい話をしてるな」

 

「お二人だけですか?」

 

「一夏君に虚ちゃん。仕事は終わったの?」

 

「今日はそんなにありませんでしたし、一夏さんが普段より早く終わらせてくれたので」

 

 

 如何やら一夏もお姉ちゃんの事を心配していたようで、何時もより仕事を終わらせる手が早かったようだ。

 

「それで、何でそんな古い話なんてしてたんだ?」

 

「お姉ちゃんが全身が痛いって言うから、話でもして痛みを忘れさせようと思って」

 

「そうだったの? ……思い出したら痛くなってきた」

 

 

 せっかく忘れていた痛みを思い出したらしく、お姉ちゃんはまた呻きだした。

 

「うぅ~!」

 

「大人しくしてろ。今揉んでやるから」

 

「おっぱいを?」

 

「殴るぞ」

 

「ゴメン、冗談よ」

 

 

 お姉ちゃんの枷はまだ外れたままのようで、一夏相手にも卑猥な発言をした。でもさすが一夏だけあって、あっという間にお姉ちゃんを黙らせたのだった。

 

「あれだけの事で一日中身体が痛くなるなんて軟弱じゃねぇか?」

 

「痛くならない一夏君がおかしいんだよ」

 

「そうか? マドカも駄姉にも付き合ってもらった事あるが、二人共特に痛そうな素振りはしなかったが」

 

「あの二人も例外! そもそも一夏君の家族は他とは違うでしょうが!」

 

「家族ねぇ……確かに違うわな」

 

 

 何だかニュアンスが違う気もするけど、確かに一夏の家族は他とは違うもんね。世界最強の姉にそれに匹敵する才能を持った妹、世間一般の普通には当てはまらないもんね。

 

「ほら、大人しくしてろ。動くと痛いからな」

 

「は~い」

 

 

 一夏がゆっくりとお姉ちゃんにマッサージをし始める。既にお姉ちゃんは気持ち良さそうに目を瞑っていて、そのまま寝ちゃうんじゃないかと思うくらい微動だにしなかった。

 

「それで、随分と昔の事話してたけど、そんなんで気は紛れてたのか?」

 

「お姉ちゃんは静かになってたし、多分気は紛れてたんだと思うよ」

 

「他に話題は無かったのか? もう三年くらい前だろ」

 

「まだ三年だよ。一夏と知り合ってから色々あったから、感覚的にはもっと経ってるものだと思ってたけど、改めて考えるとまだ三年なんだよね」

 

「あの時はまさか自分が一夏さんと付き合ってるなんて想像もしませんでした」

 

「私も」

 

「いや、俺もまさか彼女が七人も居るなんて思っても見なかったぞ」

 

 

 本音は一目惚れだと言ってたけど、私やお姉ちゃんや虚さんは一夏の内面も好きになってから自分の気持ちを実感したんだよね……自覚してなかっただけで、ひょっとしたら私たちも一目惚れだったのかも知れないな……

 

「まさかISまで彼女にするなんてね」

 

「あれはお前らがなし崩しに……いや、俺の気持ちか」

 

「あの時から考えると、一夏さんは私たちに対する免疫が出来てますよね」

 

「確かに」

 

 

 あの時はキスすらろくにしてくれなかったどころか、少し触れるだけで顔を赤くしてたっけ。それが今ではこうしてお姉ちゃんの身体を触っても何の変化も無いんだもんね。

 

「ところで刀奈、随分と静かだが起きてるのか?」

 

「……スー」

 

「寝てるね」

 

「寝てますね」

 

 

 耳を欹てると静かな寝息が聞こえてきており、お姉ちゃんは寝てしまったようだ。さっきまであれだけ痛くて寝れないとか言ってたのに、一夏にマッサージしてもらっただけで寝れるんだ……そんなに即効性があるのかな?

 

「寝たと言う事はもう終わりで良いのか?」

 

「とりあえず全身を揉み終ったら終わりで良いんじゃない?」

 

「お嬢様が寝てる以上、それで良いと思います」

 

「ならもう少し揉んでるか」

 

 

 一夏は腰から脚にかけてマッサージを再開した。さすがにお尻は触らなかったけど、随分と際どい箇所も平気で触れるようになってるんだと、改めて思った。

 

「今度私もしてほしいな」

 

「簪も? 何処か痛いのか」

 

「ううん、単純に気持ち良さそうだから。あと少し肩こりがあるかな」

 

 

 書類整理とかしてると肩凝るんだよね。お姉ちゃんや本音みたいに胸が大きくて凝る訳じゃなく、本当に酷使して凝ってるのだ。

 

「それなら刀奈が終わったら肩揉んでやるよ」

 

「一夏さん、私も!」

 

「はいはい……順番な」

 

 

 一夏は虚さんを宥めるようにそう言って、お姉ちゃんのマッサージを終わらせる為に集中し始めた。それにしても何処でこんな技術を身に付けたんだろうな……不思議でならないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後部屋に戻ってきた本音たちにも一夏さんはマッサージをして、結局本人だけが疲労困憊の様子になってしまいました。

 

「ふわぁ~……あれ? 私寝てたの?」

 

「グッスリと寝てましたよ。一夏さんのマッサージが始まってすぐくらいから」

 

「そう言われれば途中からまったく覚えて無いわね……ところで何で一夏君はグッタリとしてるの?」

 

「この部屋の住人全員にマッサージをしたらこうなりますよ」

 

「全員? 碧さんやマドカちゃんもって事?」

 

「見回りで歩き疲れたそうです」

 

「無駄に広いからね~」

 

 

 IS学園には私たちが知らないような場所も沢山あり、その全てを知ってるのは学長だけだと言われています。その殆どを見回らなければいけない碧さんの脚が悲鳴を上げてもおかしくは無いのかも知れませんね。

 

「疲労を取る為にマッサージしてもらって、マッサージした本人が疲れてたら意味無いんじゃない?」

 

「お嬢様がそれを言いますか」

 

「そう言えばもう痛くないわね」

 

「寝てる間も一夏さんがしっかりとマッサージしてましたからね」

 

 

 起こさないように力加減を考えて、それでもしっかりと痛みをとるように入念に揉み解してましたからね。

 

「そっか……ところで今何時?」

 

「もうすぐ6時ですかね」

 

「ご飯は如何するの? 一夏君が疲れてるんじゃ作ってもらうのは無理そうだし」

 

「食堂で良いんじゃないですか? 普段利用してない分、こう言ったときに利用するべきですよ。生徒会にもメニューを増やしてほしいとの陳情が来てますし、じっくりと学食のメニューを考える為にも」

 

「メニューを考えてるのは生徒会じゃ無いんだけど?」

 

「学園の事の全ては生徒会に陳情書を出して解決するんですよ。それくらい生徒会長なら当然知ってますよね?」

 

 

 まさか知らないとは言わないとは思いますが、完全に忘れてたのは間違い無さそうです。

 

「そもそも食堂のメニューを増やすんじゃなくって、自分たちで作れば良いんじゃないの?」

 

「それじゃあお嬢様はご自分で作りますか?」

 

「一夏君が居るからそれはしないかな~。そもそも此処最近自分で自分のご飯を準備したのって昨日を除くと何時よ……」

 

「相当遡らなければいけないでしょうね」

 

 

 昨日は一夏さんと碧さんを除くこの部屋のメンバーと、美紀さんで夕食の準備をしたのですが、それ以前に料理をしたとなると……思い出せませんね。

 

「虚ちゃんとか簪ちゃんは一夏君に習ってる時にしてるでしょうが」

 

「それでも『お手伝い』程度ですし、『料理』をしたとなると何時になるのかは……」

 

「私も同じ気分を味わった事あるから分かるけど、一夏君が料理を作ってる時って私たち邪魔なんじゃないかと思うのよね」

 

「そうなんですよね……此処に居て良いのかと考えたりします」

 

 

 テキパキと進めていく一夏さんの邪魔にしかなってない自分が情けなくなったりもしますし、結局何も出来なかったと落ち込むんですよね。

 

「お姉ちゃん、虚さん、夕ご飯だけど一夏が作るって」

 

「一夏さんが?」

 

「大丈夫なの?」

 

 

 さっきまでヘロヘロで床に座っていた一夏さんでしたが、既にキッチンに向かってるようで向こうからテンポの良い音が聞こえてきました。

 

「何時回復したのよ……」

 

「お姉ちゃんたちが話してる間に」

 

「凄まじい速さね」

 

「それだけ一夏さんの体力があると言う事でしょう」

 

「それに疲れてたのもちょっとだけだって言ってたし」

 

 

 それは私たちを安心させる為に言った嘘なんでしょうが、一夏さんなら本当の可能性もあるのでどちらかは分かりませんね。

 

「でも、一夏君が作ってくれるのなら嬉しいな! 昨日は食べられなかったし」

 

「何時も食べてるじゃない。それに今朝もお昼も一夏が作ったご飯だったでしょ?」

 

「そうなんだけどさ。ほら、一食一夏君のご飯じゃないものを食べると、より美味しく感じるじゃない? だから本当なら一日一食は一夏君が作ったものじゃないものを食べた方が良いんだろうけど、そんな事しなくても美味しいものは美味しいからね。だからずっと一夏君のご飯が食べたいの」

 

「お嬢様、それはプロポーズにも聞こえますが?」

 

「ずっと居られるならずっと居たいじゃない? それに一夏君なら今すぐでも結婚したいわよ」

 

「さすがに年齢が……っと、一夏さんは日本国籍では無かったんでしたね」

 

「無国籍だし、今すぐでも出来るんだろうけどね」

 

「でも一夏君が頷いてくれるとは思えないし、今は我慢するわ」

 

「何々~何の話~?」

 

「面白いお話ですか?」

 

「私たちも混ぜて」

 

 

 本音たちも混ざってきて、何時もの六人で盛り上がる事になりました。碧さんはお疲れの様子でベッドに沈み込んでいますので、なるべく騒がないように注意しなければ。

 

「そう言えば虚ちゃん、今週末は虚ちゃんが一夏君とデートなのよね?」

 

「そうですね。ジャンケンに勝ちましたし」

 

「良いな~おね~ちゃん、私も早くおりむ~と二人きりでデートしたいな~」

 

「我慢しなさい。ジャンケンで勝てなかったんですから」

 

「だって~! 来週はおりむ~はお友達と遊ぶんでしょ~? その次にジャンケンに勝たなければまたお預けなんだよ~!」

 

「一夏さんは普段私たちの為に時間を使ってくれてるんですから、偶には自分の為に時間を使っても文句言えませんよ」

 

「そうだね。一夏君は偶には自分の為に時間を使うべきだね」

 

「お姉ちゃんがそれを言うの?」

 

 

 確かにお嬢様の代わりに一夏さんが仕事をしている訳ですし、それさえなければ一夏さんだってもう少し自分の時間が作れるのかもしれませんね。

 

「皆同罪でしょ? 今だって結局一夏君一人にご飯の準備を任せてる訳だし」

 

「それは一夏様の邪魔をしない為でして……」

 

「私はお兄ちゃんに邪魔だと思われたく無いし……」

 

 

 二人が言ってるように、一夏さんの邪魔をしない為にも、私たちは手伝いをするべきでは無いのですよね……

 結局一夏さんの時間を奪ってるのは、お嬢様の言うように私たち全員なのですよね……少しは考えないと駄目なんでしょうが、如何しても一夏さんに頼ってしまうクセが付いてしまってるのかもしれません。それだけ一夏さんが頼りになると言ってしまえばそれまでなのですが、もう少し自分で何とかしようとしなければいけませんね……




楯無がちょっと暴走しましたが、次回からは元に戻します

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