もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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250話ですね


皆で夕食作り

 一夏君が私の代わりにISのチェックをしてるので、今日の私は生徒会室に缶詰状態だ。逃げ出そうにも虚ちゃんの目が鋭く光っている為に、逃げ出すチャンスがまったく無いのだ。

 

「虚ちゃん、少し休まない?」

 

「今日中に帰れなくなっても良いのならどうぞお休みください」

 

「分かったわよ~……」

 

 

 こんな風に脅されたら逃げるに逃げれないし休むに休めないじゃないのよ……これなら業者の電話に出ればよかったわね……多分そっちの方が楽だったと今更ながら後悔してるのよね。

 

「一夏君はまだ来ないの?」

 

「コアが無いので専用機扱いはされませんが、あれは美紀さんの専用機体になるものですからね。亡国企業との戦闘も見据えてのものですから、まだまだ時間はかかると思いますよ? それに、一夏さんがチェックしてるのですから、妥協する事も無いでしょうし」

 

「本音は?」

 

「来る訳無いじゃないですか」

 

 

 妹である本音には容赦の無い言い方だった。

 

「本当に亡国企業が攻めてくる可能性なんてあるのかしら?」

 

「既に周辺各所に人員を配置してるのを見ると、恐らく近い内に小競り合いくらいなら起こると思いますよ」

 

「小競り合いって、学校に攻められたら対処が難しいんじゃないの? 織斑先生やナターシャ先生が居るからって、こっちには肉弾戦が得意な人なんて殆ど居ないわよ?」

 

 

 亡国企業には飛び道具や武器も色々あるでしょうが、こっちには訓練機があるとは言え、乗るのは学生だ。下手なIS操縦者より、熟練の歩兵の方が脅威度は上だろうし、いざとなったら私たちも相手の死を厭わない戦いをしなくてはいけなくなるだろうな。

 

「一夏さんと織斑先生と言うジョーカーを二枚有している時点で此方が有利だと見てるのでしょうね。迂闊には攻めてこないと思います。それでも警戒を怠れば一気に攻めてくるでしょうから、一夏さんが碧さんに見回りを頼んだのはその為でしょう」

 

「あ~、織斑先生が忘れてたんだっけ?」

 

 

 本当なら碧さんは午後に初担当する授業があったのだけれど、一夏君が碧さんに見回りを頼んだ為それは流れてしまったのだ。

 

「織斑先生って、見回りの為に自由になったんじゃ無かったけ?」

 

「先ほど何かに脅えるようにしてる居るのを簪お嬢様たちに見られてますし、恐らくは一夏さんの制裁に脅えてるのだと思いますよ」

 

「ブリュンヒルデも義弟には勝てないんだね」

 

「一夏さんは桁外れの強さですからね。いくら織斑先生でも一夏さんには敵わないのでしょう」

 

「昔から世話になってる分、余計に勝てないんだろうけどね」

 

 

 一夏君から偶に聞く昔話でも、織斑先生のハチャメチャな行動が一夏君を怒らせてきたのは分かってるし、それに最近は特に一夏君に頭が上がらない様子なんだよね……何かあったのかしら?

 

「お嬢様も無駄話して休もうとしても駄目ですからね。まだまだ仕事が残ってるんですから」

 

「ちょっとくらい休んでも良いでしょ? どうせ頑張っても終わらないんだから」

 

 

 既に二時間は仕事しているのに、書類の山は一向に無くなる気配すらないのだ。このままのペースで仕事したとしても、終わるのは日付が変わる頃か、完全に日付が変わってからだろう。こんなのやってられる訳無いじゃない!

 

「お嬢様が普段から真面目に仕事をしていればこんなに溜まるはず無いんですよ! これに懲りたらもう少し頑張って下さい」

 

「大体さ~、金曜にあれだけ仕事したのに、如何して二日しなかっただけでここまで溜まるのよ! 生徒会に仕事任せすぎなんじゃない?」

 

「一夏さんが入ってから、ますます生徒会に仕事を回される事が多くなったのは事実ですが、それでも一夏さんが居れば終わる量だったんです。それがこの週末は碧さんの臨時教師としての就任に伴う書類と、美紀さんの編入関係の書類がごっそりと来ましたからね。一夏さんが居ても最終下校時間には終わらなかったと思います」

 

「一夏君が居ても終わらないんじゃ、私と虚ちゃんだけで終わるはず無いじゃないの! だからこれ以上頑張れないの~」

 

 

 もう文字を見たくないのよ……愚痴ってたら虚ちゃんの携帯が鳴った。このメロディーは電話かしら?

 

「はい……一夏さん、お疲れ様です。ええ……分かりました、ではお待ちしてます」

 

「一夏君? 何だって?」

 

「一夏さんの方の用事は終わったそうですので、これから生徒会の仕事を手伝ってくれるそうです」

 

「本当! やった、これで早く帰れる~!」

 

「その代わりお嬢様もしっかりと仕事して下さいね? 元々は両方ともお嬢様の仕事なんですから」

 

「分かってるわよ…でも、今日のはどちらかしか出来なかったと思うんだけど」

 

 

 ISのカスタマイズなんて自分で使うのしか出来ないし、これだけの書類の山を片付けるのだってそう簡単には出来ないもんね。

 

「そう言えば一夏君って他のISに乗れるのかしら?」

 

「如何やら須佐乃男を使って武装を見せてもらってたようです」

 

「実際に手合わせしたって事?」

 

「特徴などを見て、美紀さんの得意不得意も鑑みてのカスタマイズ機にするそうです」

 

「うへぇ、そんなの面倒ね。一夏君に頼んで正解だった」

 

「押し付けたんでしょ?」

 

「ゴメンなさい」

 

 

 滅多に無い事だが、虚ちゃんは怒ってると偶に私にタメ口で話すようになるのだ。こうなった虚ちゃんを下手に刺激するのはマズイ……大人しく仕事しようっと。

 

「やっぱり本音も連れて来た方が良かったかもね」

 

「来ても戦力になりませんから。途中で寝るか騒ぐかのどっちかですよ」

 

「でも、少しくらいはマシになったんじゃない?」

 

「無駄口は叩かない方が良いですよ?」

 

「はい……」

 

 

 笑顔で言われたのだが、目が笑ってなかった。やっぱりここは大人しくしてるのが一番安全みたいね。

 

「まったく、お嬢様も本音も、少しは自分の仕事をしようって気が起きないんですかね? 何時も何時も私や一夏さんに押し付けてばっか」

 

 

 ついに独り言で愚痴を言い始めた……随分とストレスを溜め込んでた証拠ね。こうなったらもう私じゃ手がつけられないのよね……一夏君、早く来て頂戴!

 

「失礼します……あぁ、やっぱり終わってないのか」

 

「一夏君! 虚ちゃんが大変なの!」

 

「虚が? ……しょうがねぇなぁ」

 

 

 一夏君は一旦キッチンに引っ込むと、私と虚ちゃんに紅茶を淹れてくれた。相変わらずの手際の良さで、引っ込んですぐに出てきたのだ。いったい如何やって淹れてるのかしら?

 

「とりあえずコレでも飲んで落ち着け。その間に俺がやってるから」

 

 

 そう言って一夏君はもの凄いスピードで書類の処理を始めた。やっぱり一夏君は頼りになるわね。

 

「虚ちゃん、少し休みましょ?」

 

「そうですね……ふぅ」

 

 

 一夏君の淹れてくれたお茶のおかげで、虚ちゃんの精神は正常に戻ったようだった。やっぱり一夏君しかあの状態の虚ちゃんを抑えられる人は居ないんだなぁ~。

 

「ねぇ一夏君、美紀ちゃんのISは何時納品されるの?」

 

「最終調整を明日するようだから、早くても明後日だ」

 

「打鉄? それともラファール?」

 

「とりあえずはラファールだ。打鉄は美紀の戦い方に合わないからな」

 

「遠距離主体ですからね」

 

 

 一夏君は私たちと話しながらも次々と書類を片付けていく。私が二時間かけて片付けた書類と、この数十分で一夏君が片付けた書類の量は、およそ1/2くらいだ。私が遅いのか一夏君が早いのかと聞かれれば、恐らく一夏君が早いのだろう……いや、恐らくじゃなく間違いなく一夏君が早いのだ。

 

「なぁ、これって殆ど職員室から回されたものだよな?」

 

「そのようですね。轡木学長が生徒会で処理するようにと先生方に仰ったそうです」

 

「あの耄碌爺さんめ……何か恨みでもあんのかよ」

 

「如何だろう、轡木さんは生徒会と何も無かった気がするけど……」

 

 

 織斑先生とは前に衝突したらしいけど、今ではどちらも大人しくなってるので関係無いだろうしね。

 

「とりあえずこれだけは終わらせないとマズイな」

 

「ん? な~に、それ?」

 

「美紀のIS発注に関する書類だ。これが提出出来ないと納品されないからな」

 

「それじゃあ一夏君が終わらせてね?」

 

「最終的なハンコは刀奈が持ってるんだから、それだけはお前がするんだぞ?」

 

「は~い……そう言えば一夏君に『お前』って言われたのって初めてかも」

 

「……そうだっけか」

 

「新鮮だけど嫌じゃないわね」

 

 

 何だか一夏君に特別扱いされてないようで嬉しいし。ちょっと前までは敬語だったし、偶にタメ口聞いてもすぐに戻っちゃったしね。

 

「お嬢様、何時までも休んでないで私たちも仕事しますよ」

 

「は~い。少し休んだからちゃんとしますよ~だ」

 

 

 虚ちゃんと一夏君が居れば、私が居なくても大差無いと思うんだけどなぁ~……でも、逃げ出すと後で虚ちゃんに怒られるし、ここはやっぱり大人しく仕事した方が良さそうね。

 

「ほい、これの最終確認よろしく」

 

「此方もお嬢様の最終判断が必要ですので」

 

 

 ……意外と私が居なきゃ駄目だったみたいね。普段は一夏君が代理でしてくれてるから忘れてたけど、本当なら会長の許可が無きゃ何も出来ないんだったわね。

 

「って! こんなにあったら帰れないじゃないのよ!」

 

「ハンコ押すだけなんだから、別に大変じゃないだろ」

 

「本当なら全部お嬢様が目を通さなければいけないのですが、私と一夏さんで検閲して問題無いものをそちらに渡してるんですから、それほど大変では無いですよね?」

 

「そもそも問題ありの書類なんてあるの?」

 

「前に一つだけ」

 

「何?」

 

 

 大抵生徒会に上がってくる時点で問題なさそうなんだけど、それでも弾かれた書類があるなんて……ちょっと気になるわね。

 

「織斑先生からの要望で、学食に酒を置いてほしいと」

 

「あ~……それは無理ね」

 

 

 学生は未成年なんだし、アルコール飲料は置けないわよね……私が納得してる隣で、盛大なため息が聞こえてきた。

 

「何を考えてるんだ、あの駄姉は……」

 

「一夏さんの目に触れる前に私が退けておきました」

 

「スマンな……今度あの駄姉には厳しく言っておくから」

 

「大丈夫ですよ。既に一夏さんが説教してるようですし」

 

「俺が? ……あれか」

 

「ん? 何々?」

 

「調理用のお酒を全て飲んでしまったとして、織斑先生は一夏さんにこっ酷く怒られてるのを大勢の教員が目撃してたんですよ」

 

 

 調理用って……そこまでしてお酒を飲みたかったのかしら? 私は夏休みに一回だけ一夏君のお家で飲んだ事があるけど、あの時はすぐに気持ち悪くなってきたのよね。そう考えると私はお酒が弱いって事になるのかしら? 成人しても飲まない方が良いかもしれないわね。

 

「まったく。あの後変わりの料理酒の代金を貸してくれって言われたんだよな」

 

「一夏君も大変ね。酒乱のお義姉さんが居ると」

 

「あのDNAがマドカにもあると思うと、成人した時が怖いんだが」

 

「頑張ってね。お兄ちゃん♪」

 

「楽しんでるな」

 

 

 一夏君をからかっていて忘れていたが、その間にもどんどんと私の前に書類が置かれていってるのだ。二人共、処理スピード速すぎ……

 結局最終下校時間にギリギリ間に合う形で、私たちは溜まっていた仕事を終わらせたのだった。

 

「終わったー!」

 

「途中からお嬢様はハンコ押すだけでしたけどね」

 

「まぁあれは本来刀奈しか出来ない事だからな」

 

 

 殆どの書類を片付けた一夏君と虚ちゃんは少しも疲れた様子を見せていない……どれだけ体力が有り余ってるのかしらね。

 

「ねぇ一夏君」

 

「何だ?」

 

「今日の夕ご飯は私たちが作るからね」

 

「ええ。一夏さんは少し休んでてください」

 

「何だよ急に。何かあったのか?」

 

 

 何時もなら一夏君に頼りっぱなしな私たちだが、さすがに頼りすぎだと朝考えて、今日は一夏君に少しでも休んでもらおうと言う事になったのだ。

 一夏君が何時もしている事の代わりを私たち全員でするのだから、一夏君より早く出来ると思うのだけれど、一夏君一人でした方が早そうなのは何でなんだろうな?

 

「良いの! 偶にはゆっくりお風呂にでも入ってきなさい」

 

「その間に準備しておきますから」

 

「……それはありがたいが、爆発オチだけは止めてくれよ、マジで」

 

 

 心の篭った言い方に、私も虚ちゃんも苦笑いを浮かべた。一夏君の苦労話の中でも最も大変そうだったのが、キッチンの爆破なのだ。

 小さかった一夏君にとって、爆発は恐ろしい事だったんだと分かるほどの気持ちの篭ったお願いに、私も虚ちゃんも頷く事しか出来なかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 簪ちゃんたちに連れられて、私は一夏様が生活してる部屋にやって来た。本来なら関係者以外立ち入る事すら禁じられている部屋だが、その関係者がこうして引っ張って来たのだから怒られる事は無いだろうな。

 

「美紀も手伝ってね」

 

「何を?」

 

「おりむ~の為にご飯を作るんだよ~!」

 

「一夏様の?」

 

 

 そう言えば一夏様が楯無様以下、この部屋の住人のご飯を作ってると聞いてたけど、本当だったんだ……楯無様や本音ちゃんは自分で作れるのに。

 

「一夏様が食べてくれるのは嬉しいんだけど、私そんなに上手じゃないよ?」

 

「大丈夫! おね~ちゃんもそれほど上手じゃないから!」

 

「私もそんなに上手く無いし、須佐乃男だってそれほど上手く無いって言ってたし」

 

「そうですね。私も一夏様の足元にも及びません」

 

「それはみんなだよ~」

 

 

 須佐乃男さんの自虐に、本音ちゃんが明るく返した。一夏様の料理を食べた事が無いから分からないけど、一夏様ってそんなに料理上手なんだ……

 

「おりむ~のご飯を一回でも食べたら、もうそれ以上が無いんじゃないかって思えるんだよね~」

 

「分かります! あれを食べてから私は、外食と言うものに興味が無くなりました」

 

「須佐乃男って外食とかしてたっけ?」

 

「学食で食べたり、一夏様が居なかった時に仕方なくしたくらいで、後は大体一夏様の手料理ですね」

 

「羨ましいな~。須佐乃男はおりむ~がまだ完全に屋敷で生活する前もずっとおりむ~のご飯だったんでしょ~」

 

「千冬様との取り合いで大皿料理は殆ど食べれませんでしたけどね」

 

 

 織斑先生って料理出来ないんだっけ? 理想の女性として有名なのに、意外と家事は駄目なんだね。

 

「さてと、おしゃべりしてる暇は無いよ。お姉ちゃんたちはまだ仕事だろうし、マドカが食材を買いに行ってくれてる間に出来る事をしちゃわないと」

 

 

 簪ちゃん、随分と気合入ってるな~。何か特別な思いいれでもあるのかな?

 

「昨日は一夏にお弁当作ってもらったんだから、今日はしっかりとお返ししなきゃ!」

 

「おりむ~のお弁当? かんちゃん、昨日のお昼はおりむ~のお弁当だったの?」

 

「うん。私が作りたかったんだけど、食材も時間も無かったから諦めたんだ。そうしたら一夏がお弁当作ってきててビックリした」

 

「さすが一夏様ですね。抜かりが無いと言うか何と言うか」

 

「昨日って一夏様は用事があるって言ってたけど……もしかしてデート?」

 

 

 一夏様は大勢の彼女が居るから、週末は忙しいんだろうな。そして昨日は簪ちゃんがデートの相手だったみたいね。

 

「先週から週変わりで二人きりでデートするようになったんだよ~。それで昨日はかんちゃんの順番だったんだ~」

 

「来週は虚様ですよね」

 

「如何やって決めてるの?」

 

「「「ジャンケン」」」

 

 

 意外と運任せだった……それにしてもデートで週末が潰れるなんて贅沢な事だな~。普通の高校生は友達と遊んだろバイトしたりと忙しいんだろうけど、一夏様は別な意味で忙しい週末を過ごされてるんだな。

 

「でも~再来週は用事があるみたいでデートがお休みなんだよね~」

 

「用事? 何か大事な用でもあるのでしょうか?」

 

「中学時代の友達と遊ぶみたい」

 

「偶には一夏様も男友達と遊びたいのでしょうね」

 

 

 そう言えばそうか。IS学園は女子高だし、一夏様の周りには同年代の男子は一人も居ないんだった。そもそも同年代の男子がこの学校に居る訳無いのだし、当たり前と言えばそれまでだったわね。

 

「あれ? でもリンリンも行くんじゃないのかな~?」

 

「如何でしょう。鈴さんは週末に候補生として行くところがあると先ほど言ってましたと噂で聞きましたが」

 

「それじゃあ鈴は居ないんだ」

 

「鈴さんと言うのは、中国代表候補生の凰鈴音さんの事ですよね?」

 

「そうだよ~。おりむ~の昔からのお友達なんだよ~」

 

 

 簪様たちとおしゃべりしながら、調理の準備をしていると、織斑さんが買出しから帰って来て、それとほぼ同時に楯無様と虚さんも部屋に帰ってきました。

 

「随分とにぎやかなキッチンだな」

 

「はいはい、一夏君はゆっくりお風呂に入ってきてね~」

 

「ちゃんと沸かしてある」

 

「おりむ~にはゆっくりしてもらわなきゃいけないからね~」

 

「頼むから散らかすのは止めてくれよ。片付けるのが面倒だから」

 

「分かってますよ、一夏様」

 

「そもそも片付けも私たちでしますから、一夏さんは気にしなくて大丈夫ですよ」

 

「お兄ちゃんは心配性だね」

 

「そう言えば碧は? まだ戻ってきてないのか?」

 

「あっ、小鳥遊隊長なら、先ほど織斑先生に連れて行かれました」

 

「駄姉に? また余計な事してるんじゃねぇだろうな」

 

 

 一夏様の粗暴な口調に、私は少し驚きました。一夏様でもあんなふうに話す事があるんですね。

 色々と気にしていた一夏様でしたが、結局は楯無様が追いやるようにお風呂場に押し込みました。さてと、これから全員で夕ご飯の準備です!




飛ばそうとしても何故だか脱線気味に……

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