もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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祝お気に入り登録500、まさかこんなにも登録されるなんて・・・。
今回はあのキャラに改心の兆しが・・・そしてチョッとした試みも。


力の意味とクラス対抗戦

鈴との再会に驚いた俺だが、

 

「鈴、とりあえず教室に戻った方がいいぞ?」

 

「何でよ?積もる話もあるじゃない!」

 

「それはそうだが、このクラスの担任は千冬姉だ。チャイムが鳴って別のクラスに居たら怒られるぞ。」

 

「そうなの・・・千冬さんが担任なんだ。」

 

「ああ、だから昼休みに昼食でも食べながら話そう。」

 

「分かったわ、じゃあ後で食堂でね。」

 

 

千冬姉の制裁を心配して鈴を教室に帰した。

俺と鈴の関係を知らないセシリアが、

 

「一夏さん、今の方とは如何いった関係なのですか?」

 

 

と聞いてきた。

その発言に本音も頷いている。

 

「ああ、今のは凰鈴音。小5から中2までクラスメイトだった悪友の1人だ。」

 

「へぇ~、おりむ~が言ってた悪友って彼女だったんだ~。」

 

 

そう言えば本音は知ってるはずだったよな・・・。

 

「本音、お前には鈴のこと話してたよな?」

 

「えへへ~、聞いてたけど会ったことはなっかたからね~。」

 

「でも画像見せたよな?」

 

「・・・えへ?」

 

 

誤魔化すなよ・・・。

 

「お前ら、そろそろHRの時間だ。席に着け。」

 

 

おっと、織斑先生の登場だ。

俺たちは話を切り上げ席に戻る。

鈴はIS操縦者になったのか・・・アイツも変わったな。

 

「織斑、考え事か?だが号令を掛けろ。」

 

 

おっと、怒られてしまったな。

俺はとりあえず考えるのを止め、現実に集中することにした。

 

「(いったい、一夏とあの女はどういった関係なのだ?クラスメイトとは言っていたがそれだけなのか?)」

 

 

遠くから話を聞いていた箒は現実に復帰できていなかった。

 

「篠ノ乃、もうHRだ。早く現実に戻って来い!」

 

 

すぱーん。

伝家の宝刀『出席簿アタック』が篠ノ乃の頭に炸裂した。

・・・何をやっているんだ、アイツは?

 

「(難しい顔してましたね~。いったい何を考えていたのでしょうね。)」

 

 

・・・気にしても今は考え事をしない方が良い。

1時間目はHRから引き続いて織斑先生の担当なので、下手に考え事をするとさっきの篠ノ乃の二の舞になる。

 

「では織斑、この答えは何だ?」

 

 

さてと、集中しますか。

 

 

 

 

 

 

 

1時間目が終わり休憩に入った。

 

「一夏、貴様のせいで!」

 

 

・・・また俺のせいかよ。

 

「篠ノ乃、何を考えてたかは知らんが、お前が叩かれたのはお前の注意不足だ。俺のせいにされても困るんだが・・・。」

 

 

俺の発言にセシリアが同意してきた。

 

「そうですわ、篠ノ乃さん。何でも人のせいにしていたら成長できませんわよ。」

 

「む・・・そうか。」

 

 

今回は素直に引いたな。

俺や千冬姉が言ってもあまり聞かないのに、セシリアの言う事は聞くのか・・・。

 

「(相手に対しての思い込みが少ない分、素直に言う事が聞けるのではないですか?)」

 

 

そうかもな。

だが篠ノ乃の交友範囲は俺より狭いぞ。

改心させるのは難しいが、俺の安寧のために何とかなって欲しいものだな。

 

「ところで、一夏さん。昼食の件ですが、私もご一緒しても構いませんか?」

 

 

昼食の件?ああ、鈴の事か。

 

「別に構わないが、他にも人、居るからな。」

 

「他の人?さっきの女性以外にもですか?」

 

「ああ、簪と本音も一緒だが・・・セシリア、平気か?」

 

「え、ええ。平気ですわ。」

 

 

例の粛清以降、セシリアは4人に軽いトラウマを持っている。

 

「セッシーも一緒に食べようよ~。」

 

 

本音の方はもう気にしてないみたいだがな。

 

「一夏、私も構わないか?」

 

 

篠ノ乃?めずらしく確認してきたな。

コイツも変わってきているのかもな・・・。

 

「構わないが、暴れたりしたら追い出すからな。」

 

「ああ、分かった。」

 

 

何故だかうれしそうな篠ノ乃は席に戻っていった。

・・・何がそんなにうれしいんだか。

 

 

 

 

 

ちなみに、そのときの箒の思考は、

 

「(一夏と食事、久しぶりに一夏と一緒。)」

 

 

一夏の事しか考えていなかった。

 

 

 

 

 

 

そして昼休み。

 

「さて、食堂に行くか。」

 

 

俺が声を掛けると、本音とセシリアがこっちに来た。

ちなみに、篠ノ乃はすでに傍に居た。

 

「おりむ~、かんちゃんを迎えにいかないと~。」

 

「そうだな、行くか。」

 

 

俺たちは簪の居る、四組に向かおうとしたが、

 

「一夏、本音、私はすでにここに居る。」

 

 

本音の背後に簪が居た。

 

「うひゃ~~~。かんちゃん、ビックリしたよ~。」

 

「えへへ、でも一夏は驚かなかった・・・。」

 

「気配で気づいてたからな。でも折角の簪のお茶目だったから、気づいてない振りをしてたんだ。」

 

「なら教えてよ~。」

 

 

本音がポカポカと叩いてくる。

袖がダボダボなので痛くは無いし、こういった子供っぽさは可愛いしな。

などと、俺が和んでいると、

 

「一夏さん、そろそろ食堂に行きません?」

 

 

セシリアが話しかけてきた。

 

「そうだな、鈴も待ってるだろうし。」

 

「鈴?」

 

 

ああそうか、簪にはいってなかったな。

 

「俺の悪友の一人の凰鈴音だ。昔携帯の画像で見せた事があったな。」

 

「ああ、あの子・・・。でも何でIS学園に?」

 

 

・・・聞いてないや。

 

「悪い、聞いてない。後で聞こうと思ってたからな。すまない。」

 

「(一夏様ったら意外と抜けてますよね?)」

 

 

・・・悪かったな。

俺だって完璧超人な訳ではないぞ。

 

「そうなの?じゃあいいや。一夏、食堂行こう。」

 

 

簪に手を引っ張られ食堂に向かう俺と、本音達。

 

「遅かったわね!」

 

 

食堂に着いた俺達を迎えたのは足を肩幅に開いてラーメンのトレイを持った鈴だった。

 

「待たせたのは悪かったが、そこを退いてくれ。通行の邪魔になってるぞ。」

 

「じゃあ、先に席とっとくから早く来なさいよね。」

 

 

そういい残し駆け足で席に向かう鈴。

よくこぼさないものだな。

 

「(平行感覚がいいんじゃないですか?見た感じ猫みたいな感じがしますし。)」

 

・・・猫か。

なんとなく分かるが、本人に言うと怒るからな。

 

「(何でですか?)」

 

 

よく分からんが、中国では熊猫と書いてパンダと読むらしい。

だからアイツの中では猫=熊猫=パンダと変換されてるんじゃないか?

昔パンダネタで散々からかわれてたからな。

 

「(そうなんですか。想像力豊かなんですね、鈴さんって。)」

 

 

そうかもな。

俺は須佐乃男と話しながら昼食を受け取り席に移動する。

 

「それじゃあ、食べようか。」

 

 

席に着き皆に言う。

 

「一夏、積もる話は?」

 

「食べてからでも出来るだろ。そもそもお前ラーメンだろ、のびるぞ。」

 

「それもそうね。」

 

 

納得してくれたようなので、手を合わせ食事を開始する。

ちなみに俺と簪、箒は和食のA定食でセシリアと本音は洋食のB定食を選んだ。

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様。」

 

 

やはり男だからだろうか、俺が一番早く食べ終わった。

定食の4人はともかく、なんでラーメンの鈴が俺より遅いんだよ。

 

「本音、口元が汚れてるぞ。」

 

 

俺は手持ち無沙汰だったので、本音の口元を布巾で拭く。

 

「む~、おりむ~ありがと~。」

 

 

俺に拭かれ満足そうに目を細めお礼を言う本音、こっちの方がよっぽど猫っぽい。

 

「ご馳走様。さて一夏とりあえず久しぶりね。」

 

「ああ、そうだな。だがまだ他の人が食べてるからな。もう少し待て。」

 

 

俺に指摘され、顔を顰めた鈴。

コイツも五反田食堂で食事をしたことがあるからな。

あの食堂では連帯責任で誰か一人が食事をしているテーブルで会話をしようものなら、全員におたまが飛んでくる。

その事を知っている鈴は会話をあきらめた。

 

 

 

 

 

全員の食事が終わり、会話を再開した鈴。

 

「とりあえず自己紹介ね。私は凰鈴音、中国の国家代表候補生よ。」

 

 

・・・代表候補生になったのか。

てか、IS適正高かったんだな。

 

「よろしくお願いしますわ、鈴さん。」

 

「よろしく。」

 

「よろしく~リンリン」

 

「私はパンダじゃなーい!」

 

「ほぇ?どうしたの?」

 

 

俺が考え事をしていたら、鈴の地雷をしれっと踏んだ本音。

説明した方がいいか。

 

「鈴は昔パンダネタで散々弄られたからな。過剰に反応してしまうんだ。」

 

「そうなの~?じゃあファンファンかな~?」

 

「だからパンダじゃなーい!」

 

「ほぇ!!これもダメなの~?」

 

 

どこかで妥協してやれよ。

 

「鈴、本音は好意で呼んでるんだからそこまで過敏に反応するなよ。」

 

「分かってるけど・・・。」

 

 

随分と葛藤しているな。

そこまで嫌なのか・・・。

 

「よし、アンタはリンリンでいいわよ!」

 

「ほんと~?リンリンありがと~。私は布仏本音だよ~。」

 

「よろしくね、本音。」

 

「私はセシリア=オルコットですわ。鈴さんと同じくイギリスの代表候補生です。」

 

「へぇー、よろしく、セシリア。」

 

「私は簪、更識簪。日本代表候補生です。」

 

「わかったわ。よろしく簪。」

 

 

相変わらず人と仲良くなるのに時間がかからないな、鈴のやつは。

 

「それで、そこのアンタは?」

 

「篠ノ乃箒だ。」

 

「そう、よろしくね箒。」

 

 

自己紹介は終わったな。

その後は他愛ない事を話した後訓練の話になった。

 

「そう言えば一夏、アンタ放課後に訓練してるんだってね。」

 

「ああ、そうだな。」

 

 

大体言いたい事は分かるが、話を途中で折ると怒るからな。

俺の予想通りに鈴の話は進む。

 

「それじゃあ、私も一緒に訓練していい?」

 

 

・・・やっぱりか。

 

「気持ちは分かるが、止めておいた方がいい。」

 

「何でよ!?」

 

 

まさか断られるとは思ってなかったのだろう。

随分と大きな声だ。

 

「お前は二組だろ。四組の簪とも訓練しないようにしているからな。対抗戦が終わってからなら構わないが、今は互いのクラスのためにも必要以上に接触しないほうが良い。」

 

「・・・わかったわよ。」

 

 

どうやら納得してくれたらしいな。

 

「じゃあ、アンタは今誰と訓練してるの?」

 

 

まだ、続きがあったか・・・。

 

「(意外と粘着質なのですね。)」

 

 

粘着質と言うよりは、純粋な疑問だろうな。

 

「今は二年の更識楯無先輩と三年の布仏虚先輩だ。」

 

「ふ~ん・・・ん?更識と布仏?簪と本音のお姉さん?」

 

「ああ、そうだ。」

 

 

今度こそ納得したみたいで、鈴はまた女子達との会話に戻った。

鈴明るい性格が功を奏しているのか、篠ノ乃も会話に混ざっている。

 

「(彼女も変わってきているのかも知れませんね。さすがに一ヶ月も怒られ続ければ改心しようと思いますよ、普通は。)」

 

 

後は、俺に対しての行動さえ良くなれば職員室の世話になる事も減るだろうな。

そうなれば付き合い方も変わるだろうから、俺は安寧を手に入れられるだろう。

・・・ん?

何やら俺を見ている篠ノ乃。

何か聞きたいことがあるのか?

 

「(一夏様、そろそろ授業が始まりますよ。)」

 

 

おっと、もうそんな時間か。

 

「皆、そろそろチャイムが鳴る。教室に移動しよう。」

 

 

俺の一言で、トレイをカウンターに戻し教室に急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、放課後。

刀奈さんとの訓練を終え、部屋に戻ろうとしたら・・・

 

「一夏、ちょっといいか?」

 

 

篠ノ乃に声を掛けられた。

 

「ああ、構わない。楯無さん、先に戻っててください。」

 

「ん?大丈夫なの?」

 

「ええ、特に問題は無いでしょう。だな?篠ノ乃。」

 

「ああ、聞きたいことがあるだけだ。」

 

 

何やら思う事があるのだろうな。

 

「分かったわ。じゃあ一夏君、後でね。」

 

 

刀奈さんが部屋に戻っていくのを確認してから篠ノ乃の用件を聞いた。

 

「それで、何のようだ?」

 

「あ、ああ。聞きたいことがあるんだ。」

 

 

それは分かってる。

まったく本題に入ろうとしない篠ノ乃だが、こちらから急かすのは良くないような気がするので、向こうから話すのを待つ。

 

「一夏、私は如何したら良い?何がいけない?」

 

「いきなりどうした?」

 

 

俺としてはいきなりではないが、話の流れ上そういった反応のほうが話を進めやすい。

 

「この一ヶ月、お前や千冬さんに怒られ続けたんだ。いきなりでは無いだろう。」

 

「・・・確かにな。」

 

「(相手に合わせるのが上手いですね、一夏様。)」

 

 

少し黙っててくれ、合わせるのも簡単ではないのだ。

 

「(了解しました。)」

 

「それで思ったんだ。私は何をしたら良い?何を直せば良い?」

 

 

随分と反省しているようだ。

だが、俺が教えても意味が無い。

・・・だが、篠ノ乃も変わろうとしているのか。

 

「お前は『力』とは何だと思う?」

 

 

ヒントだけはあげよう。

自分で考えて袋小路に成ってしまったら意味がないからな。

 

「『力』?それはどう言う意味だ?」

 

「言葉通りだ。力の意味、イメージと表現しても良いが、お前はどんな思いを持っている?」

 

「・・・力の意味。」

 

 

悩んでるな。

もう少しヒントをやろう。

 

「例えばとある女性の考えだが、力とは、強者に振るうものであって弱者に振るうものでは無い。そこから転じて力を上手く使えない者は、まだ力に使われているとも言っていた。」

 

 

このとある女性とは、当然千冬姉のことだ。

 

「・・・お前は如何思っている?」

 

 

俺の考えも聞きたいのか?

あまり話したことは無いのだがな・・・。

 

「俺は、薬と同じだと思ってる。」

 

「薬?」

 

 

やれやれ、自分の考えを言うのは恥ずかしいんだがな。

 

「正しく使えば人のためになるだろう。だが使い方を間違えれば最悪、人を殺してしまう事もある。力も薬もその点は同じだ。」

 

 

他にも色々あるのだが、これが一番分かり易いだろう。

 

「これは例えだ。だからお前なりの答えが見つかったら聞かせてくれ。」

 

 

すぐに答えの出る問題ではないからな。

 

「・・・分かった。」

 

「もう一つ言うなら、お前はまだ力に使われている。力の意味を考えると同時にその事も覚えておけ。」

 

 

 

俺は篠ノ乃に聞かれたことだけ答えて、部屋に帰る。

この問題は誰かから聞くのではなく、自分で答えを出さなければ意味が無い。

角を曲がったときに見えた篠ノ乃の顔は真剣に悩んでいる感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間後、クラス対抗戦当日

あれから篠ノ乃は真剣に答えを探している。

 

「(一夏様の考えがちゃんと通じれば良いんですがね。)」

 

 

大丈夫だろう。

あれだけ真剣に考えられるんだから、篠ノ乃なりの答えを見つけられるだろう。

 

「(だと良いんですが・・・。)」

 

 

不安にさせるなよ・・・。

そんなやり取りを須差乃男とやっていると、

 

「選手宣誓、生徒代表一年一組、織斑一夏」

 

 

そうだったな・・・。

俺は適当に選手宣誓を済ませ、控え室に向かった。

 

「一夏、お疲れ様。」

 

 

簪に労をねぎらわれ、簪の頭を撫でる。

 

「ありがとう、簪。でも今日は敵同士だからな、手加減はしないぞ。」

 

 

撫でられて、気持ち良さそうに目を細めていた簪だったが、俺の発言に背筋を伸ばした。

 

「分かってる。勝てるとは思ってないけど、簡単には負けないよ。」

 

「一夏、私も居るんだけど・・・。」

 

 

ああ、居たのか、鈴。

 

「分かってるさ、鈴。お前にも手加減はしないからな。本気で来ないと、怪我ではすまないからな、そのつもりで来い。」

 

「当然!私は勝つつもりよ!寧ろ一夏の方こそ舐めない方が良いわよ!」

 

「そうか・・・楽しみだな。」

 

 

俺は不敵に笑い、鈴の言葉に返事をする。

そして、モニターにでた一回戦の組み合わせは・・・

 

「一組織斑一夏VS二組凰鈴音」

 

 

一回戦目から俺と鈴の試合だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

ある朝、俺は誰かに体を揺すられている。

 

「・・・様・・・夏様・・・一夏様」

 

 

名前を呼ばれ目覚める・・・誰だ一体?

俺は目を擦りながら俺を起こした相手を確認する。

そこには・・・

 

「誰だ?」

 

 

見た事の無い女性がそこに居た。

首の付け根まで伸ばした金髪、大きな翡翠色の瞳、スッとした鼻に綺麗な唇。

若干スレンダーながらも整ったスタイル。

感じとしては、へこんだ虚さんのような印象を受ける女性だった。

 

「えーっと、どちら様ですか?」

 

 

俺の記憶が正しければ初対面のはずだ。

 

「私ですよ、一夏様。須佐乃男です。」

 

 

・・・は?

須佐乃男だと?

 

「冗談ですか?」

 

 

俺はまだ信じられないので、彼女に聞く。

 

「冗談ではないですよ。一夏様、左腕を確認してみてください。」

 

 

左腕?俺は袖をまくり確認する。

そこには・・・

 

「あれ?」

 

 

あるはずの須佐乃男の待機状態である腕時計が無かった。

 

「え?本当に?本当に須差乃男なのか?」

 

 

若干パニックになっている俺をみて微笑み、

 

「だからそう言ってますよ。これで信じてくれましたか一夏様。」

 

 

どうやら本当らしいな。

まさか現実に擬人化して現れるとは思ってなかったからな。

 

「これも愛のなせるワザですね。」

 

「いや、愛って。」

 

 

普段は口に出さなくても通じるが、今は思考が繋がってないからな。

まさか須佐乃男相手に言葉を発する事になるなんて・・・。

 

「一夏様。」

 

「・・・何だ?」

 

 

俺は何か嫌な感じがしたが、決め付けは良くないので須差乃男に対応する。

 

「これで私の容姿は確認できましたよね?」

 

「ああ、そうだな・・・。」

 

 

たしかそんな話をしたことがあったな。

 

「如何ですか?私の姿は?」

 

「そうだな・・・可愛いと思うぞ。」

 

 

口調は大人な女性だが、見た目が若干幼い感じがするのだ。

だから綺麗ではなく可愛いと表現したのだ。

 

「そうですか?では恋愛対象として、私のことを見れますか?」

 

 

恋愛対象?

 

「何故そんな事を聞くんだ?」

 

「決まってるじゃないですか!せっかく人間になれたんですから恋くらいしたいですよ。前から言ってるじゃないですか。私は一夏様に恋しているって。」

 

「冗談じゃなかったんだな。」

 

 

てっきりいつもの冗談の一つだと思っていたんだがな・・・。

 

「冗談な訳ないじゃないですか!私だって1人の女性なんですよ!勇気をだして告白しているんですから、ちゃんと答えてくださいよ!ねぇ一夏様!!」

 

 

・・・迫力が凄いな。

 

「ああ、ちゃんと考えるからちょっと待ってくれ。」

 

「分かりました。ちゃんと答えてくださいね?」

 

 

正直いきなり告白されて焦っているんだがな・・・。

恋愛対象ねぇ~。

確かに可愛いと思うが、俺にはすでに彼女が4人いるんだがな。

 

「なあ、須差乃男。俺にはすでに4人彼女が居るんだが、それでも良いのか?」

 

「当然です!別に一番になりたい訳ではないですからね。」

 

 

そうか、なら・・・

 

「それなら、問題無いかな。」

 

「本当ですか!!良かった、これで私も一夏様の彼女ですね!!」

 

 

顔を赤らめて喜ぶ須佐乃男。

さて、これからどうなるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(こんな夢を見ました!)」

 

・・・ISって夢見るんだな。




はい、夢オチです。
要望が多かったので試しに擬人化してみました。
どうでしたか?
さて、本編ではついに箒に改心の兆しが・・・。
これからもがんばっていくのでお付き合いのほどよろしくお願いします。

p.s.
叢雲の鞘様、綾鷹様
改悪ではなく改変のつもりです。
今ある原作であった箒の暴走行為を寄せて集めて作者が手を加えてまとめていたので改悪と捕らえたのでしょう。
元々改心させる予定でしたが、普通にやったらセシリアと同じなので箒には自分で考えて答えを出させる感じにしました。
自分の力不足のせいで不快な思いをさせてしまって申し訳御座いませんでした。

不知火零式様
ヤっちゃうとR指定になってしまうので、行動で反省させています。
これからは、大分マシになっていく予定です。

抹茶狸様
鈴の性格は原作より大分マシです。
制裁は無い?

マサシーニ様
試しにやってみました。
どうでした?

ウィング00カスタム様
ストーカーですか・・・。
でもやってそうで怖いです。

A.K様
そして彼女は伝説へ・・・。
これからはその行動は減っていく予定です。

次回は対抗戦のシーンを書きます。
そろそろ原作1巻が終わるかなー。

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