もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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少し時を遡ります


編入試験

 一夏に頼まれて四月一日美紀とか言う小娘の編入試験を執り行う事になったのだが、正直何故こんな小娘相手に一夏があんな事をしたのかが分からんな。それほど戦力になりそうな感じはしないのだが。

 

「織斑君が編入試験をさせるって事は、それなりに実力があるんじゃないですか?」

 

「さてな。またアイツの彼女とかだったら容赦しないんだが……」

 

「千冬さん、目が本気です……」

 

 

 ナターシャのヤツが一夏と付き合ってると聞いたばかりだ。これ以上一夏の周りに女が増えるのは私と束の精神衛生上よろしくないのだ。だからコイツが一夏と付き合ってるのなら全力で邪魔してやるつもりだったのだが、一夏は関係無いと言っていたので一先ずの心配は去ったのだ。

 

「それにしても、二学期始まってまだ一月も経ってないのに編入ですか……織斑君の考えは私には分かりませんね」

 

「当たり前だろ。私にも詳しく教えてくれてないんだ、真耶なんかに分かられて堪るか!」

 

「ひ、酷いですよ……」

 

 

 泣きそうになった真耶は放って置くにしても、確かにもう少し早くに編入試験を受けていれば二学期の初めから通う事は出来ただろうし、そうすれば文化祭にも参加出来た訳で、高校生活を満喫する事も出来ただろうに、何故今になって編入試験なんかを……一夏の考える事は時々私でも分からない事があるからな、何か考えがあっての事なのは確かだろう。

 

「ナターシャ先生は何か聞いてませんか?」

 

「ん?」

 

 

 昼飯を食おうとしていたナターシャに、真耶が話しかける。箸を咥えたまま返事をした為、危うく説教しそうになった。

 あんな事をすれば一夏に怒られるからな、何時の間にか私も怒られる側から怒る側になっていたと言う事か……

 

「ですから、今日の編入試験の事とか、試験を受ける子の情報とか、織斑君から聞いてないんですか?」

 

「何で私が?」

 

「だって織斑君と付き合ってるんですよね?」

 

「まぁ一応はね。だけども何でもかんでも情報がある訳じゃないわよ? 更識縁者と言う事とIS操縦技術は候補生並と言う事しか聞いてないもの」

 

「更識縁者? って事はそれなりに期待出来るか」

 

 

 姉や妹の操縦技術は中々のもんだし、一夏が指導してるから相手の隙を突くのも上手くなってきてるしな。もしそのレベルの実力者なら一夏が編入させようとした理由にも思い当たる。

 

「そうだったんですか~、それにしても織斑君もナターシャ先生には情報を流してたんですね~」

 

「違う違う、これは布仏さんから聞いたの。一夏君が編入させようとしてる子の事を教えてって」

 

「妹さんの方ですよね? お姉さんなら迂闊に情報を流さないでしょうし」

 

「そうだね。本音ちゃんの方に聞いたんだけど、如何やら本音ちゃんも詳しい事は知らなかったみたい。幼馴染だとは言ってたけど」

 

「そうなんですか、織斑君の情報漏洩対策はバッチリですね」

 

 

 確かに布仏妹に情報を与えれば、遅かれ早かれ情報は漏れるだろう。だから一夏は布仏妹には詳しい情報を与えなかったのだろうな。さすが一夏だ。

 

「それでその、四月一日さんの試験はそろそろなんですか?」

 

「そうだな。更識縁者だからなのか、一夏の彼女たちと同じ車でやってきて、既に教室で待機させてる」

 

「緊張してるでしょうね~」

 

 

 如何やら普通に受験して不合格になった過去があるようだが、一夏が勉強を見たのなら今回は大丈夫なんだろうな? もし駄目だった場合は、一夏の顔に泥を塗った罰を与えなければいけないからな……如何してくれようか。

 

「フッフッフ」

 

「えっと、千冬さん? 怖いんでその笑い止めてくれませんか?」

 

「手始めに真耶を捌いても良いんだぞ?」

 

「何でですか!?」

 

「織斑先生が善からぬ事を考えてる雰囲気が出てる……一夏君が居れば止められるんだろうけど、この状況じゃ誰一人織斑先生を止められないわね」

 

 

 ナターシャは諦め、真耶は慌てているが、そんな事すれば私が一夏に殺されるので当然そんな事はしない。大体本気ですると思われてるのが不本意だ。

 

「そう言えば千冬さん、更識さんと布仏さんから何か受け取ってませんでした?」

 

「気のせいだろ。何故そう思うんだ?」

 

「いえ……普段あまり話されないから、何か特別な用事でもあったのかなと思いまして」

 

「一夏の所在を尋ねただけだ」

 

 

 車には一夏と更識妹が乗ってなかったからな。もしやと思い聞いてみたら、案の定二人はデートだと言われた。更識妹め……一夏と二人きりでデートなんて、私でも経験した事無いのに!

 

「織斑さんとは仲良く出来てるんですか?」

 

「なんだいきなり」

 

「だって初め一週間は険悪だったじゃないですか」

 

 

 確かにマドカとはすれ違いと勘違いが重なって険悪だったが、今はそんな事無いだろ。普通の姉妹として付き合えてるはずだ。

 

「マドカちゃんと仲が悪かった原因って何だったんですか? 一夏君に聞いても教えてくれないですし、気になるんですけど」

 

「絶対に教えん! 特にナターシャにはな!!」

 

「何でですか?」

 

「貴様は私の一夏を奪った一人だからな! そもそも同じ空間に居るのも耐えられないくらいだ!」

 

「そこまで……一夏君が呆れるのが分かるな~」

 

 

 如何やら一夏は私の事をナターシャに話してるようだが、何もかも話すほど一夏はコイツに心を開いてないだろうな。

 そんな事を思っていたら、ナターシャのヤツが私の耳元に近付いてきた。何を言うつもりだ、コイツは……

 

「血が繋がってない姉の面倒を見なきゃいけなかった一夏君の気持ち、考えた事あります?」

 

「んなっ!?」

 

「千冬さん?」

 

 

 何故私と一夏に血の繋がりが無い事を!?

 

「一夏君が教えてくれました。何でも教えてるのは楯無ちゃんと虚ちゃんだけみたいですけど。後は須佐乃男とマドカちゃんは知ってるでしょうね。当事者の妹と一夏君の専用機ですから」

 

「……何故貴様にその事を?」

 

「金曜日に色々あったじゃないですか? あの時に教えてくれました」

 

「そもそもマドカが一夏に教えたんだ、マドカが知ってるのは当たり前だろ。だが何故更識姉と布仏姉にまで……」

 

「彼女ですからね~。その中でも衝撃の事実に耐えられるだろう二人に教えたんだと思いますよ~?」

 

 

 確かに布仏妹や更識妹では衝撃に耐えられないだろうし、布仏妹ならすぐにバラすだろうから的確な判断なのだろうが、だが納得行かない。私と一夏は血の繋がりは無いにしても家族なのだ。その事実だけあれば血の繋がりなど気にする必要は無いのに……

 

「何の話ですか?」

 

「あれ? 山田先生は知らないんですか? 織斑先生と一夏君は……」

 

「ナターシャ、其処までだ」

 

 

 口を滑らせそうになったナターシャにプレッシャーを掛ける。一夏ほどの威力は無いだろうが、私でも黙らせるほどの威力はあったようだ。

 

「い、嫌ですね~。一夏君に口止めされてるんですから言う訳無いじゃないですか」

 

「なら良いですが」

 

 

 冷や汗を流しながら黙ったナターシャを満足げに見て、今度は真耶にプレッシャーを掛ける。

 

「お前も好奇心で人生終わらせたく無いだろ?」

 

「は、はい!」

 

「なら知らなくて良い事は知ろうとするな。良いな?」

 

「は、はい!!」

 

 

 震えながらも何とか返事をした真耶を、ナターシャが可哀想なものを見る目で見ていた。確かに真耶は可哀想なものだからな……その目は分かるぞ。

 

「さてと、そろそろ編入試験の時間だからな。行くぞ、真耶」

 

「もう少し大丈夫ですよ。少し落ち着くくらいの時間はあります」

 

 

 よく見れば真耶の脚が震えている。そこまで脅えるほど脅した覚えは無いんだが……

 

「代わりに私が行きましょうか? 監督官なら出来ますし」

 

「それじゃあお願いします」

 

 

 真耶の代わりにナターシャが来る事になったが、別に誰が来ようが代わらないのだから気にするだけ無駄だな。良し、その四月一日とか言う小娘の顔でも拝みに行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏様や楯無様、虚さんと一緒に勉強したおかげで、事前に一夏様が作ってくれた模擬テストでは合格点ギリギリを取れるようにはなった。後は本番でしっかりと結果を残す事だけを考えれば大丈夫だと思う。それでも緊張はするので、私は誰も居ない教室で最後の確認をする余裕も無いくらい焦っていた。

 

「これで合格出来れば、お父さんやお母さんを見返せる。私もIS学園に通える」

 

 

 能無しと言われ続けた何ヶ月は、本当に辛かった。元々私の事を蔑んでいたお父さんやお母さんだったが、入試に失敗した所為でその傾向は悪化した。本音ちゃんでも受かったのにと言う目で私を見るお母さんと、全く興味を示してない事を隠そうともしなかったお父さんに見張られながら勉強させられていた私は、家に居場所が無いと感じていたのだ。

 

「小鳥遊隊長の部隊に入れられた時は、これから如何なるんだろうと思ってたけど、分からないものね、人生って」

 

 

 私の歳で言うような言葉では無いけれど、本当に何が起こるか分からないんだと言う事を実感しているのだ。まさかもう一度IS学園を受験出来るとは思って無かったのだ。

 

「隊長が推薦してくれて、一夏様が面倒を見てくれたからこうしてこの場に居られるんだから、せめて二人をガッカリさせないようにしないと!」

 

 

 両親よりもまずはその二人の期待に応えたい。私がIS学園を受けるのは任務の為だけれども、それ以前に自分の意思で通いたいと思ってた学園に通えるかもしれないチャンスをくれた二人を喜ばせてあげたい。その為には絶対に合格しなくてはいけないのだ。

 

「待たせたな」

 

「お、織斑千冬!?」

 

「教師を呼び捨てとは……そうか、まだ貴様は学園の生徒では無かったな」

 

 

 現役を退いて教師をしてると噂では聞いていたが、まさかこんなにも早く本人を目の前にするとは思って無かった。

 

「今回の編入試験の試験官を務める織斑千冬だ」

 

「同じくナターシャ・ファイルスです」

 

 

 もう一人の試験官は、金髪でスタイルの良い人だった。織斑千冬の登場で動揺してた私だったが、もう一人のおかげである程度平常心を取り戻せたのだった。

 

「貴様は一夏が期待してるらしいからな。もしその期待を裏切るような事があれば、この私が直々に成敗してくれるからな」

 

「織斑先生、そんなに脅したら実力を発揮出来なくなっちゃいますよ?」

 

「ふん! この程度で実力以下しか発揮出来なくなるようでは一夏の期待には応えられないだろうがな」

 

「良いんですか? こんな事したと一夏君にバレたら、織斑先生はまたあそこに逆戻りですよ?」

 

「……バレ無ければ問題無い」

 

「お忘れですか? 私は一夏君と……」

 

「言ったら殺す」

 

 

 なにやら試験官二人が揉め始めたが、話の内容は一夏様についてのようだった。そう言えば一夏様は織斑千冬の弟でしたね。苗字が嫌いだと言っていたのを忘れていました。

 

「さて、そろそろ時間だ。筆記具以外は鞄に入れて此方に預けろ」

 

「携帯も駄目ですからね」

 

 

 私は言われた通りに携帯を含む全てを鞄に入れてナターシャさんに渡した。そう言えばこの人、一夏様の事を名前で呼んでたような……親しい間柄なのでしょうか?

 

「一夏がどの様な教育をしたかは知らんが、一日二日で合格出来るほどIS学園の試験は甘くないからな」

 

「この半年、しっかり勉強してました」

 

「如何かな、どうせ生半可な気持ちだったのではないのか?」

 

「……違います」

 

 

 的確に言い当てられ、私は反論までに少し間を空けてしまった。ブリュンヒルデ相手に舌戦でも敵わないとは……世界最強は伊達じゃないんだな。

 

「ですが織斑先生、一夏君の指導力は相当なものがありますよ」

 

「だからなんだ? いくら一夏が優れてようが、コイツが大した事無かったら意味無いぞ」

 

 

 これから試験を受ける私を前に、よくもまあペラペラとしゃべる二人だな……この二人が試験官で大丈夫なのだろうか?

 

「一分前だ」

 

「そろそろ集中しましょうね」

 

 

 誰の所為で集中が乱れてると思ってるのだろうか……貴女たちが黙っててくれればとっくに落ち着いてますよ。

 

「では、始め!」

 

 

 織斑千冬の合図で、私は答案用紙を裏返しにした。……ん? 表返し? まぁ良いや。兎に角印刷されている面を表にして、私は問題を解いていく。

 

「………」

 

 

 落ち着け。兎に角落ち着いて解けば分からない事は無いよね。あれだけ勉強したし、一夏様の予想問題では良い所まで行ったんだから。

 気持ちとは裏腹に、私は徐々に焦りだす。解けない訳では無いはずなのに、焦りと不安から解き方を思いだせないのだ。

 

「……フン」

 

 

 私の答案を覗きこんだ織斑千冬が鼻で笑った気がした。恐らく一夏様が指導したのにも関わらず、問題に手こずっている私を馬鹿にしたのだろう。こうなったら意地でも解いてやるんだから!

 残り時間が半分を過ぎたところで、私は自分の答案を改めて見回す。半分以上時間が経ってるのに解き終わってる問題は半分以下……つまりこのままのペースだと全問解き終わる前に時間が来てしまうのだ。

 

「(急がなきゃ! でも、落ち着かないと解けないし……)」

 

 

 こんな事を考えてる余裕は無いのだが、それでも気持ちは焦ってしまう。やはり私の実力じゃIS学園の試験は難しかったのだろうか……

 諦めかけた時、ふと一夏様の声が聞こえた……ような気がした。

 

「(そうだ! 冷静に急げば良いんだ)」

 

 

 矛盾したような言葉だが、一夏様はコレを私の目の前でやって見せてくれたのだ。そしてそれはさほど難しい事では無い。

 その言葉を思い出した私は、思考速度を速めながらも気持ちは落ち着かせる事に成功した。訓練にも似たような感覚で挑めば、それなりに落ち着けるし対処の仕方も見えてくるのだ。

 

「何!?」

 

「織斑先生、お静かにお願いします」

 

「あぁ、スマナイ」

 

 

 ナターシャさんに注意されて、織斑千冬は素直に謝った。如何やら私の解答速度が上がったのが意外だったようで驚いて声を上げてしまったようだ。

 

「そこまで!」

 

「ふう」

 

 

 終了の合図とともに、私は軽く息を吐いた。何とか全問解く事が出来たのだが、正解してるかは自分では良く分からない。

 

「では、この場で採点をするから少し待ってるんだな」

 

「はいこれ」

 

 

 ナターシャさんから鞄を受け取り、私はもう一度息を吐いた。とりあえず自分の持ってる全ては出せたと思う。これで駄目なら私は此処に通う資格が無かったと言う事なんだろうと納得出来るくらいには頑張ったつもりだ。

 

「採点は終わった。今すぐ結果を言うが、問題は無いな?」

 

「はい……覚悟は出来てます」

 

 

 一夏様からその場で判定される事は聞いていたので覚悟をするのは容易かった。だがいざその瞬間になると緊張するんだな……

 

「編入試験の合格ラインは80点以上だ」

 

「はい」

 

「今回の貴様の点数は……」

 

 

 いくつなんだろう? 合格点に届いてると良いんだけどな……

 

「75点だ」

 

「……あっ」

 

 

 届かなかった……答案を返してもらって自分の間違えを確かめると、もう少し冷静になれていれば答えられる間違いが何個かあった。

 

「よって貴様は不合格……と言いたいのだがな」

 

「え?」

 

 

 不合格だと思ってた私の前に、三枚の紙が置かれた。これはなんだろう……

 

「この三枚を加味する事によって、貴様は合格とする」

 

「えっと、これは?」

 

 

 置かれた紙を不思議そうに眺めていると、織斑千冬がそれを開けてみろと言って来た。良く分からないまま紙を開くと、同じ内容が書かれていたが、最後の署名の部分だけが違った。

 

「これ……」

 

「後で感謝しておくんだな」

 

 

 紙に書かれていたのは、私の事を推薦してくれると言う内容だった。そしてその内容を学園に提出してくれたのは……

 

「楯無様、虚さん、そして一夏様!」

 

「三学年トップの推薦を無視出来るほど学園には人材豊富では無いからな。あくまで保険だったのだろうが、三人共甘いな」

 

「織斑先生だって無視しようとすれば出来たでしょうに」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、私は何も言ってませんよ」

 

 

 泣きそうになった私を見て、織斑千冬は声を掛けて来た。

 

「お情けとは言え貴様はこの学園の生徒になったんだ。よって貴様には寮に入ってもらうからな。一年の寮長はこの私だ。違反しようものなら厳しく罰するから覚悟しておけ」

 

「はい!」

 

「なお、貴様のルームメイトは日下部香澄だ」

 

「はいこれ、寮の鍵。失くしたら駄目だからね」

 

「はい!」

 

 

 日下部さんが誰かは分からないけど、これで私はIS学園に通う事が出来るんだ。三人の推薦のおかげだけれでも、兎に角合格する事が出来たんだ!

 

「案内は誰かにしてもらうんだな」

 

「そろそろ楯無ちゃんたちも結果を聞いてるでしょうしね」

 

「あの……ナターシャ先生と楯無様の関係は……」

 

「同じ一夏君の恋人よ」

 

 

 さすが一夏様だ。何人もの彼女が居て、その全員が不満を持って無さそうなんて……普通の男じゃ出来ない事をやってのけるなんて!

 

「貴様が編入するのは一年一組、私のクラスだ。編入とは言え特別扱いはしないから覚悟しておけ!」

 

「一夏君とマドカちゃんには甘いくせに」

 

「貴様とは一度ゆっくりと話し合う必要があるようだな」

 

「事実を言われて怒るのは自覚してる証拠ですよ」

 

 

 怒ってる織斑先生と、笑ってるナターシャ先生は教室から出て行ってしまったが、私はまだ動けないくらい感動してたのだ。

 

「私が……合格!」

 

 

 自力では無理だったけど、私の能力を信じて推薦してくれた三人のおかげで、私は明日からこの学園に通う事が出来るのだ。

 

「そうだ、報告!」

 

 

 携帯を取り出し心配してくれてるだろう人全員に結果を報告するのと当時に、私の事を馬鹿呼ばわりしてた両親にも結果をメールした。何はともあれ、これで私はあの家から出る事が出来るのだ。こんなにも嬉しい事はないわね。




とりあえず合格しました。推薦だろうがなんだろうが受かれば良いんですよ。

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