もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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ちょっと急展開です


進展する2人と裁かれる2人

一夏のヤツを問い詰めるはずが、何故こんな事になった……大体私とセシリアじゃ息が合わないじゃないか!

 

「いいですの、箒さん。絶対に勝ちますわよ!」

 

「それはそうだが……セシリア、何か作戦はあるのか?」

 

「あら、猪突猛進の箒さんの口から『作戦』なんて単語が出てくるとは思いませんでしたわ」

 

「貴様!」

 

「別に馬鹿にしてる訳ではありませんの。成長したんだと思っただけですので」

 

「あ、あぁ……そうか」

 

 

 イマイチ納得は行かないが、馬鹿にされたんじゃ無いのならそれで良いか……

 

「それで、やはり私が前衛でお前が後衛の方が良いだろうか?」

 

「それが一番でしょうね。私も少しだけ偏向射撃が出来るようになりましたし」

 

「私は射撃が苦手だし、やはり前衛が良いだろう」

 

「ではそのように。箒さん」

 

「何だ?」

 

 

 さっきまでの声とは雰囲気が違った呼びとめに、私は顔だけでは無く身体ごとセシリアに向けた。恐らく覚悟の言葉を聞けると思ったからだ。

 

「一夏さんに私たちの実力をしらしめましょう!」

 

「そうだな! アイツは私たちの事を下に見すぎだ!」

 

 

 普段ならこうやって意見が合う事など無いのだが、今だけは凄く気の合う友人のように思えてきた。

 

「元とは言え代表候補生、油断はせずに行こう!」

 

「箒さんがしっかりと押さえてさえくれれば楽勝ですわよ!」

 

「頼むぞ、セシリア!」

 

「お任せください!」

 

 

 これだけ息が合えばそう簡単には負けないだろうし、もしかしたら勝てるかもしれない。そうなれば一夏も私たちの事を見直すだろうな。

 

「「ふふふふふふ」」

 

 

 セシリアもきっと同じ事を思っているのだろうな。思わず笑みがこぼれてしまい、事情の分からないやつから見たら不気味な光景になってるのだろうが、私たちしか居ないこの場所で、そんな事を気にする必要もないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 管制室にやって来た私と一夏君は、まずモニターを起動する。てか、私1人じゃこんなの動かせなかったかもしれないから、一夏君をつれてきて正解だったかもしれないわね。

 

「やっぱり一夏君は慣れてる感じがするね~」

 

「慣れてませんって。こんなのは大体テキトーに押せば動くんですから」

 

「ちょっと、爆発オチとかは嫌だからね!」

 

「オチ? 何の話です?」

 

「いや~一夏君の発言がフリに思えてさ~、最終的に爆発しておしまい! とかありそうかな~ってさ」

 

「はぁ……」

 

 

 呆れながらも着実に操作している一夏君、やっぱり慣れてる感じがするのよね~。

 

「忍び込んで弄ってたとか?」

 

「だから慣れてませんってば。前にマニュアルがあったのを見ただけですよ」

 

「1回?」

 

「そう何回も見れる機会なんてありませんから」

 

「それで覚えちゃったの!?」

 

 

 それって記憶力が凄いとかそう言う次元じゃないよね! 前から凄い子だとは思ってたけど、そんな事まで凄いなんて……羨ましいな~。

 

「後は山田先生が操作してるのを見たくらいですかね」

 

「うぅ~……神様は不公平だ」

 

「何訳分からない事言ってるんですか……」

 

「だって一夏君ばっかり凄いじゃない! 少しは私にも才能をよこせ~!」

 

「ちょっ! 精密機械の前で暴れないでくださいよ」

 

「うがぁ~!」

 

 

 一夏君に噛み付いて才能を吸収しようとする……そんな事で吸収出来る訳無いのだが、ものは試しと言うからやってみただけだ。

 

「落ち着け!」

 

「あ、あぅ~……」

 

 

 首筋に噛み付こうとした私に対して、一夏君は軽くチョップして止めた……一夏君の軽くは普通の人間には全く軽くないので、結構な衝撃が首に来た。

 

「いったい何をするつもりだったんですか!」

 

「才能を吸収しようかと……」

 

「如何やってですか……」

 

「一夏君の血でも吸えばもらえるかな~って」

 

「何処かの吸血鬼じゃ無いんですから、人の血を吸っても能力は遺伝しませんよ」

 

「それじゃあ如何すれば能力が身に付くのよ!」

 

「いや、普通に努力すれば良いのでは?」

 

「正論なんて聞きたく無い!」

 

「教師の言葉とは思えん……」

 

 

 一夏君は呆れた様子を隠そうともせずに私を見ている……私だってこんな事言いたく無かったけど、一夏君があまりにも才能を見せ付けてくるからいけないんだからね!

 

「大体ナターシャさんだって才能あるでしょうが」

 

「何よ……」

 

「銀の福音に認められるだけの才能があったからパイロットになれたんですよね? それにソイツはナターシャさんの事を気に入ってるようですし」

 

「そんな事が何で分かるのよ?」

 

 

 ISの声が聞こえる訳無いんだし……でもそう言えば一夏君って須佐乃男とリンクしてるからもしかしたら聞こえるのかも知れないわね。

 

「此処最近でISの声が聞こえるようになったんですよ……俺に心を開いてくれてないと駄目ですけどね」

 

「へぇ~……ん?」

 

 

 今何か、とてつもない事を言われた気がするんだけど……ISの声が聞こえる? 今そう言ったよね……

 

「つまりこの子は、一夏君の事が気に入ってるって事?」

 

「操縦者の気持ちがISに流れてるのかも知れませんがね」

 

「え? ……え?」

 

 

 それって如何言う事……私が一夏君の事ばかり考えてるから、この子にも一夏君が好きって感情が流れてるって事よね。それってつまり……

 

「(ISまでもがライバルって事!?)」

 

 

 絶賛混乱中なので、おかしな事を考えてるのかも知れないが、まさか福音まで一夏君の事を気に入ってるなんて……

 

「あっ、でも福音は俺に反応はしないので安心してください」

 

 

 別にそんな事は心配してない! 私が心配してるのは、一夏君が私の気持ちをどの程度分かっているかなんだから!

 

「そのうち訓練機にも乗れるようになるんですかね?」

 

「……一夏君、それってワザと?」

 

「それって……どれです?」

 

「いや、何だか話題を逸らそうとしてる感じが……」

 

「気のせいじゃないですか?」

 

 

 一夏君の表情はいたってまともだし、そもそも私には表情から相手の考えを読むなんて出来ないし……こんな時万能な一夏君が羨ましいわね。

 

「さて、そろそろ準備出来た頃ですかね?」

 

「知らないわよ……」

 

「不貞腐れてないで、呼びかけてくださいよ。今オープンチャネルを開きますから」

 

「一夏君が確認すれば良いじゃない……」

 

「まったく……」

 

 

 一夏君が椅子から立つと、私の背後に回りこんで抱きしめてくれた……これって如何言う状況なの?

 

「何不貞腐れてるのかは知りませんが、これで元気になりますか?」

 

「もう少し強く抱きしめてくれたら……」

 

「分かりました」

 

 

 今、私……一夏君に抱きしめられてるの!?

 

「さて、ナターシャさんも元に戻ったようですし、呼びかけお願いします」

 

「え、えぇ……」

 

 

 私が元に戻ったって何処で判断したんだろう……それよりも何で一夏君は平気な顔で居られるのよ! 私だけドキドキしてるなんて悔しいじゃないの!!

 

「むぅ……」

 

「? 何かありましたか?」

 

「えい!」

 

 

 真正面から一夏君に飛びつく……さっきは後ろからだったから一夏君はドキドキしなかったんじゃないかと考え、私は正面から一夏君に抱きつく。これなら一夏君でもドキドキするでしょうね。

 

「よしよし」

 

「はふぅ~……って!」

 

 

 喉を転がされ気持ち良くなっていた自分にツッコミを入れ、更に一夏君にもツッコミを入れる。

 

「私は猫か!」

 

「コントじゃ無かったんですね」

 

「違うわよ!」

 

「じゃあ何ですか、いきなり飛び込んで来たんですか?」

 

「ちょっとは照れるかな~っと思って」

 

「十分照れてるんですが」

 

「そうなの!?」

 

 

 顔色1つ変えないで照れてるなんて信じられないんだけど……でもそうか、一夏君も照れてるんだ。

 

「でも、こんな事してるって簪たちにバレたら大変だろうな……」

 

「もしかして怒られちゃう?」

 

 

 そうなると私も一緒に怒られなければいけないのかしら……人の彼氏にちょっかい出したんだから怒られなきゃいけないんだろうな。

 

「いえ、自分にもやれって催促されます」

 

「何それ……」

 

「嫉妬なんでしょうが、怒りじゃなくて甘えに変換されるんですよ、俺の彼女たちは」

 

「一夏君的にそれは良かったんじゃない? 喧嘩されるより平等になるし」

 

「そう言った面では確かに助かりますが、抱きしめたりキスしたりも平等にってなると結構大変ですよ」

 

「でも、一夏君が幸せに出来るんならしてあげなよね」

 

「はぁ……?」

 

 

 自分の気持ちを伝えたら、きっと一夏君は受け入れてくれるだろう。だけどそれは駄目なんだろうな……だってこれ以上迷惑を掛けられないし、生徒に混じって一夏君に甘える自分が想像出来ないから。

 

「ナターシャさん?」

 

「何?」

 

「何で泣いてるんですか?」

 

「え?」

 

 

 自分の頬に伝う雫に気付いたのは、一夏君に指摘されてからだった。私は自分の知らないうちに泣いていたのか……

 

「もしかして俺、何かしました?」

 

「ううん、一夏君の所為じゃ……いや、一夏君の所為だよ」

 

「はぁ……」

 

 

 1度否定しかけてやっぱり違うと言われ、一夏君も理解に苦しんでいるようだった。

 

「一夏君が優しすぎるからだよ」

 

「?」

 

「変な希望を持っちゃ駄目だって分かってるのに、一夏君が優しいからだよ」

 

「何の事です?」

 

「本当に分かってないの?」

 

「……恐らくこれかなってのはありますけど、あまり自意識過剰は良く無いかと思ってまして」

 

「多分あってるよ、それで」

 

 

 一夏君も私が何で泣いたのか心当たりがあるようで、自意識過剰と言う事は大体あってるのだろうな。

 

「でも、何でそう思われてるのか心当たりが無いんですが……」

 

「最初は人の生死を分ける事件で助けてくれた相手だから」

 

「………」

 

 

 一夏君は沈黙を持って先を促してきた。今此処で言葉を挟むべきは無いと分かっているのだろう。

 

「それから一緒に居る事が多くなって色々な事を知っていくうちにドツボにはまっちゃったのかな。駄目だって思ってても想いは募る一方だったし」

 

「そうですか……」

 

「ゴメンね。何だか困らせちゃったみたいで」

 

 

 答えは聞かなくても分かってるから、無理して聞く必要は無いだろうな。織斑先生が戻ってきたら自棄酒に付き合ってもらわなきゃ。

 

「凄い嬉しいです」

 

「え?」

 

 

 だけど一夏君の答えは私が思っていたものと違っていた。嬉しいって如何言う事なの?

 

「人に想ってもらえる嬉しさは一応知ってはいましたが、やっぱり良いものですね。他に彼女が居る俺で良いのならそれでも……」

 

「ちょっと待って!」

 

「はい?」

 

「一夏君の独断で決めて良いものなの?」

 

「今更だと思いますけど……」

 

「まぁね……」

 

 

 一夏君は既に6人の彼女が居る。その全員を平等に愛しているのだから、今更1人や2人増えたところで変わりは無いだろう。

 

「でもまぁ、一応後で言っておきますがね」

 

「その時は一緒に行くからね」

 

「お願いします」

 

「………」

 

「ん? ナターシャさん、何だか怒ってます?」

 

「一夏君に心当たりがあるんじゃないかな?」

 

「なんでしょうね……まったく分かりません」

 

「せっかく想いが通じたのに、敬語で話されるとねぇ」

 

「俺は虚さんにも楯無さんにも、それから碧さんにも敬語ですが」

 

「2人きりの時くらいは良いでしょ?」

 

「分かった分かった、これで良いんだろ?」

 

 

 一夏君の砕けた話し方って貴重かもしれない、でもこれからはいくらでも聞く事が出来るんだ。

 

「電話?」

 

 

 一夏君が内ポケットから携帯を取り出している。何処に電話してるんだろう? それとも掛かってきたのかな?

 

「……分かった。そろそろ始めるから大人しくさせといてくれ」

 

「如何かしたの?」

 

 

 電話をしまったのを確認してから、一夏君に確認をする。凄い苦い顔をしているのは、電話の内容があまり良い事では無かったのだろう。

 

「悪いが、こっちはナターシャに任す」

 

「えっ、何で?」

 

「ラウラが『自分も参加させろ』と言い出したらしい」

 

「何があったのよ……」

 

「そんなの俺が知るわけ無いだろ。兎に角任せたからな」

 

「私分からないよ?」

 

「ああもう! マニュアルがそこにあるから見てやればいいだろ」

 

「分かった。……ふふ」

 

「ん?」

 

 

 急に笑った私を見て、一夏君が不思議そうな顔をしている。

 

「いやね、一夏君にこんな風に話しかけられるなんて想像もしてなかったから」

 

「あのな……まぁいいか。兎に角俺はラウラを止めてくるから、ナターシャは山田先生とセシリアたちに準備出来たか確認して始めてくれ」

 

「分かった」

 

 

 一夏君を見送ってマニュアルを見ながらオルコットさんたちと山田先生に呼びかける。

 

「準備は大丈夫ですか?」

 

『問題ありませんわ!』

 

『既に万全だ!』

 

『此方も大丈夫です』

 

「それじゃあ互いにアリーナに出てください」

 

 

 模擬戦が始まる合図を出して、見学者たちにも分かるようにする。モニターで見てみるとボーデヴィッヒさんが一夏君に注意されてるのが分かった。何で急に参加したくなったんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教官の後継者だった山田先生と手合わせ出来るのなら、何故兄上は私に話を持ってこなかったんだ!

 

「如何してセシリアと箒が対戦出来て、私が駄目なんですか!」

 

「お前、この模擬戦が行われる原因を知らないのか?」

 

「腕試しですよね」

 

「……ラウラ、これが終わったらグラウンド10周」

 

「何故です!?」

 

「HR中に何か他の事をしてただろ」

 

「何故分かったのですか!?」

 

 

 兄上はやれやれと首を振って鷹月に話しかける。何故兄上は私では無く鷹月を頼ったのですか!

 

「とりあえず俺は傍に居るけど、基本的には任せるから」

 

「はいはい、一夏君も大変だね」

 

「分かってるなら少しは手伝ってほしいものだ」

 

「私じゃ戦力にならないもん」

 

「ハァ……」

 

 

 兄上はこの場から少し離れた場所で模擬戦を観察するようだった。だが何故私がグラウンドを走らされる事になったのか、未だに良く分からないのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 HR中にオルコットさんや篠ノ乃さんに馬鹿にされたのは悔しかったけど、こうやって織斑君が力を示す場を用意してくれたおかげで、私は2人に教師としての威厳を見せれるチャンスを得たのだ。

 気が弱いのが原因で代表にはなれなかったけど、私は千冬さんの後継者として期待されてたのだ。学生になら負けない自信はある。

 

「(大丈夫、怖く無い。相手は生徒、私が教えている学生なんだから負けない。織斑君が言ったように私は1対2でも負けないだけの実力があるんだ!)」

 

 

 さっきから何度も自分に言い聞かせるように繰り返す。緊張や萎縮さえしなければ私だって国家代表になれてたかもしれないのだから。

 

「逃げるなら今のうちでしてよ」

 

「我々相手にどれだけ耐えれるかな」

 

「私だって簡単には負けませんよ。むしろ、2人がどれだけの力をつけたのか確かめるのが仕事ですから」

 

「あら、それは私たちが貴女には勝てないと言ってるのかしら?」

 

「織斑君が言っていた通り、私は貴女たちには負けません!」

 

「その一夏の見立てが間違っていたと言う事を証明する為に、貴女には負けてもらう!」

 

『カウントを始めまーす! 3……2……1……』

 

 

 ナターシャ先生の声が聞こえる。カウントが1つ減るたびにオルコットさんと篠ノ乃さんの表情に真剣さが増していく。私も出来るだけ真剣な表情を作ろうと必死になったが、表情を作ろうとしてる時点で必死では無い事に気がついて平常心を取り戻した。

 

「0! 模擬戦開始!」

 

 

 開始の合図と共に、篠ノ乃さんが斬りかかってきた。打鉄を纏ってると言う事はそう言う事なんだろうと思っていたが、案の定先制攻撃狙いで突っ込んできた。

 

「甘いですよ!」

 

「くっ!」

 

 

 ライフルで牽制して、これ以上間合いを詰められないように立ち回る。オルコットさんの動きを視界の端に捉えながら篠ノ乃さんを攻撃していく。

 

「だが、その程度では私は負けない!」

 

「隙だらけでしてよ!」

 

 

 篠ノ乃さんが大きく動いたのと同時に、オルコットさんがレーザー光線を放ってきた。これは直線にしか飛ばないから回避は簡単ですね。

 

「掛かりましたわね!」

 

「偏向射撃、会得してたんですね」

 

 

 軌道が変わった事に関心しながら、私はオルコットさんの攻撃から逃げ惑う。これで私の想像通りだったら……

 

「終わりだ!」

 

 

 ほら、やっぱり。

 逃げ惑ってる私に突っ込んで来る篠ノ乃さん。確かに一見隙だらけに見えるでしょうけど、これは私の作戦なんですよ?

 

「残念でした」

 

「何!?」

 

「ちょっと箒さん! 何処に飛び込んでるんですか!」

 

「お前こそ、何処を狙ってるんだ!」

 

 

 オルコットさんのレーザー攻撃を篠ノ乃さんの打鉄に当てて無くし、そのまま背後から篠ノ乃さんにライフルで攻撃する。これである程度エネルギーは削れただろうし、オルコットさんも簡単には偏向射撃が使えなくなるだろう。

 

「箒さんの所為で台無しですわよ!」

 

「お前が自分の力量を過信してた所為だろうが!」

 

「あ、あの?」

 

「「先生は黙ってて(ください)!」」

 

「は、はい!」

 

 

 模擬戦の最中だと言うのに、オルコットさんと篠ノ乃さんは口喧嘩を始めてしまいました。この場合、私は何をすれば良いのでしょうか……隙だらけの2人に攻撃をすれば良いのでしょうか?

 

「何やってるんだか……」

 

「え、あれ? 織斑君?」

 

「下がっててください。あの阿呆共に少しキツイ攻撃をしますから」

 

「怪我だけはさせちゃ駄目ですよ」

 

「大丈夫ですよ。ISには絶対防御があるんですから、ちょっとやそっとで怪我なんてしませんから」

 

 

 もの凄い怖い雰囲気を纏っている織斑君に対して、私は千冬さんが怒っている時と同じかそれ以上の恐怖感を覚えてその場から離れました。

 織斑君の手には大剣が握られていて、その剣には電気が流れているように見えました。

 

「(あれ? そう言えば須佐乃男さんはあそこに座ってますね……)」

 

 

 専用機である須佐乃男さんがあそこに居るって事は、織斑君は如何やって宙に浮いているのでしょうか……

 

「この阿呆共が!」

 

「「ぎゃーーー!!」」

 

 

 織斑君の存在に気付いていなかった2人は、あえなく織斑君に斬られ、電撃を喰らっていました……これって私の勝ちで良いのでしょうか?




ナターシャと一夏の事に集中しすぎて、模擬戦がただのオマケに……

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