もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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投稿場所間違えた……3つまとめては注意しないと駄目ですね


須佐乃男の嫉妬

お兄ちゃんに料理を作ってあげる計画を立てていたら、ついつい白熱してしまって、お兄ちゃんが来るまで時間を忘れていた。

 計画はバレちゃってるけど、それでもやる事に意味があると思うんだよね、私は。

 

「張り切ってるとこ悪いが、そろそろ行かないと遅刻だぞ」

 

「えっ、嘘!?」

 

「ほれ」

 

 

 左手を突き出し腕時計を私たちの前にだすお兄ちゃん。そこには結構全力で急がないと間に合わない時間を針が指していた。

 

「何でこんな時間まで何も言ってくれなかったの!」

 

「また走らなきゃいけないの……」

 

「諦めて歩いていきましょうよ」

 

「それが良い~」

 

「ハァ……」

 

 

 盛大なため息を吐かれ、私たちは気まずくなった。最近のお兄ちゃんは此処まであからさまにため息を吐く事は無かったのでこれは本気で呆れられてるのだろうな。

 

「須佐乃男、同じクラスの2人は任せる」

 

「……了解しました」

 

「? 何か不機嫌だな」

 

「別に何でも無いですよだ」

 

「何か言いたい事があるなら聞くだけ聞くぞ」

 

 

 須佐乃男の態度を不審に思ったお兄ちゃんが、理由を聞き出そうとしている。聞くだけと言う事は、言ったところで解決するかどうか分からないのだから、須佐乃男も言うか言うまいか悩んでいる。

 

「時間はあまり無いんだ。文句無いならさっさと行くぞ」

 

「ズルイんです!」

 

「は?」

 

「ですから、ズルイと申し上げているんです!」

 

「いやだから……は?」

 

 

 須佐乃男が何を言っているのか分からないと言った雰囲気でお兄ちゃんはもう1回同じ言葉を口にした。

 確かに今の須佐乃男はズルイとしか言ってないので、それだけで分かれと言う方も無理があるのだが、お兄ちゃんなら分かるんじゃないかとも思ってしまうのだ。

 

「何時も何時も楯無様や簪様や虚様や本音様やマドカさんばっかり! 偶には私にも構ってくださいよ!」

 

「はいはい、今度な」

 

「今度って何時ですか!」

 

「ヒステリック起こしてるところ悪いが、本当に時間がヤバイんだから落ち着け」

 

「むぅ……」

 

 

 如何やらお兄ちゃんは最初から分かっていて知らん振りをしてたみたいで、須佐乃男がヒステリックを起こしても冷静に対応した。須佐乃男が言いたい事は何となくだが分かる気がするのだ。

 お兄ちゃんはこのメンバーの中で須佐乃男にだけ甘やかす場面が少ないように感じるのだ。まぁ須佐乃男はISだし、お兄ちゃんに手当てしてもらったり、怪我をしたからおぶってもらう事も無いのだからそれは必然と言えば必然なのかもしれない。

 今だって空中を走ることが出来るのはお兄ちゃんと須佐乃男だけなのだから、必然的に2人で分担してそれぞれの教室まで運ぶのが効率的なのだが、その事で須佐乃男はお兄ちゃんに対して、そして私たちに対しても興奮してるのだ。

 

「それじゃあしっかりと掴まっててくださいね」

 

「うん!」

 

「お願いします」

 

「頑張る!」

 

 

 いったい何を頑張るのかとツッコミを入れたくなったが、簪の表情が真剣そのものだったので思わず此方がたじろいでしまった。恐らく振り落とされないように頑張るのだろうと勝手に解釈をしてツッコミを入れたくなった衝動を抑える事に成功したのだった。

 

「それじゃあ私たちも行きますよ」

 

「お願いね」

 

「全速前進だ~!」

 

「私たちは一夏様と違って一箇所なんですからそれほど急ぐ必要は無いんですが……」

 

「気分の問題だよ~」

 

「はぁ……」

 

 

 イマイチ納得してないようだった須佐乃男だが、彼女も基本的にはノリが良い方なので最終的には本音の希望通り全速で空中を走ってくれた。

 お兄ちゃんもだけど、如何やって空中を走ってるのだろう……聞けば私にも出来るのかな? 姉さんも出来るのかな? 考え出したら疑問が止まない事だったが、途中からそんな事を考えてる余裕も無いくらいのスピードを出していたので、私の意識はそれに耐える為に全ての意識をそちらに向けていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も一夏君たちはギリギリに教室にやってくるのかしらねぇ……最近は遅刻ギリギリが多い気がするんだけど、何をしてたらそんなに時間を忘れられるのかしら。

 

「とうちゃ~く!」

 

「結構余裕でしたね」

 

「そ、そうだね……」

 

 

 楽しそうな声の布仏さんと須佐乃男に比べて、織斑さんは何故だか顔面蒼白になっているのだけれど……あえて何かあったかは聞かないでおこうっと。

 

「おはよう。昨日は楽しかったね」

 

「そうだね~! でもあの後おりむ~にお説教されて怖かったのだ~」

 

「一夏様は私たちを心配してくれてるんでしょうが、何もあそこまで怒らなくても良いと思うんですよね~」

 

「でも、怒ってもらえない方が怖いし悲しいかも……」

 

 

 織斑さんの言った事に少し考えてから布仏さんと須佐乃男が反応を示した。

 

「確かにずっと黙ってるおりむ~ほど怖いものは無いかもね~」

 

「いっそ怒ってくれ! とでも思うかもしれませんね」

 

「貴方たち、どれだけ一夏君に怒られてるのよ……」

 

 

 普段から怖い雰囲気の一夏君だが、見た目ほど怒りっぽい事も無ければ気分を害さない限り私たちが怒られる事など無いのだが……それだけ一夏君に迷惑を掛けてるって事なんでしょうが、妹さんに彼女だもんね。迷惑くらい掛けたくなる気持ちになるんでしょう、分からないけど。

 

「鷹月さんはお兄ちゃんに怒られた事無いからそんな事言えるんだよ」

 

「そうそう、おりむ~の怖さを知ったら、怒られない怖さが分かるよ」

 

「恐らく分かりたく無いでしょうがね」

 

「うん、そんな事知りたくも無かったし分かりたく無いよ」

 

 

 一夏君はからかうと面白い友達、多分1番仲の良いクラスメイトなんだから……変なイメージを植えつけないで欲しいわね。

 

「ところで、その一夏君は?」

 

「一夏様なら楯無様と虚様と簪様を教室まで運んでいますのでもう少し時間がかかるかと」

 

「運んでる?」

 

 

 須佐乃男が言った事に疑問を覚えて私はその事を聞いた。だって運ぶ必要がある状況って何なのだろうか全く分からなかったからだ。

 

「遅刻ギリギリでも生徒会長やその関係者が校則で禁じられている『廊下を走る』と言う行為は出来ませんので」

 

「それと一夏君が如何関係してるの?」

 

「おりむ~は空中を駆ける事が出来るのだ~!」

 

「……は?」

 

 

 布仏さんの言っている事を理解するのは、私の頭では難しかった。あまりにも現実ではありえない事をサラッと言われたので一瞬私は聞き間違えたのかとも思ったが、この距離で聞き間違えるほど耳は遠く無いつもりだ。

 

「だから、お兄ちゃんは空中を駆ける事が出来るから、『廊下を』走ってる訳にはならないんだよ!」

 

「……でも結局走ってるんだよね?」

 

「私の時は天井を走ってたけどね」

 

「天井!?」

 

「そうだけど?」

 

 

 何で驚いてるのみたいな顔を織斑さんがしてるけど、私から言わせてもらえば何言ってるのこの人って気分だよ……だっていくら一夏君が常識外れな力を持っているとは言え、空中や天井を走るなんて言われて納得出来る訳が無いじゃないのよ!

 だが私のこの気持ちは、目の前の3人には伝わる事は無かった。普段から一夏君と行動を共にしてるこの3人には、今更一夏君が何をしても驚かないくらいの耐性がついているのだろうから。

 

「兎に角、その常識外れの移動方法で一夏君が3人を教室まで連れて行ってるのは分かったけど、何でそんな行動をしなきゃいけなくなるまで時間が過ぎてる事に気付かなかったの?」

 

「それは……」

 

「大体の原因は本音が起きなかった事だね」

 

「何時もの事ですが、今日は特に酷かったですからね」

 

「だって眠いんだも~ん!」

 

「それは皆同じだと思うんだけど?」

 

「そうなんだけどさ~……」

 

 

 布仏さん以外にも、眠たいのを我慢してる生徒は沢山居るだろう。それこそこの教室にもあくびを我慢してる人が何人か見られるくらいに。それでも皆我慢して教室にやってきてるんだから、布仏さんだけを特別扱いする訳にも行かないだろう。

 

「お兄ちゃんに起こしてもらうまで絶対に起きないもんね、本音は」

 

「前は私たちでも起こせたんですが、此処最近は一夏様以外が起こしても起きませんからね」

 

「だっておりむ~が起こしてくれるのが1番目覚めが良いから~」

 

 

 布仏さんは毎朝一夏君に起こしてもらってると言うのか……クラス中から嫉妬と羨望の視線を集めている布仏さんだが、本人にはその事が分かっていないようだった。

 

「ほえ? 何だか注目されてる気がするよ~」

 

「まぁ、今の会話を聞いてれば納得だとは思いますが……」

 

「他の人は望んでも叶わないからね」

 

「ほえ~?」

 

 

 視線の意味をしっかりと理解している須佐乃男と織斑さんは、周りの女子に同情と一緒に盗み聞きをしてた事への抗議の念を込めた視線を送っていた。

 その視線に耐えられず大抵の女子は視線を逸らしたのだが、篠ノ乃さんとオルコットさんだけは相変わらずこっちを見ている……しかももの凄い鋭い視線を布仏さんに向けてるんだけど……嫉妬って怖いわね~。

 

「でも、一夏が頼めばやってくれそうな相手は何人か居るんじゃないかしら」

 

 

 隣のクラスの凰さんとか、エイミィさんとか一夏君と仲は良いけど『そう言った』関係では無い人はそれなりに居るのだから。もちろん私もその中の1人だ。

 

「お兄ちゃんに頼める猛者はそうそう居ないって」

 

「断られるのが前提だもんね~」

 

「一夏様に断られるだけなら兎も角、あの冷たい視線をもらったら立ち直れませんよ」

 

「そう……かな……」

 

 

 何人か喜んでその視線を受ける人に心当たりがあるのだけれども……織斑先生とか山田先生とかデュノアさんとか……

 

「あっ、そう言えば今日も一夏君が授業するのかな?」

 

「如何でしょう……山田先生は復帰されたそうですし」

 

「でも~ヤマヤマの授業だと脱線しちゃうからな~」

 

「本音はそんな事気にしないでしょ」

 

「えへへ~バレちゃった~?」

 

「最初から分かってる事をあえて聞かないの」

 

 

 布仏さんが言ったように、山田先生の授業は周りからの茶々入れで終始脱線気味なのだ。それに比べて一夏君が授業をすると、周りからの茶々入れは無く、質問にもしっかりと答えくれるので、普通の授業よりも理解度が深まった感じがするのだ。

 

「うちのクラス、座学平均が最下位だもんね……」

 

「上位に名を連ねてる方も多いのですが、それ以上に補習候補者の数が多いですからね」

 

「他人事みたいに言ってるけど、須佐乃男だってそうなんでしょ?」

 

「マドマドだって危ないじゃないか~」

 

「そう言う本音様が1番危なかったんですよ?」

 

「……この3人は山田先生の授業に関係無く危ないから放って置くとしても、確かに補習候補者は多いみたいね」

 

 

 学年1位の一夏君と、トップ10に名前があるデュノアさんと私が平均点を上げているとは言え、それでもカバー出来ないくらいこのクラスの座学は壊滅的なのだ。

 その大半が授業中の私語や脱線が原因なのだが、学園側は生徒の問題よりもむしろ山田先生の授業に問題があるのでは無いかと思われてると噂されているほどに、山田先生の授業は問題なのだ。

 

「いっそおりむ~が座学担当になってくれれば良いのに~」

 

「ですが、それだと山田先生は失業って事になりますよ?」

 

「別にお兄ちゃんに取られたからって、失業する訳じゃ無いんじゃないの?」

 

「だってあの人から座学を取ったら、後はあの無駄乳くらいしか残りませんよ」

 

「無駄乳って……」

 

 

 普段から胸が小さい事を気にしている人から見れば、山田先生のソレは羨ましいのと同時にねたましいのだろうな。私は幸いな事に気にするほどのサイズでは無いのだが。

 

「かんちゃんが聞いたら同意してくれそうな話だね~」

 

「虚さんも結構気にしてるけどね」

 

「でも、一夏君って胸の大きさで人を判断するような人じゃ無いと思うんだけど?」

 

 もしそんな人だったら、私も此処まで心を開かなかっただろうし、そもそもクラスで1番を争うくらい大きい胸の持ち主である篠ノ乃さんは一夏君に軽くあしらわれてるしね。

 

「お兄ちゃんは確かにあまり興味無いけど、これは女側の気持ちの問題だからね」

 

「おりむ~は私たち皆を大事に扱ってくれるけど、楯無様みたいにあからさまに甘えるには、それなりの大きさが必要だと思ってるんだよね~」

 

「簪様も虚様も、無自覚に甘えてらっしゃるのに……」

 

「あ、あはは……一夏君も大変ね」

 

「「「?」」」

 

 

 乾いた笑いの後に小さな声でつぶやいた言葉は、3人には聞こえなかったようだった。別に聞かれても問題は無いのだが、聞こえてなかったのなら別にそれで良い事なので流す事にした。 

 3人には聞こえてなかったんだけど、別の人には聞かれていたようだったのだが……

 

「別に静寂に同情されるほど大変では無いんだが」

 

「うわぁ!」

 

「そこまで驚く事無いだろ……」

 

 

 急に背後から声を掛けられて、私は飛び上がらん勢いで驚いて後ろに立っている人を確認した。

 

「い、一夏君……おはよう」

 

「あぁ、おはよう」

 

「今日はおりむ~がHRじゃ無いんだね~」

 

「あれは昨日だけだ。今日からは山田先生がまた担当するからな」

 

 

 やっぱり山田先生に戻るんだ……一夏君が担当した方がクラスが引き締まるし授業としては正しい雰囲気になると思うんだけども、本職が復帰したのなら仕方ないよね。

 

「それで一夏様、今度とは何時ですか」

 

「まだ言ってるのか……今度は今度だ」

 

「お兄ちゃん、それじゃあ答えになって無いよ」

 

「マドマド、おりむ~は面倒だから今度って言ってるだけだよ~?」

 

「そうなんだ」

 

 

 普段なら織斑さんが気付きそうなものを、今日は布仏さんが気が付いた……珍しい事もあるものね。

 須佐乃男が何で一夏君に迫ってるのかイマイチ分からないが、きっと一夏君にとって面倒な事である事だけは感じ取る事が出来た。

 

「そもそも自分で出来るヤツを何故運ばなければならない」

 

「良いじゃないですか! 私だって彼女なんですからね!」

 

「でも須佐乃男は彼女であると同時にお兄ちゃんの専用機だよね? 専用機があまり持ち主に迷惑を掛けるのはマズイんじゃ無いかな?」

 

「ISの姿をしてる時は迷惑を掛けてません!」

 

「普段は掛けてるのは自覚してるんだな……」

 

 

 須佐乃男の発言を逆手に取ったのかは知らないが、一夏君がシレっと反撃をした。ISの姿では迷惑を掛けてないと言う事は、人間の姿の時は迷惑を掛けていると自白したのも当然だと私も思ったし、一夏君もそう思ったからそこを突いたのだろう。

 

「私が掛けている迷惑など微々たるものでしょうが!」

 

「多い少ないの話じゃないだろ!」

 

「一夏様なら問題無く片付けられるレベルでしか迷惑を掛けてませんよ!」

 

「だからそう言う問題じゃねぇだろうが!」

 

 

 互いにヒートアップしていって、一夏君の口調が崩れ始めている……クラスメイトの前であの口調を出すのは珍しい……もしかして初めてじゃない?

 

「お兄ちゃん、落ち着いて!」

 

「須佐乃男もあまり熱くなるのは良く無いよ~?」

 

「あぁ……すまない」

 

「すみません、つい興奮してしまいました……」

 

 

 互いに反省して謝る。何だかんだ言っても仲は言い2人だ、これ以上口喧嘩もする事無くこの場は収まるだろう。

 

「は~いチャイム鳴りますから席に……あれ?」

 

「「「「「………」」」」」

 

「な、何ですか……」

 

 

 空気が読めるのか読めないのか判断に困るタイミングで山田先生が教室にやって来た。復帰初日から微妙なタイミングで現れるのは、やはり山田先生なのだろうな。

 別に貶してはいない、褒めているのだ。

 

「ハァ……マヤヤか」

 

「織斑君が良かったな~」

 

「一夏先生の方が分かりやすかったし」

 

「だよね~」

 

「な、何の話ですか~!」

 

「ん? マヤヤがダメダメだって話」

 

「そんな事ありませんよ!」

 

「だってその証拠に1学期の座学の成績、クラス別平均点学年最下位はこのクラスだよ」

 

「学年トップだって居るのにこの結果……やまちゃんがダメダメな証拠じゃない?」

 

「うぅ~……」

 

 

 復帰して早々に泣き出しそうになっている副担任を見て、一夏君は盛大なため息を吐きたそうにしていたが、思いとどまったようでため息は吐かなかった。

 その代わりと言ったら変かもしれないけど、一夏君は思いっきり肩を落として首を左右に振った。あれが一夏君のため息の代わりなのか如何か、私は知らない。

 

「あんまり山田先生をからかって遊ぶなよな。こっちに回ってきたら面倒だ」

 

「「「「は~い」」」」

 

「織斑君、それって慰めてくれてます? それとも止めを刺してます?」

 

「別にどっちでも無いですが、あまりメソメソしてると面白がられて余計にからかわれますよ?」

 

「別にメソメソはしてません!」

 

「それならそれで良いですが……それじゃあHRをお願いします」

 

「あっ、はい……」

 

 

 まるで先輩教師に言われたかのように反応した山田先生を見て、私もため息を吐きたい衝動に駆られた。何だか一夏君の気持ちが私にも伝わってきたかのように感じたが、クラス中が同じ気持ちになっているのは、少し周りを見渡せば分かる事だった。

 山田先生、貴女は一夏君より年上でれっきとした教師なんですよね? 私たちより年下じゃ無いんですよね?

 こんな事を口に出して確認する訳にも行かず、クラスメイトの半分が一夏君同様肩を落として首を振った……ため息は良く無いものね。

 

「皆さん、如何かしましたか?」

 

 

 当事者の山田先生だけがこの状況を理解していないようで、私たちは我慢出来ずにため息を吐いたのだった。




どちらの読者の方にもご迷惑かけてすみません……

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