もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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前回の内容から凄い変わりよう……考えるのが大変でした


2人きりのデート

何か週の後半に色々あった気がしたけど、とりあえずは週末になった……解決したと気を楽にしている人が羨ましい……こっちは問題が先送りになったとしか感じてないし、更なる問題が発生してるかもしれないと気が滅入ってるのだ……

 

「一夏君、明日のデート、覚悟してよね」

 

「分かってますよ、刀奈さん」

 

 

せっかく刀奈さんが楽しみにしてるんだ、絶対に俺の心中を気取られてはダメだ。何時かは話さなきゃいけなくなるだろうが、せめて今は刀奈さんたちには心配を掛けちゃダメなんだ。

 

「(須佐乃男にも気付かれないようにしないとな……アイツは意外と口が軽いからな)」

 

 

自分の専用機に対して思う事では無いが、俺の心理を読める相手だからこそ気付かれてはいけないんだ……多分知っても話さないとは思うが、須佐乃男も俺の彼女だからな……心配掛ける訳にはいかないんだ。

 

「来週は私とだからね!」

 

「分かってるよ、簪」

 

 

毎週末、つまり日曜に個人とデートする事になっている……俺の悩みを話すとしたら一回りしてからだろうな……それまでは黙っておこう。

 

「そう言えばマドマド、織斑先生と仲良くなったの~?」

 

「えっ!?な、何で?」

 

「ん~っとね~、何となく雰囲気が明るくなった感じがするから~」

 

「そう言う観察眼を他のところに使えないのが残念だよな」

 

「でも、それが本音だから」

 

「そうよね~」

 

「皆、そんなに褒めないでよ~」

 

「褒めてません」

 

「ほえ、そうなの!?」

 

「この反応が本音様らしいです」

 

 

土曜の昼下がり、珍しく仕事の無い状況だったので皆で集まっておしゃべりに興じている……俺の部屋で。

 

「すみません、遅れました」

 

「しょうがないって、碧さんは仕事が残ってたんだからさ」

 

「お嬢様が無理難題を押し付けるからでしょうが」

 

「そんな事無いよ~」

 

 

仕事で遅れていた碧さんもやってきて、これで本当に全員集合だろう……だが何故俺の部屋なんだ……

 

「やはり亡国企業の情報は掴めませんでした……」

 

「仕方ないわよ、あの組織は暗部でも詳しく分かってないんだから」

 

「マドマドも所属してたって言っても末端だもんね~」

 

「それに私は組織に信用されて無かったからね……情報は一切入って来なかった」

 

「すみません、俺がしっかりと気絶させてれば……」

 

「一夏は悪く無いよ!」

 

「そうですよ!一夏さんは生身でISと戦ってたんですから」

 

「無事だっただけでも奇跡なんですよ、一夏様」

 

 

奇跡?そんな訳無いだろ……色々と人間離れしている俺が、ISで襲われたくらいでやられる訳が無い、負ける訳が無い……これはある意味で呪われていると思いたくなる現実だ。

子供の頃は、素直にこの強い力に感動した。だが、周りに不気味がられ、更に篠ノ乃が俺にやられたと傷だらけだったのを見たとき、俺は自分が恐ろしい存在だと言う事を知った。

自分には記憶が無い、だが篠ノ乃をやったのは俺だ……途中までは覚えていても、その後が如何しても思い出せない……気が付いたら家のベッドで寝ていたのだから。

 

「(多分リミッターが外れたんだろうな……前に似たような事があったから分かったんだがな……)」

 

 

夏休みに千冬姉に対して外れた時も、その時の記憶が無かった。だが、篠ノ乃をやった時はあそこまで反動は無かった気がするんだよな……

 

「(俺が気付いてないだけで、俺自身のリミッターは増えてるのか?)」

 

 

もし全てのリミッターが外れた時、俺は如何なるのだろう、如何なってしまうのだろう……

 

「一夏さん、何か考え事ですか?」

 

「……えっ?」

 

 

虚さんに話しかけられ、俺は咄嗟に反応出来なくて間が抜けた返答をした……最近考えなければいけない事が増えたからな、気をつけなければ。

 

「珍しいわね、一夏君がそんな反応するの」

 

「姉さんの事?」

 

「いや、違うが……マドカ、『姉さん』って詰まる事無く言えるようになったんだな」

 

「本人が居ないから……」

 

 

つまり本人を目の前にしたらまだ詰まるのか。

 

「それじゃあ何を考えてたのかな~?」

 

「明日の弁当、如何しようかと」

 

「おりむ~のお弁当は何時も美味しいよ~」

 

 

デートの相手は刀奈さんだけだが、弁当を作る相手は刀奈さんだけでは無い。だから俺が弁当如何しようと言えばそれで皆は納得してくれる……騙さなきゃいけないのが辛いが……

 

「それに黛先輩のお姉さんに頼まれたのも明日ですからね」

 

「そうだった」

 

「何の事です?」

 

「聞いてないよ?」

 

 

あの場に居たのは俺と刀奈さんと黛先輩の3人だけだ……事情を説明するために俺と刀奈さんは頼まれた事を全部話した。

 

「なるほど」

 

「一夏のインタビュー記事……」

 

「それとお嬢様もついでに、ですか」

 

「ついでって酷くない!?」

 

「でも恐らくは楯無様より一夏さんがメインですよね?」

 

「それは……私もそう思ってるけどさ」

 

「おりむ~記事になるの?」

 

「そう言う事らしい」

 

 

正直今から断れるのなら断りたいが、黛先輩が念押しに来てたって事は今更……って事なんだろうな。

 

「でも一夏、そんなスケジュールで身体は平気なの?」

 

「ただでさえお嬢様に付き合わなければいけないのですから」

 

「虚ちゃん、さっきから酷いわよ」

 

「楯無様だって一夏様の事を気遣ってくれますよ……きっと」

 

「そうですよね。楯無様だって一夏さんの事を心配してますよね……きっと」

 

「楯無様がおりむ~の事を心配してる訳無いよ~」

 

 

最後待て……せっかく須佐乃男と碧さんが濁してたのに、はっきりと言うなはっきりと!

 

「本音、貴女とは話し合う必要がありそうね……」

 

「ほえ~?」

 

 

自分がどデカイ地雷を踏んだ事に気付いていない本音……自分の愚かさを身を持って体感してくると良い……

 

「ちょっと出てくるわね……」

 

「手加減は頼みませんが、せめて生きて返してあげてください」

 

「善処するわ」

 

「???」

 

 

未だに状況が把握出来ていない本音……須佐乃男と簪は震えているし、碧さんは本音に向けて合掌している……つまり誰も助ける気が無いって事だ。

 

「……さてと、そろそろ解散としようか」

 

「そうですね……お嬢様も居なくなっちゃいましたし」

 

 

本音が連れて行かれたのを合図に、俺たちはおしゃべりを止める事にした……良く見れば外が暗くなってきている……何時間話してたんだ?

 

「じゃあね一夏」

 

「お邪魔しました」

 

「ええ」

 

 

簪と虚さんが挨拶をして、他の3人が会釈でそれに続いた。

 

「さて、明日に備えて休んでおくか……」

 

 

インタビューが午後2時からだから、それを補うようにデート開始が早まったのだ……弁当を作る時間を考えると寝られないだろが、横になるだけでも違うからな……少し早いが布団を敷くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったく本音ったら……まるで私が一夏君の事を気にしてないみたいに言うなんて……失礼しちゃうわよ、まったく。

 

「もうこんな時間だし、今日のところは許してあげるわ」

 

「ほ、ほえ~……」

 

 

時刻は午後11時……お説教を始めたのが確か7時前だったから4時間もお説教してたんだ、私……明日は朝早くから一夏君とデートなんだから、さっさと寝ないと!

 

「これで許したと思わない事ね」

 

「は~い……」

 

 

トボトボと部屋から出て行った本音を確認する間も惜しんで、私はお風呂の準備をした……怒ってた所為で汗が凄い、ちゃんと流さないと大変な事になってしまうではないか。

 

「明日はデート、そしてインタビューがあるんだから」

 

 

お肌のお手入れもあるし、寝不足は美容の大敵だもんね……少しでも長く寝ておかなければ。

 

「そう言えば、一夏君はもう寝てるのかしら?」

 

 

いくら一夏君が人間離れしてるからと言って、無睡眠でデートする訳無いわよね。私は確認しようか迷ったが、寝てたら悪いと思って確認する事はしなかった。それどころでは無かったって事もあったのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、私は約束のちょっと前に目を覚ました……つまり遅刻ギリギリなのだ。

 

「え、えっ!?」

 

 

何度確認しても時間は変わらない……むしろ刻一刻と進んでいく。

 

「え、ちょっ、これは!?」

 

 

大慌てで布団から飛び起き、未だかつて無いくらいのスピードで着替える……それでも時間に余裕は生まれない……

 

「寝癖!?」

 

 

昨日ちゃんと乾かせてなかったのだろうか……とてつもない寝癖がついている。

 

「如何しよう……これ、直るかな?」

 

 

せっかくおめかししたとしても、この髪じゃ全て台無しだ……急いで直さなければ!

 

「刀奈さん、起きてますか?」

 

「!?」

 

 

ドア越しに声を掛けられた……時計を見れば既に約束の時間は過ぎてしまっている……一夏君は心配して様子を見に来てくれたんだ……

 

「お、起きてるよ!?」

 

「……何か焦ってませんか?」

 

「そ、そんな事無いよ?」

 

「入っても良いですか?」

 

「だ、ダメ!!」

 

 

こんな格好見られたら一夏君に嫌われちゃう……だが私の反応は逆効果だったらしく、一夏君を余計に心配させてしまったようだった。

 

「やっぱり焦ってますね……もしかして寝坊しました?」

 

「う、うん……」

 

「更にもしかして、もの凄い寝癖とか?」

 

「うん……」

 

「はぁ……失礼しますね」

 

「えっ、ちょっと!?」

 

 

ゆっくりとドアが開き、その隙間から一夏君の姿が見て取れる……つまり向こうからも私の姿が見える訳でして……

 

「何で入ってくるの!」

 

「そんなに焦ってちゃ、直るものも直りませんよ。俺がしますから座ってください」

 

 

八つ当たり気味に叫ぶ私を落ち着かせるように、一夏君の口調は何時も以上に優しかった。

 

「……出来るの?」

 

「残念ながら、こう言った事には慣れてるんですよ」

 

「?」

 

「昔は千冬姉と束さんの2人の髪を梳かしてましたから……」

 

「あの2人も起きれなかったの?」

 

 

織斑先生は今は朝早くから起きてるみたいだし、篠ノ乃博士だって恐らくは早朝から活動してるはずだ……その2人が一夏君に起こされていて、更に寝癖まで直してもらってたと言うのか……

 

「小学生に起こされる高校生ってのも、間抜けですがね」

 

 

そう言いながら一夏君は私の髪を梳かしていく……もの凄く上手い。

 

「特に千冬姉は美容とかに無頓着ですからね……櫛が通らなくって苦労しました」

 

「何時から苦労してるのよ……」

 

「あえて言うならば、生まれてからずっとですかね」

 

 

記憶がある小学校の時以前からと言う事だろうか……一夏君は笑い話としているが、聞いているこっちは笑い話で済ませるものでは無い……

 

「終わりましたよ」

 

「……え?」

 

「ですから、髪直りました」

 

「あっ、本当だ……」

 

 

何時ものようになっている髪を見て、一夏君は本当に万能だな~っと改めて思ってしまった。

 

「では、行きましょうか」

 

「そうね!……でも何処に?」

 

 

自分で言っておきながら、今の時間は午前5時過ぎ……大抵のお店はまだ開いていない。だからデートと言っても大した事は出来ないだろうな。

 

「とりあえずは公園で散歩でもしましょう」

 

「……何だかお年寄りのデートみたいね」

 

「朝早いんですから我慢してください」

 

「は~い」

 

 

一夏君に軽く怒られて、私は素直に謝った。まぁ、一夏君と一緒なら何処でも楽しいんだけどね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刀奈さんと公園を散歩しながら辺りを警戒する……さすがに向こうもこんな時間からは監視してこないか。

 

「如何かしたの?」

 

「いえ、誰も居ないなと」

 

「何時だと思ってるのよ……日曜の5時に公園に人なんて居るわけ無いじゃない」

 

「それが分かっててこんな時間からデートだって言い出したんでしょうが……」

 

「えへ?」

 

「可愛く言ってもダメです」

 

 

片目を瞑り舌を出して首を傾げる刀奈さん……謝ってるつもりなのだろうか?

 

「可愛い?」

 

「刀奈さんは何時も可愛いですよ」

 

「もう///」

 

「?」

 

 

思ってる事をそのまま言っただけなのだが、何故か刀奈さんは真っ赤になっている。

 

「ねぇ一夏君」

 

「何です?」

 

「ん」

 

「?」

 

 

目を瞑って唇を突き出してくる刀奈さん……つまりはそう言う事ですか。

 

「誰かに見られても知りませんよ?」

 

「大丈夫よ、誰も居ないから」

 

「はぁ……」

 

 

確かに気配は無いが、だからと言って誰も見ていない訳では無いと思うのだが……刀奈さんは気付いて無いから仕方ないか……俺は覚悟を決めて刀奈さんにキスをした……恐らくは衛星を使って監視しているであろうウサ耳お姉さんを意識しないようにして……

 

「(それと多分もう1人……)」

 

 

この間から感じるもう1つの監視の気配……衛星を使ってるのは一緒だが、こっちはバレても構わないって感じの監視の仕方なのだ……そのうち接触でもしてくるのだろうか?

 

「い、一夏君///」

 

「ん?」

 

 

考え事をしながらキスをするのはダメだったようだ……離すのを忘れていた所為で刀奈さんの顔は真っ赤を通り越して茹蛸状態だった。

 

「すみません」

 

「あうあうあう……」

 

「刀奈さん?」

 

「きゅ~……」

 

「あっ、倒れた」

 

 

しっかりと受け止めながらそんな事を思った……考えるまでも無く俺の所為だよな……仕方ない、少し休ませるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し暑いし何だか背中が痛い……でも何故だか幸せな気分だな……

ゆっくりと目を開けると目の前に一夏君の顔があった……えっ、何で一夏君が私の上に居るの!?

 

「気が付きました?」

 

「え?」

 

 

何を言われたのかが咄嗟に理解出来ない……気が付いたって事は私は寝てたんじゃ無くって気を失ってたって事?

 

「キスした後気絶しちゃったんですよ?」

 

「あっ///」

 

 

思い出したらまた顔が熱くなってきた……あんなに長い間キスされた事なんて無かったもん!!

 

「考え事してたらつい……」

 

「ついじゃ無いわよ!」

 

「でも、刀奈さんから離れれば良かったんじゃ?」

 

「人の頭を抑えておいてよく言うわよ、まったく///」

 

「俺、そんな事してましたっけ?」

 

「ええ、思いっきりね」

 

「それはそれは……何かすみません」

 

 

一夏君はそっぽ向きながら謝ってきた……多分一夏君も恥ずかしかったんだろう。

 

「私、どれくらい気を失ってたの?」

 

「10分は経ってませんよ」

 

「そう……良かった」

 

 

せっかくのデートだと言うのに、気を失って時間を無駄にしたく無いもんね。

 

「そうだ!」

 

「何ですか?」

 

「朝ごはん食べてない!」

 

「……今更ですね」

 

「重要な事よ?」

 

 

朝起きて慌ててたから今迄気付かなかったけど、良く考えると昨日のお昼から何も食べて無いじゃない!

 

「あう~、何だか急におなか空いて来た……」

 

「やれやれ……こんな時間じゃ何処の店も開いてませんよ」

 

「ファミレスでもファストフードでも何でも良いわよ」

 

 

おなかが溜まるのならこの際贅沢は言わない……それくらいおなかが空いているのだ。

 

「ちゃんと作ってきてますから」

 

「何を?」

 

「何って、朝食ですが」

 

 

そう言って一夏君はランチボックスからお弁当を取り出した……それってお昼のじゃ無かったんだ。

 

「昼の分もありますから気にせずに食べてください」

 

「本当?それじゃあ遠慮無く……」

 

 

手を合わせてから一夏君の作ったお弁当に手を伸ばす……空腹が限界に達している状況もあって、いつも以上に美味しく感じた。

 

「お茶もありますよ?」

 

「ありがとう、頂戴?」

 

「はいはい」

 

 

このやり取りを他の誰かが見ていたら、デートだと思うのだろうか……何だか一夏君がお母さんで私が娘みたいなんだけど……

 

「ほら、口についてますよ」

 

「ほって~?」

 

「モノ入れたまましゃべらない」

 

「ふぁ~い」

 

「だから……まぁ良いですよ」

 

 

そう言って一夏君は私の口周りを拭いてくれた……ますますお母さんっぽいわよ、一夏君。

 

「ご馳走様!」

 

「はい、お粗末様でした」

 

「美味しかった~」

 

「そうですか、それは良かった」

 

 

一夏君はテキパキと片付けをしながら私に食後のお茶を淹れてくれた……何だろう、もの凄い甘やかされてる感がするんだけど。

 

「さてと、これから何処に行きます?」

 

「まだ早いからね~」

 

 

お弁当を食べていて時間は経ったが、それでもまだ6時過ぎ……近所でデートするには無理があるわね。

 

「薫子ちゃんのお姉さんの会社って遠いんだっけ?」

 

「そんなには……でも、近いって訳でも無いみたいですね」

 

「それじゃあ今から行ってその近辺でデートしましょ?」

 

「移動時間だってそんなに長い訳では無いんですが……」

 

「良いの!ほら、行こ?」

 

「やれやれ……」

 

 

一夏君は軽く首を振って私の差し出した手を取ってくれた。最近はため息を吐く代わりにこうやって首を振ってるのよね、一夏君って……この前ため息をキスで塞がれたのが効いてるのかしら?

 

「さ~て遊ぶわよ~!」

 

「だからまだ大抵の場所は閉まってますよ」

 

「遊ぶのにそんなのは関係無いわ!」

 

「いや、大いに関係しますよ……」

 

 

一夏君は呆れてるのを隠そうとしないくらい呆れてるみたいだけど、私は一夏君さえ居れば何処だって良いのよ?それこそ公園だろうが空き地だろうが世界の果てだろうが……

 

「さ~て、私たちのデートはまだまだこれからだ~!」

 

「何です、その漫画の打ち切りみたいなセリフは……」

 

「だって事実でしょ?」

 

「……打ち切りが?」

 

「そっちじゃ無いわよ!」

 

「分かってますよ……それから、こんな時間に大声出したら迷惑ですよ?」

 

「は~い」

 

 

一夏君に注意されたが、大声を出させてたのは一夏君じゃ……そんな事を思いながら私は一夏君と手を繋ぎながら駅まで歩いたのだった。




次回もデート回……別に打ち切りでは無いですよ。

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