もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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IS実習の話です


落ち着いて

今回の実習内容はISに乗っての歩行からの飛行らしい……最初から出来た俺には難しさがイマイチ分からないのだが、結構大変だと山田先生から聞かされた事がある。やはり飛ぶイメージをしっかりと思い描けないと難しいのだろうか……

 

「まずは歩行がしっかりと出来るかどうかの確認だが……1学期にもやったしある程度は大丈夫だと思うから、全員1回だけ動かしてみてくれ」

 

 

訓練機を指差し起動から歩行の一通りの動作確認をしてもらう間に、如何やって空を飛ぶイメージを思い描いてもらうか考えるとしよう……

 

「(一夏様が抱えて飛べば一発で空を飛ぶイメージが頭に焼きつきますよ)」

 

 

そんな事して万が一何かあったら如何するつもりだよ。

展開してるために直接脳に話しかけてきた須佐乃男の提案を一蹴し、俺は他に何かいいアイデアは無いか考える……飛ぶ事に慣れてないと色々危ないからな……歩行から移行するのではなく、まずは飛んでもらった方が安全かもしれない。

 

「(飛べますかね~?)」

 

 

それは見て判断するさ……

戦闘訓練などで飛んでいるから平気だとは思うが、最初から飛んでいる状況からのスタートではなく、歩いてからの飛行って何か意味はあるのだろうか……実践でもISで地上を歩くのは滅多に無いだろうし、展開してからスラスターを蒸かせばすぐに飛べるのに……

 

「(実技試験で使うのではないですか?)」

 

 

多分それが正解だろう。実技以外では使い道無いだろうからな……

 

「(国が定めたカリキュラムですので、ISに乗れない人もカリキュラム作成に携わってるでしょうから、こう言った無駄があっても仕方ないですよ)」

 

 

お前って結構辛辣だよな……

 

「(どうせ一夏様にしか聞こえませんし、事実は意外と耳に痛いものですよ)」

 

 

ISが言ってるとおかしな感じもするが、あながち間違っては無いな。

須佐乃男と話しながらグループメンバー1人1人が打鉄に代わる代わる乗っては歩行していく。やはりコレくらいなら問題無く出来るのだな……

 

「あっ!」

 

「ん?」

 

 

残り1人となったところで驚いたような声が聞こえてきて、俺はその声のした方に目を向けた。

 

「ゴメン織斑君、しゃがむの忘れちゃった……」

 

「……仕方ないだろう」

 

 

普段から気軽に訓練機に乗れる訳でも無いのだし、使う時だって途中で降りるって事は無いのだから忘れがちになってしまうのも無理は無い……無理は無いのだが、飛び降りる前に気付いてほしかったのが本音だ。

 

「それで、後乗ってないのは誰だ?」

 

「えっと、私です……」

 

 

日下部さんが最後だったらしく、か細い声と自信無さげに手を上げていた。

 

「しっかり掴まってろよ」

 

「えっ……きゃ!」

 

 

日下部さんを持ち上げ打鉄の操縦席まで運ぶ。俺が打鉄を動かせれば自分で飛び乗ってしゃがませるのだが、前から言っている通り俺が動かせるのは須佐乃男だけなのだ……

 

「(後で動かせるかどうかチェックしてみませんか?)」

 

 

そんな事しても意味は無いと思うが……

 

「(一夏様はISのコアに愛されたお方。他のコアも反応してくれるかも知れませんよ)」

 

 

そんな都合良く行くとは思わないが……

日下部さんを操縦席に下ろし俺は打鉄から離れて地上に降り立つ。それにしてもおたおたしてるが大丈夫なのか?

少し動きがぎこちなく感じたが、一通り動かす事は出来るようなので次に行く事にした。

 

「それじゃあ次は飛んでみてくれ。暫く飛んだら俺が合図するから、そうしたら降りてきてくれ」

 

 

飛行も問題無いのなら今日の実習はほぼ終わったと思ってもいいだろう……本来なら教師が教えるものだろうが、この1組と2組の合同授業では専用機持ちが教える事が多い……訓練機を借り出すよりも専用機持ちに教えさせた方が楽なのは分かるが、給料貰ってるんだから働いてほしいものだ……

 

「今乗ってる日下部さんから、さっきとは順番逆に動かしてくれ」

 

「えっ、えっ!?」

 

 

慌てふためいている日下部さんを不審に思いながらも、俺は飛行訓練を始めた。1学期の実技赤点者は全クラスでも5人居なかったらしいし、その5人居なかった赤点者が誰なのかは知らないけどここにはいないだろうと思ったからだ。

 

「(一夏様、何か様子がおかしいですよ)」

 

 

ん?

須佐乃男に言われ上空を見ると、フラフラと飛んでいるのか流されてるのか判断に困るような飛び方をしていた。俺はオープンチャネルで日下部さんに呼びかけた。

 

「大丈夫か?」

 

『ちょっとダメです~……』

 

「落ち着いて。まずは安定した格好を取ってくれ」

 

 

あんなにバランス悪く飛んでいたら何時か堕ちる……まずはバランスを安定させなければ。

 

『如何やって安定させるんですか~!』

 

「実技試験でやったように飛べば良いんだよ」

 

『私赤点だったんですけど……』

 

「……は?」

 

 

学年に5人居ないと言われてた赤点者が今空を飛んでいる……この事実を理解するのにかなりの時間を必要とした。

 

「(一夏様、兎に角助けに行った方がいいかと!)」

 

「分かった。日下部さん、一旦助けるからその場で待機しててくれ」

 

『空中で止まれないんです……』

 

「……じゃあ堕ちないように気をつけてくれ。すぐ行くから」

 

 

空中で止まれないで良くIS乗りになろうと思ったな……競技者にはならないで整備士にでもなるんだろうか?それでも一応はISに乗れないとダメだし、日下部さんは如何してこの学園に入ったんだろうか……

 

「(今はそれどころでは無いですよ、一夏様!)」

 

 

分かってるさ……

急いで日下部さんの下に飛んでいき打鉄を受け止める……これは日下部さん以外を先に教えた方が早く終わらせる事が出来そうだ。

 

「よし、ゆっくりと降りるぞ」

 

「う、うん」

 

「そんなに緊張しなくていいから……」

 

 

ゆっくりとグラウンドに降り、日下部さんを打鉄から降ろし(自分で打鉄をしゃがませて降ろしたのだが)、他のメンバーに飛行してもらった。

他のメンバーは特に危なげなく飛行して空中で停止、それから地上への降下を行う事が出来るようで、日下部さんは1人で離れたところで落ち込んでいた……

 

「(授業時間内に飛べるようにはしてあげられるかは微妙だな……)」

 

 

1人が終わらないとそのグループ全体の評価に関わってしまうし、これは俺が何とかしないといけないのだろうな……千冬姉め、もしかして分かってて俺のグループに日下部さんを入れたんじゃないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑君に言われ、私は皆が今日のカリキュラムが終わるまで離れた場所でその光景を見ていた……筆記試験で赤点ギリギリ、実技では文句無しの赤点……お父さんやお母さんに無理を言ってIS学園に入れてもらったのに、これじゃあガッカリさせちゃうだろうな……

 

「(夏休みに家に帰れなかったし、電話では元気だって言ってたけど、やっぱり帰った方が良かったかな……)」

 

 

成績を見せるのが怖くて帰省するのを止めたのだが、今更帰れば良かったと後悔してきた。

 

「(今だって織斑君に迷惑掛けちゃったし、お父さんに言って転校させてもらえば良かったのかもしれないな……)」

 

 

そもそも私はISに乗りたかっただけだったのだし、その夢もかなったのだからもう此処に居る理由は無いのだから……

 

「(でも、せっかく入れたのに辞めたら、お父さんやお母さん悲しむだろうな……)」

 

 

必死に勉強して入学試験に受かったのだから、せめてもう少しくらいは頑張った方が良いのかもしれない……頑張ってダメだと分かれば未練も無く辞められるだろうから……

 

「隣良いですか?」

 

「えっ?」

 

 

考え事をしていたからか、すぐ隣に人が居るのに気付かなかった。

 

「えっと……何か用かな?」

 

 

隣に居たのは織斑君の専用機で、普段は人の格好をしている須佐乃男だった。良く見れば織斑君は今はISに乗っていない……つまり須佐乃男は自由にしてて良いのだ。

 

「一夏様から伝言を預かってきましたので、それを聞かせに来ました」

 

「織斑君から?」

 

 

いったい何を言われるのだろうか……怒られる?それとも呆れられる?どちらにしても良い事は言われないだろう。私は覚悟を決めて須佐乃男から織斑君から預かったと言う伝言を聞く事にした。

 

「『全員が終わったら教えるので、今はゆっくりと休んでいてほしい』これが一夏様から預かった伝言です」

 

「え……」

 

 

私は織斑君に教えてもらえるだけの価値なんて無いのに……確かに私が出来ないとグループ全員に迷惑が掛かってしまうのだが、織斑君は教える側なのでその事は気にしなくても良いのだし、私に教えるは結構骨が折れると思うんだけどな……

 

「せっかく同じグループになったのですから、思いっきり一夏様に頼ってみては如何でしょうか」

 

「でも……」

 

「一夏様なら平気ですよ。普段からもっと大変な思いをされてますから」

 

「そうなの?」

 

「酷いと生徒会の仕事を虚様と2人で終わらせなきゃいけない時もありますから」

 

 

生徒会の仕事がどれだけ大変なのかは分からないが、きっと2人で出来る量では無い事だけは分かった。

 

「他の方々はそれほど手が掛からないようですし、日下部さん1人が一夏様に甘えても文句は無いと思いますよ?皆さんは日下部さんが出来るようにならないと成績が悪くなりますしね」

 

「うぅ……」

 

 

須佐乃男ははっきりと言い放ち織斑君の下へ戻って行った……本当の事だけどもう少しオブラートに包んで言ってほしかったなぁ……

 

「でも、須佐乃男が言った通り、私が出来ないと皆に迷惑が掛かっちゃうんだもんね」

 

 

私は何とかして出来るようにしなきゃと意気込んだが、織斑君に休んでるように言われたのを思い出し今は落ち着く事にした。どうせ今此処で意気込んでも意味は無いのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須佐乃男に伝言を頼んでいる間に、他のメンバーには歩行から飛行への移行をやってもらっている。初めは手こずった子も、2回目3回目には出来るようになった。基本的にはIS学園に入れるだけで凄いと称されるので、コレくらいは楽勝なようだ。

 

「それじゃあ最後にもう1回だけやってもらおうか」

 

 

完璧に出来るかどうかの確認の意味もこめてもう1回やってもらう事にした。その間に他のグループに状況も把握しておきたかったからだ。

 

「(他のグループも問題無くやってる様子だな……本音のところだけが若干他より遅いのが気になるが、それも大した問題では無いか)」

 

 

全員が歩行から飛行に移行出来てるグループはまだ無いようだが、それも時間の問題だろう。残り半分となった実習時間で全員が出来るようになるのはほぼ間違い無いだろう……日下部さんを除いてだが……

歩行も危なっかしかったが、飛行がまともに出来ない状況から、残り半分の時間で何処まで出来るようになるのか分からないからな……教える側にもそれ相応の覚悟が必要になるだろう……怨むぞ、千冬姉。

恐らく日下部さんの実技成績を知っていてこのグループに配置したのだろう千冬姉に心の中で恨み言を並べ、今度何かして仕返ししてやろうと決めた。

 

「織斑君~皆終わったよ~」

 

「あぁ、見てたよ。お疲れ様」

 

 

日下部さんを除く全員が歩行から飛行への移行を完璧にこなして見せた。これで後は俺と日下部さんの問題だな……

 

「それじゃあ終わった人は残り時間は休んでいていいぞ」

 

「やった!」

 

「後は日下部さんだけだもんね」

 

「織斑君、頑張ってね」

 

 

他のメンバーも大方同じ事を言って隅に移動していった。織斑先生がニヤリと笑ってたのは見間違えでは無いだろう……やはり確信犯だったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑君の傍から他のメンバーがこっちにやって来た……つまり他の人は今日のカリキュラムを終わらせたのだろう……

 

「日下部さん、頑張ってね」

 

「織斑君に手取り足取り教えてもらえるなんて、この贅沢者!」

 

「応援してるからね」

 

「うん……頑張る……」

 

 

聞こえもしない副音声を勝手に感じ取ってしまった私には、皆の声援を聞くのが嫌だった。

無能、落ちこぼれ、辞めちゃえ……ありもしない言葉を勝手に聞いて落ち込んでいる私に、織斑君が話しかけてくれた。

 

「落ち着いてやれば出来ると思うから、とりあえずはやってみよう」

 

 

織斑君はそう言って打鉄の傍に移動して行ってしまった……織斑君からは副音声が感じ取れなかったな……やっぱり私の勘違いだったのかな?

他のメンバーもそんな事を思って無かったのだろうか、それとも織斑君は私に感じ取らせないようにしたのだろうか……ISに関してはダメダメな私だが、人の本音は結構感じ取れる方なのだ。

 

「(でも、後ろからはそんな声がいっぱい聞こえる……)」

 

 

成績が掛かってるのに私が同じグループに居たらそれだけでかなりのハンデなのだ。副音声が聞こえて来ても仕方の無い事だと分かっているのだが、それでも言われていい気分では無いのだ。

 

「日下部さん?」

 

「はい!?」

 

「考え事してるところ悪いけど、とりあえず打鉄に乗ってくれないか?」

 

「え?……ゴメンなさい!」

 

「いや、謝らなくていいから」

 

 

織斑君の接近にも気付けなかったし、その後で言われた事を理解するのにも時間が掛かってしまった……織斑君が少し呆れてるのが分かった。

 

「まずは歩行からやってみよう。落ち着いてやってごらん」

 

 

織斑君に言われ、私は気持ちを落ち着かせ歩行する事にした。ビックリした事に、織斑君の言う通り落ち着いてやれば問題無く歩行する事が出来たのだ。

 

「ストップ。それじゃあ向きを変えてもう1度」

 

「分かった」

 

 

織斑君が隣に居てくれるのも落ち着ける要因かもしれない。織斑君からは副音声が聞こえないし何かあっても助けてくれるだろう安心感が織斑君からは感じられるからだ。

 

「そうそう。上手いじゃないか」

 

「織斑君が居るからかな?」

 

「俺はただ隣に居るだけだ。これは日下部さんの元々の実力だろう」

 

 

織斑君はうんうんと頷きながら空を指差した。

 

「今度は飛行してみよう。こっちも落ち着いてやれば出来るから」

 

「うん、頑張る!」

 

 

私は自分1人では絶対に出来なかっただろう歩行を織斑君の助けを得て完璧にこなし、次は苦手な飛行だと言うのに自信が溢れていた。何があっても織斑君が一緒なら大丈夫!そう思えたから。

 

「そうそう……それじゃあゆっくりと飛んでみてくれ」

 

 

上昇を終えた私は、織斑君に言われた通りゆっくりと空中を移動……つまり飛んでみる事にした。普段なら地に足が着いていないだけで慌ててしまうのだが、織斑君が傍に居ると不思議と安心して飛ぶ事が出来た。

 

「徐々にスピードを上げて」

 

「うん」

 

 

ゆっくりとスピードを上げ、訓練機で出せる半分までスピードを上げた。

 

「やれば出来るじゃないか」

 

「織斑君のおかげだよ……」

 

「俺はさっきから何もしてないんだがな」

 

「居てくれるだけで役に立ってるんだよ、織斑君は」

 

「?」

 

 

どの様に役に立ってるのか分からない風の織斑君は、凄いスピードで飛びながら首を傾げていた。

 

「それじゃあもう少しスピードを出して、次は停止してみてくれ」

 

「分かった」

 

 

空中での停止……1回も成功した事の無い事だが、不思議を恐怖感は無かった。コレもやはり織斑君が傍に居るからなのだろうか?

 

「(普段はドキドキするんだけど、今だけは落ち着ける……やっぱり裏表の無い表現をしてくれるからかな?)」

 

 

昔から人の心の声(私は副音声と呼んでいる)が聞こえてた所為で、私はまともに人と付き合うのが怖かったのだ。中学の時の友達はそう言った副音声が少ない人と仲良くしていたのだが、それでも聞こえてしまってたのだが、織斑君からは副音声が一切感じ取れないのだ。

 

「(私より優れた織斑君なら、副音声を感じさせない事くらい出来るだろうけど、織斑君は私が副音声を聞き取れるのを知らないし、やっぱり裏表の無い言葉なんだろうな)」

 

 

私は織斑君の言う通りスピードを更に出し、その後で空中で停止してみせた。今まで1回も成功しなかった停止が出来た、これで少しは自信が持てるかもしれない……

 

「よし。それじゃあ最後は一連の動作を一気に出来れば終了だ」

 

「私、頑張るから!」

 

「その意気だ」

 

 

織斑君は今度は隣にはいてくれないけど、見守ってくれてるのは分かるから、それで多分私はまともにISを動かす事が出来るだろう。

 

「(何時かは織斑君が居なくてもまともに動かせるようにならなくちゃね)」

 

 

別に私と織斑君は付き合ってる訳でも無いし、何時までも織斑君無しじゃまともに動かせないようじゃあの副音声も消えないだろうしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思ってたよりも時間が掛からずに終われそうだ。日下部さんは落ち着いて操縦すれば実技で赤点を取るような人では無いようだった。

 

「(一夏様が落ち着かせてたんでしょうね)」

 

 

日下部さんにも言われたが、俺は別に何もしてないぞ。ただ隣に居ただけだ。

 

「(それが日下部さんには心強かったのでしょうね)」

 

 

何だそれ……

須佐乃男の言っている事がイマイチ分からなかったが、それ以上の説明は須佐乃男の方でしてくれないようだったので一先ず置いておく事にした。それよりも今は日下部さんがまともに出来るかどうか見てないとな。

 

「(千冬姉も見てるようだし)」

 

 

目で確認しなくてもあの人の事なら何となく分かる。恐らく向こうも同じように分かるのだろうが、それだけ長い時間一緒だったって事だろうな。

 

「出来た……出来たよ、織斑君!」

 

「ああ、見てたよ」

 

 

歩行から飛行への移行、そしてある程度飛んでからの停止、そして地上への降下……その一通りの動作を問題無くこなした日下部さんが嬉しそうに飛び跳ねている。よっぽど嬉しかったのだろうな。

 

「これで次の実技試験は平気だろう」

 

「まだ不安もあるから、もし織斑君が平気ならまた教えてくれるかな?」

 

「時間が合えば教えよう」

 

 

偶にアリーナを使って訓練してるし、その時間にISの使用許可が取れればいくらでも教えよう。別に俺は教える人を決めている訳では無いし、嫌な気分を感じさせない相手なら誰でも教えるつもりなのだから……

 

「(良かったですね、一夏様。また1人クラスにお友達が出来そうですよ)」

 

 

須佐乃男の言う通り、今まで怖がられてたはずの日下部さんと友達になれるかもしれないのだ。これで弾や数馬に馬鹿にされる事が減ったな。




実技ダメ、座学もダメじゃ可哀想だったので特殊能力を持たせました。

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