もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

155 / 394
漸く希望者を確認するところまで行きました……あと、一応新キャラ扱いのキャラも登場します


希望者は問題児?

結局ろくに寝る事は出来なかったが、隣で幸せそうに寝ている簪を見て、とりあえずは良かったのかと思った……1日くらい寝なくても何とでもなるからな……

 

「(少しやけくそ気味な気もしないが、まあ平気だろう)」

 

 

何時のより少し早いが外に出て身体を動かそう。そうすれば眠気も取れるだろうし、ウダウダ考える暇も無くなるだろう。

 

「(そうなると、簪を如何にかしないとな……)」

 

 

思いっきりしがみついて寝ている簪を起こさないようにベッドから抜け出すのは神経を使うだろう……タイミングさえつかめれば一気に抜けられるが、1度逃すと難しいだろう……

 

「(チャンスは1回だろうな……)」

 

 

簪の呼吸に合わせてタイミングを計る……

 

「(今だ!)」

 

 

一瞬の隙を突いて腕を簪からはがし、起こさないでベッドから脱出する事に成功した。

 

「(良く考えると、何で自分のベッドから外に出るためにここまで苦労しなきゃいけないんだろうな……)」

 

 

3日に1回はこう言った事になるのだろうか……そう考えると無理して変わろうとした自分の行動が恨めしく感じた。

 

「(今更無しにしてくれとは言えないし、何処かでゆっくりと休む日を設けるとするか)」

 

 

俺が言い出した事だし、喜んでくれるのならこれくらいの疲労は苦にならないだろう……若干現実逃避気味にそう考えて部屋の外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何時も以上に早く起きた私は、気分転換も兼ねて軽く走る事にした。

 

「さすがに誰も居ないよね~」

 

 

時刻は午前4時……こんな時間から起きている人はこの学園に居るのだろうか。

 

「あれ?」

 

「ん?エイミィ、やけに早いな」

 

 

誰も居ないと思ってたが、この学園には一夏君が居たんだっけ……既に走り始めていた一夏君は、私の姿を見つけてこっちに駆け寄ってきた。

 

「一夏君だって早いでしょ?」

 

「俺は何時もより少しくらいだが、前にエイミィは遅いと8時くらいまでは寝てるって言ってただろ」

 

「今日は偶々……」

 

「随分と歯切れが悪いな」

 

 

本当は悩み事があってそれについて考えてたら全然寝れなかっただけなんだけど、そんな事を一夏君に言っても仕方ないからね……

 

「何か悩み事か?」

 

「大丈夫大丈夫……」

 

「とても大丈夫に見えないんだが」

 

「あ、あはは~……」

 

「………」

 

 

何とか誤魔化そうと必死の私を、一夏君は無言で見つめてくる……普段なら一夏君に見つめられたらドキドキするんだろうけど、今は別の意味でドキドキしてるし、冷や汗も出てきてる。心の中を見透かされてるような視線に、無言のプレッシャーはとてもじゃないけど高校生女子に耐えられるものでは無いだろうな(多分大人でも無理だと思う)。

 

「ほ、ほら!一夏君も身体動かすんでしょ!」

 

「何かを隠す時に人は饒舌になるそうだが、今のエイミィはそんな感じがするぞ」

 

「気のせいだよ~。私は何も隠し事なんてしてないし、一夏君に相談しなきゃいけない事も無いよ~」

 

「俺は何か悩み事かとは聞いたが、本当に何か悩んでるんだな」

 

「うう~……」

 

 

一夏君相手に油断したわけでは無いのだが、あっさりと悩み事がある事を見透かされてしまった。

 

「俺でよければ聞くが、走りながらで良いか?」

 

「うん……」

 

 

聞いてくれるだけで私の気持ちが晴れるのなら誰彼構わず話しまくるのだが、これはそう言った類の悩みじゃ無いし、一夏君からを程遠い悩みだしな……

 

「それで、いったい何を悩んでるんだ?」

 

「今度のテストの事で……」

 

「テスト?」

 

「そう……」

 

「テストって授業をどの程度理解してるかの確認のためのテストの事か?」

 

「そうだよ……」

 

「それとエイミィが悩んでるのに何の関係が?」

 

 

一夏君は本気で分からないといった感じで首を傾げた……もの凄いスピードで走りながら。

 

「ちょっと早いよ……」

 

「ああ、すまない」

 

「ぜーぜー……」

 

 

さっきから私の口数が少なめだったのは一夏君に付いていくだけで精一杯だったからだ……これでまだ実力の半分も出してないんだから、同じ1年生なのかと疑いたくなる人が居ても仕方ないよね~。

 

「それで、エイミィがテストで悩んでる理由は何だ?」

 

「一夏君、1学期のテストの順位見てないの?」

 

「あまり興味も無かったし、見る前に誰かが俺の順位を教えてくれたからな」

 

「そっか……」

 

 

なら知らなくても仕方ないのかな……

 

「一応近しい人の順位は知ってるが、エイミィのは聞いてなかったな」

 

「うっ!」

 

「ん?」

 

 

とても聞かれたくない事だったので、思わず声が漏れてしまった私を不思議そうに一夏君が見てる……きっと何で声を漏らしたのか分からないのだろうな。

 

「私は~……その~……え~っと……つまり……」

 

「もしかして悪かったのか?」

 

「グフゥ!」

 

「そんな大げさにリアクションしなくても……」

 

 

私は胸を押さえながらその場に座り込む演技をしたが、一夏君には私の渾身の演技もリアクション芸として片付けられてしまったようだ……何か悲しいな……

 

「代表候補生だったよな?」

 

「技術と知識は比例しないんだよ!」

 

「まぁ、俺の傍にもそんなヤツが居るし、何となく分かるんだが……ちなみにどれくらい悪かったんだ?」

 

 

一夏君に聞かれ、私は自分の成績を保存している携帯からそのデータを呼び出し、一夏君に見せた……

 

「あー……これはまあ……うん……」

 

「素直に言っても良いよ?」

 

「そうか?……結構ヤバイな」

 

 

赤点こそ取ってないものの、私の成績は国家代表候補生としては褒められる成績では無い……むしろ怒られるだろう成績なのだ。

 

「苦手なのか?」

 

「だって難しい言葉ばっかだし……」

 

「そんなんで良く候補生になれたな」

 

「実技は候補生の中でもトップクラスだったし、訓練機同士なら代表生にだって勝った事あるんだよ!」

 

「でも、これほどまでに酷いとはな……」

 

「うう~……」

 

 

一夏君に言われ、私は改めて自分の成績の酷さを実感した……学年順位も下から数えた方が早いかもしれない……いや、確実に下からの方が早いのだ。

 

「テストって明日だよな?」

 

「ウチのクラスは明後日……」

 

「なら、勉強すれば何とかなるんじゃないか?」

 

「そんなの言えるのは一夏君が授業をちゃんと理解してるからだよ!」

 

「お、おぅ……」

 

 

私の剣幕に一夏君が若干押されている……

 

「なら、俺が教えようか?」

 

「え?」

 

 

一夏君が何を言ったのかちゃんと理解出来なかった……あまりにも唐突だったので脳が理解するのに時間がかかったのだ。

 

「まだ正式に決まっては無いが、クラスの希望者だけを集めて今日の放課後に勉強会を開く予定なんだが、簪も受けたいって言ってたし、他クラスで交流のある人なら良いかなと思ってるんだが、エイミィも来るか?」

 

「良いの!!」

 

「他にも教えられそうな人も来るし、少し増えたくらいでは問題は無いだろう。それに、本音程では無いにしても、エイミィも相当ヤバそうだしな」

 

「面目次第もございません、ハイ……」

 

 

私がふざけてそう言うと、一夏君は――

 

「何時の時代の人間だよ」

 

 

――と言って笑ってくれた。

一夏君につられて私も笑ったが、これで不安が解消されたわけでは無いのだ。むしろこれからが本番なのだろう。勉強会に参加したからと言って、それだけで頭が良くなるのなら誰も悩まない。ちゃんと理解してそれを試験でも発揮出来るのかどうかは結局は私自信の問題なのだから……

 

「それじゃあエイミィも参加っと……」

 

「でも、本当に良いの?」

 

 

一夏君は優しいからダメとは言わないだろうが、ただでさえ忙しいだろう一夏君が成績不良者に付き合って勉強してたら他の事が出来ないのではないのだろうか……

 

「身内にもっと酷いヤツも居るし、どうせ教えるのなら何人居てもそう変わらないだろう」

 

「いや、変わるとは思うけど……」

 

 

私のツッコミに一夏君はそうか?と首を傾げたが、世話にならなきゃいけない状況だし、下手したら補習とかになっちゃうかもしれないし……

 

「決まったらメールする」

 

「お願い……」

 

 

これで少しはテスト対策も出来るかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のHR前に希望者がどれくらい居るのか確認しておきたい……俺は教室で静寂を見つけ協力してもらう事にした。

 

「すまないが頼めるか?」

 

「一夏君が聞いたほうが希望者は居ると思うけど?」

 

「浮ついた気持ちで参加されてもな……」

 

「そっか、効率落ちちゃうもんね」

 

「本当にヤバイ人だけの方が逆に楽だろうし」

 

「ペース気にしなくていいから?」

 

「それもあるが、中途半端に理解してると、それが間違ってた場合に教え直すのが面倒だろうしな」

 

「分かった。聞いてみるよ」

 

「助かる」

 

 

静寂はクラスでも全員と仲が良い方だし、静寂が聞けば本当にヤバイ人は喰らいついてくるだろうしな……学年5位、クラス2位の静寂なら頼りになると思う人は多いだろうから。

 

「(俺が聞くと大丈夫なヤツまで参加しそうだしな……)」

 

 

例えばシャルとか、篠ノ乃とか、セシリアとか……行動に問題はあるが別に知力に問題の無いヤツらだし、参加して引っ掻き回されたら堪らない……

 

「(本音や須佐乃男に頼まれた時は如何かと思ったが、意外とキツイと思ってる人は多いのかもしれないな……)」

 

 

自分の席に座りながら、考え事をしてる風を装って腕を組む……このポーズをしてると意外と話しかけられないのだ。

 

「(それが良いのかは、今の俺の交友関係を見れば分かるだろうがな……)」

 

 

特に不機嫌オーラを出しているわけでも、誰彼構わず怒ってるわけでは無いのだが、俺は簡単に話しかけられる相手だとは思われていないようだ……

 

「(まぁ、初日にセシリアや篠ノ乃とやらかしたからな……)」

 

 

クラスメイトは当然その光景を目の当たりにしてるのだし、下手して怒られたら堪らないとでも思ってるのかもしれないな……

 

「(それでも、最近は話しかけられる回数は増えてるよな?)」

 

 

静寂は授業に関係ある事からまったくの無関係な事まで聞いてくれるし、相川さんや夜竹さんとは挨拶は交わしている……それ以外にも話しかけられるのだが、何処か恐々とされると傷つくんだがな……

 

「あの~……」

 

「?」

 

 

蚊の鳴くような声で話しかけられ、俺は一瞬自分に掛けられた声だとは気付けなかった。

 

「あの~!」

 

「はい?」

 

 

えっとこの子は確か隣の席の……誰だっけ?大人しく影の薄い彼女は、3ヶ月隣に座ってるのだが名前が出てこない……

 

「少し良いですか?」

 

「構わないが……」

 

 

見た目通り内気なのだろうか、強い口調で話したら逃げ出しそうな雰囲気を醸し出している彼女……名前なんだっけか……

 

「織斑君は明日のテストなんて気にしてませんよね……」

 

「いや、そうでもないが……」

 

 

主に彼女や義妹や友人の所為で気になっているのだがな……だが、何でそんな事を聞いてくるんだ?

 

「でも、織斑君は学年1位ですし……」

 

「あれは偶々だと思う。次に同じようなテストがあったとして、また1位を取れるかなんて分からないしな」

 

 

これは謙遜ではなく本音だ。あの時は偶々選択問題の正解率が高く、勘で答えた問題も結構正解してただけだ。実力で学年2位の簪に次も勝てる自信などある訳無いのだ。

 

「でも、少なくとも私よりは頭良いですよね?」

 

「ここで頷くヤツは居ないだろう……」

 

 

自分が頭良いと思って口に出しているヤツらほど実は大した事無い……中学の時にそんなヤツが居たから成績表を見せてもらったが案の定だったしな。

 

「私、本当に自信が無くって……」

 

「そうなのか?」

 

 

授業では特に問題なさそうだった気がするんだが、もしかしてテストになると実力を発揮出来なくなるタイプの子なのだろうか?

 

「布仏さんとあまり順位変わりませんし……」

 

「布仏って本音の事?」

 

「はい……」

 

「それは……」

 

 

何と言っていいのか言葉に困った……本音と同じくらいって事は確実に学年順位は下から数えた方が早いのだろう……そこまでお馬鹿には見えないんだがな……

 

「もしかして緊張で実力を出せない人?」

 

「いえ、そうではないんですが……」

 

「じゃあ範囲を間違えて勉強したとか?」

 

「それも違います……」

 

「じゃあ何で?」

 

「それは……」

 

 

それは?

 

「単純に勉強が苦手なんです……」

 

「でも、授業では問題無さそうだったけど……」

 

「だって質問するのにも勇気が要りますし……他の人に聞くのも恥ずかしいです」

 

「じゃあ何で俺に?」

 

 

多分だけど、今の相当勇気を振り絞って俺に話しかけてくれてるんだろうな……

 

「織斑君になら相談しても言いふらされないと思ったから……」

 

「多分誰に聞いても言いふらさないと思うんだが……」

 

 

そんな性悪、このクラスに限らず学園に居ないと思うのだが……

 

「一夏君、ちょっと良いかな?」

 

「ん?ちょっとゴメン」

 

 

静寂に呼ばれ、俺は彼女から離れた。

 

「参加したいって答えたのはクラスの1/3くらいね」

 

「そうか……なら静寂と簪が手伝ってくれれば何とかなるな」

 

「やっぱり私は教える側なんだね」

 

「教わっても意味無いだろ?」

 

「さぁ?……ところで、随分と仲良さそうだったけど?」

 

「茶化すな」

 

「ゴメンゴメン……それで、何話してたの?」

 

 

静寂に聞かれ、俺は話して良いものなのか考え、直接本人に聞いてもらった方が良いだろうと思って参加するかどうか静寂に確認してもらう事にした。

 

「参加するってさ」

 

「そうか……」

 

 

参加するメンバーの名前が書かれた紙を静寂から受け取りざっと目を通す……やはり候補生は参加しないようだな。

 

「一夏君が教えるって言えば全員参加だったでしょうがね」

 

「そうなると静寂が苦労する事になるんだぞ?」

 

「それは勘弁願いたいわね」

 

「だから静寂に聞いてもらったんだ」

 

「一夏君が面倒だからじゃ無かったのね」

 

「さっきも言っただろうが……」

 

「建前かと思ってたわよ」

 

「ヒデェな」

 

「あら、ごめんあそばせ」

 

「「……プッ」」

 

 

俺が口調を崩し、静寂がこれ見よがしに上品な口調で対応した。そして同時に堪えられなくなり噴出したのだ。

 

「似合ってないぞ、静寂」

 

「一夏君こそ、無理矢理感満載よ?」

 

「まぁ、あまり使わないからな」

 

 

弾や数馬相手になら結構粗暴な言葉遣いをする事もあるが、この学園ではあまり使ってないからな……静寂に言われた通り、かなり無理矢理使ったんだが似合ってないようだな。

 

「あまりって事は、偶には使ってるの?」

 

「まぁ男友達相手には結構ああ言った感じの言葉遣いになるが」

 

「その人ってこの前文化祭に来てた赤毛の人?」

 

「見たのか?」

 

「だってその場に居たんだから」

 

「そりゃそうか……」

 

 

弾はこのクラスにも来てるし、静寂が弾の事を見ててもおかしくは無いか。

 

「随分と一夏君とはタイプの違う感じがしたけど、仲良くなったきっかけは何だったの?」

 

「唯単にクラスが同じだったからだが?」

 

「それだけ?」

 

「後は、俺がISに乗れるって分かった後でも態度を変えなかった1人だからだろうな」

 

 

それより前には他にも友達と呼べる相手は居たが、俺がISを動かせると知った後に疎遠になったり態度を変えて接してくるようになったので、此方から離れていった感じになったのだ。

 

「仲良いんだね」

 

「悪くは無い」

 

「1人って事は、他にも居るって事だよね。誰?」

 

「変えなかったのは後2人。1人は2組の鈴だ」

 

「ああ、凰さんね」

 

「もう1人は言っても分からないだろうから省略だ」

 

「男?女?」

 

「男だが……静寂も女の子なんだな」

 

 

ここまで喰い付いてくるとは思って無かったのだが……ゴシップネタでも無いのだが、この歳の女子は噂話に興味津々ってのは本当なんだな……噂話ではないが。

 

「だって一夏君の事ってあんまり知らないし」

 

「言いふらすような事でも無いしな」

 

「そっか……そのお友達とは今でも会ってるの?」

 

「夏休みに会ったな……その後はバイトが忙しいとかであまり会えてないが」

 

 

数馬のヤツ、ギャルゲーやらそう言った本やらを買うためにバイトしてるらしいが、そんな事に本気にならないで現実に目を向ければモテると思ってるんだがな……本人がそれで良いのなら俺がとやかく言う事でも無いと思って言っては無いが。

 

「一夏君のお友達は個性的なんだね」

 

「静寂もその1人だぞ?」

 

「それは光栄ね」

 

「……個性的と言われて喜ぶのか?」

 

「そっちじゃなくって、一夏君とお友達って言われた事がだよ」

 

「それもそれで喜ぶ事では無いとは思うんだが……」

 

 

友達の少ない俺だが、だからと言って友達判定されて喜ぶのも如何かと思うんだがな……まぁ静寂がそれで良いのなら別に良いが……

 

「そろそろ織斑先生来ちゃうから戻るね」

 

「あぁ。コレ、助かった」

 

「如何いたしまして」

 

 

静寂はそれだけ言って自分の席に戻って行った。

 

「織斑君と鷹月さんて仲良いの?」

 

「ん?まぁ悪くは無いかな」

 

 

隣の席の子と話してたのをすっかり忘れてたが、彼女は忘れられてた事など気にした様子も無く話しかけてくれた。名前、何だっけ……本当に思い出せないぞ。

 

「無駄話は止めて席に着け」

 

「おっと」

 

 

織斑先生登場で途中で会話を打ち切ったが、彼女は特に不満そうな顔もせずに前を向いて座っている。

 

「今日は1時間目から実習だからな。HRが終わったらすぐに準備をするようにな」

 

「「「「はい!」」」」

 

「ではHRを始める」

 

 

連絡事項を伝え、織斑先生は特に何も無いのなら準備しろとだけ言って教室から出て行った。別に教師のすることにとやかく言うわけでは無いが、もう少し愛想良く出来ないものかね、ウチの義姉は……

 

「(まぁ、満面の笑みで来られたら気持ち悪いのは否定しないが……)」

 

 

あの人の満面の笑みなど、義弟である俺ですら想像出来ない……それどころか見たことすら無いかもしれないぞ……

 

「(マドカを少し大人っぽくして考えればいけるか?)」

 

 

俺はくだらない事を考えながら更衣室に向かった……そんな事より、あの子の名前が分からないぞ……何だっけな?




キャラ絵はあるのに名前の無い彼女……十分可愛いのですが、名前が無いので原作には殆ど関係してません。次回あたりに勝手に名前をつけようかと思ってます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。