もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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累計文字数が100万字を超えてる……そんなに書いたのか


一夏の成長?

昨日のパーティーの片付けをしながら、一夏に私も勉強会に参加していいか確認を取った。

 

「簪も?」

 

「ダメかな?」

 

「ダメって事は無いが……」

 

 

一夏は何かを渋ってるように視線を逸らした……

 

「何か問題でもあるのかな~?」

 

「いえ、簪が勉強する必要なあるのかと思いまして……それに、少なからず人見知りをする簪が、俺のクラスの人間が多い……いや、ほぼ他クラスの人間の居る場所で勉強出来るのかと思っただけです」

 

「大丈夫!」

 

「……その根拠は?」

 

 

お姉ちゃんが胸を張って言い切ったのを見て、一夏は若干呆れ気味だが、言い切れる根拠があるのなら受け入れても良いと思ってくれたみたいだ……お姉ちゃんの示す根拠で私も一夏の授業を受けられるのか……頑張れ、お姉ちゃん!

 

「だって何人かは顔見知りだし、それに本音や須佐乃男、何より一夏君が居るんだから平気でしょ!」

 

「あっ、私も参加しても良いかな、お兄ちゃん」

 

「マドカも?」

 

「私、1学期の授業受けてないから、テスト範囲が分からないんだ」

 

「須佐乃男と似た状況なのか」

 

「マドカさん、一緒に頑張りましょう!」

 

「そうだね!」

 

 

マドカも参加するのなら、両隣に須佐乃男とマドカに座ってもらえれば緊張もしないだろう……それに、最近は人見知りもしなくなってきたし勉強に集中すれば問題無く進められるだろうな。

 

「学年2位の頭脳の持ち主が参加するような事でも無いんだがな……」

 

「かんちゃんは参加しても、しなくても平気なんでしょ~?」

 

「むしろ教える側なのでは?」

 

「そっちで参加してくれるなら歓迎なんだが……」

 

「……人数にもよるかな」

 

 

何人参加するのかは、今の時点では分からない。恐らく一夏が教師役をやると知ったら殆どのクラスメイトは参加するだろうし、他クラスもOKならばと大勢の参加者が見込まれるだろう。そうなってくると一夏1人では捌き切れないかもしれないから、そうなったら教師役でも参加しても良いと思う。

 

「多くても30人行くか行かないかだろうし、すでに静寂も教師として手伝ってくれるって言ってくれてるしな」

 

「「「「「静寂?」」」」」

 

「ん?」

 

 

一夏が鷹月さんの事を名前で呼んだことに、須佐乃男以外の5人が引っかかった。一方の一夏も何で私たちが気にしてるのか分からない感じで、首を捻って考えている。そしてすべてを知っているであろう須佐乃男は、どちらにも味方しないという雰囲気を出しているのだ。

 

「一夏君、私の記憶違いじゃなきゃ、鷹月さんの事を苗字で呼んでたよね?」

 

「そうですね」

 

「でも、今は静寂と名前で呼びましたよね?」

 

「ええ」

 

「いったい何が原因で?」

 

「本人が名前で呼んでって言ってくれたので」

 

「それでお兄ちゃんは簡単に名前で呼んだの?」

 

「まぁ、色々と教えてる内にクラスでは仲の良い方になってたし、文字数も減って呼ぶのが楽だしな」

 

「おりむ~らしい理由だ~」

 

「一夏はものぐさだからね……」

 

「やらなきゃいけない事はやってるぞ?」

 

「一夏様の場合はやらなくてもいい事もやってますがね」

 

 

須佐乃男の一言に、私と虚さんはお姉ちゃんを、一夏とマドカは本音を見た。

 

「え、何?何で私を見るのかな?」

 

「私はちゃんとやってるよ~?」

 

「自覚無いんですか?」

 

「本音、嘘は良くないと思うんだけど」

 

 

お姉ちゃんには虚さんが、本音にはマドカがそれぞれツッコミを入れた。

 

「えっと……それじゃあ一夏君は別に鷹月さんと付き合おうって事じゃ無いのね?」

 

 

旗色が悪いと感じ取ったのだろう、お姉ちゃんは無理矢理(強引とも言う)に話題を元に戻した。

 

「俺が静寂と?」

 

「うん」

 

「無いですね。そもそも、友人として付き合ってるので、そう言った感情はありませんよ」

 

「良かった」

 

「一夏さんの事ですから、そんな事では無いかと思ってましたよ」

 

「おね~ちゃんは結構本気で焦ってたくせに~」

 

「大体名前呼びしただけで付き合うのなら、俺はとっくに鈴と付き合って無きゃいけないでしょうが」

 

 

そう言えば、一夏は鈴の事を小学校の時から名前(愛称)で呼んでいるらしい。確かに私たちの原理に当てはめたのなら一夏と鈴は付き合わなきゃいけない事になってしまう……だが、現実は一夏と鈴の関係は親友だと思う(一夏は悪友だと言ってるけど)。

 

「おりむ~とリンリンはお友達だもんね~」

 

「付き合いが長いだけだ」

 

「またまた~!」

 

「何です?」

 

「一夏君って結構ツンデレさんなんだよね」

 

「俺がですか?」

 

 

一夏がツンデレ……それは如何なんだろう?

 

「だって今本音が一夏君と鈴ちゃんは友達だって言ったら認めなかったでしょ~?」

 

「事実を言っただけですが」

 

「そこがツンデレなんだよ」

 

「はぁ……」

 

 

一夏は話半分でお姉ちゃんに付き合っているようだ。ちゃんと聞いてはいるが、意識の大半は片付けに向けている。

 

「周りから言われると否定したくなっちゃうんでしょ?」

 

「別に、事実なら認めますが、鈴に聞いても恐らくは俺と同じ答えをすると思いますよ?」

 

「だって鈴ちゃんは完全にツンデレでしょ?」

 

「さぁ?」

 

「だから、鈴ちゃんと同じ答えをする一夏君もツンデレって事だよ!」

 

「………」

 

 

一夏は何かを考えるように黙っている。ひょっとしてお姉ちゃんが一夏を言い負かしたのだろうか……

 

「虚さん、片付け終わりました?」

 

「もう少しですね」

 

「聞いてないの!?」

 

 

一夏はお姉ちゃんから興味を完全に失ったようで、片づけを必死にしていた虚さんに声を掛けた。大体お姉ちゃんが必死にツンデレだって言っても、それは単なるサボるための無駄話だと思われてるんだろうな……

 

「そう言えばお兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「馬鹿共への制裁は終わったの?」

 

「「「「馬鹿共?」」」」

 

 

マドカが言う馬鹿共の正体が分からない更識、布仏姉妹の声が重なった……一夏と須佐乃男は誰だか分かったみたいで、一夏は面倒くさそうに、須佐乃男は同情しているような表情でそれぞれ頷いた。

 

「今朝居なかったのと、午後の授業に出なかったのはそれが理由だ」

 

「そっか……しっかりと反省させた?」

 

「そのつもりだったんだがな……」

 

「何かあったの?」

 

「説教したすぐ後に更なる馬鹿話をしてたからよりキツイお仕置きをしておいた」

 

「やっぱり馬鹿なんだね」

 

「世間では天才だと言われてる方々なんですがね……」

 

「世間が思ってるの幻想だからな」

 

「実際はただの変態趣味の駄目女って事だよね」

 

「……あながち否定出来ませんね」

 

「ねえねえ、それって誰の事なの~?」

 

 

3人で進められていた会話に、とうとう我慢出来なくなったお姉ちゃんが甘えるように一夏に聞いた。

 

「少し考えれば分かると思いますけどね」

 

「それって教えてくれないって言ってるの?」

 

「さぁ、如何でしょう」

 

 

一夏ははぐらかす事もせず、かと言って教えてくれる訳でも無くそのまま片付けを続けている。

 

「教えてくれないなら、この後一夏君がお風呂に入ってる時に襲い掛かってやるんだからね!」

 

「お嬢様!」

 

「だってそう言えば教えてくれるでしょ?」

 

 

一夏はお姉ちゃんや本音がお風呂に強襲するって言えば大抵の事は折れてくれる。そう言う事をしてるから一夏がしなくてもいい苦労をするんだってば……

 

「ちゃんと前を隠してくれるのなら良いですよ」

 

「あれ~?」

 

「えっ、一夏……本当に良いの?」

 

 

まさか承諾されるとはお姉ちゃんも思って無かったのだろう。条件付きだとは言え、まさか一夏が一緒にお風呂に入ってくれるなんて……でも、如何言う風の吹き回しなのだろう。

 

「まぁ、偶にならな」

 

「やった~!」

 

「お兄ちゃんと一緒にお風呂!」

 

「どんな水着が良いですか?」

 

 

一夏と一緒にお風呂に入れると単純に喜んでいる本音と須佐乃男とマドカ。だけど私とお姉ちゃんと虚さんは3人のように素直に喜ぶ事が出来なかった。

 

「な、何が目的なの?」

 

「もしかして意趣返しですか?」

 

「それとも一夏、具合悪いの?」

 

「ヒデェ言われようだ……そんなに俺が一緒に入るって言ったら変ですか?」

 

「「「変(です)」」」

 

「………」

 

 

3人に声を揃えて変だと言われた一夏は、言葉を無くしたみたいに口をパクパクと動かすだけだった。

 

「あはは~、おりむ~が鯉のマネしてる~!」

 

「そっくりですね~」

 

「試しにこれでも食べさせる?」

 

 

無邪気にはしゃいでいる3人は、一夏の口元にクッキーを近づけて遊んでいる。

 

「別に鯉のマネをしてる訳じゃねぇよ!」

 

「じゃあ何で口をパクパクしてたの~?」

 

「3人揃って否定してくるとは思って無かったからな」

 

「ですが一夏様、何故一緒に入っても良いと思ったのですか?」

 

 

私たちが聞きたかった事を須佐乃男が聞いてくれた。そう、そうだよ!何で急に一緒に入ってもいいと思ったんだろう。私たちはそれが知りたかったのだ。

 

「別に深い意味は無いんだが……」

 

「じゃあ浅くても良いですよ?」

 

「浅い訳でも無いが、こんな紙が入っててな」

 

「これは小さい一夏様の字ですね」

 

「自分に説教されたから少しくらい改善しないと夢に出て来そうだし……」

 

「お兄ちゃんの夢に?」

 

「自分自身なんだから不可能では無いだろ」

 

「おりむ~にちっちゃいおりむ~が説教するの~?」

 

「具体的に如何やって仲良くするのかは分からないが、隠してくれるのなら一緒に入るのくらいは良いかなって思っただけだ」

 

「なるほど」

 

 

須佐乃男は一夏から見せてもらった紙を私たちにも見せてくれた。そこにはひらがなだけだったが、確かに一夏に字で――

 

『おねえちゃんたちともっとなかよくね!』

 

 

――と書かれていた。

小さい一夏に怒られたのか……一夏本人は見てないけど、あの姿で注意されたら従うしか無いもんね。

 

「別に刀奈さんたちが嫌なら無理にとは言いませんが……」

 

「嫌じゃ無いよ!」

 

「そうです、嫌じゃありませんよ!」

 

「むしろ一緒に入りたいよ!」

 

「……そこまで喰い気味に来られると俺が断りたい気持ちになってくるんですが」

 

「あっゴメン……」

 

「いえ、謝られる事でも無いんですが……」

 

「兎に角、一夏は私たちと一緒にお風呂に入ってくれるんだよね?」

 

「毎日じゃ無いぞ。後、ちゃんと前は隠してくれないと困る」

 

 

一夏は再び注意事項を私たち全員に向けて言い、先にお風呂に入っていった。

 

「これは……夢?」

 

「現実ですよ、お嬢様」

 

「一夏君がデレた?」

 

「まだ言ってるの?」

 

 

もう一夏がツンデレかどうかの話は終わったでしょ……むしろまともに始まっても無かった気もするけどね。

 

「虚ちゃん、急いで水着の準備!」

 

「それくらいは自分でしてくださいよ」

 

「だって何処にしまったのか分からないんだもん!」

 

「胸張って言う事じゃ無いですよ!」

 

「タオルでの良いのかしら?」

 

「駄目だと思いますよ」

 

 

お姉ちゃんは注意事項のギリギリを責めようとしてるが、そんな事をしたら私たちまで一夏と一緒にお風呂に入れなくなりそうなので、虚さんと一緒に全力でお姉ちゃんを止めた。

 

「そうだ、須佐乃男!」

 

「何ですか?」

 

「私たちに新しい水着を出してよ!」

 

「それ、良いかも!」

 

「全員のですか?」

 

「私は今あるので良いです」

 

「そもそも私は水着なんてものを持って無いんだけど」

 

「おね~ちゃんとかんちゃんはサイズ変わらないからね~」

 

「「本音!!」」

 

 

虚さんと同時に本音に大声を出す……少しくらいは変わってるもん!

 

「マドカちゃんは水着持ってないんだ」

 

「前居たところは娯楽に一切興じれない場所だったから」

 

「そう言う事なら良いですが、楯無様や本音様みたいに、見つからないからって理由では出せませんよ」

 

「「ええ~!」」

 

「ちゃんと探してください!」

 

「「ぶぅ~!」」

 

「早くしないと一夏さんが出てしまいますよ?」

 

 

虚さんの脅しは効果があったようで、お姉ちゃんも本音も必死になって自分の水着を探している。

 

「ではマドカさんの水着ですが、サイズってどれくらいです?」

 

「えっとね~……」

 

「ふむふむ……」

 

 

マドカのサイズを聞いて須佐乃男がそのサイズの水着を具現化した……私より大きい……身長はそんなに変わらないのに、何で胸のサイズはこんなに違うんだ!

 

「あった!」

 

「こっちもあったよ~!」

 

「じゃあ行こうっか……如何したの、簪?」

 

「明日からいっぱい牛乳飲む……」

 

「私も付き合います……」

 

「?」

 

 

マドカは何で私と虚さんが牛乳を飲むと宣言したのか分からないようで、分かってそうな周りを見回したが、お姉ちゃんと本音はニヤニヤするだけで何も言わず、須佐乃男はまたかっと言った感じでそっぽを向いていた。

 

「頑張ってね♪」

 

「努力はきっと報われると思うよ~」

 

「えっと……良く分からないけど頑張って」

 

「絶対大きくなるもん!」

 

「私だって!」

 

「あの~……早く行かないと、本当に一夏様が出てきてしまいますよ?」

 

 

1人冷静に行動している須佐乃男に言われ、一先ず私たちはお風呂に向かった。……絶対に大きくなってやるんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲良くしろと言われても、いきなり変えられるものでも無い……俺は1人湯船に浸かりながら小さい俺に言われた事を考えていた。

仲良く無かった訳では無い。だが特別良かったのかと聞かれればそうでも無かったのかもしれない……

 

「そう考えると、付き合ってるのにデートとかしてねぇな……」

 

 

夏休みに一緒に出かけたりはしたが、個々でデートした事は殆ど無い。碧さんと簪とは一緒に出かけた事はあるが、あれは果してデートと形容して良いものなのだろうか?

 

「今度の休みにでも出かけてみるか……」

 

 

誰か1人……と言ったら喧嘩になるだろうから、2,3人で週変わりでなら平気だろうか?

 

「だが、何処に出かけるって言うんだ?」

 

 

買い物や散歩って訳にも行かないだろうし、かと言って遊園地や水族館などの定番スポットは混んでるだろうしな……

 

「う~む……」

 

 

俺1人で行き先を決めても、相手が行きたくない場所だってあるだろうしな……それに碧さんは簡単に休みが合わないし。

 

「いっそ学内デートか?」

 

 

だが、それだと何処に行けと言うんだ……寮生活で行こうと思えば何時でも行ける場所でデートして、果してそれは面白いのだろうか……

 

「日帰りだからな……あまり遠出は出来ないし」

 

 

長期休暇なら遠出も出来るのだが、ただでさえ出かけるのに厳重な手続きをしなきゃいけないのだ。遠出などおいそれと出来るものでは無い。

 

「弾に相談して……いや、アイツはあてに出来ないな」

 

 

榊原先生とは上手く行ってるようだが、榊原先生は仕事で、弾は補習とかであまり会えていないようだ……せっかく間を取り持ったんだから勉強くらいはしっかりしろよ。

 

「そうなると相談出来る相手は居ない……いや、静寂なら何処か良い所を知ってるか?」

 

 

普段から雑誌やら何やらを読んでいる静寂ならそう言った事にも詳しいかもしれない……だが、いきなり相談したら引かれるかもしれないし……

 

「分からん……」

 

 

そもそもデートとかの前に、俺って友達と何処かに出かけるって事もあんまりしてないんだよな……

 

「弾や鈴と遊ぶ時は考えるの数馬の担当だったし、数馬が居ない場合は鈴や弾が考えてたし……」

 

 

よくよく考えると俺って行動力ねぇのな……

 

「刀奈さんたちにも聞いて決めるのが一番良いかもしれないな……」

 

 

男としてそれで良いのかとも思うが、この際そう言ったみみっちい事は考えないでおくか。

 

「一夏君~!」

 

「お待たせなのだ~!」

 

「お兄ちゃん、背中流してあげるよ!」

 

「ズルイですよ!」

 

「お、お待たせ……」

 

「スミマセン、時間掛かりました……」

 

 

タイミングが良いのか悪いのか……相談しようと思った矢先に刀奈さんたちが風呂に入ってきた。

 

「いや~、水着が見つからなくってね~」

 

「普段着ないものですしね」

 

「お嬢様や本音はだらしないだけですよ」

 

「虚さんや私はちゃんと整理してたからね」

 

「それは分かってるが……やっぱり恥ずかしいな」

 

 

自分から言い出してなんだが、やっぱり人間簡単には変われないか……水着だと分かってるんだが、此処は海でもプールでもなく風呂場だから何だか意識してしまう……頭から追いやろうとしても視界からそれを認識してしまうのだ。

 

「ふっふ~ん!」

 

「何ですか?」

 

「お姉さんの色香に惑わかされても良いのよ?」

 

「おりむ~、私に惑わかされて~!」

 

「お兄ちゃん、似合ってるかな?」

 

「ここぞとばかりに……」

 

「ズルイですよ……」

 

「一夏様も大変ですね~」

 

「いや、楽しんでる顔して言われてもありがたく無いんだが……あと、マドカは似合ってるぞ」

 

「やった!」

 

 

刀奈さんや本音が誘惑してきているが、全裸で一緒に風呂に入った事だってあるんだ……一応だが。だからそれくらいの誘惑でかどわかされる事は無いのだがな……

 

「一夏、そんなにお姉ちゃんや本音の胸が良いの?」

 

「ん?」

 

「だって、じっと見てたから……」

 

「ちょっと考え事をしてただけだ。別に2人の胸を見てた訳では無い」

 

「考え事……ですか?」

 

 

どのタイミングで相談すれば良いのかを考えてたら、如何やら刀奈さんや本音の胸を見ているように見えたらしい……嫉妬してるのか?

 

「今度の休み、何人かと一緒にデートしようと思ったのですが……」

 

「「「「「本当!?」」」」」

 

「お兄ちゃんも彼女持ちの自覚が出てきたのね」

 

 

何で義妹にそれだけで泣かれなきゃいけないんだ……

 

「一斉にではなく、何回かに分けてしようと思ったんですが、行き先がまったく思いつかなくて。それで皆に相談しようと思ってたんだ」

 

「なら、一緒に行く彼女が行き先を決めて、支払いは一夏君に任せましょう」

 

「それで良いのなら俺は構いませんが」

 

 

情けないが、行き先の検討すらつかないのだ……せめて支払いはしっかりとしよう。

 

「ならそれで!」

 

「相手は如何やって決めるの?」

 

「それはそっちで決めてくれ」

 

 

ジャンケンでもテストでもISバトルでも……決められるのなら何だって構わないぞ。

こうして週末の予定はとりあえずデートと言う事で埋まった……情けないが当日はしっかりと楽しませないとな。




次回は勉強会に行けるかな?

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