もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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お菓子に対する知識が足りない……


気配りの出来る男

文化祭まであと3日、既に生徒の大半はお祭りムード一色で授業もまともに受ける態勢では無い。1年1組の生徒も例外では無く、授業中に織斑先生の出席簿アタックを喰らう生徒が普段の2倍以上に跳ね上がっている。

 

「貴様ら、浮かれるなとは言わないが、授業もしっかりと受けないと当日に補習する事になるからな!」

 

「しっかりと授業は受けましょうね」

 

 

これはもう何日も言われているセリフだが、日に日に浮かれていく生徒が増えているのであまり効果は無いようだ……織斑先生も山田先生も、半ば諦めているのだが、教師として授業を受けさせないと査定に響くから一応の注意はしているのだ。

 

「織斑兄、クラス代表なんだからしっかりと纏めろ」

 

「それは担任の仕事ですよね?」

 

「教師より生徒であるお前の方が纏めやすいだろ」

 

「本当に補習したら如何です?」

 

「当日に補習しても身が入らないだろうからな」

 

 

小声で責任をなすりつけあう教師と生徒。普通ならありえない光景だろうが、このクラスではこの光景は多々見られる、特に最近はその確立が高い。

 

「しっかりと授業を受けないのなら、今日の放課後の試食、無しにするぞ」

 

「なら、それは私がもらおう」

 

「……織斑先生と山田先生の分も一応作るんですが」

 

「なに、お前のお菓子ならいくら食べても気にならんからな」

 

「……最初から食べる気満々ですね」

 

 

脅しが効いたのか、クラス中に充満していた浮かれ気分は一瞬にして消え去り、授業を受ける態勢が整った。そこまでして食べたいのか……

 

「それでは授業を再開する。山田先生、お願いします」

 

「は、はい!」

 

 

その後はつつがなく授業が進み、織斑先生の出席簿アタックも発動回数は減った。普段からこれくらい真面目なら教師も楽なんだろうな……

 

「織斑兄」

 

「何ですか?」

 

「織斑妹は何処に行った?」

 

「マドカなら浮かれ過ぎて体調を崩したので今日は部屋で寝てます」

 

「では、布仏妹は?」

 

「本音も同様に体調を崩したため、今日は大事をとって寝かせてます」

 

「須佐乃男もか?」

 

「ええ。ちなみに更識姉妹も同様です」

 

「何処まで浮かれればそうなるんだ……」

 

「興奮からの寝不足、見回りでもらう試食の数、しかもそれを全部食べれば体調も崩れますよ」

 

「子供か、あいつらは……」

 

「高校生は一応子供ですよ」

 

「そうだな……」

 

「あの~……授業を再開しても良いですか?」

 

「ああ、すまない」

 

「邪魔してスミマセン」

 

「いえいえ!」

 

 

ついつい話し込んでしまった。授業中なんだから授業に集中しなくてはいけないよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、俺はお見舞いも兼ねて自室に戻る。何故兼ねるかと言うと、本当の目的がしっかりと休んでるか確認するためだからだ。

 

「何処行く気ですか」

 

「い、一夏君……如何して此処に?」

 

「おりむ~は授業中じゃ無いの?」

 

「もう昼休みだ。何故此処に居るのかは、お見舞いと監視ですね」

 

「お兄ちゃん、私たちの事信用してないの?」

 

「してるさ。だからこうして抜け出すと思ってたんだ」

 

「一夏様の信用、ありがたく受け取っておきます……」

 

「だから止めようって言ったのに……」

 

 

1人や2人抜け出すかなと思ってたが、まさか全員が抜け出そうとするなんて……俺は全員を部屋に押し戻し、キッチンに向かう。

 

「軽めの昼食を作っておきますから、大人しく寝ててください」

 

「面目無いわね……」

 

「うう~、おりむ~のお菓子が食べられないなんて……」

 

「お兄ちゃん、私たちの分は避けといて!」

 

「また今度作れば良いんだろ。今回は諦めるんだな」

 

「残念です……」

 

「昨日の自分が恨めしい……」

 

 

虚さんと俺を除くこの部屋の住人は此処最近の不摂生が原因で体調を崩したのだ。特に昨日の暴飲暴食は致命的なダメージを身体に与えた事だろう。

 

「今日1日安静にしてれば、当日まで寝込む事は無いでしょうから、全員大人しくしてるように言っておいたのに、如何してそれを守れないんですか」

 

「だって退屈なんだも~ん!」

 

「おりむ~は心配性なんだよ~」

 

「お兄ちゃんが心配してくれるのは嬉しいけどね~」

 

「過保護と申しますか、一夏様は色々極端なんですよ」

 

「それに、少しおなかが空いちゃって……」

 

「退屈なのは我慢してください。過保護じゃ無くて、お前たちが無鉄砲過ぎるんだ。おなかが空いたのは回復してる証拠だ」

 

「一夏君、何だかお母さんみたいだね」

 

「母親でも何でも良いですから、今は大人しく寝てる!」

 

 

キッチンにゾロゾロと入り込んできた6人をベッドに追いやり、朝炊いておいたご飯でおかゆを作る。そもそも俺は母親がどんなものか知らないんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「怒られちゃったね」

 

「おりむ~の勘の良さにはビックリだよ~」

 

「まさかあのタイミングで現れるとは思わなかった」

 

「一夏様の行動は読めませんが、一夏様は私たちの行動を読めるみたいですからね」

 

「一夏は心配してくれたんだよ」

 

「分かってるけど簪ちゃん、一夏君が私たちを信用して無かったのも事実なんだよ」

 

「大人しく寝てるって思ってなかったみたいだしね~」

 

「でも、抜け出すって分かってたから様子を見に来たんだよね?本当に、ある意味で信用してるんだね」

 

 

確かに、一夏君は私たちが抜け出すのを確信してるよな感じがした。それはある意味で私たちを信用しての行動なのだろうが、そっちで信用するんじゃ無くって、大人しくしてる方を信用してほしいな……

 

「一夏様に信用してもらうには、私たちの普段の行動は駄目でしょうね……」

 

「遊び呆けてるもんね……特にお姉ちゃんと本音は」

 

「「何でよ!?」」

 

「だって生徒会の仕事、まともにしてないんでしょ?」

 

「それは……あれよ」

 

「どれ?」

 

「おりむ~とおね~ちゃんがやった方が早いんだよ~」

 

「そうそう!私たちが手伝うより、一夏君と虚ちゃんの2人でする方が早いのよ」

 

「……それって如何なの」

 

 

4人で仕事するより、一夏と虚さんの2人の方が早いって……つまりお姉ちゃんと本音の処理スピードが遅いって事だよね?

 

「一夏様と虚様の処理スピードはもの凄いですからね~」

 

「私たちの3倍は早いからね」

 

「普段からしてないからじゃ無いの?」

 

「おりむ~もおね~ちゃんも最初っからすっごい早かったよ~」

 

「俺と虚さんが、何だって?」

 

 

一夏が人数分のおかゆをお盆にのせて現れた。5人分となると結構な重さになるのだけど、一夏は特に気にせずに片手でお盆を持っている。

 

「一夏君と虚ちゃんの処理速度は最初っから早かったって話だよ」

 

「それを言い訳に仕事をしないって事ですか?」

 

「「ギクッ!」」

 

「声に出してまで驚くんだ……」

 

 

マドカの言う通り、今時声に出して驚くなんてしないよね。だけどお姉ちゃんと本音はノリが良いからこう言う事もするんだよ……

 

「それ食べて午後もゆっくりと休んでれば明日には治るでしょう」

 

「午後も寝てなきゃいけないの~」

 

「退屈で死んじゃうよ~」

 

「そんな事で死ねるなら、年間何人の死者が出るんでしょうね」

 

 

一夏は笑っていた……顔は確かに笑ってるんだけど、目が笑ってない……本気、じゃないにしても、確実に怒ってる目だ。

 

「い、一夏君……怖いよ?」

 

「ほらおりむ~、私たちは大人しくしてるからそろそろ教室に戻った方が良いんじゃないかな~?」

 

「まだ気にする時間じゃないだろ。それに、俺は別に怒ってませんよ?」

 

 

嘘だ……須佐乃男やマドカも感じ取ってるだろうが、一夏の雰囲気は普段より威圧感多めになっている。もし、この場に子供が居たら泣き出すんじゃないかってくらいの威圧感だ。

 

「スミマセン、大人しく寝てます」

 

「私も~」

 

「そうですか……それじゃあ俺は生徒会の仕事があるのでこれで」

 

「あれ!?」

 

「まだ時間があるんじゃなかったの!?」

 

「ありますよ。でも、生徒会の仕事は山ほどありますからね……処理しても増える一方ですからね」

 

「ゴメンなさい……」

 

「明日からは、真面目に仕事します……」

 

「別に気にしなくて良いですよ。2人は見回りをしてくれてますから」

 

 

このセリフは一夏の本心からのものだろう。さっきみたいに威圧感を出すでも無く、自然体で言っている。多分だけど、本音は違うんだろうが本心からの言葉なんだろう……

 

「それじゃあ、お大事に」

 

 

それだけ言って一夏は本当に部屋から出て行ってしまった。

 

「それにしても……お兄ちゃんのおかゆは美味しいね」

 

「そうですね。ほんのり塩と梅の味がします」

 

「昆布だしも良い味出してるね」

 

「3人とも暢気におかゆ食べてる場合!?」

 

「おりむ~……怖かったよ~」

 

 

涙目で訴えかけてくるお姉ちゃんと本音……確かに怖かったけど、別に私たちは怒られてた訳じゃ無いし、せっかく一夏が作ってくれたおかゆなんだから、暖かいうちに食べたいじゃない。

 

「楯無様も本音様も、一夏様にあんまりストレスをかけちゃ駄目ですよ?」

 

「須佐乃男だって十分一夏君にストレスを与えてるじゃない!」

 

「そうだそうだ~」

 

「でも、私は楯無様や本音様よりは頻度少な目ですよ!」

 

「威張って言う事じゃ無いと思うよ……」

 

 

マドカがボソッと言った一言で、部屋の空気が固まった……私から言わせれば、マドカも十分一夏にストレスを与えてると思うよ。……私も気をつけた方が良いかも、特に最近はお姉ちゃんや本音と一緒に行動してるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「案の定抜け出そうとしてましたよ」

 

「お嬢様や本音の行動などお見通しですよ」

 

「さすがですね」

 

 

生徒会室で一夏さんとおしゃべりしながら溜まった書類に目を通す……昨日あれだけ処理したにも関わらず、1日でこれだけの量の書類が溜まる……文化祭で外部から来る方の資料や警備に当たる人たちのデータなど、重要なものが多いので、本来なら生徒会長であるお嬢様に見て頂きたいのだが、普段から書類に目を通さないので副会長の一夏さんに任せている。

 

「営業の人も来るんですね」

 

「この時期は1年生に売り込む企業や、未来の就職先にとアピールしに来るんですよ」

 

「必死ですね」

 

「IS業界は何処も人手不足ですからね」

 

「優秀な人材を確保するために必要な苦労って訳ですか」

 

「そう言う事です」

 

 

話ながらも、一夏さんは書類に目を通す事を中断する事は無く、それどころか処理済の書類がどんどん増えていきます……本格的に一夏さんを生徒会長にしたくなってきますよ……

 

「虚さん、如何かしましたか?」

 

「何故そんな事を?」

 

「いえ、さっきから手が止まってますし、俺の事見てますし……」

 

 

さすが一夏さん……書類を処理しながらも周りの事をしっかりと見ているなんて……やっぱりお嬢様より生徒会長に相応しいですね。

 

「一夏さん、生徒会長に興味はありませんか?」

 

「生徒会長……ですか?」

 

「ええ。一夏さんなら、生徒の見本となる生徒会長になるでしょうし、お嬢様よりよっぽど仕事出来ますし」

 

「……人間って、本音は二言目に出るって聞くけど、本当だったんだな」

 

 

一夏さんはしみじみとそんな事を言ってますが、私からすればどちらも偽らざる本音なのですが……

 

「そもそも女子生徒しか居ない学園で、俺を見本にしても仕方ないんじゃ……」

 

「生徒に男子も女子も無いでしょ?」

 

「細かな違いはあると思いますがね……」

 

「それでも、お嬢様よりはマシだと思いますよ」

 

「本人には聞かせられないセリフですね……」

 

「居ないから言えるんですよ。それに、一夏さんなら告げ口の心配もありませんし」

 

「随分と信頼されてるんですね、俺って」

 

「ええ、信頼してますとも」

 

 

溜まっていた書類にある程度の目処が立ち、残りは放課後私1人でする事になった。一夏さんは放課後はクラスの出し物の練習があるし、お嬢様と本音はそもそも戦力になりませんから……

 

「早めに終われば手伝います」

 

「期待しないで待ってますね」

 

 

時間なのでそれぞれのクラスに戻る事にした。別れ際のセリフは、何か付き合ってる2人みたいで、少し恥ずかしいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の授業はつつがなく終了し、放課後になった。1年1組には異様な雰囲気が充満している……クラスメイトだけならまだしも、教師である山田先生やナターシャさんまでそんな雰囲気を醸し出さなくても良いんじゃ無いのか?

 

「一夏、お前の作るお菓子など久しぶりだな」

 

「……学園では織斑じゃ無かったのか?」

 

「放課後だし、今は特に気にする者も居ないだろうしな」

 

「……それで良いのか?」

 

 

その異様な雰囲気の中、1番の異様はこの姉だろう……普段の厳格な雰囲気は何処へやら、完全にお菓子を楽しみにしている子供になってしまっているのだ。

 

「一夏、今日は何を作ってるのかな?」

 

「とりあえずケーキとおはぎだな」

 

「随分と感じの違う2つだね……」

 

「和菓子が良い人と、洋菓子が良い人が居ると思ってな」

 

「気配りも出来てるんだ」

 

「お茶に合わせるだけだ」

 

 

今日用意したのは紅茶と緑茶だからな、それに合わせるとこれが一番だろう……煎餅を1から作るのも面倒だからな。

 

「出来るまでこれでもつまんでろ」

 

「これは?」

 

「見て分からないか?クッキーだ」

 

「それは分かるけど……」

 

「浮かれすぎた誰かさんたちの分の材料が余ったから作ったんだ」

 

「何時の間に……」

 

 

シャルにクッキーを渡し近くから追いやる……居ても良いんだが、話しかけられると気が散るのだ。

 

「織斑君の手作りクッキー!」

 

「早く食べたい!」

 

「でも、食べるのもったいない!」

 

「一夏さんの手作りですし、これは味わって食べませんと!」

 

「私は洋菓子はあんまり好きじゃ無いんだが……」

 

「なら箒の分は私が食べてやろう!」

 

「ズルイラウラ!僕だって食べたいんだよ」

 

「ええい!誰も食べないとは言ってないぞ!!」

 

 

何だか余計に騒がしくなった気がするぞ……1人1枚は絶対にあるんだからそんなに騒がしくしないでくれないか?

 

「一夏、我々の分は無いのか?」

 

「……そう来ると思ってたよ」

 

 

クーラーケースから冷やしたゼリーを取り出し渡す。これは昨日(正確には今日の未明に)作って部屋の冷蔵庫で固めてたものだ。

 

「さすが一夏」

 

「分かりたく無いが、付き合い長いからな……」

 

 

千冬姉の行動など手にとるように分かってしまう……もともと出来るまで時間が掛かるのでクッキーは作る予定だったし、それを見た千冬姉が自分たちもほしいと言い出すのは予想済みなのだ。

 

「真耶、ナターシャ、お前たちはどれにする?」

 

「私はこのオレンジ色のゼリーにします」

 

「私はこのピンク色のにしようかな」

 

 

ちなみにオレンジ色のゼリーは見たまんまオレンジ味で、ピンク色のはイチゴ味だ。

 

「では私はこのコーヒーゼリーをもらうとしよう」

 

「始めっからそれ狙いだったくせに……」

 

「何か言ったか?」

 

「空耳じゃないですか?」

 

 

ギロリと睨まれたが、それを受け流し惚ける……最初から千冬姉がコーヒーゼリーを選ぶのは分かってたし、2人にもそれが分かったから選ばなかったのだろう。

 

「さて、そろそろ焼きあがるかな」

 

 

スポンジを確認しながらおはぎを作る。当日はも本音やマドカも手伝ってくれるから楽なのだが、今日は2人とも居ないので色々面倒だ。

 

「一夏~、僕も手伝おうか?」

 

「シャルロットさん!抜け駆けは許しませんよ」

 

「兄上の手伝いなら私がするぞ!」

 

「私だって少しくらいは手伝えるぞ」

 

「此処は料理部の僕に任せてよ」

 

「洋菓子なら本場の私に……」

 

「「「セシリアは止めとけ!!!」」」

 

「何ですの、皆さん声を揃えて」

 

 

面倒だからツッコまなかったが、俺もセシリアは止めておいた方が良いと思う……噂で色々ヤバイらしいしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今頃教室ではおりむ~のお菓子を食べてるんだろうな~」

 

「あの女も居るんだよね……」

 

「千冬様は担任ですからね」

 

 

一夏とクラスメイトの3人は、恨みがましく教室の方角を睨んでいる。

 

「退屈だけど、一夏君に怒られたくないし……」

 

「一夏さんはお嬢様たちを心配してるんですから、素直に言う事聞いておいたほうがいいですよ」

 

「あれ、虚さん。生徒会の仕事は良いんですか?」

 

「昼休みにある程度終わりましたので」

 

 

放課後の仕事はそれ程多くはなかったようだ。そして、そのタイミングを見計らったのかは知らないが、虚さんの携帯にメール着信を告げるメロディーが流れた。

 

「誰でしょう……一夏さんからですね」

 

「一夏君、なんて?」

 

「え~と……『冷蔵庫に人数分のゼリーがありますので食べれそうなら食べてください 一夏』ですって」

 

「ゼリーなら負担にならないね!」

 

「さっすが一夏様」

 

「抜け目無いよね~」

 

「お兄ちゃんの気配りは世界一!」

 

「大げさ……でも嬉しい」

 

「いったい何時作ったのでしょう……」

 

 

虚さんだけは一夏の事を気遣ったけど、私たちはそんな事を考えなかった……やっぱり一夏と一番一緒に居る時間の長い虚さんだから思えたんだろうな。

 

「一夏君の事は心配だけど、今は一夏君の好意に甘えましょ!」

 

「……そうですね。せっかくの好意ですしね」

 

 

虚さんもお姉ちゃんに言われて素直に一夏の好意に甘える事にしたらしい。ちなみに同じ時間に一夏の教室では、出来立てのケーキとおはぎをめぐって軽く争いが起こったらしいが、一夏と織斑先生の2人で威圧して治めたとか……




結局本番まで行けませんでした……次回は絶対に行くと思います

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