もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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一夏の料理、食べてみたい……


歓迎パーティー

自室の整理……っと言っても、必要なモノは殆ど更識の屋敷にもって行ってるし、ようはいらないモノの処分とかそんな感じなのでそれほど時間は掛からない。このまま帰っても良いのだが、とりあえずはあの人と話すとするか……俺としては別に気まずくは無いのだが、如何もあの人は気まずそうにするのだ。

 

「ちょっと良いか?」

 

「な、何だ?」

 

「そんな身構え無くてもいいだろ……」

 

「す、すまない。如何も一夏と話す事が怖く感じてしまってな……」

 

「自分が何をしたか反省してる証拠だろ、それは」

 

 

俺の過去を奪い、自分の都合の良いように記憶をすり替えた事に対する罪悪感からだろう……罪悪感を感じるのなら最初からするなよ、と言いたいが、言っても今更過ぎるのであえて言わないでおこう……

 

「それで、いったい何の用だ」

 

「そんなに大層な事では無いからそんなに身構えるなよ」

 

「この体制じゃなきゃお前と話せん」

 

「あっそ……」

 

 

つい1週間前までは気軽に話していたはずなのだが、向こうは向こうで考える事があるのだろうな……あの体制で疲れるような人でも無いし、気にしなくても良いか……

 

「マドカと話したんだろ?」

 

「っ!?」

 

「……そんなに触れられたく無いのか?」

 

「いや、平気だ……」

 

「震えられながら平気って言われてもな……」

 

 

正直説得力に欠ける……元々この人の言ってる事に説得力など大して無いのだが、今は皆無だと言えるだろうな。

 

「平気だから心配するな!」

 

「今度は強がりかよ……まあ貴女が平気って言うなら聞くが……」

 

「何をだ?」

 

「仲直りは出来ないのか?」

 

「っ!?」

 

「貴女とマドカは本当の姉妹なんだろ?俺の事は兎も角としても、姉妹同士でいがみ合う事も無いだろ……」

 

 

実際には仲の悪い姉妹なんて珍しい訳でも無いのだろうが、同じ空間で生活している以上仲良くしてもらいたい……俺にだけなら兎も角、他の生徒にも影響している織斑姉妹の仲の悪さ……もっと言えばマドカのこの人に対するプレッシャーが他の生徒にもの凄い威圧感を与えていて何とか出来ないのか相談された事もあるのだ。

 

「私は……したいと思ってるが、マドカの方にその気が無いんだ」

 

「マドカが貴女を怨む原因は、やはり俺なのか?」

 

「そうだろうな……マドカは昔から一夏にベッタリだったからな……」

 

「じゃあ何で貴女は俺をマドカと引き離したんだ?」

 

「………からだ」

 

「何だって?」

 

「羨ましかったからだ!」

 

「何が?」

 

「一夏にあんなにベッタリとくっついて、その上で頭を撫でてもらってるマドカが羨ましかったからだ!」

 

「子供かよ……」

 

 

ってこの人も昔は子供か……だが俺の記憶が奪われた理由が子供のやっかみだったとは……

 

「羨ましいって、貴女は妹にも嫉妬してたのかよ」

 

「一夏は昔からカッコよかったからな!」

 

「はいはい……」

 

 

何かもう如何でも良くなってきたぞ……この人がマドカから俺を奪った(変な表現だが)からマドカはこの人を憎んでいる……姉妹の仲が悪いのは俺が原因だが、俺関係無いじゃないかよ……

 

「まあ時間が如何にかしてくれる訳でも無さそうだし、なるべく早く片付けてくれよ、千冬姉」

 

「い、一夏……今何て?」

 

「ん?……なるべく早く片付けてくれ」

 

「その後だ!」

 

「千冬姉?」

 

「まだ、そう呼んでくれるのか」

 

「血の繋がりが無くとも貴女が俺の姉だったからな。それに貴女とかあの人とか色々呼んでみたけどしっくりこなかったんだ」

 

「一夏……」

 

「それじゃあ俺は戻るけど、しっかりとこの家を管理するんだぞ」

 

「一夏はもうこの家には戻ってこないのか?」

 

「如何だろうな……少なくとも今は戻る気にはなってない。千冬姉に対する気持ちの整理は……面倒になったから良いとして、この家や『織斑』に対する整理はまだ出来てないからな」

 

「そうか……分かった!しっかりと管理するから安心しろ」

 

「言ったからには責任を持てよ?」

 

「が、頑張る……」

 

 

なんとも頼りない姉だことで……世界が尊敬し、敬愛する織斑千冬とは思えないほどの頼りなさだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりむ~が帰ってくるまでに買出しをしなきゃいけないんだよね~?」

 

「一夏には調理に専念してほしいから、せめて買出しくらいはやらなきゃって言ったのは本音でしょ?」

 

「だっておね~ちゃんやかんちゃんじゃおりむ~の邪魔にしかならないし~、私や楯無様だっておりむ~の手伝いするには力不足だし~……ってかんちゃん?何で落ち込んでるのかな~?」

 

「どうせ私は邪魔にしかなりませんよ~だ」

 

「ほえ~?」

 

「……馬鹿の事やってないで早いとこ買出しに行きましょうよ」

 

 

本音様と簪様の会話を聞いていると、本音様が無意識に簪様を傷つけたようですが、正直一夏様の手伝いをしようと考える時点で私たちは邪魔だと思いますよ……

 

「それじゃあこれがお金です。くれぐれも無駄使いしないでくださいね」

 

「だいじょ~ぶだよ~!」

 

「任せてください!」

 

「……簪お嬢様、しっかりと監視していてくださいね」

 

「任せて……絶対に無駄使いはさせないから」

 

 

如何やら私と本音様はお金に関しては信用が無いようです……

 

「ねえ虚ちゃん、これは何処につける?」

 

「それはですね……」

 

 

楯無様に呼ばれ、虚様は向こうに行ってしまいましたが、本音様が何かを言いたそうに虚様が行ってしまわれた方向を見ています……何か言いたい事でもあるのでしょうか?

 

「本音様、如何かしましたか?」

 

「おりむ~の買出しメモ、おね~ちゃんが持ってるんじゃ無かったけ?」

 

「そう言えば……」

 

 

虚様も以外と抜けているお方で、こう言った些細なミスをしてしまうんでしたね……普段は一夏様がすぐにツッコムので目立ちませんが、虚様も本音様同様しっかりしてない人な部分があるんですよね……

 

「おね~ちゃ~ん!」

 

「本音?」

 

「おりむ~のメモは~?」

 

「メモなら本音に渡したでしょ?」

 

「もらって無いよ~」

 

「朝に渡したはず……」

 

「ほえ?」

 

 

本音様が自身の服をペタペタと触りメモを探しています……本音様には悪いですが、その仕草は子供っぽくて可愛いですね。

 

「あった~!」

 

「ほらやっぱり……」

 

「ゴメンね~!」

 

「私にじゃ無くって、簪お嬢様に謝ったら?」

 

「かんちゃんに?……ほえ!?」

 

 

本音様が振り返ると、そこには置いてけぼりにされた挙句に全力で走らされた簪様がもの凄い形相で立っていました。

 

「早いところ買出しに行きたいんだけど、もう良いかな?」

 

「う、うん良いよ……それでかんちゃん」

 

「何?」

 

「……ゴメンなさい」

 

 

珍しく本音様が素直に謝りました。一夏様に怒られてもあそこまで素直に謝る事は無かったのですが、それ程簪様の形相が怖かったのでしょうね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ~お兄ちゃんと碧さんって最近付き合い始めたんだ~」

 

「色々ありましてお付き合いさせてもらってます」

 

「いいな~碧さん」

 

「何がですか?」

 

「だってお兄ちゃんから告白されたんでしょ?」

 

「ええ、まあ……」

 

 

マドカさんの歓迎会の準備を楯無様たちがしている時、私はマドカさんの話し相手をしています。何故私かと言うと……くじ引きでそう決まったから……

マドカさんは一夏さんにもの凄く懐いていて、一夏さんの彼女である私たちともすぐに打ち解けました。ですが、こうして質問攻めにされるのは勘弁願いたいです……

 

「何て言われたの?」

 

「それは……内緒」

 

「ええ~!良いじゃない教えてくれても」

 

「恥ずかしいですよ」

 

 

こうしてガールズトークをしているだけで良いのでしょうか?当主であり雇い主でもある楯無様が色々と準備しているのに、私はマドカさんと縁側でのんびりとお話してるだけなんて、非常に気まずいんですよね……

 

「それじゃあお兄ちゃんとしたの?」

 

「した?……何をです?」

 

「そりゃ付き合ってる男女、しかも碧さんは学生じゃ無いんだし、色々としてるんでしょうね」

 

「色々……!?」

 

 

マドカさんって意外とマセてる?それとも一夏さんが奥手なだけなのでしょうか……兄妹で此処まで違うのは珍しいのでしょうか。私には兄弟と呼べる人は居ませんし、楯無様・簪様姉妹、虚様・本音様姉妹にも程度の差はあれ此処まで違う事は無い気がするんですが……

 

「ねえねえ、お兄ちゃんとは何処までしたの?」

 

「し、してませんよ!……キスまでしか」

 

「ええ~!碧さんって以外と奥手なの?」

 

「どちらかと言えば一夏さんの方が……」

 

「やっぱり……」

 

「や、やっぱり?」

 

 

マドカさんは何か納得したようにつぶやきましたが、私には何が何だかさっぱり、これっぽっちも分からないんですが……

 

「お兄ちゃんは昔っから奥手だったからね~」

 

「昔から……ですか?」

 

「うん。いくら私が迫ってもキスしてくれなかったし……」

 

「え……」

 

 

マドカさんの発言に私は言葉を失った。一夏さんとマドカさんは兄妹だったはず……いくら血が繋がってないとはいえ、兄妹でキスなどするものなのでしょうか?

 

「それに最近でも、こんなに可愛い妹が擦り寄ってきてるのに襲ってくれないし……」

 

「何してるんですか!」

 

「お兄ちゃんの子供がほしいから」

 

「兄妹で何言ってるんですか!!」

 

「別に血の繋がりは無いし、特に問題は無いでしょ?」

 

「大有りです!」

 

 

寧ろ問題無いと思ってるマドカさんが問題ですよ…一夏さんの子供なら私だって……じゃ無くって!

 

「そもそも一夏さんはそう言う事がお嫌いのようですよ?」

 

「そうなんだよね~。お兄ちゃんの雄レベルの低さにはビックリだよ」

 

「雄レベル?」

 

「だってあれだけ魅力的な女の子に囲まれて、しかも血の繋がらない妹までもが擦り寄ってきてるんだよ?普通の男子高校生なら1日持たずに襲い掛かると思うんだけどな~」

 

「お前は何言ってるんだ!」

 

「あっ、お兄ちゃん」

 

「一夏さん、お帰りなさい」

 

 

マドカさんの持論を聞いていたら一夏さんが帰ってきました。これで少しはマドカさんの暴走を抑える事が出来ます。

 

「だってお兄ちゃん、そんなに立派なモノを持ってるのに誰にも襲い掛からないんだもん。……ひょっとしてソッチの人なの?」

 

「ソッチって?」

 

「衆道」

 

「んな訳あるかー!」

 

 

一夏さんの全力のツッコミは初めて見たかも知れません……しかし衆道とはまた古い表現ですね、マドカさん……

 

「それじゃあ如何してお兄ちゃんはそう言う事しないの?」

 

「……だって恥ずかしいだろ」

 

「小学生か!」

 

「別に良いだろ!」

 

「でも、お兄ちゃんは良くっても彼女たちは如何思ってるか分からないよ?」

 

「何を……」

 

「だってお兄ちゃんの事だからキスだってろくにしてないんでしょ」

 

「最近はしてる!」

 

 

確かに付き合いたてよりはしてくれてますが、それでも此処最近はしてもらってませんね。一夏さんがこう言う男性だって知ってるから良いですが、やっぱりもう少し頻繁にしてもらいたいですね。

 

「お兄ちゃん、女の人にあんまり恥かかせちゃ駄目だよ」

 

「……何でマドカに説教されてるんだ」

 

「お兄ちゃんがあまりにもお子ちゃまだからだよ」

 

「お前だって同い年だろうが」

 

「あれ?……私同い年だって言ったっけ?」

 

「学年が一緒だろ」

 

「ああそれで……私はお兄ちゃんの1個下だよ」

 

「じゃあ何でIS学園に?」

 

「だから言ったでしょ。特例を認めさせたって」

 

「そう言う事か……」

 

 

一夏さんは頭を抑えて首を振っていますが、私も同じ気分です……ただでさえ年下の女の子に色々言われてたのに、それが世間では中学生の女の子だったとは……最近の子は進んでるんですね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私たちが準備してる間にそんな事話してたんだ~」

 

「ええ……かなり疲れました」

 

「それにしてもマドカちゃんが中学生の歳だったとはね~」

 

「書類には年齢は書いてませんでしたしね」

 

「それで通る書類って……」

 

 

一夏様が調理をしている間、私たちは一夏様の部屋で何時ものように雑談をしています。何故一夏様の部屋のなかと言うと、ここが一番落ち着くからです。

 

「でも一夏はああ言う人だし、私たちもそこまでしたい訳でも無いからね」

 

「私はおりむ~とならしたいな~」

 

「でも肝心の一夏君はしたく無いんだし、当分は無理よね」

 

「一夏さんはそう言う事が苦手ですし、本だって持ってませんからね」

 

「一夏様のPCにもそのようなサイトの履歴はありませんし……」

 

「一夏さんって本当に興味無いんですね」

 

 

前に一夏様に聞いた話では、弾さんと数馬さんがそう言った本を見せてきたそうですが、気分が悪くなってお2人を蹴り飛ばしたと言ってましたし、生身の女性の裸を見るのは一夏様にとって苦痛なのかも知れませんね……無理やり一緒にお風呂に入った時も一夏様はなるべく我々を見ないようにしてましたし……

 

「一夏君ならきっと女性が裸で寝てても布団を掛けておしまいでしょうね」

 

「寧ろ起きたら説教しそう」

 

「ちゃんと服着なきゃ駄目~ってね」

 

「一夏様は逃げるかもしれませんよ?」

 

「一夏さんならありえそうですね」

 

「一夏さんだもんね……」

 

 

マドカさんでは無いですが、一夏様の雄レベルは相当低いと思います。中学生以下……小学校高学年でも、もう少し興味を持っていると思うんですが……

 

「やっぱり一夏様はあのトラウマが原因なのでしょうか……」

 

「トラウマって?」

 

「前に聞いた話なのですが、子供の頃に千冬様と束様に色々と襲われ掛けたと……」

 

「あの2人は……」

 

「おりむ~に無駄なトラウマを植えつけたんだ……」

 

「それで一夏さんは女性……特に年上の女性に苦手意識を持ってるんですね」

 

「私もそれで躊躇したんですよ……」

 

「一夏君って、結構可哀想な子?」

 

「「「「「………」」」」」

 

 

楯無様の一言に我々一同無言で頷く。一夏様は記憶の他にも色々とあの御2人から奪われてるのかも知れませんね……

 

「準備出来ました……何です?」

 

 

タイミング良く一夏様が部屋にやって来ました。我々6人が一斉に一夏様の方を向いたために一夏様は若干引き気味ですが、それでも顔に出さないのはさすがだと言えますね。

 

「一夏君、無理しなくて良いのよ?」

 

「私たちは待ってるから」

 

「おりむ~のタイミングで良いからね」

 

「一夏さんがそう思える日が来ると良いですね」

 

「一夏様の意思を尊重します」

 

「一夏さん、頑張ってね」

 

「だから何です?」

 

 

一夏様には何が何だかでしょうが、我々6人は同じ気持ちですからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあマドカちゃんの歓迎会を始めたいと思いま~す!」

 

「皆~グラスは持ってる~?」

 

 

ハイテンションの刀奈さんと本音が司会で、マドカの歓迎会は始まった。普段は大人しい簪や虚さんも、今日はくらいはと羽目を外しているようで、誰1人刀奈さんと本音のテンションに引いて無い……俺がおかしいのか?

 

「おりむ~元気無いぞ~!」

 

「ほら、一夏もジュース持って」

 

「ああ……」

 

「それじゃあマドカちゃん、何か一言」

 

「え~と、これからお世話になります」

 

「それじゃあ乾杯!」

 

「「「「「「乾杯!」」」」」」

 

「………」

 

 

このテンションについていけない。とりあえずグラスは掲げたが、皆みたいにはしゃぐ事は出来ないな……

 

「おりむ~のご飯、おりむ~のご飯!」

 

「そんなに慌てなくても逃げないぞ?」

 

「美味しいものは沢山食べたいのだ~!」

 

「……腹壊すなよ」

 

「だいじょ~ぶ!」

 

 

本音はごっそりと皿に料理を盛って食べ始める……かなり行儀が悪いんだが、此処で説教なんてしたらマドカに悪いから我慢するか……

 

「やっぱり一夏君の手料理は最高だね!」

 

「何時か私も一夏みたいに出来るかな?」

 

「一夏様の料理の腕は一流ですからね~」

 

「私には真似出来ませんね」

 

「お兄ちゃん、美味しいよ」

 

「そうか……」

 

 

皆が喜んでくれるのは俺も嬉しいが、頼むから口にモノを入れたまましゃべるのは止めてほしい……

 

「一夏さん、お酒って何処です?」

 

「酒?……碧さんってお酒飲むんですか?」

 

「まあ偶には一杯くらい飲みたいんですよ」

 

「はあ……それじゃあ一杯だけもらってきますよ」

 

「でも……」

 

「厨房に行けばもらえますし、訳を話せば問題無いでしょ」

 

 

まさか俺が飲むなんて思わないだろうし、缶チューハイくらいはあるだろうしな。

俺は刀奈さんに席を外すと告げて厨房に向かう。本音を言えば少しあの場から離れたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは~いちかしゃ~ん」

 

「……やっぱり飲ませなきゃ良かった」

 

 

碧さんはコップ一杯のチューハイで酔っ払ってしまった。

 

「いちかしゃん!」

 

「何です?」

 

「チュー!」

 

「はい?」

 

「チューしてくれないと襲っちゃうぞ」

 

「あー!」

 

「碧さんだけズルイ!」

 

「おりむ~私も!私にもチューして!!」

 

「私もしてほしいです!」

 

「一夏様、当然しますよね?」

 

 

酔っ払いに便乗して他の人までもキスを強請ってきた……これはした方が良いのだろうか?

 

「お兄ちゃん」

 

「何だマドカ……」

 

「しちゃえ!」

 

「はあ!?」

 

 

まさか妹からそんな事を言われるとは……マドカって意外と進んでるのか?

 

「「「「「「「キス!」」」」」」」

 

「何でマドカまでそっちに居るんだよ!?」

 

 

結局押し切られ全員(ただしマドカを除く)とキスをする羽目になった……嬉しいけど何で何時も向こうから迫ってくるんだろうな……俺の甲斐性無し。




次回少し書いて今度は一夏の誕生日の話ですね。2パターン考えてるのでまた番外編になるかも……

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