もし一夏が最強だったら   作:猫林13世

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凄い雷でしたね~


生徒会長の責務

「今日の放課後からマドカちゃんも屋敷に行くからね」

 

 

金曜の朝、生徒会室で書類整理をしていたら刀奈さんがそんな事を言った。

 

「……そう言えば週末でしたね」

 

 

忙しすぎて週末と言う事を忘れていた……いや曜日は覚えていたのだが、週末に屋敷に戻ると言う事を忘れていたという方が正しいか……

 

「もちろん一夏君も一緒に行くよね?」

 

「とりあえずは。でも明日は少し用事がありますから案内などはお願いします」

 

「用事?」

 

「ええ、実家の私物を整理しようと思いまして」

 

「ふ~ん……頑張ってね」

 

「夕方には帰れるかと思います」

 

 

それだけ言って再び書類に目を通す。刀奈さんが1週間サボった所為で仕事は山積みなのだ……

 

「それと今日の午後は生徒総会だからね」

 

「今日こそはお嬢様が挨拶してくださいよ。1年の中にはお嬢様は直接見たことが無い生徒の方が多いんですから」

 

「え~!何時もみたいに虚ちゃんか一夏君が挨拶してよ~」

 

「生徒会長がサボり魔だって記事を黛さんに書いてもらいましょうか?」

 

「分かったわよ……」

 

 

校内新聞の無断発行に校内裏サイトの運営と色々問題を起こした黛先輩は先日生徒会室で虚さんと刀奈さんからコッテリと絞られたばっかだ。しかも刀奈さんより虚さんの方が黛先輩に与えたトラウマの度合が大きい。そんな虚さんから頼まれれば黛先輩に断る術など無いだろう……事実サボり魔な刀奈さんだが、その事を全校生徒に知られるかもと脅されれば素直に従うしか無いようだな。

 

「そう言えば、本音は如何しました?やけに静かですが……」

 

 

生徒会役員である本音も、朝早くから叩き起こして連れてきたはずなのだが、先ほどから一切会話に交ざってこないのだ。

 

「どうせ本音の事だから寝てるんじゃないの?」

 

「本音は……書類に埋もれてますね……」

 

「それって本音に任せたほぼすべての書類ですね……」

 

 

とりあえず本音を書類の海から救出すべく紙束を少しずつ退かしていく。退かすついでに未処理か処理済かも確認してしまうのは、作業が身に染み込んでしまっている証拠なのだろうか……

 

「お~い本音~、生きてる~?」

 

「別に死んでは無いと思いますが……」

 

「そもそも本音が埋もれたのは何時なんでしょうね」

 

「確かに……悲鳴も聞こえなかったし、崩れた音もしなかったし……」

 

 

崩れた書類の中で、本音は熟睡していた。何時から寝てたのかは知らないが、本音に任せた書類はまったくと言って良いほど処理されて無かった……やっぱり本音にこんな早い時間から作業をするのは無理だったか……

 

「本音を叩き起こして処理させたいのは山々なんですが、そんな時間も無いですから俺と虚さんで処理します」

 

「仕方ないですね……」

 

「あれ?私は良いの?」

 

「刀奈さんは自分の分をさっさと片付けてください」

 

「お嬢様だけですよ?半分も終わってないのは」

 

「本音は全部終わってないじゃない!」

 

「本音と比べられて嬉しいんですか?」

 

「それは……」

 

 

虚さんが妹に対してかなり失礼な事を言っている気がするが、俺もあの人相手に相当な事を言ってきてるのでとやかく言える立場では無い。しかも刀奈さんもその事をまったく気にしてないようなので、わざわざ言う必要も無さそうだ。

 

「さっさと終わらせて放課後は早く屋敷に戻りたいんですよね?」

 

「そうだけどさ~……」

 

「刀奈さんがサボらなければ此処まで大変では無かったはずですよ?」

 

「反省してます……」

 

「そのセリフは聞き飽きました……」

 

「まあまあ虚さん、毎回反省しようとするだけマシですよ」

 

「一夏君って、何気に酷いよね……」

 

「甚だ不本意ですが、そう言わなければ刀奈さんには響きませんからね」

 

「お嬢様には分かり易く言わなければ伝わりませんものね」

 

「私だって反省くらいするわよ!」

 

「するだけで次に活かせてませんけどね」

 

「虚ちゃん!?」

 

 

再び虚さんが容赦なく刀奈さんに言葉で斬りかかった。あれは俺でも言えないかもしれないぞ……

 

「そんな事言ってる間にこっちは終わりました」

 

「私ももう終わります」

 

「え?……一夏君も虚ちゃんもいったい何時の間に作業してるのよ!」

 

 

同じように話していたはずの俺と虚さんが終わり、刀奈さんはまったく進んでいない。刀奈さんは理不尽だと言って暴れているが、別に理不尽とかでは無く、作業自体に慣れているか否かの違いだと思うんだが……

 

「それじゃあ俺は先に部屋に戻って弁当の準備をしてます」

 

「お願いします。お嬢様は私が見張ってますから」

 

「誰か助けて……」

 

 

虚さんに監視されてはさすがの刀奈さんもサボる事が出来ないだろうな……生徒会室の主は刀奈さんでは無く虚さんなのかも知れないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝起きたら須佐乃男以外誰も居なかった。キッチンからは一夏の料理の匂いが来るけど、全員がキッチンに居るとは思えないし、それに本音が私より先に起きるなんて考えられない。私は真相を聞くためにベッドから出てキッチンに向かう。

 

「一夏……」

 

「簪か。おはよう」

 

「うんおはよう……じゃなっくて!」

 

「何だいきなり」

 

 

一夏は私が大声を出すとは思わなかったのだろう、若干ビックリした顔をしている……一夏が此処まで分かり易くビックリする事なんてあったかな?

 

「他の人が何処に行ったのか知らない?」

 

「マドカは恐らくだが外に居るだろうな」

 

「外?」

 

「ああ。俺と同じで朝早くから外を走ってるんだよ、マドカも」

 

「じゃあ他の人は?」

 

「刀奈さんと虚さんは生徒会室で作業中。本音も連れて行ったんだが、生徒会室で熟睡してる」

 

「そんなに仕事が溜まってるの?」

 

「刀奈さんがサボったから滞ってたんだ」

 

「お姉ちゃんは……」

 

 

普段からしっかりと仕事をしてればゆっくりと遊ぶ事だって出来るのに、お姉ちゃんは仕事をサボって遊ぶのが楽しいなんて言って……少しは一夏と虚さんに申し訳ないと思わないのかな……

 

「でも、もうすぐ帰ってくると思うけどな」

 

「何でそう思うの?」

 

「殆ど終わったから俺はこっちに戻ってきて弁当を作ってるし、虚さんがしっかりと刀奈さんを見張ってるからサボれないだろうしな」

 

「なるほど……」

 

 

一夏と虚さんの書類を処理するスピードはお姉ちゃんや本音と比べると2.5倍の違いがあるらしいと須佐乃男が言っていた。でもそんなにスピードが違うなんてありえるのだろうか?私は普段から別作業だから良く知らないが、本音が言うには2人で処理した方が早く終わるんじゃないかってくらいの違いがあるらしい……

 

「おはようございます一夏様、簪様」

 

「おはよう」

 

「須佐乃男も匂いに釣られて起きたの?」

 

「とても良い匂いですから」

 

「悪いがこれは弁当用だ」

 

「では朝食は?」

 

「学食でいいだろ」

 

「「ええー!!」」

 

「……余ったものでよければ作るが」

 

「「それが良い!!」」

 

「……ハァ」

 

 

一夏は弁当用とは別に調理を始めた。別々の作業を並列して出来るのは一夏だけなんだよね……本音もお姉ちゃんも1つの事しか出来ないし、私や虚さんは1つの事すら危うい……須佐乃男や碧さんも2つの事を同時には出来るが、どちらかが疎かになりやすいのだ。

 

「着替えましょうか……」

 

「そうだね……」

 

 

一夏の作業を見て完全に自信喪失してしまう前に此処から立ち去る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、終わった……」

 

「お疲れ様です、お嬢様」

 

「本当に疲れたわ……」

 

「これからはちゃんと毎日仕事してくださいね」

 

「頑張ります……」

 

 

虚ちゃんに監視されながらの作業は、何時もより5割り増しで疲れる……見られてる事によって普段なら少し休憩など出来るのにそれが出来ないのだ。

 

「では本音を起こして部屋に戻りましょうか」

 

「部屋?学食じゃなかったの?」

 

 

一夏君も作業してたから、朝食は学食で済ます事になってたはずなんだけど……私が聞くと虚ちゃんは無言で携帯を操作して1通のメールを私に見せてくれた。

 

「何々……『余りもので朝食を作ったので学食では無く部屋に来てください。一夏』……よし虚ちゃん!さっさと本音を叩き起こすわよ!!」

 

「急に元気になりましたね」

 

「一夏君のご飯があるなら元気にもなるわよ!」

 

 

現金だが、一夏君のご飯にはそれだけの価値があるのだ。私は本音を過去最高スピードで起こし部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前中の授業が終わり、午後は生徒総会だ。私は本当ならサボってのんびりしたかったんだけど、虚ちゃんに脅されてそれが出来なくなってしまった……一夏君も虚ちゃんも壇上には居るんだけど、私が挨拶をしなくてはいけなくのだ。

 

「面倒だな~……」

 

「ただ挨拶するだけですよ?」

 

「それでも面倒なの!」

 

「他の報告事項などは俺と虚さんでするんですが……」

 

「だったら私が挨拶する必要無いじゃん!」

 

「……少しは生徒会長としての自覚をですね……」

 

「虚ちゃんみたいな事言わないでよ~」

 

「ハァ……」

 

 

一夏君はため息を吐きながら移動していく。一夏君ってため息吐くのが癖になってるのかな?学園に入る前はそんなにため息を吐いてなかった気がするんだけど、学園に来てから一夏君のため息は確実に多くなってる気がする……たしかため息を吐くと幸せが逃げるのよね、そうなるといったい幾つの幸せが一夏君の下から逃げ出してるのかしら。

 

「お姉ちゃん……一夏、行っちゃったよ?」

 

「へ?……一夏君、待ってよ~!」

 

 

考え事をしていたら一夏君に置いていかれてしまった。一緒の場所に行くんだから待ってくれても良いじゃないのよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、エイミィ」

 

「簪!」

 

 

生徒総会に向かう途中にエイミィと会った。クラスが隣なので実習などでは良く一緒になるんだけど、こうして実習以外で会うのは珍しい事だった。

 

「一夏君や本音は?」

 

「クラス別だし、あの2人は生徒会役員だからね」

 

「そっか……」

 

「エイミィ?」

 

 

急に黙りこくったエイミィを不審に思い顔を覗き込む。普段のエイミィからは想像つかないほど悲しそうな顔だった……

 

「一夏君に会いたかったな……」

 

「エイミィも一夏の事が好きなの?」

 

 

一夏の事が好きな女の子なんてこの学園には沢山居る。でも此処まで一夏に会えなくてガッカリするほど好きな女の子は私たち以外に居ないと思っていた。

 

「好きだよ……だって私の事実力に関係無く友達だって言ってくれたのは一夏だけだもん」

 

「実力?」

 

「代表候補生だから仲良くしておいた方が良い……クラスの子はそんな考えばっかだったし、一夏君と仲良くなるまで、簪ともこうしてお話する事も無かったしさ……」

 

「そうだったね……」

 

 

実習で一緒にはなるけど、こうして話すようになったのは一夏とエイミィが友達だって分かった後から……つまり2学期からだ。

 

「だから私は一夏君の事が好き!友達としても、男の子としても」

 

「そうなんだ……」

 

「でも、一夏君の彼女になりたいなんて思って無いから安心して良いよ」

 

「?」

 

「今以上に一夏君と仲良くなれたら、きっと何時か不幸が訪れる気がするんだ」

 

「そんな事無いと思うんだけど……」

 

 

私が言葉を続けようとしたら、エイミィは無言で首を横に振った。

 

「簪や本音たちの中に私が入ったらきっと目立たないよ。そうなったら一夏君と話す機会が減っちゃう」

 

「一夏は平等に私たちを扱ってくれてるけど」

 

 

実際は平等に扱わせてるんだけど、それはエイミィに言う事では無い。

 

「別に良いんだ!私は一夏君の1番のお友達だから」

 

「あれ?……鈴は?」

 

「鈴さんは悪友だって言ってたよ」

 

「なるほど……」

 

 

鈴は一夏と仲が良いが過去に振られたらしく、今は悪友と言うポジションに居る。一夏の中では他の悪友2人と鈴は一括りの扱いなのだ。

 

「お静かにお願いします」

 

「あっ、一夏君だ」

 

 

壇上に現れた生徒会役員……一夏がマイクを使って私たちに黙るよう促す。普通なら本音の役割なのだが、相変わらずこう言う事は一夏がやっている。

 

「それではこれより生徒総会を始めます。まず始めに生徒会長から挨拶をして頂きます」

 

 

お姉ちゃん、漸く壇上に立つ気になったんだ……1学期中はお姉ちゃんの代わりに一夏や虚さんが挨拶していたが、今日はお姉ちゃんが挨拶をするらしい。

 

「こうして壇上で挨拶するのは始めてかな?1年の中には始めましての子も居るでしょうが、私が生徒会長の更識楯無です」

 

 

一通りの挨拶を済ませ、お姉ちゃんは壇上の奥に引っ込んだ。その後は何時も通り(これが何時も通りなのがおかしいのだが)、一夏と虚さんが色々な注意事項を話していた。

 

「会長さんが壇上に居るのって珍しいね」

 

「そうだね……」

 

 

エイミィにも珍しいって言われてる生徒会長っていったい……全校生徒に顔と名前を知られているのに見た生徒は少ない……お姉ちゃんは天然記念物並に見れないのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わった~!」

 

 

生徒総会も終わり、私は今屋敷に向かう車の中に居る。もちろん一夏君や簪ちゃん、虚ちゃんに本音も居るし、今回からはマドカちゃんも一緒だ。

 

「この人がお兄ちゃんの最後の彼女の碧さん?」

 

「そうだよ~」

 

「何で本音様が言うんですか……」

 

「須佐乃男がツッコむのも珍しいね」

 

「私が一夏さんの最後の彼女、小鳥遊碧です」

 

「お兄ちゃんの義妹の織斑マドカです」

 

 

車の中で挨拶を済ませて屋敷に戻ったらマドカちゃんの歓迎パーティーの計画を練る事になっている。一夏君はその前に挨拶をしたいって言ってたけど、当主である私が既にマドカちゃんと仲良くなってるので、それは却下した。

 

「もうすぐ着きますよ」

 

 

外を見れば見慣れた景色が広がっていた。つい1週間前まで生活していて、生まれてからずっと見てきた景色だ。私たちは1週間振りに屋敷に戻ってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マドカちゃんの部屋は一夏君の部屋の隣ね」

 

「いいな~」

 

「仕方ないでしょ。マドカさんは色々危うい立場なんですから」

 

「一夏の隣の部屋なら気配や殺気などですぐにバレるしね」

 

「何かあってもお兄ちゃんが守ってくれるんだね」

 

「……一応は気に掛けるが、基本的にマドカを守るのは更識の人だ」

 

 

マドカの部屋が隣なのは良いが、何故皆俺の部屋に集まるんだ……俺としてはマドカが世話になるのでちゃんと挨拶しておきたかったんだが、刀奈さんに却下されてしまった……

曰く――

 

「堅苦しいのが面倒だから」

 

 

――と言う理由かららしい。

 

「それで一夏君。実家に整理って1日で終わるの?」

 

「一応そのつもりですが」

 

「それじゃあ料理は一夏君に任せるからね」

 

「なるべく早く帰ってきます」

 

 

俺が忙しいのは当日なので、計画を練るのは刀奈さんと本音がやっている。しかし、歓迎されるマドカが此処に居るのは良いのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歓迎会当日、つまり翌日なんだが、俺は織斑家を訪れていた。少し前までは実家だと思っていたんだが、今は……何なんだろうな。

 

「一夏?」

 

「……随分と散らかってるな」

 

「少しは片付けたんだぞ」

 

「まあ、貴女にしては頑張った方でしょうね」

 

「……もう前みたいには呼んでくれないのか」

 

「気持ちの整理が出来たら考えますよ」

 

「敬語も止せ。私と一夏は姉弟の関係だったんだから……」

 

「そうだな……俺の部屋を片付けに来たんだが、飯は食べたのか?」

 

「これからコンビニに行くところだ」

 

「……そんな事だろうと思ってたよ」

 

 

持ってきた食材を見せ、俺はキッチンに向かう。この家に来た以上、姉だった人の面倒は見る、気持ちの整理がつかない原因の1つなんだろうな、こう言うところが……

 

「一夏……済まなかった」

 

「今更謝られても困るんだがな」

 

「分かってるが謝らなければいけない事をしたのは事実だから……」

 

「自覚があるならそれで良い。この前マドカにも謝ったんだろ?」

 

「聞いたのか?」

 

「わざわざ俺を職員室に呼びつけてまでマドカと離したんだ。大体の想像はつく」

 

「そうか……」

 

 

食器棚から丁度良い食器を取り出しテーブルに並べる。内容が嘘だっととしても、此処は俺の家だったからな……何処に何があるのか隅々まで把握しているのだ。

 

「マドカには一夏に謝れと言われたよ……当然一夏にも謝るつもりだったが、あそこまで嫌われてるとは思わなかった……」

 

「随分と俺に懐いていたみたいだしな……織斑の家の女性はブラコンの傾向なのか?」

 

「私とマドカの似ている所は見た目と一夏大好きって事だけだからな」

 

「……嫌な共通点だな」

 

 

血の繋がらない姉妹に迫られる俺の身にもなれよ……つい最近までは繋がってると思ってたんだがな。

 

「それ食べたら少しは片付けろよ」

 

「そうするさ……」

 

 

俺は自分の部屋の整理をするためにリビングから移動する。この前掃除したばっかなのにこの家は何故か汚かった……寮暮らしのあの人が1晩で此処まで散らかしたのだろうか……疑問に思いながらも私物を整理するために部屋に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっくんには悪いけど、あの計画は実行するからね」

 

 

俺の知らない場所で、また俺を巻き込む計画が実行されそうになってるとは、この時の俺には知りようも無かった……




もう少し一夏と千冬の会話が続きます

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