とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 正直、バトルシーンがめんどいこの頃。
 感想とかくれると嬉しいです。


8歩目 カナズミシティ

 急な展開で悪いけど、僕が今いる場所はカナズミジムだ。しかも、そこのジムリーダーと対峙している。

 勿論、ここのジムリーダーは女の子だ。彼女の名前はツツジちゃん。デコとタイツが魅力的な、岩タイプのエキスパートだ。

 僕が思うに、ツツジちゃんは少女漫画に出てくる委員長タイプだね。真面目な性格だけど年相応にオシャレを楽しんでいる、みたいな。これで眼鏡があれば完璧だったのに。

 ああ~! 早くその端正なおっぱいを揉みまくりたい!!

 

「貴方、お名前は?」

「ライムっていうけど、聞いた事ある?」

「いえ、存じませんわ」

 

 良かった。僕の名前はホウエン地方まで広まっていないようだ。

 

「ライムさんはどの様なポケモンで、どんな風に闘うのか、私に教えてくださるかしら?」

「勿論だよ。それじゃあ、1on1で頼むね」

 

 にしても、トレーナーズスクールねぇ……。

 残念ながら、僕には全く縁のない場所だ。あの頃の僕は、さっさと強くなるには実戦が一番だと思っていたしね。

 でも、今はその判断を少し悔やんでいる。

 トレーナーズスクールにさえ通えば、セクシーな保健室の女医さんと出会えたかもしれないからね。そう思うと、今にも胸が張り裂けそうだよ……。

 

「これより、カナズミジムジムリーダー『ツツジ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めるぞ! 使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルは終了だ!」

 

 僕がぶっ倒した山男が審判を務めていた。がっかりだ。なんというか、がっかりだ。

 少しばかり意気消沈して、モンスターボールに手を掛けた。ツツジちゃんも、既にモンスターボールを手にしていた。

 岩タイプには弱点が多いけど、僕が出すポケモンはもう決まっている。コイツとは初めてのジム戦になるけど、実力は申し分ない!

 確かな信頼を籠め、僕は宙に向かってモンスターボールを投げた。

 

「いけ、アベサン!!」

「頼みましたわ、ダイノーズ!」

 

 僕が繰り出したポケモンはゴルダックだ。

 名前の由来? 僕の友達にアベサンって人がいてね、何処となく似た雰囲気があるから同じ名前にしたんだよ。

 いや、友達以上の関係なんてないからね。誤解するなよ?

 

『や ら な い か』

「!!!!!!???????」

 

 ダイノーズが大きく退く。心なしか、その表情は恐怖に染まっているように見えた。

 そう、僕のゴルダックことアベサンは雄ポケモン好きだ。ただ、アベサンも雄ポケモンなのが問題なんだよね。つまりは…… そういう事だよ。

 

『成る程、ポケモンバトルか……。残念だ、折角のイイ雄だったのに』

「」ガクガクガクガク

「どうしましたの、ダイノーズ!?」

 

 勝ったな。あのダイノーズの心は折れた。

 

「そんじゃあ、バトル開始!」

 

 岩タイプは鈍足なのが弱点だ。いや、その前に恐怖でマトモに動けないか。

 どちらにせよ、ここは先手で決める!!

 

「アベサン! ハイドロポンプ!!」

『特大の一発をぶち込んでやるぜ』

 

 アベサンが觜を開く。その瞬間、大量の水が激しい勢いで発射された。

 ハイドロポンプはダイノーズに命中し、水圧で壁際まで吹き飛ばされる。

 この一撃で落ちるか? いや、微妙な所か。ダイノーズの防御力はずば抜けているからな。

 

「ダイノーズ! 10万ボルトですわ!!」

「ぶもぉ!!」

 

 半ば予想通り、ダイノーズは立ち上がった。

 やっぱりジムリーダーのポケモンだね。立ち上がるのも勿論だけど、アベサンの威圧に耐える根性があるなんて。野生のポケモンは、まな板の上のコイキングのように諦めるってのに。

 だけど、体が僅かに震えているな。アベサンへの恐怖はそう簡単に克服できないか……。

 というか、10万ボルト!? くっそ、水タイプ対策に覚えさせていたのか!!

 ダイノーズの体に電気が迸り、一筋の閃光がアベサンへと駆け抜ける。だけど、僕だって黙って見ちゃいない!!

 

「光の壁!」

 

 アベサンが両手を前に付きだす。

 光輝く壁が現れ、10万ボルトを受け止める。光の壁には特殊な攻撃を防ぐ効果があるけど、それもいつまで保つか……!

 ビキリ、と嫌な音が響く。微かだけど、確かに聞こえた。

 光の壁の亀裂がドンドンと広がっていく。あまり考える余裕もなさそうだ……!

 どうする……!? ハイドロポンプなら勝負を決めれるだろうけど、命中するまでアベサンは10万ボルトを耐えきれるか!?

 それなら冷凍ビーム…… いや、速度は十分だけど威力が―――

 

「そうだ……!」

 

 極限状態に陥ってフル回転した頭脳が、勝利への活路を見出だしてくれた。

 光の壁も限界が近い! やるなら今しかない!

 

「横に跳んで冷凍ビーム!!」

 

 アベサンが真横に跳躍し、二本の指を合わせてエネルギーを溜める。

 

「ダイノーズ、逃がさないで!!」

 

 ツツジちゃんの指示に従い、ダイノーズは体を動かそうとする。

 待っていた、このタイミングを!!

 

「足元に狙い変更!!」

 

 アベサンが指をつきだす。

 冷凍ビームが一直線に放たれ、ダイノーズの足元に命中した。

 ツツジちゃんが一瞬だけ不可解な表情を浮かべるが、すぐにハッとした表情に変わった。

 僕の狙いに気づいたようだ。そう、ダイノーズの足元の地面はアベサンのハイドロポンプで水浸しになっている。そこに冷凍ビームを当てればどうなるか? 答えは簡単、足元の地面は一瞬で氷になる!!

 ダイノーズは氷の地面に足をとられ、僅かな隙を晒す。けれど、これだけ時間があれば十分過ぎる!

 

「ハイドロポンプ!!」

 

 アベサンが地面を転がりながらも觜を開く。

 ハイドロポンプが放たれ、そのままダイノーズへと叩き込まれた。あまりの水圧だったのか、ダイノーズは壁にめり込んだ。

 ズシーン、と岩石が落下したような音が響く。ダイノーズは目を回して地面に倒れた。

 

「ダイノーズ、戦闘不能! よって、勝者はチャレンジャーのライム!!」

 

 勝てたか~……。アベサンの威圧でもっと楽に勝てると思ったけど、やっぱジムリーダーは凄いわ。ポケモンの育て方が違う。

 

「お疲れアベサン」

『おっと! ボールには戻さなくていいぜ、ライム。俺はイイ雄ポケモンと内なる獣を静めてくるからよ』

「……くれぐれも、トレーナーのポケモンには手は出さないでね」

『なに、分かってるさ』

 

 無駄に男らしくジムを後にするアベサン。超逃げて、野生の雄ポケモン超逃げて。

 まだ見ぬ雄ポケモンに黙祷を捧げてるうち、ツツジちゃんがダイノーズをボールに戻していた。

 そうだそうだ、黙祷なんてしてる場合じゃなかったよ。

 

「負けましたわ。ライムさんの咄嗟の機転、感服するばかりです」

「ああ、どうもどうも」

 

 ツツジちゃんからストーンバッジを受けとる。

 さてと、あとは躓いたふりをしておっぱいを鷲掴みしますかね!

 

「そんなライムさんに、折り入って頼みがあるのですが……」

「お聞きしましょう」

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 何を頼まれたかって? トレーナーズスクールの臨時講師だよ。なんでも、これだけの実力を持ったトレーナーの戦術を学校の生徒にも聞かせたいらしい。ぶっちゃけ、僕が話せるような事はないんだけどなぁ……。

 最初は不安だったけど、教室の後ろで見てるから何も心配しなくてもいいとツツジちゃんが言ってくれた。という訳で、早速子供達へ授業してみたんだけど……。

 

「つまり、ポケモンバトルではトレーナーも最大限にサポートしないと駄目なんだよ」

「「「……」」」

 

 不満そうな顔を浮かべているんだよね~。

 なんか、ツツジちゃんの授業じゃないと受けたくないとか言う生徒もいるし。

 

「質問でーす! ライム先生はジムバッジを何個持ってるんですかー!?」

 

 ニヨニヨ笑っているわんぱくそうな坊主が質問してきた。あれか、ジムバッジの数を馬鹿にしようとしてるのか。

 そういえば何個だっけ、ジムバッジ。全然数えてなかったよ。というか、ちゃんとあるかな?

 まあ、ちゃんとあるとして確か……。

 

「え~っと、7つだったかな」

「「「えええええぇぇぇぇぇ!!!??」」」

 

 教室に絶叫が響き渡った。そして、誰もが時が止まったかのように動かなくなった。

 変な空気になっちゃったし、フランクなギャグで場を和ませますか!

 

「そういえばさ、あるジムリーダーが『アンタのポケモンバトルの腕だけは認めてあげる』とか言ってバッジを送ってきたんだよ。ホント、笑っちゃうよね~」

 

 相変わらず教室は静かだった。ツンデレの意味が分からないのかな?

 その後は体験談や戦術を一通り話して、授業は終了を迎えた。なんか、途中から皆の目が変わっていた気がする。

 教室を出て、職員室へと向かう。

 明日の授業はどうするか考えてると、ツツジちゃんが驚愕した表情で話し掛けてきた。

 

「驚きましたわ……。まさか、ジムバッジを7つ持っているなんて。そのままチャンピオンに挑むおつもりですか?」

 

 チャンピオン? ああ、バッジが8つなら挑戦できるんだっけ。

 

「いいや、全国の(女性)ジムリーダーと闘ってからにするよ。僕はまだまだ未熟だしね」

「尊敬しますわ! 凄い御方でしたのね!!」

「………いや、そうでもないよ」

 

 尊敬の目が心に突き刺さる。本当の目的を知ったら、ツツジちゃんはどれだけ冷たい目を向けるのだろう。まあ、それはそれで興奮するけど。

 こうして、臨時講師の初日は終わった。

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 3日後、とうとう臨時講師も終わりを迎えた。

 教室から見る夕陽がとても眩しい。生徒も全員帰ったし、今は僕とツツジちゃんの2人きりだ。

 なんやかんや言って楽しかったなあ、臨時講師。生の女子学生を見れたのも大きな収穫だったし。

 そう思うと、トレーナーズスクールで過ごす青春も悪くなかったかもしれない。まあ、今の生き方にあまり後悔はないけどね。

 

「臨時講師を引き受けてくださり、ありがとうございました。きっと、あの子達にも良い経験ができたと思いますわ」

「僕の方こそ良い経験ができたよ。たまには幼女も悪くないね」

「えっ?」

 

 いけね、つい本音が。

 

「たまには子供と触れ合うのも悪くないなって! 給料も沢山貰えたし!!」

「ふふっ、そうですね」

 

 誤魔化せた……? うん、誤魔化せたという事にしよう、そうしよう!!

 

「そうだ、私からもお礼を差し上げないと。できる事なら何でも言ってください!!」

 

 できる事なら何でも。その言葉が、脳内で何度も反芻される。

 どうする、ストレートに仕掛けるか……!?

 いや、落ち着くんだ! 焦るんじゃない、僕! もしも断られたら、おっぱいを揉める可能性は絶望的なんだぞ……!! しかも、警察を呼ばれたって不思議じゃない!!

 だけど、これらのリスクを掻い潜れば、返ってくるリターンは果てしなくデカイ!!

 やれる、やれるのか!? いやでも、失敗すればどうしようもないんだぞ!!

 分からない……ッ! どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする!!!

 脳裏では様々な葛藤が繰り広げられる。暫くしてから…… いや、一瞬だったかもしれない。プツリ、と心の内に眠る何かが目覚めた。

 ……やめだ。ウダウダ迷わず、男なら試してみるものだ。そうだろ、人間のアベサン!!

 

「……そうだな。じゃあ、課外授業でどう?」

「お安いご用ですわ。では、いつに―――」

 

 ガシリ、と優しくツツジちゃんの手を掴む。人生一番のキメ顔を作り、ツツジちゃんの瞳を見詰めた。

 

「今じゃ駄目かな?」

 

 囁くように呟く。こういうのは雰囲気が大事だとアベサンが言っていた。

 

「そそそ、それはどういう……!?」

「つまり、そういう事だろ?」

 

 そう、おっぱいを揉むというね。

 

(そういう意味の課外授業ですの!? つまり…… つまりライムさんは私と特別な関係になりたいと!!?? もっと言えば、ライムさんはそれくらい私の事が好きで、一緒に大人の階段を上がりたい―――)ボンッ!!!

 

 ツツジちゃんの顔が一瞬でマグカルゴのような赤くなった。

 どうだ? いける、のか……!? 不安で心が押し潰されそうになる。これで頷かなきゃ、偶然に見せかけて触るしかない。しかも、警察を呼ばれる確率も格段に上がる。

 頼む、頷いてくれ……!

 

「///」コクン…

「!!」

 

 頷い……た?

 一瞬、理性が弾け飛びそうになった。僕は唇を噛んだ痛みで意識を繋げた。

 感情を抑えろ! クールになれ!! がっついて不快感を持たせたら元も子もないぞ!!

 エスコート…… 紳士として丁寧に優しくエスコートするんだ!!

 

「それじゃあ、失礼して」

 

 手頃な椅子を引き、ツツジちゃんを座らせる。

 僕は床に膝まづき、ゆっくりとツツジちゃんのおっぱいに手を伸ばした。

 

「んん……!!! くぅ……!///」

 

 ―――制服。それは、学校や職場などで定まっている服のことで、制服指定がある場合は必ず着て来なければ行けない服。それが世間一般の認識だろう。

 だけど、それだけじゃない。制服には、あらゆる可能性が内包されている。

 制服の上からおっぱいを揉む。そのシチュエーションが、僕らを興奮へと駆り立てるのだ。

 無用な痛みを与えないように気を配り、少しだけ強く胸を揉む。ツツジちゃんのあえぎ声も、少しだけ大きくなった。

 何分、何十分経っただろうか? 僕はずっと、夢の中にいるような気分―――

 

「忘れ物、忘れ物っと」

 

 ガラガラ、と。ドアが開けられる音が響いた。

 

「ライム先生にツツジ先生? 何をしてるの?」

「アハハ、アシタノシュクダイノジュンビダヨ」

「は…… はひぃ……///」

 

 現れたのは女の子の生徒だった。

 生きた心地がしなかった。もう少しはめを外してたら、確実にこの子にバレていた……!

 駄目だ、もう退散しよう! 心臓がバクバク鳴ってとてもじゃないけど耐えられない!!

 

「それじゃあまたね!」

 

 カチコチの挙動で教室から出る。

 周りに誰もいないのを確認して、僕は夢中で廊下を駆け抜けた。

 やった! やった!! やった!!!

 無理! も~う無理!! ヤベェ、僕絶対に捕まりかけた! 刑務所が見えたもん!!

 先ずは雄漁りしているアベサンを見つけて、それから次のジムに直行だ!!

 はは、昇天しかける程おっぱいを揉んでやったぜ!! ヒャッホォォォォイッ!!!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

「きっと、ライムさんはチャンピオンになって戻って来ますわ。そして、今度こそあの日の続きを―――はうぅ!!??///」ボンッ!!!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

~とある宿での一場面~

 

ライム「ふぁ~あ…… さっさと寝よ」

 

サッちゃん『ライムさん、今日こそあの日の約束を……』

 

ライム「ん? ………ああ、そういえばしてたね」

 

サッちゃん『そ、そうです! さあ、早く!! ハリー! ハリー!!』

 

ライム「」サッチャンノテニチュッ

 

サッちゃん『』

 

ライム「そんじゃ、お休みー…… って、あれ? 体が動かないんですけど?」

 

サッちゃん『ライムさーん? 私、舌と舌を絡める情熱的なキスじゃないと認めませんよー?』ユラユラ

 

ライム「ちょっ!? ヤ、ヤバイ!! 皆助けて!!」

 

モンスターボール「「「」」」シーン…

 

ライム「お前ら薄情者!! いつも勝手に出てくるくせに!!」

 

サッちゃん『ライムさん、今夜は楽しみましょう?』

 

ライム「あ、あぁああ…… うわぁぁぁぁぁ!!!????」

 

 

 




A.帰ってきません。

 委員長ってのは押しに弱いイメージです。そして、何だかんだ言いつつもソッチ方面にはしっかり興味があるみたいな。
 それが災い(?)してこうなってしまった……。どうしよう。

ポケモン:ゴルダック
ニックネーム:アベサン
性別:オス
特性:ノーてんき
性格:阿部さん
備考:威風堂々と構え、良い雄とはなんたるかを心に刻み付けている。義理人情にも篤い。ただしゲイ。ライムの友達と性格が似てる為、ニックネームは友達の名前から取った。


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