とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 なんて体たらく……!! もう少しで一ヶ月も間が空くところだった……!!
 言い訳させてください。ババアのおっぱいの感触なんて分かるわけないやん!!


12歩目 四天王のドラセナさん

 

 今日、僕が来ている町はカンナギタウンだ。シンオウ地方にある町で、古くから伝わる壁画があったりと、歴史のロマンが溢れている。あと、出身トレーナーに超大物が多いんだよな。中でも、ある二人が知名度でも実力でも頭一つ抜きん出ている。

 一人目はみんな大好きシロナ様。言わずと知れたシンオウ地方チャンピオンだ。だけど、シロナ様のおっぱいは三日月島で既に揉んでいる。今回の標的ではない。

 二人目はドラセナさん。カロス地方で四天王を務めているトレーナーだ。この町の壁画に描かれている伝説ポケモンに憧れて、ドラゴンタイプの使い手になったらしい。

 そう、今回の標的は四天王のドラセナさんだ。ボインボインのオバさんだ。僕は熟女でも余裕でイケます。

 住所は既に割れている。でも、いきなりお邪魔するってのもどうよ? 絶対に怪しまれるって。

 あれこれアプローチの方法を考えながら道を歩いていると、裏路地の方から何やら物音が聞こえた。裏路地で物音…… 美少女が不良どもに絡まれているのがお約束!! 助ければおっぱいチャンス!!!!

 一先ず様子を探ろうと、壁からひょっこりと顔だけ出した。

 

「おら、有り金全部置いてけよ。迷惑料だ」

「うぅ……」

 

 なんということでしょう。そこには片腕一つで不良の首根っこを掴み、朝飯前と言わんばかりに持ち上げる女の子の姿が。

 よくよく見れば、子分らしき男たちが壁に頭からめり込んでいた。まさに死屍累々。現代に顕著した地獄である。

 なんだこの状況。これじゃあ、女の子から不良を助ける流れじゃないですか。

 野郎なら助ける義理もない。このまま様子見でいいだろ。

 

「……あっ! おい、お前!! 黙って見てないで助けろ!!」

「あ? まだ残っていたのか」

 

 あろうことか、僕の存在に気づいた不良が助けを求めてきた。

 次の瞬間、不良の頭が壁にめり込んだ。女の子の注意を僕に逸らして、その隙に逃げる目論見だったのだろう。その目論見がここまで一瞬で破綻すると、哀れにすら思える。

 女の子はゆっくりと僕へと足を進めた。僕の背格好を見ながら、怪訝そうに首を傾けていた。

 

「……やっぱ、不良って雰囲気じゃねえな。通りすがりか?」

 

 良かった。見境なく襲うタイプじゃないようだ。まあ、こんな美少女に暴行されるならそれはそれでアリだけど。

 

「うん、そうだ―――」

 

 彼女の肩越しに、鉄パイプを大きく振り上げている不良その2の姿を見つけた。

 女の子を押しのける。少し乱暴だけど、思考するよりも先に身体が反応したからだ。不可抗力って事で許してほしい。

 力一杯に振り下ろされる鉄パイプが迫る。恐らく脳天直撃コース。どうやっても躱せない。

 鈍い音が響いた。視界が揺れる。僕はそのまま意識を――― 絶たずに、声を押し殺しながら地面をのたうち回った。

 痛い!! めっちゃ痛い!! タンスの角に小指ぶつけたくらい痛い!!

 

「こんのっ、屑野郎がぁ!!」

「げぼらばぁ!!??」

 

 女の子が不良その2の顔面に容赦なく拳をぶち当てる。そのまま飛んでいき、とうとう彼は直線上の壁に埋まった。

 

「おい、大丈夫か!!?? 今、病院に連れてってやるからな!!」

 

 女の子は僕をお姫様抱っこしてくれた。

 いや、自分の足で歩けるん―――

 

「えっと、病院どこだよ!!??」ムニュリ‼︎

 

 あー、ダメだ。こりゃ重症だ。マトモに歩けないや。病院に送ってもらおう。

 女の子は駆け出した。周りの景色がビュンビュンと過ぎていく。男一人背負っているとは思えないスピードだ。

 それにしても、彼女は何者なのだろうか。人外の3…… いや、4歩手前の強さだぞ。

 まあ、この際どうでもいい。今、何よりも重要なのは、女の子のおっぱいが僕の肩に当たっているという事実だ。中々の巨乳…… しかも、サラシを巻いてるだけときた。最高です!

 質量を持った残像が僕の肩を叩く叩く、叩きまくる。両手を伸ばしたいけど、この子にセクハラしたらその日が命日になりそうだ。ここは我慢して、せめて肩を上下に揺れ動かそう。

 女の子は慌てて病院に向かっている。もっとゆっくりでも構わないのに。寧ろ、病院なんか行かないで、ずっとこのままでいた方が怪我の治りが早くなると思うよ?

 

「あー! やっと見つけた!!」

 

 どうやら、病院が見つかってしまったらしい。

 病院に着くや否や、僕はそのまま緊急の検査をうけた。だけど、見つかったのは大きなタンコブだけだった。脳の異常とか、出血は特に無いらしい。

 医者の人に、テーブルに頭ぶつけたくらいで病院に来るなって怒られた。鉄パイプで殴られたんだけど、色々とややこしくなりそうなので黙っておいた。

 病院のロビーに戻ると、女の子と母親らしき女性がいた。僕に気づくと、半ベソかいて駆け寄ってきた。

 

「おいお前、傷は大丈夫か!? まさか死なないよな!?」

「ああ、大丈夫だよ。タンコブで済んだし」

「タンコブ!!?? 鉄パイプで殴られたのにタンコブ!!??」

 

 そりゃあ、鍛えてますから。警察に捕まらないように。

 というか、壁にめり込んでいるだろう不良どもの方が重症だと思う。

 

「ごめんなさい、貴方を娘の喧嘩に巻き込んでしまって。本当に、なんてお詫びをすればいいか……」

 

 母親らしき女性が頭を下げて――― って、ドラセナさんじゃねえか!!

 

「初めまして、僕はライムっていいます! カロス地方四天王のドラセナさんですよね? カンナギタウンの有名人に会えたのはこれで2人目です。いやぁ、光栄だなあ!」

「あっ!? やめろバカ!」

「えっ?」

 

 突然、ドラセナさんが僕に抱きついてきた。

 ムッチリ! しっとり!! ふくよか!!! 奇跡のトリプルコンボ!!

 例えがちょっとアレだけど、感触としては熟れたマトマの実に近い。張りがあるような、無いような。だけどしっとり柔らかい。

 というか、娘さんの前だよ!? いいの、抱きついていいの!?

 背徳感がハンパない。故に、いつもより興奮する! ああっ、ああぁあ、揉みしだきたいいいいいいい!!!

 

「なにゆえ私が二番手なの!!!!」

「すみませんっ!」

 

 ジャーマンスープレックスされました。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 諸々の感謝とお詫びに、ドラセナさんのお宅に招待された。なんでも、美味しい料理を振舞ってくれるそうだ。

 旅をしている身としては嬉しい限りだ。ポケセンでは簡素な料理しか用意されていないし。断る理由なんてある訳ない。

 という訳で、ドラセナさんの家で晩御飯をご馳走させてもらっています。マトマの実で煮込んだスープに色々な食材をぶっ込んだ、闇鍋みたいな料理だ。カンナギタウンの郷土料理らしい。

 さてさて、ここまで育ててきた大根もそろそろ食べ頃か―――

 

「もらったぁ!!」

「僕の大根ーーーー!!?」

 

 大事に育てた大根が持ってかれた。犯人は彼女はドラセナさんの一人娘、セフィアーナちゃんだ。

 ホクホクに温まった僕の男根を、彼女は美味しそうに頬張った。悔しい!

 

「早い者勝ちだせ、晩飯はよ!」

「どんな世紀末!?」

 

 そこからは食うか食われるかの真剣勝負。食べ頃の食材を奪い合った。

 鍋の中身はあっという間に無くなった。セフィアーナちゃんに沢山食べられまくった気もするけど、満足したから良しとしよう。

 

「美味しかった、ライム君?」

「ええ、それはもう!」

「温かいお風呂も用意してるから、良かったら入ってね」

「本当ですか!? ありがとうございます!!」

 

 まさに至れり尽くせり。ポケセンにはシャワーぐらいしかないから、風呂なんて滅多に入れない。嬉しい限りだ。

 さっさと風呂場に向かい、浴槽に右手を少し入れて湯加減を確認した。

 うむ、丁度良い温度だ。さっさと入ってしまおう。僕はポポポーンと服を脱ぎ捨てた。

 湯船に浸かりながら、これからどうするかを考えた。残るはカロス地方のチャンピオン、カルネちゃんだけだ。彼女のおっぱいを揉んだらどうしようか?

 

「んー? 誰か入ってんのかー?」

 

 脱衣所からセフィアーナちゃんの声がした。まさか、これは―――!!

 

「おお、そういやライムが入ってたな!」

 

 きたああああああああああ!!! マッパのセフィアーナちゃんだああああああ!!!

 裸体にタオル一枚! しかぁし、タオル越しでもスーパーボールの形がハッキリと分かる!!!

 

「折角だし一緒に入ろうぜ。なに、タオルでちゃんと隠すから気にすんな!」

「なんと!?」

 

 男らしい! 僕より男らしい!! 隠れていれば大丈夫とか、僕にだって言えない!!

 浴槽に入ってくるセフィアーナちゃん。2人が入るスペースはあるにはあるけども!

 

「はっふぅ〜、生き返るぜ」

 

 いつの間にかタオルを取っ払っていた。

 そうだよね、湯船にタオルを入れるのはマナー違反だもんね!!

 僕は瞬時におっぱいに目を向けたけど、入浴剤の入っているお湯のせいで何も見えなかった。

 

「お? 何で泣いてんだ?」

「いやッ……!! 泣いてなんか、ないよッ……!!」

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 一泊だけして、僕はドラセナさんたちとお別れした。もう少し泊まりたいけど、これ以上迷惑をかけられないし、何より目的はもう達成している。ここに留まる理由もない。

 さてと、次の目的地はカロス地方だな。正直、移動が多すぎて経費がヤバイ。

 

「!!」

 

 セクシーなお姉さんが僕にウインクして、裏路地に入っていった。

 これはどう考えても誘われていますね分かります。モテる男は辛いぜ!!

 裏路地に入ると、曲がり角でお姉さんが待ち構えていた。

 

「キャハ! 単純な男ね!」

「えっ」

 

 ハンカチを嗅がされた。途端に、意識が遠くなって―――

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 眼を開くと、何人もの不良が僕の周りを取り囲んでいる光景が広がっていた。リーダー格らしき男の隣には、僕を誘惑したお姉さんがいた。どうやら、まんまとハニートラップに引っ掛かったようだ。

 起き上がろうとしたけど、まったく身動きが取れない。どうやら、縄で縛られているみたいだ。まさか、こんなヤンキー共に不覚を取るなんて……。

 改めて周りを見渡すと、今いる場所は廃墟の外だと分かった。時刻は日も沈みかけた黄昏時で、廃墟の不気味さをより一層引き立てている。

 

「随分とお早いお目覚めだな、人質君。カビゴンでも1日は寝ているシロモノなんだが」

 

 リーダー格らしき男が話しかけてきた。顔面にタトゥーを入れており、そこいらの不良とは何か違う雰囲気がある。

 

「人質……?」

「ああ、そうさ。あの怪力娘にお灸を据える為の、大事な大事な人質だ」

 

 ヤンキー共の中に、包帯でグルグル巻きにされたミイラ男が数人いた。あれ、昨日セフィアーナちゃんにボコられていた不良たちじゃね?

 ……ああ、うん、察した。僕を人質にして、手出しできないセフィアーナちゃんをボコボコにしようって魂胆か。

 このまま大人しく人質になってやる義理はない。死角になっている手でモンスターボールを探した。だけど、モンスターボールどころかバッグまで取られているようだった。

 

「末恐ろしいポケモンだったぜ。お前を人質にしてなきゃ、あっという間に壊滅させられてただようよ。つっても、既に3分の2が再起不能だがな」

 

 リーダー格の不良が僕のバッグから6つのモンスターボールを取り出した。いつもと違う点をあげるとしたら、鎖でグルグル巻きにされていることだろうか。

 ここまでされると、流石のみんなもボールから出られない。僕一人の力で切り抜けるしかなさそうだ。

 

「お前ら、たった一人にここまでして恥ずかしくないのか?」

「一人? 笑わせるな。一人ってのはな、人間を数えるときに使うんだぜ」

 

 遠い目でそう言い切ったリーダー格。その気持ちは分かるけども。

 

「ほら、噂をすれば何とやらだ」

 

 リーダー格が顎を軽く前に突き出した。

 僕は目線を前方に移した。そこには、いかにもご立腹なセフィアーナちゃんがいた。

 

「てめえら、よくもライムに手を出しやがったな!! 泣いても許してやんねえぞ!!」

「おっと、泣いて許しを乞うのはお前の方だぜ」

 

 リーダー格は懐からモンスターボールを取り出し、ドクロッグを繰り出した。

 強いな、あいつ。だけど、ジムリーダーや四天王程ではない。

 

「……うぅッ!?」

 

 セフィアーナちゃんはモンスターボールを取り出そうとしない。悔しそうに顔を歪めるだけだった。

 

「調べはついてるぜ。あんた、ポケモンバトルはそんなに強くないんだってな。そりゃそうだ、己の身一つでそこまで戦えるんだからな」

 

 一歩一歩、ドクロッグが迫る。セフィアーナちゃんは拳を構えるけど、その瞳には僅かに恐怖が浮かんでいた。

 

「ヒャハハハハハ、ビビってんじゃねえよぉ!!!」

「いつもの威勢はどうしたよ!?」

 

 耳を塞ぎたくなるような下卑た声があちこちから上がった。

 

「妙な真似はするなよ。月並みだが、動いたらこいつは無事じゃ済まないと思え」

 

 ドクロッグが拳を前に突き出した。その拳がセフィアーナちゃんに当たる―――

 

 

 

 

「どっせぃ!!!」

 

 

 

 

 直前に、ドクロッグの腕を掴み取って背負い投げした。ドクロッグは宙に舞い、重力に引っ張られてそのまま地面に叩きつけられた。

 セフィアーナちゃんに目をやる。良かった、怪我はない。間に合ったみたいだ。だけど、余程怖かったのだろう。セフィアーナちゃんはぐっと目を瞑っていた。

 

「大丈夫だよ、セフィアーナちゃん」

「ライ、ム……?」

 

 僕の声を聞くと、セフィアーナちゃんは恐る恐る目を開けた。

 さっきまで縛られていた筈の僕と、地面でのたうち回っているドクロッグを見て、彼女は目を点にしていた。

 セフィアーナちゃんだけでなく、不良共も同様だった。ある程度事態を把握してきたのか、僕を見る目がだんだんと化物を見るようなそれに変わっていった。

 失敬な。練習すれば誰でもできるって。

 

「……何をした、てめえ。さっきまで縄に縛られていただろ」

「なに。縄を緩めて、お前らの意識が僕から逸れた瞬間に抜け出しただけさ。縛り方も甘々だったしね。関節外したら直ぐに抜けれたよ」

 

 僕のその言葉を聞いた途端、リーダー格は静かに、そして狂ったかのように笑い始めた。

 

「くく、くくくく、ひひひ…… この、化物どもがああああああ!!」

 

 リーダー格の獣の様な叫びが廃墟に木霊する。これまでの余裕綽々な態度が嘘みたいだ。

 リーダー格は懐から新たなモンスターボールを取り出した。僕が投げ飛ばしたドクロッグもそろそろ起き上がるだろう。2匹以上になれば、流石の僕でも手に負えない。これ以上、数を増やす訳には……!

 

「おっせぇ!!」

 

 セフィアーナちゃんは瞬く間にリーダー格との距離を詰め、拳を振り上げた。その拳は吸い込まれるようにリーダー格の顎を捉え、リーダー格の体を紙切れのように宙へと吹き飛ばした。

 僕のバッグも宙に舞い、そのまま僕の腕の中へと落ちてきた。よかった、ボールも6つ揃っている。

 ベシャリ、とリーダー格は地面に落ちた。手足がピクピクと痙攣してるから、一応は生きているのだろう。一応は。

 

「う、うわああああああ!!!」

「逃げろおおおおおおおお!!!」

「消されるううううううう!!!??」

 

 1人の絶叫を皮切りに、不良共はアリアドスの子を散らすように逃げていった。

 とりあえず、これで解決かな。いやぁ、セフィアーナちゃんが怪我しなくて良かった良かった。

 

「ライム……」

 

 妙に真面目な表情のセフィアーナちゃんは、勢いよく頭を下げた。

 

「お願いします、弟子にしてください!」

「えっ」

 

 丁重にお断りして、カルネちゃんのおっぱいを揉むべく旅立ちました。





 四天王・チャンピオンも残すは眉毛1人となってしまいました。ここまで長かった……。本当に長かった。
 評価や感想をくれると嬉しいです。

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