とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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ホミカ! ホミカ! ホミカ! ホミカぁぁぁうわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ホミカホミカホミカぁああぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ! クンカクンカ! スーハースーハー! スーハースーハー! いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ! ホミカたんの銀色の髪をクンカクンカしたいお! クンカクンカ! あぁあ!!
間違えた! モフモフしたいお! モフモフ! モフモフ! 髪髪モフモフ! カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
ブラックホワイトのホミカたんかわいかったよぅ!! あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!! ふぁぁあああんんっ!!
アニメ放送されて良かったねホミカたん! あぁあああああ! かわいい! ホミカたん! かわいい! あっああぁああ!
オメガルビー・アルファサファイアも発売されて嬉し…いやぁああああああ!!! にゃああああああああん!! ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!! ゲームなんて現実じゃない!!!! あ…漫画もアニメもよく考えたら…
ホ ミ カ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い? にゃあああああああああああああん!! うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!! いやぁぁぁあああああああああ!! はぁああああああん!! イッシュ地方ぅぅぅぁああああ!!
この! ちきしょー! やめてやる!! 現実なんかやめ…て…え!? 見…てる? ゲームのホミカちゃんが僕を見てる?
ゲームのホミカちゃんが僕を見てるぞ! ホミカちゃんが僕を見てるぞ! ゲームのホミカちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのホミカちゃんが僕に話しかけてるぞ!!! よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!! 僕にはホミカちゃんがいる!! やったよナツメちゃん!! ひとりでできるもん!!!
あ、ゲームのホミカちゃああああああああああああああん!! いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアスナ様ぁあ!! フロウー!! カミツレぇぇぇぁああああああ!!! カトレアぁあああ!!
ううっうぅうう!! 俺の想いよホミカへ届け!! イッシュ地方のホミカへ届け!



16歩目 タチワキシティ

 

 やあやあ、同士諸君。僕は只今、フワンテの大爆発で吹き飛ばされています。

 野を越え、山を越え、海を越え、爆風の勢いもようやく衰えてきた。なんか、ガチで別の地方まで飛んで来ちやったな。僕、冗談で言っただけなのに……。

 おっと、高度が下がってきたな。そろそろ着地する頃か。

 

「へぶらっ!!??」

 

 顔面から地面に叩きつけられた。

 あーあ、着地失敗だよ。まあ、死ななかっただけ良しとするか。凄く鼻が痛いけど。

 

「ひ、人が降って来たぞ!?」

「あれ、生きているのか?」

 

 周りの人が騒いでいる。まあ、突然人が降って来たらそうなるか。

 それにしても、僕は何処まで吹き飛ばされたのだろう? 丁度良いし、そこの野次馬に聞いてみよう。

 首だけ動かし、野次馬の一人に顔を向けた。ゾンビを見るような目をしてたけど気にしないでおこう。

 

「すみません、ここは何処ですか?」

「タ、タチワキシティだけど……」

 

 おおー! 有名なギタリスト兼ジムリーダーのホミカちゃんがいる街じゃん!! 僕の記憶が正ければ、毒タイプのエキスパートだっけ。

 いや〜、流石はメリッサさんだ。まさか大爆発でイッシュ地方まで運んでくれるとは。これで船の運賃が浮いたよ。

 さてと、先ずはポケモンセンターに行って僕の傷を治療しなきゃね。ジョーイさんに「痛いの痛いの飛んでけー」をやってもらわないと!!

 

「んじゃ、教えてくれてありがとね!」

 

 寝てても仕方ないので、ぱぱっと立ち上がった。

 よーし、元気が湧いてきたぞ! ダッシュでポケモンセンターに向かおっと!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 さてさて、タチワキジムにやって参りました。

 怪我の具合はどうかって? 特に問題ないってさ。ジョーイさんのお墨付きだよ。

 ……大爆発をくらって、結構な高度から落下したのに無傷とは。僕の防御力って伝説ポケモン並み?

 まあ、別にどうでもいっか。それよりもおっぱいだよ、おっぱい。

 

「おじゃましまーす」

 

 ジムの扉が開いた瞬間、大音量のロックミュージックが響いた。

 耳がガンガンするけど、不思議とテンションがMAXになるような気がする。うっひょお、燃えてきたぜぇぇぇ!!!

 それにしても、まるでロックライブかのような内装だ。というか、演奏してるしまんまロックライブなのだろう。

 おっ、ステージの真ん中にいる子がホミカちゃんか? うんうん、柄の悪そうなロリっ娘だ。

 ふむふむ、今回のおっぱいはちっぱいか。ここ最近は巨乳続きだった気がするし、素直に嬉しいぞ!!

 それじゃあ、早速やりますか! 今回の作戦もジム戦後に躓いた振り…… そう、ダイビングインザガール作戦だ!

 ステージに上りホミカちゃんへと近づいた。さて、早速話し掛けるとしますか!

 

「―――!!!」

「D・O・G・A・R・S、ドガース!」

 

 演奏しか聞こえねぇ!! 僕の声ちゃんと出てる!?

 どうしよ、これ? そうだ、ボディータッチして気づかせれば―――

 

「D・O・G・A・R・S、ドガース!」

「……」

「D・O・G・A・R・S、ドガース!」

「ドガース!!!」ムニョムニョ

 

 テンションに身を任せて、ホミカちゃんのちっぱいを両手でモミモミしてしまった。いやいや、何やってんだ僕!!

 えぇい、こうなったらホミカちゃんのちっぱいを揉むしかない!! 揉んだ後、全力で次の街に逃走する!!

 

「D・O・G…… はぁぁぁぁ!!!??///」ムニョムニョ

 

 ホミカちゃんが茹でオクタンのように真っ赤になった。心なしか、ちっぱいの真ん中辺りにプックリと突起がある気がする。

 ちっぱい、ちっぱい! 両手で包み込めるこの感覚が堪らない!!

 この歳頃のおっぱいは、目を離すと直ぐに成長しちゃうからな。今のうちに味わんないと! ホミカちゃんのおっぱいも成長の余地がありそうだし。

 ちっぱいを優しくグリグリする。固いけど柔らかい! そんで、若さ故の張りがある!

 

「なっ、なにしてんだテメェェェェ!!!???」ドグシャア!!!

「ぶっはぁ!!!??」

 

 エレキギターで殴られました。思いの外クリーンヒットで、僕は意識を手放した。おっぱいからは手は離さなかったけどな!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 目を覚めしたら、いつの間にかギターのコードでグルグルに巻かれていた。ヤバイ、久し振りに捕まってしまった。

 ジムにいるのはホミカちゃん、ギターのお姉さん、ドラムの男の三人だ。この人数なら、どうにか視線を掻い潜れるか……?

 

「まさか、ボディータッチをしてくるなんてねぇ……。しかも、寄りによってホミカちゃんの胸に」

「おい、何だその目!」

 

 まだまだ青いな。貧乳は立派なステータス、巨乳には無い長所だってあるんだよ。

 さて、誰も僕に目を向けてないし、さっさと逃げるとしますか。この程度の束縛なら、余裕で縄抜けできるし。

 え〜っと、とりあえず肩の関節を外してっと。相変わらず痛いけど、これで逃げれるぞ!

 

「とりあえずジュンサーさんに連絡……あっ!!!」

 

 やべ、気づかれた。だけど、このまま出口まで全力ダッシュすれば逃げ切れる!

 

「逃がすかぁ!!」

 

 ホミカちゃんがエレキギターの弦を指で弾いた。だけど、それがどうしたって―――

 

『ギャァァァァァン!!!!!!』

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!??」

 

 耳がぁぁぁぁぁぁぁ!!!??

 地面を転げ回る。一瞬心臓が止まったよ絶対!??

 うげぇ…… 耳がキーンってする。これじゃあマトモに走れないぞ。というか、立てない。

 

「ったく、油断も隙も無い……」

 

 呆れ顔で僕に近づくホミカちゃん。そして、僕の首に何かを装着した。

 これ、首輪じゃね? 手綱らしき鎖がしっかりとホミカちゃんの手に握られているし。

 本格的に捕まってしまった。これはもう逃げらんないな……。

 しっかし、寄りによって首輪とは。縄抜けもピッキングもできないじゃん。やれやれ、ロックな趣味をお持ちで。

 

「さっさとケーサツに突き出すか」

「えっ」

 

 耳を疑った。目で「本当に通報すんの?」と問い掛けたら、ホミカちゃんは呆れたように肩をすくめた。

 

「当たり前じゃん。ちゃんと真人間になって帰って来な」

「堪忍です! それだけはホント堪忍です!!」

 

 ヤバババババババ!!!???

 これまでの悪事まで暴かれたら、実刑判決は免れない!!

 

「あなた、何でホミカちゃんの胸に触っちゃったの?」

 

 ギターのお姉さんが話し掛けてきた。これはチャンスだ! 上手い言い訳をすれば、起死回生できる!!

 

「あの演奏を聴いたら理性が吹っ飛んじゃいまして…… そんで、ホミカちゃんが可愛かったからつい……」

「「「!!!??」」」

 

 曲を褒めたら三人の目が変わった。これは意外と好感触! いけるぞ、おい!!

 

「そそそ、それとこれとは話が別じゃん!!」

 

 若干照れてるホミカちゃん。もう一押し、もう一押しだ!!

 

「冷静になって! 胸に付いた脂肪を揉まれただけじゃないか!!」

「死刑になっちまえし」

「にゅわぁぁぁぉぁぉ!!!??」

 

 選択ミスったぁぁぁ!! もうダメだぁぁぁぁぁぁ!!!

 お父さん、お母さん、僕はとうとう犯罪者になるかもしれません。

 

「おや、何事ですか?」

「あっ、親父!」

 

 船長服を着た中年のおっさんがジムに入って来た。どうやら、ホミカちゃんの親御さんらしい。

 状況はガチで最悪だ。愛娘がおっぱいを揉まれたと知ったら、ホミカちゃんの親父さんもブチ切れるんだろうし……。

 

「このお方は……?」

「セクハラ男だよ! こいつ、あたしのおっぱ…… 胸を揉みやがったんだ!!」

「胸を、ですか?」

 

 突然、何かを思い出したかのような素振りをする親父さん。あれ、怒られないぞ?

 

「貴方、ジムバッジは?」

「えっと、14個ですけど……」

 

 何のつもりだ? まさか、このタイミングでジムバッジの数を聞いてくるなんて……。

 

「「「えぇぇぇぇぇ!!???」」」

 

 絶叫するホミカちゃん達の傍ら、納得したように頷く親父さん。

 いや、うん。慣れてますよ、そんな反応も。どうせ、ファーザーみたいな強者のオーラなんてありませんよ僕には。

 

「我が娘よ、この少年を解放してあげてください。きっと彼も、魔が差してしまったのでしょう」

「で、でもさぁ!!??」

 

 予想外にも親父さんから助け舟が出た。理由はよく分かんないけど、細かく考えてる余裕はない。今回のチャンスは絶対に逃さない!!

 

「お願いしますお願いしますお願いしますお願いします!!」

「うぅ……」

 

 必死に土下座した。プライド? この生き方を選んだ時点で、ポチエナに食わせたよ。

 

「……それなら、ポケモンバトルで決めてやるよ。あたしが勝ったら警察行き、あんたが勝ったらお咎め無しだ」

「マジっすか!!!」

 

 首の皮1枚繋がった!! 鎖に引っ張られながら、ステージの向こうにあるバトルフィールドへ移動した。

 ホミカちゃんと対峙し、モンスターボールに手を掛ける。落ち着くんだ、僕。いつも通りに闘えば、勝機は十分にある!

 それにしても、普段のジム戦とは比較にならないプレッシャーだ。まあ、僕の長年の夢を賭けたポケモンバトルだし。

 あ〜あ、フスベジムみたいな心臓に悪いバトルは、2度としないって決めてたのに……。

 

「頼んだ、ペンドラー!!」

「頼みます、イケメソさん!!」

 

 宙に投げられたモンスターボールから、マッギョことイケメソが繰り出された。

 久々のジム戦だ。イケメソもやる気満々だろう。

 

『警察に自首しなよ、ライム君。これを機会に、ちゃんとした人間に生まれ変わろう。大丈夫、今からでも遅くはないよ』

「イケメソさぁん!!??」

 

 やる気以前の問題だったよ!?

 やめて! 僕のためを思っての言葉だから、余計に胸が痛んじゃう!!

 表情は相変わらずの薄ら笑いだけど!! つーか、これで慈悲に満ちてた顔だったら心が折れてた!

 

「それじゃあ、バトル開始!」

 

 うわぁ、始まってしまった!!

 相手のペンドラーは超巨大イモムシのようなポケモン。体重は200kgもあるのに素早さが高いというクレイジーなポケモンだ。

 まず、この素早さを何とかしなくては。電磁波で麻痺させて、本来の動きを鈍らせる!

 

「電磁波だ、イケメソ!」

『……』

「イケメソさん、指示を聞いてくださいお願いします!!」

 

 渋々と電磁波を放つイケメソ。しかし、ペンドラーは200kgと思えない速度でそれを躱した。シャカシャカ小刻みに動く脚がキモイ!!

 

「ペンドラー、毒づき!」

 

 ペンドラーが紫色に染まった角をイケメソに突き立て、イケメソを吹き飛ばした。

 毒づきはダメージと同時に、相手を毒状態にすることのある技だ。イケメソの薄ら笑いが若干引き攣っている。どうやら、毒が体に回ってしまったようだ。

 相手のペンドラーは俊足だ。このまま逃げに徹されれば、イケメソの体力が底を尽きてしまう!!

 

「イケメソ、熱湯!」

『やれやれ。相手が真剣なら、手を抜く訳にはいかないよねっと!』

 

 空中で体制を立て直し、ペンドラーに熱湯を放つイケメソ。しかし、ペンドラーは難なくそれを躱した。まあ、予想通りだけど。

 

「逃がすな!」

 

 逃げるペンドラーを追うように熱湯を放たせ続ける。

 当たらなくても構わない。僕の狙いはペンドラーじゃくて、このフィールドなのだから!

 

「っ!? フィールドがぬかるんで……」

 

 泥沼のようにぬかるんだ地面がペンドラーの脚を重くしていた。

 ペンドラーのスピードは目に見えて落ちている。叩くなら今がチャンス―――

 

「ペンドラー、高速移動!!」

 

 ペンドラーのスピードが飛躍的に上昇した。もしかしたら、このバトルで一番の速さかもしれない。

 一瞬でイケメソとの距離を縮めるペンドラー。これじゃあ、指示を出しても間に合わない!

 

「毒づき!!」

 

 2度目の毒づきがイケメソに叩き込まれる。イケメソは宙に舞い、ベタリとぬかるんだ地面に落下した。

 イケメソが起き上がる様子もなく、いつの間にか審判に務めていた姉さんが旗を上げていた。

 

「イケメソ、戦闘不……」

「まだだ!」

 

 イケメソが地面に潜って姿を消した。マッギョは泥沼に潜んで獲物を狙うポケモンだ。この環境なら、マッギョの真価を100%発揮できる!

 

「ぎゅ、ぎゅお……」

「動いちゃダメ、ペンドラー!!」

 

 ペンドラーが一歩下がった瞬間、ビリビリと電撃が奔った。どうやら、イケメソはペンドラーの真後ろに潜んでいたようだ。

 脚が止まった。決めるならペンドラーが痺れている今だ!!

 

「イケメソ、大地の力!!」

 

 イケメソが地面にパワーを送った。ペンドラーの足元の地面が砕け、その衝撃がペンドラーにダメージを与えた。

 大地の力は地面タイプ。だけど、毒・虫タイプのペンドラーには等倍の威力に抑えられる。頼む、これで倒れてくれ……!

 ズシン、と地響きがした。目を回しながら、ペンドラーは地面へと倒れた。

 

「ペンドラー、戦闘不能! 勝者はチャレンジャーの…… えっと、チャレンジャー!!」

 

 あっ、そういえば名乗ってなかったね。締まらない終わり方だなぁ。

 それにしても、本当に勝てて良かった。前科持ちになったら、両親に合わせる顔が無くなるもん。

 

『うぅ…… 勝ってしまった。ライム君を更生できるチャンスだったのに。でも、相手が真剣なのに手を抜くなんてできないし……』

「はい毒消し! そんでボールに戻って!!」

 

 イケメソの毒を消し、ボールに戻した。イケメソが性格超イケメンで良かった!!

 

「負けちゃった……。あんたがジムバッジを14個も持ってるの、納得したよ。ほら、トキシックバッジ」

 

 なんか縦長の気持ち悪いバッジを投げ渡された。何じゃこりゃ?

 さてと、バッジも貰ったしこの街からオサラバするとしますかね。脇目も振らず、全力でジムの出入り口へと駆け抜けた。

 

「少し、お話ししていきませんか?」

 

 ジムから出る直前、ホミカちゃんの親父さんに僕の腕を掴まれた。

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 どうも、ライムです。ホミカちゃんの親父さんに連行されて、タチワキシティのとある喫茶店でお茶をしています。このお店は知る人ぞ知る穴場スポットらしいです。

 

「どうです、ここのコーヒーは絶品でしょう」

「はい、とても美味しいです」

 

 コーヒーカップに口を付け、ぐいっと傾ける。

 うん、美味い。甘さと苦味のバランスが絶妙だ。穴場スポットと言われるのも納得できる。

 さて、ホミカちゃんの親父さんがどうして僕と話したいかが問題なんだよね。船長は裏の顔で、実は国際警察ってオチだったらどうしよ。とりあえず、煙玉をいつでも投げられるようにしとこう。

 

「実は私、行く先々の地方のジムリーダーからこんな話を聞きましてね。なんでも、おっぱいを触ろうとする凄腕トレーナーがいるとか。名前はライムというらしいです」

「ブフゥ!!??」

 

 コーヒーが胃から逆流した。親父さんは国際警察で確定だ。急いで煙玉を投げて逃走を―――

 

「やはり貴方がそうですか。いや、勘違いしないでください。最初に言ったとおり、貴方と話したいだけなんです。貴方を一目みて、私と似てる目でしたから」

「もしかして、親父さんも同志……!!??」

「変態ではありません」

 

 即答された。なんだよ、同志じゃなかったのか。

 それにしても、どうして目なんだ? こう言っちゃ悪いけど、あんまり似てないと思うんだけど。

 

「ライムさん、質問があります。貴方にとって、夢とは何ですか? 嫌なら答えなくても構いません」

 

 ホミカちゃんの親父さんは真剣な目で僕を見詰めた。僕はこの目を知っている。夢に人生を賭けた漢のする目だ。

 そうか。だから、僕と似ている目って言ったのか……。

 それにしても、夢か。あまり深くは考えてなかったけど、言うなら―――

 

「夢は…… 生きてる限り追い続けるものだと思っています」

「たとえ、それが叶わなくとも?」

「叶わなくてもです。人なら誰もが夢を抱いて、いつか叶う筈がないと諦めます。そんな中、自分の人生を賭ける価値のある夢と出会えるのは、きっと幸せだと思うんです」

 

 それを聞いたホミカちゃんの親父さんは、安心したように微笑んだ。

 

「安心しました。真剣に夢と向き合う者に、悪い人間はいませんから。そうですよね?」

 

 親父さんが突然振り返った。

 すると、そこのテーブル席に座っていたお客さんが恥ずかしそうに帽子を外した。

 

「ホミカちゃん!!??」

「し、仕方ないだろ……。自分に勝った相手が気になるなんて、当たり前じゃん」

 

 モジモジするホミカちゃん。どうやら、僕が気になって尾行していたようだ。

 可愛いなあ。もう一回、おっぱいを揉みたいなあ。

 

「あと、次に我が娘の胸を揉んだら許しませんよ」

「はいっ! 2度としません!!」

「それでは、稽古があるのでお暇するとしましょう。ああ、勘定なら私が払いますよ。質問に答えてくれたお礼です」

 

 僕の思考を見透かしているかのような忠告を残し、ホミカちゃんの親父さんは席を立った。

 それにしても、怖かった。あれは確実に親としての怒りだな。まあ、当然か。

 

「ライム…… だっけか。あんたの夢って、何なの?」

 

 夢、か……。

 いつからだろう。自分の夢を堂々と話せなくなったのは。幼い頃にこの夢を話したら、全員にバカにされたっけなぁ。ハハッ、懐かしい。

 だけど、何でだろ? 今なら、素直に話してもいいって思えるよ。たとえ、通報される危険があるとしても。

 

「全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むって夢さ。滑稽だろ?」

「……いや、呆れるを通り越して尊敬するよ」

「あれ、笑わないの?」

「笑わないって。あんたが言ってた、人生を賭けた夢でしょ?」

 

 涙が出そうになった。不器用な言葉の裏にある優しさをまざまざと感じる。

 

「あんたが警察に通報されない理由、少し分かった気がするよ。じゃあな、ライム」

「うん。じゃあね、ホミカちゃん」

 

 こうして、タチワキジムの挑戦は終わった。

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

「あの子だけだな。僕の夢を笑わなかったのは……」

 

 

 





 筆者的には、ホミカたんのおっぱいを揉めるなら指を詰める覚悟だってできています。
 感想・評価、たくさんくれてありがとうございます!!
 これからもドシドシお願いします!!

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