とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 変態紳士の皆様、お待たせしました。
 こんなに遅れるとは僕自身も予想外です。マジスンマセン。


14歩目 キッサキシティ

 どうも、ライムです。シンオウ地方最北端の街、キッサキシティにやって来ました。この街に着くまでがメチャクチャ大変でね。道中ずっと吹雪に曝されまくって、本気で死ぬかと思ったよ。

 さて、ちゃっちゃとジムに挑むとしましょう。雪が綺麗な良い街だけど 、僕的には一刻も早く次の街へ目指したい。

 いやいやいや、この街が嫌いって意味じゃなくてね。僕、寒いの苦手んだよ。しかも、女の子は全員厚着しちゃうし。というか、これが一番の理由かもしれない。

 降りしきる雪の中、僕はひたすらジムへと足を進めた。雪を踏みしめる音だけが響く。降ってる雪が音を吸収しているのか、外はゾッとする静けさだ。少し寂しいけど、心が落ち着くような気もする……。

 それにしても、寒い。防寒対策が少し甘かったか。早く暖まんなきゃっと……。

 

「出番だよ、ホーカマ」

 

 ボールを軽く投げ、ホーカマを繰り出した。あらら、露骨に嫌な表情をしてるよ。

 

『……またかよ、兄貴』

「まあまあ、次のジム戦で大暴れさせてあげるからさ」

『この俺様がどうしてホッカイロ代わりに……』

 

 ホーカマの頭頂部にある紫の炎に手をかざした。いやぁ、温かい。この調子なら寒さなんて楽勝だね。

 

『着いたぜ、兄貴。キッサキジムだ』

 

 気づいたらジムの前だった。

 これで寒さともおさらばだぜ! ホーカマをボールに戻し、ジムの扉を開いた。

 

「お邪魔し……!!」

 

 ジムの中、氷だらけやん……。

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 結局、寒さに堪え忍びながらジムの奥へと進んだ。坂から思いっきり滑り落りたり、雪玉に衝突したり、割とロクな目にあってない。

 だけど、スズナちゃんのおっぱいが待っているんだ。今回のジムの仕掛けも突破してみせる!

 あっ、スズナちゃんってのはこと街のジムリーダーです。お察しの通り、専門は氷タイプです。

 ……突破してみせるとは言ったものの、ジムの仕掛けがややこしいんだよなあ。さっきから何回滑りまくってるか。

 

「今度はここを滑ってみるか……」

 

 氷の坂道を滑り下りた。安全面は考慮されてんのかな?

 大体さ、ジムリーダーの皆さんはジムの仕掛けに気合入れ過ぎなんだよ。ちょっとしたアトラクションじゃん、これ。

 あれ? なんか、いつもより滑る時間が長いような……。どんどんと滑る速度が上がっていくんですけど!!

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!??」

 

 速ぃぃぃぃぃ!!!??

 これ、壁にぶつかったらお陀仏なんじゃない!?

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……あれ?」

 

 上り坂に差し掛かり、速度が次第に緩やかになっていった。た、助かった……!!

 どんどんと坂を登り、やがて頂上が見えてきた。もしかして、あそこにスズナちゃんが居るのでは?

 スイスイと坂を登り、ようやく頂上に辿り着いた。そこには、僕の予想通りスズナちゃんがいた。氷のイメージとは正反対の、元気そうな女の子だ。

 上着を腰に巻き、制服をオシャレに着こなして…… くっそぉぉぉぉぉ!!!! シンオウのジムリーダーと比べて露出が少ないぃぃぃぃぃぃ!!!! これだから寒い街はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

「どうだった、ジムの仕掛けは? とっても楽しかったでしょ!」

「うん、楽しかったよ」

 

 くっそぉぉぉぉ!!! だけど、ミニスカートでありがとうございます!!!!

 

「あなた、ライム君でしょ? スモモちゃんから色々と聞いてるよ!!」

「!!??」

 

 いや、落ち着け! 前回は合法的におっぱいに触れたんだ!! 恐る必要なんてない!!

 

「私もスモモちゃんのお父さんをどうにかしなきゃって思ってたんだけど、ここからトバリシティまで行くには大変でね。ほら、ジムリーダーの職務があるじゃない?」

「ああ〜、そうだね……」

 

 よ、良かった……! 僕が行動してなきゃ、スズナちゃんをあの鬼(オーガ)に会わせるとこだったよ!!

 まさか、予期せずスズナちゃんも救っていたとは。うんうん、命を張った甲斐があったってもんだね。

 

「だけど、あなたがスモモちゃんのお父さんを更生してくれたのよね。私からもお礼を言うわ! ありがとね!」

「ど、どういたしまして……」

 

 ……実際はスモモちゃんのお父さんにボコられただけですけどね。

 

「よーし! それじゃあ、スズナの気合いを見せてあげるね!!」

「望むところさ。1on1でよろしく頼むよ」

 

 さて、約束通りにアイツを繰り出すとしますか。僕とスズナちゃんはモンスターボールを手にした。

 

「頼んだ、ホーカマ!!」

「お願い、ユキメノコ!!」

 

 互いのモンスターボールが開き、2匹のポケモンがバトルフィールドに降り立った。

 ふむふむ、相手はユキメノコか。ホーカマとのタイプ相性は問題ないな。さて、どんな戦法でいくか……。

 

『火ャッハァ!! ようやく俺のジム戦かぁ!!』

『いや、私の出番だ』

『あぁ!!?? キザ野郎、どうしてここにいやがる!!』

『野蛮人が!! 私がここにいる理由など、愛しの姫君が待っているという理由で十分だ』

 

 またまた王子が勝手に出てきた。ホント、どうして僕のポケモンは勝手に出てくるんだ。そろそろ本気で対策を考えないと。

 あーあ、早速ユキメノコにすり寄ってるよ。露骨に嫌な顔されてるの、気づかないのかね?

 

『雪のように淡い麗しの姫君よ、私と燃え上がるような―――』

「ナンパは後でね〜」

 

 王子をモンスターボールに強制送還する。だって、スズナちゃんが呆然とした顔だし。ナタネちゃんみたいな草ポケモン萌えだったら、前回みたいに戦えたのにねぇ。

 

『ラァァァァァイム!!! 貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

『ギャハハハハハハッ!!! 戻されてやんの!!!』

 

 王子の断末魔をよそに、ホーカマは大爆笑してた。うんうん、いつも通りの日常だ。

 

「これより、キッサキジムジムリーダー『スズナ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めます。使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルを終了します」

 

 いつの間にかスキーウェアを着た女の子が審判を務めていた。肌の露出は全く無い。やっぱり冬なんてロクなもんじゃねえ!

 

「それでは、バトル開始!」

 

 っと、始まったか。

 相手は氷・ゴーストタイプ! 真っ正面から炎技で焼き尽くす!

 

「ホーカマ、火炎放射!」

『燃え尽きなぁ!!』

 

 火炎放射を放つホーカマ。さあ、どうくる……!?

 

「ユキメノコ、霰(あられ)よ!」

 

 ユキメノコが両腕? を広げた途端、バトルフィールドに霰が吹き荒れた。まだバトルフィールドを見渡せる程度だけど、それも時間の問題だろう。

 狙いは分かってる。多分、あのユキメノコの特性は雪がくれだ。霰状態なら相手の技を躱し易くなるという特長を利用して、ホーカマの攻撃を1発も当たらずに勝利するつもりなのだろう。

 炎が霰を溶かしながら、一直線にユキメノコへと迫っていく。タイミング的にも命中する確率は五分五分。どうだ、当たるか……!?

 火炎放射が命中する寸前、初めからそこに居なかったかのようにユキメノコの姿が消えてしまった。標的を失った火炎放射は、無情にもバトルフィールドに焦げ目を残しただけだった。少しタイミングが遅かったか……!

 霰は次第に勢いを増し、遂にはホーカマをギリギリ目視できるレベルにまで達していた。マズイぞ……! ユキメノコの姿を完全に見失った……!!

 

「ユキメノコ、続けて吹雪!」

 

 ホーカマの左前方にユキメノコが現れた。

 

「ホーカマ、躱せ!!」

 

 霰に混ざって吹雪がホーカマへと…… あ、あれ……? これって吹雪…… いや、ただの霰? やべえ、技の判別がつかないんですけど!!

 何かしらダメージを負った様子を見せるホーカマ。吹雪が当たったタイミングすら分からん! そりゃあ必中になる訳だ!!

 

「ホーカマ、火炎放射!!」

『燃やさせろぉぉぉぉぉぉウザってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

 火炎放射が直撃する寸前、再び姿をくらませたユキメノコ。

 グズグズしてると、霰のダメージが大きくなる。早く決着をつけなくちゃ……!

 

「ホーカマ! 上空から焼き尽くせ!!」

『焼き尽くしてやるぜぇぇぇ!!! 怯えろぉ!! 竦めぇぇぇぇ!!!』

 

 僕の指示通り、ホーカマが上空へと舞い上がる。全体を見渡せば、少しはユキメノコの姿を捉える確率が上がる筈……!

 

「ユキメノコ、影分身!!」

「ッ!!!??」

 

 ぼんやりとだけど、ユキメノコの姿が次々と増えていくのが見えた。 雪がくれと影分身の相乗効果で、こちらの攻撃は更に当た難くなってしまった。だけど、構うものか。僕らに選べる手段は攻撃だけだ!

 

「全力で放火だ!!」

『火ャッハァァァァァ!!!!』

 

 まるで雨のような炎がフィールドに降り注ぐ。それでも、炎が直撃するのはユキメノコの分身体だけだった。

 

「やけっぱちになっても当たんないよ! ユキメノコ、吹雪!!」

 

 ユキメノコの吹雪がホーカマの体力を着実に削る。それでも、ホーカマはひたすら火炎放射を放ち続けてくれた。頼む、もう少し耐えてくれ……!!

 

「次でトドメよ!!」

 

 スズナちゃんが吹雪を指示しようとした瞬間、その時は来た。

 

「なっ!!??」

 

 霰が急速に勢いを失い、バトルフィールドを覆っていた霰は消え失せていった。フィールドに残ったのは、ユキメノコと数体の影分身だけだ。

 

「どうして!? 霰が消えるタイミングが早すぎる!!」

 

 スズナちゃんが狼狽する。普通ならもっと長い時間、霰がフィールドに降り注ぐ筈だ。そう、僕の小細工が無ければ。

 

「ここのジム、妙に暑くなった気がしないかい?」

「そ、そう言われてみれば…… まさか!!」

「苦労したよ、フィールドをまるっと焼き尽くすのは」

 

 真夏のアスファルトのように、バトルフィールドには陽炎が揺らめいでいた。ホーカマの火炎放射が、地面の温度を急激に上昇させていたからだ。

 地面から発せられる熱が、霰の降り注ぐ時間を短縮させたのだろう。いやはや、僕が狙っていた展開通りだね。正直、上手くいくかは賭けだったけど。

 突然、ユキメノコの影分身が姿を消した。地面の熱にやられてユキメノコが弱っているからだろう。決めるなら今がチャンス!

 

「やっちゃえ、ホーカマ!!」

『待ってたぜぇぇぇぇ!!! 火ャッハァ火ャッハァ火ャッハァ火ャッハァァァァァ!!!!』

 

 ホーカマから超特大の炎が放出された。多分あれ、オーバーヒートだな。そんなにストレスが溜まっていたのか。

 炎の奔流は容赦無くユキメノコを呑み込む。うん、勝負あったな。

 次第に爆炎が消え失せていく。そこにいたのは、目を回しながら地面に倒れるユキメノコだった。溶けなくて良かった……!

 

「ユキメノコ、戦闘不能! 勝者はチャレンジャーのライム!!」

 

 今回も勝てたか。これでジムバッジも13個だ。まあ、だからどうしたって話だけど。

 

「ナイス放火、ホーカマ」

『火ャッハァ…… なんかこう、放火した後はスッキリするぜ……』

 

 おっと、賢者タイムだったか。邪魔するのも悪いので、ホーカマをボールに戻した。

 

「凄い気合いだったよ、君の…… ホーカマだっけ? まさか、フィールド全体を燃やしちゃうなんて!!」

「まあ、気合いっていうか狂気っていうか……」

 

 さてさて、皆様お待ちかねのおっぱいタイムです!

 今回もオーソドックスな作戦、バッジを取ろうと思ったら躓いちゃった作戦です!!

 オーソドックスなのに成功した覚えが無いけど、作戦開始だぜ!!

 

「あっ!! ごめんね、ライム君! あたし、これから大事な用があるの! はい、グレイシャバッジ! それじゃあ、またいつかね!!」

「え?」

 

 僕の手にグレイシャバッジが押し付けられ、スズナちゃんは電光石火の速さで氷の坂を下ってしまった。

 

「……………え?」

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 ポケモンセンターでホーカマを回復させた後、スズナちゃんがいるキッサキ神殿へと足を運んだ。雪が深くて超大変だったよ……。

 いやいやいや、違うから。ストーキングじゃないから。僕は粘着質な変態じゃないから。

 審判の子に頼まれたんだよ。キッサキ神殿にいるスズナちゃんの様子を見に行ってくれって。

 なんでも、無人である筈のキッサキ神殿で何度も物音がするとか。そこで、番人の役目も担っているスズナちゃんが神殿の調査に駆り出されたって訳だ。

 それにしても、随分ときな臭い感じがするな。ジムリーダーとはいえ、女の子を1人で行かせるような場所じゃないな。スズナちゃんの様子を見に行かせた理由が分かった気がする。

 さて、そろそろ神殿の中に入ってスズナちゃんを探し―――

 

「!!」

 

 神殿から何かが崩れた音がした。

 どうやら、ボヤッとしてる場合じゃなさそうだ……!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 何度もキッサキ神殿の階段を下った。だけど、見えるのは同じ景色ばかり。スズナちゃんの姿は一向に見えない。

 先を急ぎたいけど、キッサキ神殿に生息する強力なポケモン共がそれを許さない。足止めなんてくらってる場合じゃないのに……!

 

「そぉい!!」

「「「!!!」」」ドドドドド‼︎

 

 ぶん投げたピッピ人形を囮にして、凶暴なポケモンの群から一目散に逃走した。また警察から逃げる訓練が役立ったよ。このスキル、意外と重宝するな。

 戦わないのかって? スズナちゃんがピンチの今、悠長に野生ポケモンの相手なんてしてられないよ。

 野生ポケモンの目を掻い潜り、進んだ先にある物陰に身を隠す。気分は蛇のおじさんだ。

 くっそ、少しずつしか進めないのは歯痒いな……。凶暴なポケモンの巣窟でなけりゃ、正面突破で蹴散らしまくれたのに。

 地道に進み、どうにか階段まで辿り着いた。慎重に階段を下る。そろそろ最深部でもいいと思うんだけど……。

 

「!」

 

 階段を下りた先には、一際広い空間が広がっていた。

 今までの階とは違う。肌がピリピリとした空気を感じる。根拠はないけど、ここにスズナちゃんがいると確信が持てた。

 こんな広い場所なら、よくよく目を凝らせば見つかるんじゃ……?

 

「―――いた……!」

 

 地面に倒れているスズナちゃんの姿があった。周りにはスズナちゃんの手持ちであろうポケモン達もいる。それも、瀕死状態で。

 ピッピ人形片手に、急いでスズナちゃんへと駆け寄る。やばい、マジやばいぞ……! 僕のポケモンと同等か、それ以上の強さを誇るポケモンがこの神殿にいる!!

 滑る氷に悪戦苦闘しながら、どうにかスズナちゃんに近寄れた。良かった、とりあえず息はしてる。

 スズナちゃんのポケットからモンスターボールを取り出し、瀕死のポケモンも戻した。さてと、太腿の感触に浸ってる場合じゃないぞ。さっさとここから離れないと……。

 

「っ!!」

 

 空気がより一層震えた。

 いる。僕らのすぐ近くに、スズナちゃんを倒したポケモンが。

 振り向くと、白い巨体のポケモンが地面の氷を踏み砕きながら近づく姿が目に写った。

 スモモちゃんのお父さんには及ばないけど、それなりに強力な威圧が肌に纏わり付く。もしかして、伝説のポケモンなんじゃ……!!

 

「いけっ! ピッピ人形!!」

 

 ピッピ人形を投げつける。マトモに相手なんかしてられるか!!

 

「!!!」

 

 その巨体からは想像もつかない俊敏さで、白いポケモンはピッピ人形を片手で掴み取った。

 正直、ピッピ人形無しでも白いポケモンから逃げ切る自信がある。だけどそれは、スズナちゃんを置いて逃げるという前提だ。

 逃げるという選択肢は絶たれた。このポケモンをぶっ倒すしかない!

 

「いくぞ!」

 

 渾身の力で投げた6つのボールから――― 煙が立ち昇った。そう、僕が投げたのは煙玉だ。

 

「フハハハハ! 嘘だよ、逃げるに決まってんだろ!!!」

「■■■■■■■!!!!!」

 

 僕の逃走スキルを甘く見るなよ! この程度の状況なんてシチュエーション済みだ!!

 スズナちゃんを抱え、来た道を逆走する。煙で何も見えないけど、道順は頭の中に入っている。このまま白いポケモンからおさらばだぜ!

 つーか、あいつの肩に生えてるのって何なの、カビなの? どうでもいい疑問を抱きながら、階段を駆け上がった。

 さて、あのカビ巨人のいる階からは脱出できた。だけど、念を入れておくか。モンスターボールに手を掛けて、宙に投げた。

 

「ホーカマ、階段を崩してくれ!」

 

 開かれたモンスターボールからホーカマが飛び出した。おお、生き生きしている。

 

「火ャッハァ! 今日は放火日和だぜぇぇぇ!!!」

 

 火炎放射を放つホーカマ。直撃した天井はピキピキと音を立て、一気に崩れ落ちた。あれだ、冷たいのを急に温めると脆くなる原理とかが有った気がする。

 よし、これでカビ巨人は追って来れないな。それにしても、どうしてあんなポケモンがいたんだ? まあ、どうでもいっか!!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 野生ポケモンの視線を掻い潜り、どうにかキッサキ神殿から脱出した。僕の隠密スキルが無ければ、もっと時間をくってただろう。

 だけど、かなりの時間を費やしてしまったのも事実。このまま街に直行すればスズナちゃんの体力が保たない。どこか、休める場所があればいいんだけど……。

 

「おっ、あんな場所に……」

 

 一軒の掘っ建て小屋を視界の端に捉えた。あそこでスズナちゃんを休ませよう!

 未だに気絶したままのスズナちゃんを抱えながら、掘っ建て小屋へと足を運んだ。幸い、それ程の距離でもなさそうだ。

 思った通り、そんなに時間も経たずに掘っ建て小屋に――― 待って、凄いボロボロなんですけど。雨風は凌そうだけど、ここ最近に人が使った痕跡はなさそうだ。

 

「贅沢は言えない、か……」

 

 ドアを開ける。うん、やっぱり鍵はなかったか。

 一応、ベッドとかの家具は揃っているみたいだ。使えるかどうかは別として。

 さて、どうするか。暖炉もないし、そもそも燃やす薪もないぞ。どうやってスズナちゃんの体温を温めればいいんだ……?

 考えても仕方ないし、ポケナビでググるか。検索検索っと。

 なになに…… 人肌で温めれば効率がいい、だって? よし、採用。さっさと行動に移すとしよう。スズナちゃんを助けるのであって、変態的行動ではないぞ!

 

「さあ! 服を脱がせましょうね!!」

 

 スズナちゃんの制服を脱がせる。うっひょいひょい! 雪のように白い肌と、下着!! しかも巨乳!! これだけでご飯3杯はいけます!!

 まあ、流石に下着までは脱がせてないけど。越えちゃいけない一線は理解してるつもりだ。

 さて、僕も脱ぐか。全裸で…… いや、パンツ一丁にとどめとこう。準備もできたし、温めるか! あれだよね、心臓に近い方がいいよね!

 

「アタタメテアゲルヨー、スズナチャン」

「……んっ」ポニョン

 

 スズナちゃんに優しく抱きついた。柔っこいおっぱいの感触が僕の胸に伝わる。 やっぱり、下着だと何かが違う!! 背徳感がハンパじゃねえぜ!!

 あれだね、おっぱいの形が変わるのを見れるのは至福だね。形を保ちつつ、若干押されているのが堪らない!!

 ホーカマで温めた方が効率がいいんじゃないかって? あと10分! あと10分したら、ホーカマと交代するから!!

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 なんやかんやで、30分もスズナちゃんの半裸を堪能してしまった。命綱無しの綱渡りを30分している気分だったよ……。

 一応、スズナちゃんの体温も正常に戻っている。ほとんどホーカマの功績だろうけど。僕の役目もこれで終わりかな。

 聞き耳を立てながら掘っ建て小屋の外に待機する。ちゃんと服を着せたし、事後処理は抜かりない。スズナちゃんが起きたタイミングで、ここから去らないと。僕の行動に気づかれる可能性は、極力潰しといた方がいい。

 

「…………あれ? あたし、キッサキ神殿にいた筈じゃ……」

 

 おっと、目が覚めたようだ。

 そうと決まれば、何も言わずにクールに去るぜ! あばよ、キッサキシティ!!

 

 




〜おまけ〜
ライムパーティのヒエラルキー
ファーザー≧アベサン>イケメソ≧サッちゃん>ライム≧王子=ホーカマ


 フラグクラッシャー、ライム。今回はフラグの建設すら許しませんでした。あと、レジギガスはこの小説でもレジワロスでした。
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