とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 意外とサクッと書けました。


9歩目 フエンタウン

 どうも、ライムです。ロープウェイでエントツ山を越え、とうとうフエンタウンに到着しました。

 フエンタウンはホウエン屈指の温泉街でね。火山の地下熱があるからこそ温泉業が盛んなんだよ。温泉があるポケモンセンターなんて、全地方を探し回ってもこの街くらいなんじゃない?

 さてと、勘違いしてる人も多いと思うから訂正しとくけど、僕は女湯を覗く気なんて更々ないよ。僕には全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという使命があるんだ。無用な場面で警察に捕まるようなリスクを負うまで馬鹿じゃない。

 ぶっちゃけ、何の計画も無しに女湯を覗くと酷い目に遭う。ずっと昔に女湯を覗いたけど、いるのはお婆さんばかりだった。僕の精神は崩壊一歩手前まで追い詰められた。

 真の変態紳士ならその光景を目に焼き付けるべきだろうけど、あの日の僕はまだその境地に達していなかった。というか、今もまだ達していないと思…… いや、実際どうなんだろう? もしかして、お婆さんでも意外といけるかもしれな

 

『戻ってこい、ライム君!!!』

「はっ!」

 

 イケメソのネットリとした声に意識が引っ張られた。相変わらずセリフと表情が一致してない。

 それにしても、あのままイケメソに止めなかったら新たな境地に足を踏み入れそうだった気がする。何て言えばいいのか、次のステージへ進もうとしたみたいな……。

 

『ほら、フエンジム着いたよ。妄想も程々にしないと』

「う、うん……」

 

 千載一遇のチャンスを逃したような気もするけど、別にいっか!

 温泉の件はスッパリ忘れて、僕はフエンジムに足を踏み入れた。

 

「暑っ!!??」

 

 ジムの扉が開いた瞬間、熱風が僕を襲った。一応ジムに入れなくはないけど、それにしても暑っ!!

 地面タイプのイケメソさんは涼しい顔をしてるけど、僕はこんなに暑いジムでバトルしたくないなぁ。あれ、待てよ? これだけ蒸し暑いジムなら、ジムトレーナーの女の子は必然的に薄着になるよな……。

 漲ってきたぁ!! まったく、物は考えようだね!! 暑さに負けず、僕はズンズンとジムの奥深くへ足を進めた。

 

「来たな、挑戦者!!」

 

 女の子じゃなかった。僕を待ち構えていたのはむさっ苦しい山男だった。しかも、汗だくの。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 さっきから出会うのがおっさんばかりだ。僕はひたすら心を無にして足を進めた。何で女の子に会わないんだチクショウ。僕の日頃の行いが悪いってのか…… いや、トップクラスで悪いな。

 とにかく、今は堪えるんだ。この先に待っているのはホウエン1の巨乳ジムリーダー、アスナちゃんだぞ。是が非でも、この子のおっぱいだけは揉まないと……。

 フラフラと足を進めると、ようやくジムリーダーがいるであろう開けた場所に辿り着いた。やっと、やっとだ!! 絶対にこれまでのジムで一番しんどかった!!

 バトルフィールドの中央には、真っ赤なヤシの木みたいな髪をして女の子がいた。そうか、この子がアスナちゃんか。

 

「ようこそ、フエンジムへ! あたしがジムリーダーのアスナだよ!!」

 

 僕は今、とても奇妙な感覚を味わっている。普段の僕なら、まず間違いなく露出したお腹に釘付けになるだろう。

 だけど、違う。僕が釘付けになっているのは、アスナちゃんの胸だ。何故なら、彼女が着ている服のプリントが引っ張られてに横に広がっているからだ!! しかも、汗で若干濡れているし!! これで目が釘付けにならない奴はいない!!

 これはヤバイ……! もしかしたらイブキちゃん以上の巨乳かもしれない。帰ったら巨乳ランキングを書き換えないと。

 大きく深呼吸をした。落ち着け、落ち着くんだ。フスベジムの二の舞だけは何としても避けないと。あんな心臓に悪いジム戦なんて、もう二度と御免だ。というか、熱風で肺が痛い!

 

「僕はライム。それじゃあ、バトルは1on1でお願いするよ」

「うん! お互い、ホットなバトルを楽しもうね!!」

 

 モンスターボールに手を掛ける。さあ、今回もお前の出番だ!!

 

「いけっ! アベサン!!」

「頼むよ、コータス!!」

 

 うん、コータスか。水タイプに強い技は多分覚えていないだろ。これで大分優位に立てたぞ!

 ……って、あれ? アベサンが不機嫌そうなんだけど。背筋が凍りそうなのは僕の気のせい?

 

『いい雄は…… またいないのか。おい、ライム。俺は人間だって構わないで食っちまう雄なんだぜ』

「ごめんなさい!! それだけは勘弁してください!!」

 

 気のせいじゃなかった! やばい、今日中に生け贄を見つけないと!! この辺にゴーリキーっていたっけ!?

 

「これより、フエンジムジムリーダー『アスナ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めるぞ! 使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルは終了だ!」

 

 審判の声で我に返った。そうだ、今はアスナちゃんとのポケモンバトルに集中しないと。色々考えるのは勝ってからだ。

 

「そんじゃあ、バトル開始!!」

 

 コータスの素早さは最底辺! 先手にハイドロポンプを叩き込んでやる!!

 

「アベサン、ハイドロポンプ!!」

 

 アベサンが嘴を開き、そこから大量の水を放った。コータスの防御力はズバ抜けてるけど、その一方で特防はそこまで高くない。この一撃で確実に落とす!

 

「コータス、高速スピン!」

「こぉぁぁぁ!!」

 

 高速スピン? この局面で使うような技じゃないぞ。威力も低いし、地面には何も撒かれていない。

 コータスが甲羅に篭り、高速で回転し始めた。アスナちゃんの采配が気になるけど、とにかくこの一撃で終わりだ!!

 

「こぉぉぉぉ!」

「にゃにぃ!!??」

 

 高速スピンしたと思ったら、コータスが超高速で移動してハイドロポンプを回避した。

 今回ばかりは目を疑った。マリオブラザーズに出てくるノコノコみたいな要領でコータスが移動しているんだもの。どんだけ訓練を積み重ねれば、こんな信じられない芸当ができるんだ!?

 

「コータス、そのままゴルダックに突っ込んで!!」

 

 素早さが最底辺のポケモンとは思えない速度で迫って来た。

 威力はそんなに高くないと思うけど、思い通りにさせるのはマズイ。技のPPが心配だけど、ここはハイドロポンプで迎撃させる!

 

「アベサン、ハイドロポンプで迎撃!!」

 

 何発ものハイドロポンプが放たれたけど、コータスは軽快にそれを回避し続けた。分かっていたけど、馬鹿みたいに速いな!

 コータスは跳び上がり、アベサンの胴体に衝突した。結局アスナちゃんの思い通りかよ。

 いや、冷静になれ。逆に考えるんだ。これを機会にコータスの動きを止めればいい!

 

「アベサン、コータスを掴み取れ!!」

 

 アベサンは片手の肘と片足の膝でコータスを挟みこんだ。回転の勢いは段々と弱まり、やがて完全に動きが沈黙した。

 この距離なら外さない。ハイドロポンプを放てば僕の勝ちだ!

 

「コータス、メロメロだ!」

 

 アスナちゃんの指示が響いた。

 コータスが顔だけ出して、上目遣いでアベサンを見つめた。あれが目と呼べるのか分かんないけど。

 きっと、コータスのメロメロは沢山のポケモンを虜にしたんだろうな。だって、ボールの中にいる雄ポケモンが全員暴れているもん。

 仮にアベサン以外の雄ポケモンでコータスに挑んだとしたら、一匹残らずあのメロメロで魅了されていただろう。多分、アスナちゃんはそういう展開を狙っていたんだな。

 だけど、それが通用するのはアベサン以外なんだよね。

 

『色目なんぞ使ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!』

「!!??」

 

 アベサンは右腕を思いっきりコータスに振り下ろした。繰り出した技は瓦割り。先日、技マシンを使って覚えさせました。

 甲羅にチョップを叩き込まれたコータスは、勢いそのままに地面へと叩き落とされた。

 というか、指示もなしに瓦割りするなよ。コータスは防御力がズバ抜けているから、瓦割りは毛ほども効かないよ。

 案の定、地面に叩きつけられたコータスは素早く起き上がった。しかし、アベサンの右手がコータスの甲羅を地面に押さえつけ、コータスの動きを一切封じた。

 

『悪いな。女は趣味じゃねえんだ』

 

 渋い鳴き声でアベサンは呟いた。

 ゆっくりと嘴が開かれた。次の瞬間、バトルフィールドに水飛沫が飛び散った。

 パタパタと水飛沫が地面に落ちる音がした。バトルフィールドに立っているのは、勿論アベサンだった。

 というか、何の指示もしてないんですけど。完全にいらない子状態だったじゃないか。

 

「たっはー! 負けちゃったかぁ。君のゴルダックの性別って雌だったんだね。あたしの見立て違いだったか〜」

「え、あ〜…… うん」

 

 説明は面倒だから省いた。ゲイのポケモンだなんて言えないし。

 

「ふぅ〜、ポケモンバトルの後は汗だくになっちゃうよ。どう、一緒に温泉でも行かない?」

「えっ!!!!!????」

「良いポケモンバトルをしてくれたトレーナーには毎回誘っているんだ! もしかして、予定でもあるの?」

「喜んで御一緒させていただきます!!」

 

 

 

 

★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 どうも、ライムです。ポケモンセンターの温泉に浸かっています。

 アスナちゃんがいるのに女湯は覗かないのかって? そうだね。変態紳士を名乗る者なら、最優先で女湯を覗くのが通常のセオリーだね。だけど、それは通常ならの話だ。

 

「気持ちいいね、ライム!」

「ソウダネ!」

 

 僕の隣にアスナちゃんがいます。つまり、覗く必要が無いんです。

 いや、勘違いしてるようだけど僕らは真っ裸じゃないよ! ちゃんと水着を着てるよ! アスナちゃんは何故かスクール水着だけど。

 ここのポケモンセンターの温泉では、水着で温泉に浸かるという決まりがあるらしい。詳しい事情は知らないけど、予算の削減だとか何とか。まあ、要は熱めの温水プールみたいな感じだ。

 

「良い温泉でしょ! あたしはちっちゃい頃から毎日ここに通っているんだ!」

「そうだね。いつまでも浸かっていたくなるよ」

 

 それから10分。若干のぼせているような気もしたけど、アスナちゃんのスクール水着を1秒でも長く見たいから我慢した。

 

「結構長風呂だね! 気に入ってくれたようで嬉しいよ!!」

 

 更に10分。何度か意識が切れそうになったけど、唇を噛んだ痛みでどうにか意識を繋げた。

 

「ライムって温泉通? こんなに長風呂の人なんてそうそういないよ」

「いや、温泉自体は初めてだよ」

「そっか……」

 

 更に10分。意識が何度か飛びかけた。その度に唇を噛むから、口の中に血の味が広がっていた。

 だけど、アスナちゃんのスクール水着姿はハッキリと両の目に写っていた。

 

「ま、負けない……! 温泉初心者には負けられない……!!」

「あの、いつから我慢勝負に?」

 

 更に10分。アスナちゃんの意識が完全に飛んだので、僕の勝利で我慢勝負は幕を閉じた。日頃からリアルダメージばかり負ってるから、こういう我慢系の痛みに慣れちゃっているんだよね。

 さてと、アスナちゃんを起こすとしましょうか ……って、普通にチャンスじゃん。アスナちゃんのおっぱいを触るチャンスじゃん。

 でもさ、意識のない女の子のおっぱいを揉むってかなりのゲス野郎じゃん。ミカンちゃんの件はどうなんだって? あれは本人が同意してくれたからノーカンノーカン。

 まあ、別にゲス野郎でもいいか。綺麗事だけじゃ、夢って奴には手が届かないんだよ……!!

 さてと、周りに人はいないな。人数が少ない時間帯だとは思うけど油断は禁物だ。揉んでる光景を見られたら一発レッドカードだ。

 目標は5秒。長く揉めたとしても限界は10秒。アスナちゃんを起こさないように慎重に、かつ大胆におっぱいを揉むんだ!

 

「いくぞ……」

 

 凄いな。おっぱいがスク水に圧迫されて、今にもはち切れそうな程パンパンになっている。これは揉み応えがありそうだ。

 おっぱいの上に手を乗せる。スク水の素材のせいってのも有るんだろうけど、固いのか柔らかいのかよく分からない感触だ。

 ああ〜、ヤバイ。スク水を破りたくなってきた。窮屈そうなアスナちゃんのおっぱいを早く解放してあげたいもん。だけど、それって越えちゃいけない一線を越えてるんだよね。いくら僕でも、そこまでゲスな行動をする勇気はない。

 

「……あ、10秒過ぎてた」

 

 その後、ポケモンセンターで僕とアスナちゃんはお別れした。アスナちゃんが我慢勝負の再戦を望んでいたけど、そんな幸せが有っていいのだろうか。もしかして、youもう一度おっぱいを揉んじゃいなよという啓示なのでは? 僕の日頃の行いって聖人レベルで清かったんだな。

 幸せの真っ只中だったけど、炎の抜け道でゴーリキーとアベサンのランデブーを見て一気に不幸のドン底に叩き落とされた。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★

 

 

 

 

「なんか、マッサージされた夢を見た気がする……」

 

 




 さあ、キクコフラグが立ったぞー(錯乱)
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