とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 ついカッとなってやった。後悔はしません。


夢への1歩目 ハナダシティ

 今から7年前のホウエン地方。

 当時10歳の少年は、食い入るようにテレビを眺めていた。映像には、挑戦者と激闘を繰り広げるジムリーダーの姿があった。

 まだ幼かった少年には、ポケモンと、そのポケモンが放つ技の半分も理解できなかった。それでも、その少年はある夢を誓った。

 些細で、下らなくて、そのくせ叶い難い夢だとは分かっていた。それでも少年は、己の青春を懸けるに値すると夢だと思った。

 しかし、少年はその夢を誰にも語らなかった。

 言ったところで、他人に理解できると思えなかったのだ。そんな夢は叶う訳がないと、嘲笑と共に一蹴されるのは目に見えていた。

 それでも、少年は努力を続けた。たとえ、叶う可能性が僅かだとしても。

 

「( ゚∀゚)o彡゜おっぱい! おっぱい!」

 

 因みに、テレビに写っていたジムリーダーは巨乳の女性だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです。

 

 

 

 

 

 

 僕の名前はライム。今をときめく、ピチピチの17歳だ。世間から見れば若造だが、この歳でも旅を続けて7年になる。

 何故、そこまで旅を続けるのかって?

 その理由は簡単。ただ、夢を諦めたくなかったからさ。そう、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を叶えるまではね。

 思えば、前途多難な旅路だった。

 特に、最初の1年が大変だった。旅を始めるには両親の許可を得なきゃいけないんだけど、それすら難関だった。自分とポケモンの力がどこまで通じるか見てみたい、とか適当な理由で何とか説得できたけど、まさか1ヶ月も掛かるなんて思っても見なかった。

 しかも、その後はまさに向かい風。一番近い町のジムに挑んだけど、ジムリーダーにすら辿り着けなかった。ジムにいるトレーナーに手も足も出ず、コテンパンにされたからだ。

 改めて、自分の力量不足を実感した。けど、そこで挫折するほど柔な決意じゃない。もっともっと強くなる為、それからの7年は色々な場所へと赴いた。沢山のポケモンと出会い、戦い、仲間にしながら、着実と力を付けてきた。

 そして、今。ジムリーダーにも太刀打ちできる実力が付いたと確信した僕は、ハナダのジムリーダー『カスミ』に挑戦するべく、ハナダシティにいる。

 どうして最初のジム戦がハナダジムかって?

 ジムに挑戦しようと思った時、丁度オツキミ山で修業してたからね。ここからだと、ハナダジムが一番近かったのさ。

 分かっていると思うけど、ニビジムの『タケシ』は論外だ。野郎とのジム戦なんか興味はない。僕の夢はポケモンチャンピオンになる訳じゃなく、おっぱいを揉みたいだけなんだ。

 さて、無駄話が過ぎたみたいだ。早速、ハナダジムに挑戦するとしよう。

 ジムの前に行くと、いきなり扉が開いた。いつから自動ドア制になったのだろうか? 7年前のジムは普通の扉だったのに。まあ、どうでもいっか。さっさと入ろう。

 そう思って進めた足を、僕は止めた。これだけ頑張っても7年前と同じ結果だったら…… と恐れてしまったのだ。

 弱気になった自分に発破を掛ける。この7年間が無駄な訳がない。僕達の力は、きっとジムリーダーにだって通用する。

 そう思うと、随分と足が軽くなった。腹を括って、僕はジムの中へと踏み入った。

 

「おじゃましまーす……」

 

 ジムの中には巨大なプールが広がっていた。海パン野郎と、ビキニのお姉さんが気持ち良さそうに泳いでいる。いやぁ、良い目の保養ですな。勿論、ビキニの方だけど。

 プールの中央を見ると、浮島のように設置されているバトルフィールドと、陸から渡れるであろう通路があった。

 早速、バトルフィールドに足を運んだ。

 

「おっ! 来たな、挑戦者ぁ!!!」

 

 海パンがこっちを見て叫んだ。バトルフィールドの端にあるハシゴを上って来て、僕の前に立ち塞がった。なんか、暑苦しい海パンだな。

 

「カスミさんと闘う前に、俺が相手だ! 精々、楽しませてくれよ!?」

 

海 パ ン 野 郎 が 勝 負 を 仕 掛 け て き た !

 

~バトル中~

 

「か、紙一重か……」

「普通に圧勝だよ!!」

 

 まさに瞬殺だった。でも、このバトルのお陰で僕の7年間は無駄じゃないと証明された。このレベルなら負ける気がしない!!

 

「つ、次は私が……」

 

 ビキニのお姉さんがモンスターボールに手を掛けようとしている。

 海パン野郎はノーセンキューだけど、可愛いお姉さんなら大歓迎だ。バトルをしようと、モンスターボールに手に掛けようとした時―――

 

「待ちなさい!!」

 

 ピシリ、と張りのある声が響いた。

 声がした方を見ると、ギャラドスに乗りながらプールを渡るカスミがいた。凶暴なポケモンである『ギャラドス』を従えさせてバトルフィールドに降り立つその姿は、ジムリーダーとしての凄みを感じさせた。

 が、重要なのはそこじゃない。

 

「中々やるじゃない。いいわ、アタシが相手をしてあげる!」

 

 重要なのは彼女の容姿だ。

 ルックスは抜群。しかも、彼女の体はアスリートの如く引き締まり、無駄な脂肪など一切感じさせない。

 まさに肉体の黄金比率。だからこそ、あの際どい水着を完璧に着こなしているのだろう。おてんば人魚と呼ばれる理由にも納得がいく。

 ああ、ここまで頑張ってきて良かった。

 でも、まだだ。僕の目的は水着じゃない。如何にしてそのおっぱいを揉むかだ。

 ただ、それには大きなリスクが付き纏う。

 10歳のあの頃なら、おっぱいを触ってもエロガキの悪戯程度で済まされただろう。しかし、この歳だとジュンサーさんに突き出される可能性が大だ。と言うか、確実だ。

 まあ、僕はそれでも諦めないけどね。故意でやるのが駄目なら、不幸な事故を装っておっぱいに触ればいい。

 問題は、どうやってそれをするかだよな……。

 

「あんた、名前は?」

「ライムって言います」

「いいよいいよ、敬語なんて。見た感じ、同い年みたいだし?」

「そう? じゃあ、1 on 1で宜しく頼むよ」

「ええ! アタシの水タイプのポケモンの強さ、見せてあげるわ!!」

 

 正直に言えば、僕はこのジムリーダー戦で勝つ必要はない。僕の目的は、おっぱいを揉むだけなのだから。

 ……それでも、全力で闘おうと思うの何故なのだろうか。やっぱり、僕のポケモン達が負ける姿なんて見たくないからかな。

 まったく。とんだ親バカ、もといポケモンバカになってしまったものだ。負ければもう一度ジムに挑戦できて、おっぱいを触るチャンスも増えるというのに。

 

「これより、ハナダジムジムリーダー『カスミ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めます。使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルを終了します」

 

 ビキニのお姉さんがいつの間にか審判の代わりを勤めていた。

 いよいよバトルが始まるのかと、そんな緊張感が一気に高まった。僕にとって初めてのジムリーダー戦だ。気合いを入れていくぞ!

 モンスターボールに手を掛け、力の限り宙へと投げた。

 

「いけ、王子!!」

 

 僕が繰り出されたポケモンはロズレイドだ。相手が水タイプなら、その能力を十二分に発揮できる!

 

「ふーん、面白いニックネームね。でも、何で王子なの?」

「……あー、いや。理由なら直ぐに分かると思うよ」

 

 当の王子は少しも気にした様子も見せず、キザなポーズばかり決めていた。まあ、最初からそう呼んでいるし、本人からすれば何を今更って感じなのだろう。

 寧ろそれより―――

 

『さあ、私の虜になりたい仔猫ちゃんはどこにいるんだい?』

 

 とか言ってるんだろうな、あいつは。身振りと表情で大体分かってしまう。

 

「お願い、カメックス!!」

「がめー!!」

 

 カスミが投げたモンスターボールから、カメックスが繰り出される。

 カメックスか。水タイプ全般に言えるけど、氷系の技に注意しないとな。

 

「おい! カメックスって……」

「ああ。カスミさん、本気だ……!」

 

 ギャラリーの言葉から察するに、カスミは全力で相手をしてくれるそうだ。

 僕の目から見ても、ジムリーダーのポケモンだけあって良く育てられたカメックスだ。しかし、同時に嫌な予感も過ってしまった。

 

『なんて麗しいお姿でしょうか! 申し遅れました。私は、ロズレイドの王子と申す者です。どうです、この勝負の後にお食事でも御一緒しませんか? ギャロップに乗ってお迎えしますよ!!』

『いえ、結構です』

『ハハハ、ご冗談を。時間はいつにします?』

『だから結構です』

 

 これが”王子“と名付けた所以だ。メスポケモンと出会うと、まるで演劇に出てくる王子のように口説きに掛かる。

 因みに、成功した試しは一度も無い。こっぴどく振られるのがお約束だ。

 

「あの、始めてもいい……?」

「あ、どうぞどうぞ」

「それでは、バトル開始!!」

 

 やるからには絶対に勝つ。一緒に旅をしてくれたポケモン達を信じるんだ!

 

「先手必勝! マジカルリーフ!」

『なんという悲劇! なんという運命! 永遠の愛を誓った私達が、お互いに傷つけ合うなんて! これも、神が私達の愛を試す為に課したであろう試練―――』

「早く行けや!!」

 

 渋々と臨戦態勢に入る王子。しかし、マジカルリーフを放とうとはせず、カメックスに接近してキスをした。

 これは只のキスじゃない。ドレインキッスという、キスした相手の体力を奪い取るフェアリータイプの技だ。

 ロズレイドの覚える訳がない技に、カスミは驚いた様子だった。

 

「それってドレインキッスじゃない! 何でロズレイドが覚えているのよ!?」

「いや、なんか知らないけど捕獲した頃から覚えていたんだよ」

「ああもう、ワケわかんない! カメックス、ハイドロポンプ!!」

 

 ロケット砲から水の塊を放つカメックス。王子は軽やかなステップでそれを回避した。

 野生ポケモンとの戦闘なら構わないけど、今回はジム戦だから本気で止めてほしい。

 

「王子! 頼むから今回は真剣にやってくれ!!」

『むぅ……! そこまで言うなら、仕方がない』

 

 真剣になってくれた王子は、両腕の花束からマジカルリーフを放つ。

 カメックスといえど、相手は水タイプ。上手くいけば大ダメージを与えられる!

 

「必中技……! カメックス、鉄壁よ!!」

 

 カメックスが殻に籠った。あれだと別の技になると思うが、一応鉄壁なのだろう。

 カメックスは防御力の高いポケモン。鉄壁でその防御力を更に上げているから、大きなダメージは期待できない。

 殻に籠ったカメックスに、マジカルリーフが命中する。やはり、効果は抜群だけど倒れるような素振りは見せなかった。

 流石はジムリーダーだ。避けられないと判断するや否や、直ぐに防御技を選択するとは。

 だが、王子の特性はテクニシャン。普通のマジカルリーフとは威力が違う!!

 

「連続でマジカルリーフ!!」

『我が絶技に酔いしれよ!』

 

 王子がマジカルリーフを連発する。一発一発が確実に命中し、カメックスの体力を着実に削っていく。いくら固くても、攻め続ければ倒れないポケモンなんていない!!

 もう一息で倒せるという確信が芽生える。しかし、ピンチである筈のカスミは、何故か不敵に微笑んでいた。

 

「待っていたわ! カメックス、ゆきなだれ!!」

「げげんちょ!!??」

 

 カメックスの甲羅からロケット砲が展開され、そこから大量の雪が発射された。

 雪なだれ。ダメージを受けた後に放てば、その威力は二倍になるという大技だ。

 まずい……! マトモに食らえば、いくら王子でも耐えきれない!!

 

「王子!!」

 

 僕の叫び声が届くと同時に、王子が雪の波に飲み込まれた。フィールドは白で埋め尽くされ、王子の姿も見えなくなった。

 

「ふふ、勝負あったみたいね!」

「いや、まだだ!」

 

 雪から飛び出した王子が、両腕の花束をカメックスに向ける。憎い演出だ。あとは僕の指示を待つってか!

 

「いけっ! マジカルリーフ!!」

 

 マジカルリーフが命中し、カメックスは地面に沈んだ。この瞬間、僕の勝利が確定した。

 

「カメックス、戦闘不能! よって、勝者はチャレンジャーのライム!!」

 

 お姉さんの声が静まり返ったジムに響き渡る。

 やった、ジムリーダーに勝てた……! 修業を積んできた7年間は、僕をこんなにも強くしてくれたのか!

 

「いったいどうして!? 雪なだれは効果抜群の筈じゃ……」

「カメックスをよく見てみな」

 

 倒れたカメックスには蔓が巻き付いている。そう、つまり―――

 

「これは…… まさか、やどりぎのタネ!? いつの間に!」

「僕が叫んだ時だよ。ピンチになったら、取り敢えずやっとけって教えてるんだ」

 

 宿り木の種で体力を吸い取り、何とか雪なだれを凌げたのだ。それが無かったら、倒れていたのは王子だったろう。

 接戦の末に勝利を逃したカスミは、悔しそうな顔で倒れたカメックスをボールの中に戻した。

 

「ナイスファイト、王子」

『まったく…… 仔猫ちゃんの前でこんな無様な姿を晒してしまうとは』

 

 王子は肩を竦める。

 宿り木の種で体力を吸い取ったとはいえ、全快には程遠い。寧ろ、相当のダメージが蓄積されている筈だ。王子の体はボロボロだろう。

 でも、僕は無様と思わない。本当に、良くやってくれたよ。

 

「かっこ良かったよ。お疲れ様、王子」

 

 王子をボールに戻す。

 さあ、次は僕が頑張る番だ。絶対にカスミのおっぱいを触ってみせる!!

 

「凄腕のポケモントレーナーなのね。ライムの実力、素直に認めるわ。はい、ブルーバッチよ」

 

 カスミがブルーバッチを差し出す。

 正直、リーグ制覇を目指す訳じゃないから僕には必要ない。それでも、一応受け取っておいた。なんやかんや言っても、ジムリーダーに勝てたのは嬉しいしね。

 

「次はどのジムに挑戦するの?」

「うーん…… タマムシ辺りかな」

 

 僕の記憶が正しければ、タマムシのジムリーダー『エリカ』は和服の似合う大和撫子だ。写真をチラリと見たけど、実に揉み甲斐のあるおっぱいの持ち主だった。

 これと言った理由なんて無いけど、和服って半端なく滾ってくるよね。そういえば、女の人って和服を着るとき、下着を履いていない事があるんだよな……。

 

 ―――カタリ、と何かが外れた音がした。

 

 到達した世界の真理に、僕の欲情が光の速度で駆り立てられる!

 やめろ、今は抑えろ! 目の前にあるおっぱいに集中するんだ……!!

 

「それじゃあ、もう行くよ」

「ええ、頑張ってね!」

 

 カスミに背を向けて出口に足を進める。

 さあ、演技力を上昇させろ。失敗は許されない。今日の為に、僕は7年を犠牲にしてきたのだから!

 

「うわあ!! 足が滑った!!」

 

 勿論、これは只の演技だ。

 雪で足を取られてしまい、そのまま躓くふりをしてプールへと飛び込んだ。

 STEP1は完璧! 問題はSTEP2だ!

 バシャバシャと水を叩き、出来る限り苦しそうな表情を作る。暗示しろ。僕は泳げない。それはもう、小池にはまったタネボーのように僕は泳げない!

 さあ、目の前で人が溺れかけているぞ! 来い! 助けに来い!!

 

「大変!」

 

 カスミもプールに飛び込んだ。

 計 画 通 り ! ! !

 不自然にならない程度に、カスミの胸に手を伸ばす!!

 

「ガボガボガババ!!!」

「ちょ、ちょと! どこ触って………ぁっ!///」

 

 おおおおあおお!!!!

 おおおあああおあおお!!!!!

 おおおおおおおおああああおお!!!!!!

 言い様の無いこの感覚! 柔らかくはあるッ! しかし、形を保とうとする程度には固いッ! これはまるで、僕の手に吸い付いてくるかのようだッ!!!

 彼女の胸は巨乳とは言い難い! しかし、敢えて言うならば美乳、美乳なのだ!!

 僕はこの感触を支えに、次のおっぱいまで生きていきます!!

 

「す、少し落ち着い………ひぅぅっ!///」

 

 カスミが喘ぎ声を漏らす。流石にこれ以上はバレるので、少し落ち着いたふりをした。

 とりあえずプカプカ浮かんでいると、カスミが襟を掴んでバトルフィールドまで引っ張ってくれた。プールから上がった。

 濡れた服を絞りながら感慨に耽る。やっと、やっとだ。これで、僕の7年間が真の意味で報われた。

 ああ、そうだ。一応助けてもらったんだし、お礼を言わないと。

 

「た、助かったよ。ありがとう、カスミ」

 

 しかし、カスミは俯いたままだった。

 やべ、ばれたか。

 

「ライム。まさかあんた、わざとやったんじゃないでしょうね……」

「ナ、ナンノコトカナー? デハ、サイナラー!」

 

 雲行きが怪しくなったので、全力で撤退した。

 立ち止まるな。振り返らずに、真っ直ぐ走り抜けるんだ!! 僕の夢のように!!

 

「あっ! 待ちなさーーーーい!!!」

 

 カスミの怒鳴り声をBGMに、僕はハナダジムを後にする。

 今日は、夢への一歩を踏み出せた記念すべき1日だった。

 

 




ポケモン:ロズレイド
ニックネーム:王子
性別:オス
特性:テクニシャン
性格:王子
備考:何故かフェアリータイプの技である、ドレインキッスが使える。また、無類の女好き。メスポケモンには基本的にドレインキッスしかしようとしない。オスはその逆である。特性がテクニシャンなのはお察しである。

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