霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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アーチャークリア 宝具発動無しで倒せた しかし、前作やってないと?ってなる所があったなぁ

まぁ、外伝だから仕方ない ところで cccって何の略かな?

イヤミばかりの彼と違いキャスターは弱いけど和む

あとエンディングがセリフだけ違って内容ほぼ同じってパターンじゃなくて良かった


六十三話

豪華絢爛なパーティ会場に荘厳な演奏が流れる。同盟勢力を招待してのパーティはダンスの時間になっていた。

 

「では、私達も踊りましょう、ハニー」

 

「ああ、そうだな」

 

ガウェインは妻の手を取ると静かに踊りだす。彼のかつて暮らしていた国は貧しく王族でさえも豪奢な暮らしは望めなかったがダンスの心得はあるのか、それとも北欧に来てから学んだのか見事な腕前だった。その踊りはまさに一つの芸術品。踊るふたりが美男美少女とあって周囲の者達の目も釘付けになる。

 

そんな中、一誠は玉藻と共に部屋の隅に陣取っていた。二人も踊れる事は踊れるのだが、正直言って面倒くさく、コネを作る必要もないのでただ眺めていた。そんな時、他の悪魔からダンスの誘いを先程から受けていたソーナが近寄ってきた。その顔はウンザリといった様子である。

 

「貴方達も来ていらっしゃったんですね。パーティは楽しんでいらっしゃいますか?」

 

「いえいえ、ぶっちゃけて言うと退屈していますよ。これならご主人様と夫婦の営みをしていた方が何億倍も楽しいなって、キャッ✩」

 

「……御免ね。素直で良い子なんだけど残念なんだ。……所で俺達は防波堤?」

 

一誠がニヤニヤしながら視線を向けた先にはソーナに話しかけたくとも一誠が怖くて近寄れないでいる悪魔達の姿。ソーナは溜息を吐くと深々と頭を下げた。

 

「……分かってらっしゃいましたか。申し訳ありませんでした」

 

「まぁ、良いよ。その代わりに頼みがあるんだけど……ウチのクラスの出し物の女装メイド&男装執事喫茶、できれば中止、せめて撮影はNGにして欲しい」

 

「え~! 私、保存したいですよぉ。ご主人様のメイド姿ぁ」

 

玉藻は不満そうに頬を膨らませ手をバタバタ振るが一誠はそれを無視し、ソーナも静かに微笑んだ。

 

「お安い御用です。元々どうしようか迷っていましたから」

 

ソーナは飲み物の入ったグラスを傾けると一気に飲み干す。その顔には少々の疲れが混じっていた。

 

「どうしたの?」

 

「……先程から口説いてくる殿方ばかりです。私がこの前婚約を破棄しましたから後釜を狙っているのでしょう。口では『貴女の夢は素晴らしい』っと言っていますが、目を見れば嘘を言っていると分かります」

 

「ふ~ん。良く分かったね」

 

「ええ、其の程度もできないで魔王を目指すなど戯言にもなりません。さて、将来行う冥界の改革の為にそろそろ休憩を終わらせなけれればなりませんね」

 

ソーナは頬をバンバンっと叩いて気合を入れると再び輪の中に戻っていった。

 

「……よし。撮影は防げた」

 

「……むぅ、私にはコスプレさせてプレイに励むくせにご主人様ってケチですよねー。つっうか、見事に利用されちゃいましたけど良いんですかぁ?」

 

「……うん?」

 

「ご主人様?」

 

玉藻はジト目で一誠を見る。彼女が言っているのは先程の様に二人と話しているのを他の悪魔達に見せていた事だ。今や一誠の部下の総力は生半可な勢力を超えており、彼と繋がりがあるという事は重要視されるに値する事。リアスが即刻冥界に帰還させられないのも小猫という繋がりがあるからだ。

 

 

もっとも、今回の場合は狙ってやったのかどうか証明できない上に追求しても言い掛かりに近いと周りから言われかねない。そもそもソーナにそんな意図があったかどうかも定かではないのだ。

 

「……成る程」

 

「もぅ! しっかりしてくださいませ。私も出来る限りフォロー致しますが、最終的な判断は貴方様がなさるのですよ?」

 

玉藻から説明を受けて一誠は理解し、玉藻は痛そうに頭を押さえる。そんな時、そろそろ曲もラストナンバーに移ろうとしていた。

 

「最後だし踊ろうか?」

 

「はい、喜んで♪」

 

一誠は玉藻の手を引くと部屋の隅から離れ、曲に合わせて踊り出す。所々辿たどしい所もあったが、踊る二人は本当に幸せそうだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は住人が掃除が苦手だとひと目で分かる程散らかったマンションの一室。まだ昼間だというのに窓には鍵が掛けられ、カーテンは締められている。それもその筈。いま部屋の中に居る二人は人耳を憚る行為をしているからだ。……いや、行為をしていたと言うべきであろう。

 

既に室内には独特の匂いが立ち込め二人とも少々息が上がっている。そして部屋の住人であるロスヴァイセは幸せそうに下腹部を撫でていた。

 

「はぁ…はぁ…今日も…良かったです…」

 

ロスヴァイセは愛しい恋人であるランスロットの腕の中で顔を赤らめ、鍛えられた胸板に顔を埋める。すると柔らかく大きい胸が彼の体に押し当てられてムニュムニュと形を変えていった。ランスロットも余韻に浸りながらロスヴァイセをそっと抱き寄せる。二人はこのまま心地よい微睡みに身を任せて眠ろうとしていた。

 

 

 

そんな時、一通の手紙が突如部屋の中に出現する。ロスヴァイセはベットに体を入れたまま手を伸ばし手紙を手に取り、ビックリしたというような顔をした。

 

「ララララ、ランスロットさん! 来週の日曜にお祖母ちゃんが来るって書いてます! ランスロットさんにも会いたいってっ!?」

 

「そうですか。なら、きちんとご挨拶をしなかければなりませんね。……まずは部屋の掃除をしましょう」

 

動揺しているロスヴァイセと違い落ち着いている彼が困ったように向けた視線の先には脱ぎ捨てられた二人の服や下着、そして散らかった部屋の惨状。

 

「……とりあえず起きたらにしましょう。もう私、腰が……」

 

「……すみません。乱れる貴女が魅力的すぎて……」

 

「……馬鹿。そういうのは口じゃなく行動で示してください」

 

ロスヴァイセは再びランスロットに抱きつくと唇を奪う。ランスロットも彼女の腰と後頭部に手を回し抱き寄せるとその体を貪りだす。結局、二人が掃除を始めたのは次の日の朝の事。すっかり汚れたシーツを洗い、むせ返るほど立ち込めた匂いを散らす為に窓を明けようとした時、玄関のチャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、ロスヴァイセの祖母は孫娘に恋人ができたという事に動揺し、手紙を出し忘れていた事に気付いて中身を直さないで転送。手紙に書いていたのは『この手紙が届いた日の次の週の日曜日に会いに行きます』という内容。そして今日は土曜日であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なぁ~んかランスロットが面白い事になりそうな予感がするなぁ。……ん」

 

パーティから帰った一誠は部屋に戻るなり誰も入ってこられないように結界を張り、そのままドレス姿の玉藻を壁と自分の間に挟むようにして押し付けると唇を重ねる。右手は大きく空いたスリットの中に入り込み、左手はドレスの上から胸の感触を堪能していた。

 

「……ご主人様ぁ。意地悪しないでくださいませ。……あっ」

 

しかし、玉藻は顔を赤らめ艶のある声を出しながらも何処か不満そうだ。先程から舌を捩じ込もうとしているにも関わらず一誠は頑なに唇を閉ざし受け入れようとしない。代わりに彼女の心情を察してか嗜虐的な笑みを浮かべながら手を動かしている。右手はスベスベの太股からモフモフの尻尾に移り、左手は首筋や耳の付け根へと移動する。

 

長い付き合いで彼女の弱点を知り尽くした一誠は甚振りながら楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、ふふふふふふふ! 仕方ないわよねぇ? 私と一誠さんはまだ出会って間もないんですもの。だから長い付き合いの玉藻さんや黒歌さんを優先しても仕方ない事ですわ。そう、今は仕方ないけど、これからお互いの事を知っていけば良いですわよね? そうに決まっていますわ。だってあの方と私は結ばれる運命ですもの。そうよ、結ばれる運命なのだから何も心配する事なんかないわよね。その内私のことを一番に優先……いえ、私以外の存在なんて気にも止めなくなるわ。だって、それが一番ですもの。私と一緒に居る事が何よりも幸せだなんて賢いあの人ならすぐに分かる事ですわよね? だって私に気づいて下さったんですから、その程度の事なんか既に気付いているわ。あら? だったらなんで今すぐ私だけを求めないのかしら? あ、そうね。きっと恥ずかしいのよ。照れなくても良いのに。一誠さんが私を求めるのは宇宙の真理であり、一般常識なんだから恥ずかしがっても仕方ないっていうのに……もぅ! あ、いけないわ。妻は三歩後ろに下がって夫の影踏まず、あの淫乱狐と同じように嫉妬だなんてみっともないわ。それに、あの人の考えに間違いなんてある訳ないんだから黙って待っていましょう。きっと何か考えがあるのよ。そうに決まっているわ。そうでないなんて天地がひっくり返ってもありえないもの。ああ、あの人に求められたらまずは何をしてあげましょうか? でも、あの人は恥ずかしやがりなんだから言い出せないかもしれないわね。他の女を抱いているのだって私を抱く時に失敗しないための予行練習に決まっていますもの。そんな事しなくても私とあの人は運命の相手なんだから失敗のしようがないっていうのに。ふふふ、愛されているわね私。此処まで誰かに愛された女なんて世界が始まって初めてじゃないかしら。そもそもあの人と私は世界一幸せなのよ。だって、ふたりが結ばれる事は恒久的な世界平和や全人類の救済よりも素晴らしいもの。それを邪魔する者は抹殺されるべきね。あら? だったら他の女を抹殺すべきかしら? いけない、いけない。浮気は男の甲斐性ですし、最後には私のもとに帰ってきて下さるに決まっていますもの。なのに怒って殺したりしたらあの人を信じていない事になるわ。運命の相手である私に信じて貰えないなんて、あの人を世界一の不幸にするわけにはいけないわ。危うく失敗する所だったわ。そうそう、邪魔といえば周りに居る男も邪魔よね? だって私以外に目を向ける必要なんてないけど、あいつらが話しかけたら優しい彼は反応しないわけにもいけないもの。あらあら、優しすぎるってのも考えものね。其の辺は運命の相手である私がなんとかしないといけないわ。兎に角、あの人は私が管理しないと……。あら? 何かしらこの手紙?」

 

その頃、ヤンデレ全開だった佳織は一通の手紙を手にする。そして一誠宛てと見るなり急いで中身を確かめた彼女の表情が変わり、目は光り髪は逆立つ。溢れ出す瘴気に触れた途端、花瓶の花は枯れ、ハエは落ちていった。

 

「許せない許せない許せないユルセナイユルセナイ……」

 

手紙の内容はヴァーリからの果たし状。一誠を挑発する文章を見た彼女は一目散に飛び出していった……。




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ヤンデレ台詞に手間取った

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