霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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ccc ギルを選んだ時のサーヴァントはバーサーカーだと聞きました

……一番可哀想じゃね? 忘れられっぱなし?(笑)

6回戦まで一緒に戦ってきたのに……結局


もしランスロットだったら7回戦が面白そうだな それかセイバーオルタ

エクストラでもキアラの名前出てcccが出たし、サーヴァントエンディングで言ってたのが伏線なら続編も出るかな? 


修学旅行はパンデモニウム
五十二話


「うむ、いい湯だ。夫婦一緒の風呂は何度入っても飽きないな」

 

その日、ガウェインは妻と共に入浴していた。彼女はガウェインの足の間にその小さな体を入れ彼の胸板に頭を預けている。その小柄な矮躯からは想像できない程大きな胸は湯の中でユラユラと揺れ、絹のような手触りの銀髪はガウェインの指の間で滑っていた。

 

「今度の連休に温泉旅行でも行きますか? ……旅行といえばランスロットの主が修学旅行に行くらしいのですが大丈夫でしょうか?」

 

「……一般人と一緒に行くのだろう? テロリストからすれば格好の的だな。赤龍帝は兎も角、悪魔共は甘いと聞くぞ。……色々な意味でな」

 

彼女は詰まらなそうに言い切ると急に立ち上がる。銀の髪から雫が滴り、白い肌にはほんのり赤みが差し湯気が立っている。そしてそのままガウェインの方を振り返った。

 

「……始めるぞ。」

 

「はい!」

 

ガウェインは妻の腰に手を回しそっと抱き寄せる。彼女もまた夫の首に手を回し、そのまま二人は唇を合わせ、身を寄せ合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……無粋な」

 

しかし、ある程度互いを求め合い今から本番っといった所でけたたましく鳴るベルにより営みは中断された。このベルが鳴る時は緊急時。二人の表情は甘い生活を送る夫婦から任務を前にした騎士のものとなり、浴槽から素早く出ると即座に着替える。ガウェインは白い鎧。そして彼女は他の戦乙女よりも少々ゴツイ鎧だ。二人が呼び出された場所に向かうと既に他の者達が整列していた。

 

『隊長! 副隊長! お待ちしておりました!』

 

「何があった?」

 

ガウェインの妻は近くに居た部下に視線を送る。部下は敬礼をしながら報告を行った。

 

『はっ! ロキ様が作り出したミドガルズオルムのコピーの残りが暴れているそうです!』

 

「奴は主神の命を狙った反逆者だ。様を付ける必要はない。……それでは今から討伐に向かう! ガウェイン、行くぞ!」

 

「了解しました、隊長!」

 

二人は武器を構え、部下を引き連れて任務へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むふふ~♪」

 

「ほら、動かない」

 

一誠は耳掃除の途中で頭を動かす玉藻を叱る。先程から何度言っても彼女は一誠の腿に頬ずりをするのだ。一誠はブツブツ文句を言いながら耳掃除を続けた。

 

そもそも何で一誠が玉藻の耳掃除をやっているのかというと、次の日から三泊四日の修学旅行に向かうのでスキンシップとして耳掃除を頼まれたのだ。なお、先程まで一誠舘同様リビングに居た黒歌は先程からずっと姿が見えない。

 

「有難うございます、ご主人様♥ ……少々寂しいですね。今までずっとお側に居ましたから」

 

「……仕方ないさ。京都、嫌なんだろ?」

 

「……はい」

 

玉藻に宿る玉藻の前の記憶は未だに彼女の心に楔として残っている。故に何時も一誠にべったりな彼女も今回ばかりは留守番を望んだのだ。それでもやはり寂しいのか耳はシュンと垂れ下がり尻尾にも元気がない。その表情にも何処か陰りが見えた。

 

 

 

 

「……そろそろ寝ようか」

 

「あ、はい、キャッ!?」

 

一誠は玉藻を抱き上げるとそのままお姫様だっこで寝室へと連れて行く。そしてそのままベットに放り投げた。

 

「あん! もう、ご・う・い・ん・なんですからぁ♪ 今日は無理やりってシチュエーションですか?」

 

「いや、違うけど? ほら、尻尾出して。久しぶりにブラッシングしてあげる」

 

「え~! 交尾しましょうよぉ!」

 

一誠はタンスに仕舞っていたペット用のブラシを取り出す。玉藻は不満そうにしているが尻尾は嬉しそうにパタパタ、耳はピコピコと動いている。どうやら口と違って体は正直なようだ。一誠が持ったブラシが毛を解く度に体がビクッと動いていた。

 

「ご、ご主人様ぁ……」

 

どうやら運動会の時と同様に敏感な場所を刺激されて興奮しだした様だ。思わず飛び掛ろうとした玉藻だったがその体は石のように動かず、尻尾を刺激される感覚だけが襲って来る。涙目で一誠の顔を見ると嗜虐的な笑みを浮かべていた。

 

玉藻は一瞬で理解する。体が動かないのは一誠の仕業であり、このまま自分を虐め抜くつもりだと。ちなみに相手の体の自由を奪うこの術を教えたのは玉藻だ。もっとも、相手が油断していないと使えないので教えた事すら忘れていたが。やがて一誠の人差し指が首筋に当てられ背中までツーと撫でられる。何とも言えない感覚が体中を襲った。

 

「ひゃんっ!? い、意地悪です! それにこの術は戦いの為のもので……」

 

「あ、そうだっけ? まぁ、これも戦いって事で……わっ!?」

 

一誠はもう一度背中を撫でようとした所で驚きの声を上げる。何時の間にか後ろから回された手で目を塞がれたのだ。一誠は背中に小振りで柔らかい双丘を感じ、手を振り払って振り返る。魔法陣で何時の間にか部屋に入っていたベンニーアが着物姿で抱きついていた。

 

《この服装、どうでやんすか? 夜這いに来たら面白そうな事になてったのでお邪魔させて貰ったでやんすよ》

 

「あ、うん。似合って……はっ!?」

 

一誠は正面から威圧感を感じ再び前を見る。そこには気が逸れた事で金縛りが解け、黒い笑みを浮かべる玉藻の姿があった。

 

「ふふふふふ。 あのまま玩具にされるのも面白そうでしたが、たまには私がご主人様を玩具にするのも楽しそうですねぇ♪」

 

正面から抱きついてきた玉藻は蠱惑的な笑みを浮かべて一誠の首筋に舌を這わせる。唾液を絡ませたザラザラした舌の感触が伝わって来た。そして今度は一誠が体の自由が利かなくなったのを感じる。そして一誠の付け焼刃の術と違って彼女のは神クラスの呪術。抗えるはずがなかった。

 

「あ、そうそう♪ ベンニーアさんにも混ざって頂きますよ。色々と教えて差し上げますので。……えいっ✩」

 

《あ~れ~!》

 

玉藻はベンニーアの帯を掴むとグルグル回す。まさに町娘を襲う悪代官の所業。良いではないか良いではないか、とでも言えば完璧だろう。そして死神娘はノリノリである。帯が解けると白い肌と未発達な肢体が露わになり、彼女の頬には微かに赤みが差していた。

 

「さぁて、貴女は年齢的にも順序的にも本番は早いです。ですから、ご奉仕の仕方だけ教えて差し上げますね♪」

 

《よ、よろしくお願いするでやんす》

 

ベンニーアは緊張した面持ちで唾を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ちょっと誂うつもりだったのに失敗したなぁ。まぁ、たまには良いかな?」

 

その晩、一誠は修学旅行が控えているというのに一睡も出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、起きなよ」

 

《う~ん。あと1000秒……》

 

翌朝、まっさきに潰れたベンニーアを起こしてシャワー浴びさせた一誠は荷物を確認する。なぜか少し重くなった気もするが気にしないで出かけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おはよ」

 

「おう、眠そうだなイッセー。一晩中自家発電でもやってたか?」

 

集合時間の少し前に来た一誠は欠伸を噛み殺しながら元浜達の所に行く。修学旅行は数人の班になる事になっており、面倒臭いので中学が同じだった松田と元浜と組む事にしたのだ。

 

 

 

 

もっとも、後から余計なオマケがついてくる事を知ったが。

 

「馬鹿ねぇ。兵藤って美人で年上の彼女がいるって噂なのよ。そんな事する訳ないじゃない。どうせ旅行前に彼女とヤル事ヤってたんじゃない?」

 

ニヤニヤと笑みを浮かべながら近づいてきたのは桐生。変態二人組と同等のエロさを持つ女子生徒だ。なお、かなりの情報通である。彼女というキーワードを聞いて一誠に好意を持っている女子達はショックを受けた表情をし、元浜を中心とした男子陣は睨むような視線を送る。

 

「ちくしょう! 松田は美少女揃いのオカ研に入ってるし。イッセーは彼女持ちかよ! なんで俺には春が来ないんだ!?」

 

「……そりゃまぁ、女子の生理的嫌悪を誘うような事ばかりしてるからでしょ。逆に聞くけどなんでそれでモテれると思えるの?」

 

一誠はやれやれといった風に肩を竦めるとその場を離れる。去り際に松田と桐生と同じ班のアーシアとゼノヴィアにだけ聞こえるように囁いて。

 

 

「……言っとくけど旅行先で何か有っても君たちに力貸す気ないから。俺を狙ってきたのなら兎も角、君達悪魔や冥府と関係ない勢力の事なんて知った事じゃないし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして漸く目的地である京都行きの新幹線がやって来る。別の車両には当然の如く他の客も乗っており、その中には双子らしい少女達を連れた女性の姿もあった。




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