ポケットモンスター鳴   作:史縞慧深

1 / 58
初めまして。史縞慧深(しじまけいしん)と申します。
これが処女作となります。生暖かい目で見て下されば幸いです。
それではどうぞ。


1話 転生と現状

「メイー! 起きなさーい!」

 

 どこからか俺を呼ぶ声が響く。朝日が差し込み、そのまぶしさに思わず布団をかぶる。

 

「んむう、あと少し……」

 

 俺は眠たげにつぶやく。

 

「早く起きないと遅刻するわよ!」

 

 お母さんに言われしぶしぶ体を起こす。

 

 

 

 

 

 突然のことだが俺ことメイは転生者である。なぜそれがわかるかというと前世の記憶があるからだ。前世での名前は神野 鳴(じんの めい)、ポケモンが好きな自宅警備員25歳、平たく言えばニートだった。なまじ家が裕福だったため大学卒業後も就職することもなくニート生活を続けてしまった。

 前世の終わりは何かの事故にあって痛い思いをせずに済んだことからある意味幸福だったといえるだろう。なぜなら最後の記憶はポケモンを終えて寝たところ途切れているからだ。おそらく寝ている最中に心臓麻痺でも起きたのだろう。

 親より先に死ぬという最大の親不孝をしてしまって非常に申し訳なく思っている。しかし前の親には悪いと思うが、この世界に転生できてよかったと思う。正直言って前世では人生お先真っ暗みたいな感じだったし、人生やりなおせるならばやりなおしたいと思っていたからだ。今世では前世のようなダメ人間にならないように頑張ってみよう。

 ちなみに前世は男で今は女だ。

 赤ちゃんのころから意識がはっきりあったので赤ちゃん時代は思い出すと今でも恥ずかしい。

 だが最も驚くべきことは転生したのがなんとポケモンの世界なのだ。はじめにポケモンを見たときは驚きのあまり呆然としたものだ。だが今ではポケモンがいないと不自然に感じるまでになった。慣れとは恐ろしいものである。

 しかしポケモンの世界に生まれたのは本当に幸運だったといえる。なぜなら前世ではポケモンが好きでそれなりに知識を持っていると自負しているからだ。この知識をいかせばポケモントレーナーとしてそこそこやっていけるんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 さて、現在の俺の状況を語ろう。イッシュ地方のヒオウギシティ在住で年齢は3歳、今は幼稚園に通っている。中身は25+3歳の青年なので正直に言って幼稚園はつらい。しかしこの世界のお母さんはポケモンセンターに勤務している。そのため普通の三歳児である俺が家に一人でいるのもおかしいので仕方なく通っている。

 同じクラスにはBW2の主人公であるキョウヘイがいて、そして上のクラスにライバルポジションのヒュウがいるが別に仲良くはない。

 俺も名前がメイなので主人公ポジションだと思っていたがキョウヘイがいたので主人公の座はキョウヘイ君に譲る。というか俺が主人公になりたくない。プラズマ団のようなやつらとやりあいたくはないからな。まあ万が一のときのために体は動かして運動神経を鍛えるようにはしている。

 ちなみにいまのおれの容姿は美幼女といったところか。鏡を見たときにヤベェと思ったくらい。さすが主人公の肉体である。

 お母さんも普通に美人だ。お父さんがうらやましい。お父さんの話がでたがお父さんは単身赴任中でホウエン地方に行っている。

 

 

 

 

 

「メイー! 早くしなさい!」

 

 俺を呼ぶお母さんの声が響く。少し考えすぎていたようだ。

 

「はーい!」

 

 返事をし、食卓へ急ぐ。今日も1日が始まる。

 




まずはこれだけです。
次からはもう少し長くなる予定です。
誤字脱字があれば報告してくださると嬉しいです。(できるだけなくしているつもりですが)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。