これは執事ですか?はい、だけどゾンビです   作:放仮ごdz

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今回、これゾン名物の「男の娘」襲来でございます。ハヤテと物凄く相性がいいよね。


コスプレですか?いいえ、これは魔装少女です

三人称side

「これは現在、三千院家の支配下の企業が開発中の介護ロボット「(エイト)」だ」

 

クラウスの説明に呆ける綾崎兄妹(仮)とナギ。あとマリア。

 

「えっと・・・これと戦えと?」

「無粋なことを言うな。彼は介護ロボット、つまり生まれる前から主に仕える究極の執事!」

『⑨極の間違いじゃない?』

 

ユーの指摘をスルーし、クラウスは部屋の中にあるダイニング、高そうな食器が入った棚、照明などを見渡し説明を続行、ユーは少し落ち込む。

 

「ルールは簡単だ」

『無視された、やっぱり存在感が無い・・・?』

「いや、ただ無言だから分からないだけですって!」

「むしろクラウスよりは存在感があると思うぞ」

「(グサッ!)ここにある様々な日用品を使って、綾崎ハヤテとエイトのどちらが優れた執事かどうか競ってもらうという試験だ・・・って、あのお嬢様?」

 

ナギの言葉に心をやられながらもクラウスは説明を終え、何故かエイトを無言で凝視しているナギに疑問を持つ。

 

「・・・なんというか、なぁユー?」

『言いたいことは分かった。確かに・・・』

 

ナギはユーに促し、マリアと男二人は疑問符を浮かべると二人はそれぞれ口とペンを動かし、同時に続ける。

 

「『随分と不細工なロボットだな・・・』」

(ピキッ!)

 

その暴言を聞き、エイトの額にロボではありえない青筋が現れ、プルプルと震えだした。クラウスは慌ててフォローする。

 

「そんな・・・お嬢様、それに綾崎ユー、これは一応世界最先端の介護ロボットでして・・・」

「これが最先端!?」

『こんな不細工なロボットに介護されたら逆に死にたくなる自信がある』

「ああ、それ分かる分かる」

『ロボットだったら変形か合体でもしないと。グレ●ラガンやガ●ダムにゲッ●ーとかを見習え』

「もし変形しなくてもエ●ァを見習ってもっとかっこいいデザインにしろよな。まあ何にしてもこんな合体も変形もできなそうなロボットにハヤテが負けるはずがない!」

「それはどうでしょう・・・」

 

元気なオタク二人の発言にハヤテが苦笑を返すと、ずっと我慢していたエイトが口を開いた。

 

〈そんなに合体や変形が見たいなら・・・〉

「へっ?」

『ナギ、危ない!』

(お前を変形させてやろうか―!〉

「うおぉぉぉっ!?」

「危ないお嬢様!」

 

そして右手をハンマーに変形させてナギに殴りかかり、それにいち早く反応したユーはとっさにペンを鎌に変化させて受け止め、ハヤテがエイトを蹴り飛ばす。

 

〈ちっ、外したか!〉

「これはこれは随分短気で危険な最先端ロボですね」

「・・・人口激減も老人問題も一挙解決だな」

『ンなわけないでしょ』

 

舌打ちするエイトにマリアは感想を述べ、それをごまかすようにクラウスは続けるがユーに一蹴される。

 

「ってそんな場合じゃないですよ!早くコイツを止めてください、お嬢様が危険です!」

「ハヤテ・・・(キュンっ)」

〈ククク・・・動き出した俺の螺旋力はもう止められないぜ・・・ギガドリ●ブレイクー!〉

「お前は黙ってろ!?」

『というか危ない』

 

エイトは右手をドリルに変形させナギを抱えたハヤテに突き出し、ユーはメモを持っていない方の手でハヤテの執事服の襟首を掴んで引き寄せ、回避させる。

 

「止める方法はご存じなんですかクラウスさん?」

「えっと確か、背中のパネルを開けてパスワードを打ち込んでメニューリストから緊急停止のコマンドを選んでさらに・・・」

「ハヤテ君、ユーさん、取り敢えずぶっ壊せば止まるそうですよ~♪」

「お、おい!アレは一応最先端の・・・」

『最先端ならデータは残っているはずだからぶっ壊しても問題ない。元々エイトを選んだのはクラウスさんだし』

「ぐふっ!?・・・確かにその通りだ、好きにしろ」

「てかやっぱりそう言う展開ですか・・・」

「漫画で言う王道だな!」

『別の言い方ではお約束』

 

こんな時でもネタを言うナギとユーにため息をつき、ハヤテはナギをユーの元に下ろして一歩手前に構えた。

 

「では本気でさせてもらいますから・・・お嬢様はユーと一緒に・・・あれ?」

「ハヤテ!」

〈死に腐れー!〉

 

拳をぽきぽき鳴らすハヤテにエイトは胸を開き、蜂の巣状の中身を露出、そこから大量のミサイルを放つ。ハヤテは爆風に包まれるが・・・

 

「200%!てかこいつ、本当に介護用なんですか!?」

 

普通に爆炎を突き破って現れ、続けて放たれたミサイルを拳で弾きながら突進、エイトの腹部に強烈な一撃を叩き込むハヤテ。ゾンビの力を解放中だ。

 

「多分だがきっと独り暮らしの女性のために必要な機能なのだろうな・・・」

『ものすごい嘘臭さだな』

「そんな言い訳を思いつくクラウスさんはどうすべきでしょうねぇ?」

「にしても凄いなハヤテ、やれやれー!」

「はい、お嬢様!ウオォォォォォッ!」

 

ナギの声援を受けてハヤテは咆哮、連続で200パーセントの力を解放した拳を叩き込んで行く。エイトはなすすべもなく吹っ飛び、ダイニングに飛び込んで水道管を破裂させながらも両手の指を工具に変形し自己修理をして立ち上がって右手はガトリング砲に、左手を巨大な鋏にする。

 

〈嘗めるなよ人間!最先端ロボをなー!〉

「拙い、お嬢様!」

 

エイトはガトリング砲をナギ達ギャラリーに向けて放ち、とっさにハヤテが前に出て全弾受け止め、血を噴出させながらも立ち塞がった。

 

「お前がどんなに最先端だろうと、お嬢様やユーはこの命を賭けてでも守って見せる!」

「ハヤテ・・・」

〈なら守って見せろー!〉

 

エイトは左手の鋏を突き出し、ハヤテは血が流れるのも構わず両手で受け止めた。だが、じりじりと押され始める。200パーセントにした限界が来たのだ。

 

「くっ・・・ユー!何か無いんですか!この状況打破する方法!」

『いや無理。さすがに機械は相手にしたくない・・・そうだ』

 

ハヤテに言われて何かを思い出したようにユーは体のあちこちを漁り始め、ポケットから何かを取り出した。それは小さな桃色のチェンソーのストラップだ。

 

『これもらったのを忘れていた・・・使って、ハヤテ!』

 

ユーがストラップのチェーンを指に掛けて回すと通常サイズの大きさに変化し、ナギ達の眼を気にせず投げ付ける。

 

〈何?ギャッ!?〉

「これは・・・チェーンソー?」

 

それ・・・ミストルティンといわれる魔装錬器はエイトの額に炸裂して弾き飛ばし、落ちてきたのをハヤテが受け止め珍しそうに眺めてからユーに視線を移す。

 

『今から書く言葉を一字一句逃さずに叫べ。【ノモブヨ ヲシ ハシタワ ドケダ】』

「は、はぁ・・・ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ・・・ドケダ?」

 

いきなり頓珍漢なことを書きだすユーにハヤテは頭を傾げながらも言う通りに呟いていく。

 

『【グンミーチャ デ リブラ】』

「・・・グンミーチャ、デー、リーブラ!」

 

するとハヤテは光に包まれ、次の瞬間激変していた。着ていた執事服は何時の間にか水色の魔法少女を思わせるフリルが大量に着いたワンピースとミニスカートとハイソックスに変化、黄色いリボンが付いた可愛らしい帽子を被り、ミストルティンの色は水色に変化し刀身に【HAYATE】と描かれている。一言でいうなら何だ・・・そう、女装していた。しかも無駄に似合っている。

 

「「「ええー!?」」」

『その姿は魔装少女、さあぶっ潰せ』

 

ナギ達は驚き、ユーは無表情を崩さずに指令を下す。

 

「くそっ・・・こうなったらやけっぱちだー!」

〈女装趣味があったとはッ!?〉

 

ハヤテは若干涙目でミストルティンのエンジン(?)を起動して振り回し、若干引いていたエイトの両腕を切断、その勢いで無駄に高い天井に飛び上がり、くるくる回転しながら頭に浮かんだ技名を叫びながら急降下、回転する刀身をエイトの頭頂部に叩き付ける。

 

「ミストルティン・キーック!」

〈「それキックじゃねー!?」〉

「うおっ・・・」

「まぁ・・・」

『服装と技名は気にするな☆』

 

そのままエイトは偶然ナギと同じツッコミを叫びながら真っ二つに切断され、クラウスとマリアはハヤテの下着でも見えたのか顔を赤らめ、ユーがメモを突き上げた。そんなカオスな感じに、適性試験は終了したのであった・・・。




・・・初めて書いたよ、魔法少女(厳密には魔装少女)と女装ネタ・・・ハヤテだと違和感がないのが不思議だ。

ミストルティンキックは中々いい技ですよね。技名詐欺チョーイイネ!サイコー!

エイトは原作よりも暴走させてもらいました。ちなみにロボット云々は僕の趣味です。グレンラ●ンは神作だ。

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