これは執事ですか?はい、だけどゾンビです   作:放仮ごdz

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前回から一ヶ月以内・・・じゃないだと…?申し訳ありませんでした、Fateの方ばかり書いてました放仮ごです。

ところで、エイト入れたらどうもシリアスがシリアルになると思うんです。ユーがいる中でそんなことになったら致命的・・・と言う訳でよし原作無視するぞーって感じな今回です。では、どうぞ。


これは愛の試練ですか?いいえ、お嬢様の試練です

「ですからこのギルバートが・・・お二人の愛を試してさしあげるデース」

 

 

いきなり現れたかと思えば、唐突にそんな事をかっこつけて言ってきたエセ外国人、ギルバート。…ついこの間、三千院本家で私とハヤテを狙い襲ってきた男。奴の登場に、若干呆けていたコナン君が私に問いかけて来た。

 

 

「・・・えっと、ナギさん・・・だったか?この胡散臭い人、知り合い?」

 

「あ、ああ・・・恥ずかしながら親族だ」

 

 

正直言って、こんな奴が親族とか認めたくない。できれば今直ぐ縁を切りたいぐらいだ。…てかどこの者だコイツ。

 

 

「フフフッ、しかも私はただの親族ではアリませーン!」

 

「な、なんだと・・・!」

 

 

そう言えばコイツ、メガロとか言う怪物を「あの方」とか言う人物から借りたとか言っていたな。まさかハヤテやユーみたいに人外だとでも言うのか・・・!?

 

 

「聞いて驚きなサーイ!私は三千院家の遺産相続候補・・・ラッキークローバーズの一人、ギルバートデース!ちなみにラッキークローバーズと言う名称は今ボクが考えマシター!もちろん仮面r」

 

「仮●ライダー5●5のパクリよね、それ」

 

「お、おい灰原・・・」

 

「そこ!五月蠅いデース!」

 

 

・・・うん、あの二人以外にそう簡単に人外がうろついている訳ないか。

 

 

「で?愛を試すって何なのだそれは・・・」

 

「つまり、あの執事とYouの間に愛さえあれば、どんな障害だって乗り越えてくるハズ!例えば私が三千院ナギ、Youを誘拐したと言ったナラ、誰よりも早くあの執事はアナタの元に来たり来なかっタリ・・・?」

 

「探偵の前で狂言誘拐をしようとはいい度胸だなオメエ」

 

「ファッ!?江戸川コナン!?何故にここに居るのデスか!?」

 

 

何か靴に着いているダイヤルを操作してバチバチ光らせるコナン君に、ギルバートはびくっと震えた。…狂言誘拐、か。

 

 

「心配しなくても、やめとく・・・きっと、酷い事をした私のためにハヤテは来たりしないから・・・」

 

 

さっきユーに言われて、そう思った。コナン君に止められるまでもない。そんなことをしても、意味は無い。

 

 

「まったく、意気地の無い餓鬼ですネ。こんな勝負根性も無い弱虫が三千院家の後継者などとは…全く現代社会は恐いデス。まあ所詮、餓鬼は家の中で引き籠ってれば・・・」

 

「好きに言え。お前が私に直接手を出せないのは分かっている」

 

「A~HA~・・・せっかく手助けシテやろうと思いまシタのに・・・だったら強硬手段に移るしかない様デスね!いでよ、クマッチさーん!」

 

「なにっ!?」

 

 

ギルバートの叫びと共に現れ、外に待機していた私のSP達を一瞬のうちに叩きのめす巨大な二つの影。名前からしてあの時、襲ってきた熊のメガロとか言う怪物だと思ったが・・・違った。真っ白の熊と、白い虎。学ランを着ているデフォルメした様な姿。怪物の登場に驚くコナン君達だが、私も私でそれどころじゃない。アレに勝てるのは、ハヤテとユーだけなのだ。

 

 

「…なあ灰原。これ、夢か?」

 

「あら。私達の方が信じられない体験をしているんじゃなかった?江戸川君。少なくともこれは夢じゃないわ」

 

「だよなぁ…っと!」

 

 

そう言うと脚を大きく振り被り、近くに落ちていた空き缶を白熊メガロに向けて蹴り飛ばすコナン君。空き缶は白熊メガロの腹部に炸裂、何と白熊メガロを転倒させた。これが噂の、怪盗キッドを毎度撃退しているシュートか。なるほど、凄まじい。どうやらあの靴に秘密があるようだな。

 

 

「お嬢様をお守りしろ!」

 

「「「おおー!」」」

 

「アルビノタイガー!」

 

「「「うわぁああああっ!?」」」

 

 

負けじと私のボディーガード達が束になって白虎メガロに挑みかかるも、こちらは簡単に弾き飛ばされてしまう。小学生に負けるなんてこれは減給だな。いや、コナン君がおかしいのか?

 

 

「アルビノパンダー…!」

 

「なにっ!?」

 

「こっちよ!」

 

 

すると何時の間にか私の背後にまで来ていた白熊メガロが腕を振り被り、一瞬固まった私の手を引いて下がらせる小さな手があった。灰原哀だ。目の前には剛腕でコンクリートをぶちぬき、口から何か蒸気を吐き出している白熊メガロの姿。あ、ヤバい…

 

 

「痛い目に遭いたくなかったラ大人しくするデース!」

 

「お前、私に手を出せないんじゃなかったのか!」

 

「別に痛めつけるだけなら問題ナッシング!さあ観念しなサーイ!」

 

「がっ!?」

 

「江戸川君!」

 

 

再びその場に落ちていた空き缶を蹴って応戦しようとしていたが白虎メガロの振り被った拳を後頭部に受け、倒れるコナン君に駆け寄る灰原哀。…どうやら気を失っているだけの様だな。このままじゃ、最悪死人が出る…私のせいで、ハヤテみたいに誰かが傷付くのはもう嫌だ。

 

 

「どうしマスか~?」

 

「…分かった。黙ってお前に誘拐されればいいんだろ?その代わり、私以外に手を出すな。そのメガロ共にそう伝えろ」

 

「A~HA~…元よりアナタ以外に用はありまセーン。デスが~?そこの小学生探偵は何をするのか分からないので拘束させてもらいマ~ス。そこの女の子もデース。クマッチサーン?」

 

「アルビノパンダー」

 

 

言いながらコナン君と灰原哀を抑え込み、元々私を縛るつもりだったのだろうロープを取り出して背中合わせにグルグル巻きにする白熊メガロ。また後で灰原哀にねちねち言われそうだ。すまん二人共。

 

 

「そこのメイドも、大人しく着いて来マスか~?」

 

「え!?は、はい…」

 

 

サキさんは私を連れていかれたらワタルの奴にどやされるからな。それにメガロもいるし、SPは全滅。私の無事を確認するなら大人しく着いて行くしか手段は無い。まさかギルバートの奴め、ここまで計算していたのか…?

 

 

「さあお嬢様。参りまショウ」

 

「どこへだ?」

 

「ニホンが誇るこの大都市、東京の地下へデース」

 

「…は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、鷺ノ宮邸。ユーSide。

「なんでさ!」

 

「ユー!?」

 

 

思わず叫びながら出てしまった。驚くハヤテと伊澄ちゃん。頷きながら私に着いてくるワタル君。もう頭痛何て関係ないレベルでツッコまないと行けない。ハヤテはなに意外そうな顔をしてるのか。私はハヤテの妹だ、来ない訳がないだろうに。

 

 

『ハヤテ。迎えに来た。さあ帰ろう』

 

「え、ちょっ、ユー?」

 

 

もう強行突破あるのみ。ハヤテの手を繋ぎ、ワタル君に合図しサササッと脱出しようと画策する。まさか伊澄ちゃんがあんなシリアスになるとは思ってなかった。もう勢いでやるしかねえ。え、ナギとワタル君の事を言えないって?責任転換するしかないじゃんこんなの。

 

 

「待って、ユー!」

 

『どうしたの?』

 

「僕は・・・戻りません。伊澄さんと一緒にいます」

 

 

そう言って手を放すハヤテに、私は思わず押し黙った。・・・やつぱり強行手段は駄目か。ハヤテ自身、ナギに売られた事が相当応えているみたいだし、ナギに必要とされなくなったと思っているのだろう。おいこらワタル君、黙ってないで何か言いたまえ。

 

 

『それでいいの、ハヤテは?』

 

「いいも悪くも、僕にはどうしようもありませんよ。お嬢様に、売られたんですから…」

 

『戻りたくないの?ナギに、三千院家の屋敷に、何の未練も思い出もないの?』

 

「…思い出なら酷いのいっぱいありますね」

 

『だよね。衝撃的な物が多すぎる』

 

 

ごめん、言った私も何か不幸な目にあってるハヤテしか思い出さなかった。こらワタル君、呆れるな。しょうがないんだ、ハヤテだもん。…でもね、私だって譲れないんだよ。

 

 

『忘れた?ハヤテは、私の下僕だ。下僕が勝手に逃げる事は許さない』

 

「ユー・・・?」

 

『それが例え、ナギお嬢様の命令だとしても、私は貴方を逃がすつもりは絶対にない』

 

「何で、そこまで…」

 

『それを私に言わせる?』

 

 

しょうがない。忘れてしまったのならもう一度言ってやろう.

 

 

『ハヤテに、そう約束したから』

 

「…!」

 

 

約束は絶対に守る。ずっとハヤテの傍にいる。すると、伊澄ちゃんが袖をつまんで引き留める様にハヤテに寂しげな顔を向けた。

 

 

「戻りたいのですか…?」

 

「え?」

 

「私の元から・・・ナギのところへ…」

 

「い、伊澄さん…」

 

 

困り顔でこちらを見て来るハヤテ。私の言葉を待つように視線を寄せる伊澄ちゃん。フラれたと思ったのか涙目でこっちを睨みつけて来るワタル君。三者三様だね。でもこれは私が決める事じゃない。

 

 

『ハヤテが決めろ。確かに私の下僕だけど、それぐらい自分で決めて』

 

「ユー・・・」

 

 

・・・せっかく撮って来たけど、ナギの号泣懺悔シーンは消して置いた方がいいかな。さて、ナギは今無事なんだろうか。でも私の経験上、ナギはハヤテがいない時必ずと言っていいほどトラブルに遭うからなぁ…あれ、これフラグ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナギside

縛られたコナン君と灰原哀を担いだ白熊メガロと、サキさんと私を前に歩かせて威圧する白虎メガロを引き連れたギルバートに連れて来られたのは、本当に東京か?と疑うしかない地下の遺跡っぽい跡が残っていて何か滝とかある大空洞だった。…やっぱり地下鉄は魔界じゃないか、ハヤテとユーの奴め。

 

 

「相変わらず東京の地下は凄いデスねー」

 

「アルビノパンダー!」

 

「アルビノタイガー!」

 

「いやここ、本当に東京の地下なんですか!?」

 

 

深呼吸したギルバートの言葉に吠えながら頷くメガロ二体の姿にツッコむサキさん。いや、東京の地下ってこうじゃないのか?え、違う?

 

 

「…しかし何でわざわざこんなところに?誘拐なら廃ビルとかでいいではないか」

 

「フッフーン。あのゾンビ執事をボコるにはクマッチサン達とコレ(・・)が満足に動ける場所じゃナイと危ないのデース」

 

「まさかまたハヤテと戦う気か?あのクマッチとか言うメガロに吹っ飛ばされたお前は知らないだろうがな、ハヤテはあのクマッチとか言う奴を簡単に倒してしまったのだ。それにこの前ボコボコに負けただろう」

 

「口が減らない餓鬼デスね!ええ、確かにソノ通り・・・如何にオーストラリアの超科学を扱えても純粋ナ人間でアル私デハあの人外執事には勝てまセーン。正直、あの人からメガロ二体を借りて来た今でも勝てる気が全くナッシングデース」

 

 

何か滝の中に入って行きながらそう語るギルバート。…今メガロの隙を窺ってサキさんと協力したらコナン君と灰原哀を助けて逃げ出せるんじゃないか…そう思った。だがしかし、それを見た瞬間に逃げれる気はしなくなった。

 

 

「デスから、私の友人のマッドサイエンティストに頼んだのデス」

 

「「「なっ…!?」」」

 

 

滝の中から出て来たそれに、絶句する私とサキさん、そして灰原哀。まさか、現代日本にあんなものが…!?

 

 

「名付けて、セブン改【GANMEN】デース!」

 

 

それは、エ●ァの様なシルエットの巨大な顔に手足が付いたいわゆる一頭身のロボット。名前からしてグレン●ガンに登場する機体を思わせるそれは、5メートルはある巨体でしかもちゃんと歩いて出てきた。20●紀少年の血の大晦日を作った出来損ないみたいにキャタピラじゃない。ちゃんと歩いて、だ。それだけでも凄い事なのに、ちゃんと腕も動かして滝の中から這い出してきた。あんな腕、振り下ろされたら間違いなく押し潰される。ぺちゃんこだ。

誰だあんなの作ったの。正体知ったら今直ぐ私好みのロボットを作ってもらおう・・・って、そうじゃない。いや凄いけど。…そう言えば最近、高性能なロボットが襲ってきたことがあったな…まさかな。

 

 

「これでアノ執事をボコボコにシテやりマース!」

 

「…確かにハヤテでもヤバいかもしれない。でもな、何度でも言うがアイツが私のために来るなんてありえない。さっさと諦めて私達を解放すれば警察には言わないで置いてやる」

 

「HA!残念ながラ、ワタシ的にはアノ条件・・・アナタを泣いて謝らせる事さえデキればアイツは来なくテモいいのデース!リスクを背負うのはバカのやる事デスしネ!では準備を始めマスから考えて置ク事デース!」

 

「いや、お前馬鹿だろ?」

 

 

調整やらを始めるギルバートに、思わずそう返してしまうが聞いてなかったらしい。…だってなあ、いきなり出て来たかと思えば土下座までしてくる大人・・・馬鹿だろ?

 

 

「そうやね、ほんま大馬鹿や」

 

「さ、咲夜!?」

 

 

すると私達の背後、メガロ二体の間を縫ってこちらに寄って来た少女。それは咲夜だった。何でこいつが?

 

 

「な・・・なんでお前がこんなところに!?」

 

「なんでってそら、兄貴のやる事でも見守ろうかなーと」

 

「なにぃ!?」

 

 

・・・アニキ?Big brother?ランサー?カミナ?水木一郎?……兄貴?え、まさか。いや、ここで咲夜が兄貴と呼べる年齢の人物は一人しかいないし…ええー?

 

 

「あのギルバートは(サク)の兄貴なのか!?」

 

「そか…そら知らんわな。ワイも最近まで知らなかったしなぁ…腹違いな上に隠し子みたいなもんやったらしいで?」

 

「…そりゃ私も知らない訳だ」

 

「でもほら、似とるやろ?」

 

「そうか…?」

 

 

・・・まあ、ウザい所は似ているか。さすが兄妹。嬉しいのかそれ?

 

 

「で、何でこんなことになっとるん?執事が伊澄さんとこに出て行ったって聞いたんやけど?」

 

「は、ハヤテが伊澄に浮気をして…だな…ユーに多分違うと言われたけど」

 

「はぁ?なんやそら?あの気弱な馬鹿執事が伊澄さんを?」

 

「伊澄だけではないぞ!お前だってハヤテと遊んだって…!」

 

「まぁ遊んだなぁ、でもナギと一緒やで?」

 

「え?」

 

「せやから遊んだやんけ。虫王様で」

 

 

え・・・・・・・・・あ、そうか。先日買い込んだ虫王様の筐体でハヤテと対戦して、それで遊びに来てた(サク)も一緒に遊んで二人揃ってハヤテにボロ負けして・・・てことはもしかして、私は物凄い勘違いをしてハヤテを傷つけたのか……?そんな、じゃあ伊澄の事を好きと言ったのも、もしかしたら私の友人として好きだって意味で…

 

 

「はっはーん?なんや大人ぶったナギさんは、13歳の分際で「遊んだ」って言葉をそういう風に捉えたみたいやなぁ。マセガキさん?」

 

「ち、違・・・わないな…そうだ、私は…ハヤテを、何の落ち度もないのに、売り飛ばしてしまったんだ…」

 

「え、ナギ?」

 

「…貴方、お嬢様の知り合いみたいだけど酷いわね」

 

「え、わいはそんなつもりは…」

 

 

灰原哀が咲夜に何か言っているけど、それはもう聞こえて来ない。絶対、来ない。ユーが迎えに行ったけど、それでも・・・何も悪くないハヤテが私の元に帰って来るなんてありえない。

 

 

それどころか、こうなっている事を知らないユーどころか、もし知っていてもハヤテは…私の事を、絶対に助けに来るはずもない。

 

 

 

 

「よし、準備ができまシタ!さあ、クマッチサン達にテキトーに小突き回されて泣かされるか、暗い所に誘い込みGANMENで蓋を閉めて平和的に泣かされるか、どちらか選ぶのデース!」

 

「選ぶ訳ないだろ!バーカバーカ!」

 

 

搭乗席にギルバートが乗り込み、立ち上がったGANMENにそうは言ってみた物の・・・どっちも嫌だなぁ。特に暗い所に閉じ込められるとか我慢できるか分からない。だけど、ハヤテが来るはずもない以上・・・私には、巻き込んでしまったコナン君と灰原哀、サキさんを守る義務がある。あ、咲夜?別にどうでもいいや、勝手に巻き込まれてきただけだし。

 

 

「言って置くが、私を嘗めるなよ?こう見えても負けず嫌いなのだ!別に爺の財産などどうでもいいが、私みたいな子供を泣かせる為だけに人の力を借りて怪物やロボまで持ってくる大人気ない奴に・・・渡すのだけはごめんだ!」

 

「大人には大人の事情があるのデース!人生の厳しさも知らない餓鬼が何をほざこうとも、手段は選びまセーン!それに三千院家本家のご令嬢に、隠し子の・・・正当な権利さえ持たないワタシのナニが分かるのデスか!クマッチさん!適当に小突いて泣かしてやりなサーイ!」

 

「アルビノパンダー!」

 

「お嬢様!」

 

「ナギ!」

 

 

ビシッとロボで指を差したギルバートの指示で、突進してくる白熊メガロ。サキさんと灰原哀は白虎メガロに抑え込まれ、何やら携帯片手にどこかに連絡していた(サク)はどうせ何もできない。だけど、私だってな。

 

 

「何時までも、弱くはないのだ!」

 

 

私が取り出したのは、ピンクに塗られたチェーンソーのキーホルダー。…ユーの、ミストルティンとか言っていた物だ。指に引っ掛けクルクル回すと、私には大きすぎる通常サイズになったそれを構えた。

 

 

「ユーが忘れて行ったから念のためにと借りパクしてきたこれ・・・使わせてもらうぞ!ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ、ドケダ、グンミーチャ、デー、リーブラ!」

 

 

そう叫んだ私の全身を黄金の輝きが包み込み、それを見ていた全員の眼が驚愕に染まったのを感じた。そりゃそうだ、ここにいる全員見た事が無いはずなのだから。

そして光が晴れると、私は黄色い魔法少女を思わせるフリルが大量に着いたワンピースとミニスカートとハイソックス、青いリボンが付いた可愛らしい帽子を身に纏い、黄色に変化した刀身に【NAGI】と描かれているミストルティンを構えた、ユー曰く魔装少女に変身していた。…うん、これどういう仕組み何だろうな?ワタルが変身できたからもしやと思ったが当たりの様だ。

 

 

「おりゃー!」

 

「アルビノパンダ!?」

 

 

こちらに向かってきていた白熊メガロに、挨拶とばかりに思いっきり前蹴りを叩き込むと吹っ飛んでGANMENに直撃してその巨体を転倒させた。どうやら非力な私でも十分強いらしい。何時もより動きもキレがよく感じる。

 

 

「私を泣いて謝らせるんだったか。できるのか?」

 

「一体全体何なんデスかソレは!?」

 

「さあ、私も知らん」

 

「~~~ッ!クマッチサン達!」

 

「アルビノタイガー!」

 

「アルビノパンダー!」

 

 

サキさんと灰原哀を解放した白虎メガロと共に再度突進してくる白熊メガロ。…正直、私に出来るとは思わないが…もう無責任なのは嫌だ。守ってみせる、私が。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーSide

「はあ!?ナギがサキとその他と一緒にギルバートとか言うアホに捕まって、ぬいぐるみみたいな怪物にボコられそうになったら何か変身してバトル始めた!?何言ってんだ咲夜?サキに代われ!」

 

 

いきなりかかってきた電話にワタル君がそう叫ぶ。どうやら相手は咲夜らしいが…うん、訳が分からん。何が起こったし。

 

 

『なんやとぉ!もう一回ありのまま今、起こった事を話すで!

 

【うちの兄貴がロボに乗って捕まったナギが泣かされそうになったら変身して逆に相手を蹴り飛ばしていた】

 

な…何を言っているのか分からんと思うけどわいも何が起きてんのか分からんのや!頭がどうにかなりそうや・・・妄想だとかCGだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてないわ!もっと恐ろしいものの片鱗を味わったんや…」

 

 

本当に何が起こったし。そう思い、とりあえずナギがピンチだと言う事をハヤテに教えようと振り向く。そこには伊澄さんがどこかを向いて黄昏ていて…あるぇー?

 

 

『伊澄ちゃん、ハヤテは?』

 

「ナギは大丈夫です…ハヤテ様が、助けに行きましたから…」

 

『そっか』

 

 

じゃあ、大丈夫だね。…ところでナギは何で変身とかしてるんですかね?ミストルティンならちゃんと懐に・・・あれ、無いや。…とりあえず、危険な事をしないといいけど…

 

 

 

魔装少女は、ユーみたいな体力無しが変身してもそこまで強くはならないんだから。

 

 

 

・・・ハヤテ、急いで早く!




前回シリアスだったので思いっきりシリアルに仕上げました。そしたら何時の間にかナギが魔装少女に変身していた。訳が分からないよ。

ギルバートの配下として連邦の白いあ、くまことアルビノパンダと名前が分からなかったので見た目で呼んでいるアルビノタイガー登場。ちなみに原作だとユーが逃げる為に歩たちに嗾けたメガロだったりします。
GANMENの製作者は誰が隠そうエイトの開発者のあの人。原作のセブンがGANMENに見えた。

コナン君はとりあえずごめん。さすがに人外には勝てなかったよ。でも次回活躍があるから勘弁してください。推理だって捨てた物じゃないんです、はい。

実はナギ優勢に見えてかなり大ピンチだった件について。え、ワタル君?だって彼は母親がアレだし…ナギに比べたら雲泥の差でしょう。

ハヤテとユーはお嬢様のピンチに間に合うのか。ハヤテが選んだ道とは。次回、「これは愛の試練ですか?はい、必ず来てくれます」多分第一部完的な話になるかと思います。年内に上げれたらいいなとか思ってみたり。感想や評価などをいただけると励みになります!

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