今回は題名通り急展開です。コナン君も再登場、そしてハヤテが・・・?前半はダイジェストになってます。では、どうぞ。
はい皆さんお久しぶり、三千院家メイドの綾崎悠です。本当に、お久しぶりです。番外編とか挟んだ癖してもう夏終わっちゃったね。え、今は一月だっけ。よく分かんないや。
実はあれからね、ちょっと時間が経ってるんだ。その間にいっぱいあったんだよ・・・
ワタル君に謝りに都心にあると言う橘グループ本社ビルを訪ねるために地下鉄に乗るつもりが、地下鉄を全く知らなかったナギ、伊澄ちゃん、マリアさんの三人衆のおかげで何故か巨大な地下トンネルに迷い込んで鼠の大群に襲われたり。
何とか帰って来てハヤテと二人でワタル君のところに行ったんだけど何と橘グループは不況で壊滅していて、現在はワタル君が自ら店長として営業しているレンタルビデオタチバナ新宿本店が最後の砦らしい。ナギと許嫁ってのは彼の親が勝手に決めた事の様らしい。…鷺ノ宮家の婿になればいいんじゃね?と思ったが大人の事情があるようだ。何でも、ワタル君の母親と伊澄ちゃんの母親、どちらともナギの母親と何か親交があったらしい。えっと確か・・・なんかラスボス臭が凄いあの人と、伊澄ちゃん以上にポンコツなあの人かな。
何かそこでハヤテの父親「綾崎瞬」がハヤテの顔写真を使って会員登録していたらしく、未返却の13本の弁償台と延滞料158万円程はまたナギに払ってもらうことになったり。
その後、一昔前のゲーム筐体「虫王様」でナギと咲夜とハヤテが勝負して、どちらともハヤテが勝利して二人が涙目になったり(私はこういうゲームは苦手なので遠慮した)。
ナギにマイケ○ジャク○ンの家見たく屋敷の敷地内にある遊園地に連れていかれて、私とナギが身長制限で殆んどの乗り物に乗れなかったためにお化け屋敷に行くことになってそこでエイトと再会したけど何だかんだでエイトが牧村さんと付き合うことになったり(何を言っているか分からないだろうけど私も分かんない)。
その後ハヤテが汚れたからとマリアさんにお風呂に入れられて、ハヤテの裸がマリアさんに見られたりタマのせいでボイラーが故障して様子を見に来た私も一緒に溺れかけて、結果としてお風呂がぶっ壊れて使い物にならなくなったり。
そして昨日。ワタル君が伊澄ちゃんのストールの臭い嗅いで、それを私とハヤテとタマに見られて拡散しようとしたタマをハヤテが止めて、そしたら何か伊澄ちゃんがハヤテの胸元にそっと抱き着いて「私はハヤテ様の事が好きですから。ごきげんよう」と告げて、帰って行った。
・・・私が何を言っているか分からないだろうけど、私もよく分からない。え?何が起きた?私の隣にいるワタル君も、窓から見ていたナギもマリアさんも、そして告白まがいな事をされた張本人であるハヤテも、訳が分からずただ茫然と突っ立っていた。…あれ?何かここ数日ハヤテから感じていたヤバい感じが消えてる。…抱き着いた時に伊澄ちゃんが何かしたのかな?
そんな事を考えながらずっと起きていたらしく寝惚け眼で「ハヤテが私の事を愛してしまっている以上、伊澄を傷付ける事になってしまう・・・」とか頓珍漢な事をぼやいていたナギの隣で目覚めた私は、コテッと首を傾げた。
ちなみに話をしてみた所、ナギにとってハヤテは「宇宙一かっこいい男」だから伊澄ちゃんが惚れてしまっても可笑しくないんだとか。
その正午、ナギに「友人と会ってくる」と言って出かけた私は、米花町五丁目にある喫茶店「ポアロ」でお茶を飲みながら目の前に居る少年に事の顛末を語った。
『そんなことがあった』
「いや、どんなことだよ」
うん、コナン君。そのツッコミは正しい。何でこうなったのか私も知りたい。…何でコナン君がいるかというと、私がメールでここに「話がある」と呼び出したのだ。まだ冬休みだと言う事もあり、コナン君は友人たちの誘いを断り来てくれた。いい子だ、とても私より年上とは思えない。
「・・・で?俺にどうしろと?」
『小学生探偵「ホームズの弟子」として力を貸して欲しい』
「・・・話を聞こう」
そう言いながらコーヒーを一口飲み、こちらの話を聞く(見る?)体勢になるコナン君。いっぱしの探偵の風格だ。さすが・・・えっと、六年間(体感的には何年何だろうなぁ・・・サザエさん時空だと)も探偵をしているだけはある。
『綾崎ハヤテの両親を捜して』
「・・・ユーさんの両親でもあるんじゃねーのか?」
『私の戸籍はお嬢様の偽造だから違う。あくまで、ハヤテを捨てた両親の行方を探して欲しいだけ』
最後の一文は小さく書いた、誰かに見られるとヤバい事を書いている。でもコナン君は私の事をある程度知っているので、存分に言える。
「・・・それはユーさんの独断か?」
『私の独断。ハヤテやナギには内密に調査してもらいたい。お願いできる?』
「・・・いいよ、依頼を受ける。ユーさんが困ったら手伝うってそう言ったしな。俺と・・・灰原で出来る限り調べてみる」
『灰原?』
おおう、その子にまで力を貸してもらえるとは助かる。でもなして?
「あ、灰原は俺の・・・あー、なんだ・・・」
『彼女?』
「・・・あー、もうそれでいい。頼りになる相棒でもあるな」
お、認めた。付き合ってるってのは前会った時に思ったけど、本当みたいだ。しかもこの反応、周りからも色々いじられて慣れてる感じだ。
『前ちょっと口を滑らせたみたいに名前で呼んでもいいよ?』
「名前で呼ぶのは二人きりって決めてるから勘弁してくれ」
『それはお熱い事で』
二人きりって・・・どこまで進んでるんだこの小学生・・・いや、大人か?もう訳分かんないからどっちでもいいや。…おや?あの特徴的なウェーブのかかった茶髪は・・・
「あら。前に口を滑らせたの、ああそう」
「げっ・・・」
突如コナン君の背後から聞こえてきた声。彼が振り向くと、そこにいたのは私の知る姿より成長した様に見える灰原哀ちゃんが、ギロリと眼鏡の少年を睨んでそこに立っていた。
「あ、は、灰原!?」
「貴方ねえ!もしかして今までもどこかで口を滑らせた事があるんじゃないでしょうね!」
「ち、違うってこのユーさんの傍にいるとなんか安心して口からポロッと・・・」
「探偵としてそれはどうなのって言ってるんだけど?」
「・・・はい、すみませんでした」
首を垂れるコナン君。おおう、見事に尻に敷かれておる・・・そして怒る哀ちゃんは可愛いね。何か、怒りながらも楽しんでいるみたいでどこか満足気だ。
「あ、貴方が綾崎悠さんね?初めまして、灰原哀と言います。一応、この推理オタクの相棒をしています」
『こちらこそ初めまして。綾崎悠です。哀ちゃんでいいかな?よろしく』
「ええ、よろしく」
しっかりした子だなぁ。大人でもここまでできないと思うよ。しかし私、自分で言うのも何だがどう見ても変人なんだけど、引いた目で見てくれなくてよかった・・・ここ秋葉原じゃないのに皆さん、何も反応しないし・・・何か感性が可笑しいのかな?
「…それで?江戸川君、私が何でここにいるのか分かるかしら?」
「・・・ああと、多分、レンタルビデオVタチバナにあるっていうレア物のDVDを借りに行く・・・だったか?」
「その通りよ。それで、その待ち合わせ時間、忘れたのかしら?」
「12時半に米花駅だろ?それなら・・・あっ」
・・・1時になってますね。冷や汗を流すコナン君と、ギロリと睨みを利かせ殺意をドドドドドッと放出しながら腕組みする女子小学生。最近の小学生はレベル高いなー(汗)
「貴方が来る前にポアロで友人に会って来るってメールで言ってたから来たんだけど、何かいい訳あるかしら?」
「ありませんです、はい。…悪いなユーさん、そう言う訳で俺は行かなきゃならなくて・・・」
『それなら私も一緒に行く。そこ、知り合いの店だし。レア物のDVDも気になる』
「・・・ああ、さっき言ってたな。金持ちの家だと思ってた場所がレンタルビデオ店だったって。…いいか、灰原?」
「問題ないわ。店長と知り合いだって言うなら彼女を使って交渉もできるだろうし」
「おいおい・・・」
あ、この子ちょっと怖い。何かドSに目覚めている感。コナン君も冷や汗だ。
そんな訳で小学生二人と新宿に行くことになった訳ですが・・・まさかそこであんなことが起こっているとは、私は知らなかった。
ハヤテside
ユーが出かけて一時間、『家出する!捜すな!ナギ!』と書かれた置手紙がお嬢様の部屋から見つかった。いきなりすぎて何が何だか・・・
「ハヤテ君、どうしましょう。早く捜さないとあの子迷子に・・・」
「落ち着いてください、マリアさん」
そう言えばユーが出かけて直ぐにやって来たお嬢様に「ハヤテは伊澄の事が好きなのか?」と聞かれて「はい(お嬢様の友人として)」と答えて、その後「弄んだだけだと言うのか!」と聞かれて「どちらかというと・・・咲夜さんとは(虫大王で)遊びましたけど」と答えたら「ハヤテのバカー!」と叫ばれて鳩尾に飛び蹴りを喰らって悶絶して居る間にお嬢様が出て行ったけど・・・まさかアレが?
「十中八九、それでしょうね」
「わ、分かりました!何が悪いのかさっぱりわからないけど取り敢えず僕、心当たりを捜してきます!まずは基本って事で友人である伊澄さん
「あ、ハヤテ君!?」
そう言って颯爽と出て行ったのはいいんだけど…どうしよう。気まずいなぁ・・・
「あれ、どうしましたかハヤテ君?」
「・・・伊澄さんの家って、どこでしょうか?」
「・・・あ、知らなかったんですね」
マリアさんに申し訳なかった。やっぱりユーが居ないと僕はポンコツだ・・・
「まあ、ナギが家出を・・・?」
もう車とかより走った方が速いので、バイク用のヘルメットを被って100%の全力ダッシュで辿り着いた伊澄さんの御宅・・・お嬢様の屋敷ぐらい大きな日本家屋の庭園で僕は伊澄さんにお嬢様が家出した事を伝えていた。
「ええ・・・ここにいないとなると、何か心当たりはございませんか?」
「・・・そうですね、多分ワタル君の・・・あっ」
風が吹き、伊澄さんが目を押さえ、僕は何があったのかと駆け寄る。
「どうしました?」
「いえ、目にゴミが・・・」
「だ、大丈夫ですか!?」
慌てて伊澄さんの顔を寄せ、ゴミを取ろうと引き寄せる。…後からユーに聞いた話だと、それが悪かったらしい。傍から見ると、抱き合っているようにしか見えなかった。
「大体、見間違えって事もあるだろうが・・・!?」
「まあ確かに、抱き合っていたなんてな・・・!?」
何故か知らないけど、お嬢様とワタル君が一緒にやって来て僕らを見た瞬間、ビシッと固まった。二人共涙目だ。そして間髪入れず、お嬢様が元に戻って咆哮した。
「は、ハヤテ――――――――――――――ッ!」
「あれ、お嬢様!?それにワタル君も何故こんなところに?」
「お前・・・私が居なくなった途端、伊澄に会いに・・・?」
「へ?あ、はいそうですけど。
「お、お前なんか・・・」
その通りなので反射的に肯定すると、お嬢様を拳をわなわなさせ、涙を流してライオンの如く吠えた。
「お前なんか、一億五千万で伊澄にもらわれちゃえばいいんだぁー!」
「え、なん、で…?」
お嬢様の言葉に、ショックを受けて立ち尽くす僕。駄目だ、理解が追い付かない。何がどうして、そうなって・・・?
「ふんっ、ユーがいるからお前なんかいらないのだ!お前なんか捨てたから、早く伊澄に頼み込めばいいじゃないか!この浮気者め!」
「お、お嬢様・・・」
「もらいましょうか?」
「「「へ?」」」
怒りの声を上げるお嬢様に、何も言えなくなる僕。その中に割り込んだその声は、伊澄さんの物だった。僕だけでなくお嬢様もワタル君も呆然とする中、伊澄さんは言葉を続けた。
「もらいましょうか、と言ったんです。ハヤテ様を、一億五千万で・・・」
「「「えぇえええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」」」
ユーSide
そんな訳で、レンタルコミックVタチバナまで来た私とコナン君、あと哀ちゃんが見たのは、何と言うか・・・カオスだった。
「状況悪くしてんじゃねーよ!この頭いいだけで肝心な時に役に立たないどころか状況を悪化させる天才バカが!」
「んだとおっ!うっさいバーカ!文句あるなら口出しすればよかったんじゃないか!それに何だ!状況についていけなくて立ち尽くしていただけのバカが文句言える筋合いか!」
「伊澄がハヤテを好きなのか確かめに行っただけなのが、お前の所為で俺もお前も好きな奴を奪われただけだろうが!お前こそ言える筋合いかバカめ!」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!黙れ女装バカ!」
「んなっ!?女装は俺のせいじゃね———————ッ!」
「知るかアホ―――ッ!」
何かナギとワタル君が暴れていて、サキさんが何かに怯える様にブルブルガタガタ震えている光景がそこにあった。
「あら、何事かしら?」
「・・・金持ちって、あそこまで馬鹿になれるんだな・・・」
コナン君、この状況は多分金持ちのせいじゃないと思う。…しかし一体何がどうしたんだろうか。私がいない間にハヤテと喧嘩でもしたんかね。ま、とりあえず・・・
『テラカオス』
この言葉で締めくくるとしようかな。
もう一度言おう、テラカオス。ダイジェストだけでもワタル君がお金持ちじゃないと分かったり、ハヤテが伊澄の執事になったり、ユーがコナンに依頼したり灰原が登場したりと色々展開が動きました。
コ哀、いいよね。コナンというか新一はどうしても女性の尻に敷かれるタイプだと思う。灰原さんはちょっと俗物に染まってます。もう難しいことから解放してもいいと思うんだ。コナンの傍だと毎日事件が起こってそうで精神が荒んで行きそうだけどしょうがない。早く小五郎とか出したい。
次回はあの男が再登場!?一気に進められればなぁと思います。この三巻の内容を超えたら一気に四巻突入できるし。次回もお楽しみに!感想をいただけると励みになります!