これは執事ですか?はい、だけどゾンビです   作:放仮ごdz

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コナンの口調、素がかなり難しい件。普通に聞いているけど今更ながら特徴的な喋り方ですね。
今回でコナン編はラストです。平常運転なユーをお楽しみください。


これは信頼ですか?はい、助けになって見せます

「「すみません、ホントすみません・・・」」

「絶対に許しません!」

 

私が脱衣所に向かうと、そこには頭にコブを作って正座し俯いているハヤテとコナン君と、大浴場の掃除用のブラシを肩にかけて怒りを露わにしているマリアさんがいた。・・・あー、やっぱりマリアさんの裸でも見たのかね。これも全部怪盗キッドって奴の仕業なんだ。

 

『マリアさん、そこまで』

「あらユーさん。何でしょうか?入浴中に乱入してきた彼らを解放しろと?」

『それは確かに女としては許せないけど。ハヤテとコナン君はキッドにまんまとやられただけ。捕まえるならキッド』

「それならしょうがありませんね。今回だけ、許します」

「「はぁ・・・」」

 

あ、男二人が安心している。コナン君は毛利蘭とか灰原哀ちゃんとか「怖い女」だったら何人かと会っているはずだけど、やっぱりマリアさんは格上なのかな。

 

「では、ハヤテ君とコナン君は任せましたよ、ユーさん」

『・・・マリアさんは?』

「ちょっと、調べ物してきます☆」

『はぁ・・・』

 

・・・キッドよ、さっきはゾンビにしてやるとか思ったけどさ。ガチで死んだらそうするわ。・・・いやなんか、死亡フラグがビンビンと立っているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで数分後。ハヤテに後始末を任せて玄関エントランスに戻ってきた私は、コナン君に尋ねる。

 

『ハヤテとキッドの件で有耶無耶になったけど、君はどうしたいのか』

「・・・」

『答えを教えて』

 

私がそう尋ねると、コナン君は押し黙る。まあ、元の姿に戻って「江戸川コナン」として接してきた人たちに正体を明かしてその人間関係を終わらせるか、元の姿に戻って、高校にも通わず探偵として生活していくか、の二つだからね。小学四年生と言うことは、現在毛利蘭とかは卒業して大学とか通っているのだろう。だとしたら、コナン君には悪いが今更戻っても・・・

 

それに、今は「工藤新一」よりも毛利小五郎に服部平次、白馬探に少年探偵団、それに・・・江戸川コナンの方が知名度が高くて(コナン君調べるついでにちゃんと調べた)、探偵的には壊滅的かもしれない。だけどそれも、コナン君は分かっているのだろう。だけど押し黙っているから答を聞けず、私はペンをメモに走らせる。

 

『ネットで調べた時、工藤新一は行方不明となっていた。アレはどういうこと?』

「それは・・・組織を潰した時に灰原からもう戻れないと聞いて、FBIの知り合いに頼んでそういうことにしてもらったんだ。蘭の悲しむ顔が、それを慰めるおっちゃんを見るのが虚しかった」

『だろうね。でも貴方は本当のことを話すより隠す方を選んだ。そうした方が哀しみが少ないから。それでも戻りたいのかな?』

「いいや、土下座してまで頼んで何だが、もういい」

 

私はコテッと首を傾げながらそう尋ね、コナン君は少し哀しげに笑い、頭を下げた。そっか、やっぱり「江戸川コナン」として生きて行くか。だと思ったよ。

・・・ここまで入り組んだ話もそう無いよね。というか私も原作読んでないとこんがらがって訳が分からなくなるよ。

 

『別に頭を下げなくてもいい。それに、もし絶対に元の姿に戻りたくなったら言って』

「いい・・・のか・・・?」

 

コナン君の頭を撫で、頭を上げた彼に私はメモを突きつけ無表情の顔で精いっぱい笑みを作る。ヤベッ、ユーさん(もどき)の顔固すぎワロたwwwついでに頭痛がするのを我慢して口を開く。

 

「大丈夫、私は貴方が気に入った。味方でいる。助けになる。だから信じて」

「・・・じゃあ俺も、アンタが困ったら手伝う。それでお相子だ♪」

「フフッ、確かに」

 

ヤベェ・・・さっきとは別の意味でヤベェ・・・コナン君の笑み可愛過ぎる・・・!?鼻血を抑えるので凄く大変だ。私は変態じゃない、これは多分ノーマルでもこうなると思うぐらい、可愛い笑みだった。あと頭が痛い。いつも喋る時より長く喋っている分凄く痛い。そんなこんなで悶絶してしまう私を心配するコナン君。

 

「えっ、ちょっ。大丈夫か?」

『ちょっと喋り過ぎた。大丈夫だ、問題ない』

「そ、そうか・・・」

 

とりあえずぶれる右手で何とかメモにそう書き、コナン君を安心させる。ちょっ、でもマジで痛い。よくこんなんに耐えられるな本物は。いや私も耐えてるけどさ。あっちは無表情貫いてるんだよね。レベルが違い過ぎるとはこのこと。すると唐突に着メロが鳴り響き、コナン君はポケットからスマホを取り出して来ていたメールを確認すると、何やら慌てだした。

 

『どうしたの?』

「いや、この後哀・・・じゃなかった彼女・・・でもなくて、女友達とデート・・・じゃなくて買い物に行くって約束をしていたのを忘れていて・・・」

『彼女?』

「バーロー、ちげーよ!」

 

この反応・・・マジで灰原さんと付き合ってんですか。うわー私コ哀派だったから嬉しいね。心の中でニヤニヤしながら、私は扉を開けてコナン君を門まで案内し、その間にササッとメモに私のスマホのメアドと電話番号を書き記し、門を出てSPに断りを入れてからとコナン君に渡す。

 

『はいこれ。私のメアド』

「いいのか?」

『さっきも言った。私は貴方の味方』

「そうだったな・・・じゃあ後で俺の方から連絡入れるから。綾崎ユーさん、またな!」

『また。ホームズの弟子、江戸川コナン君』

 

私はそう書いたメモを右手に持ち左手を振り、コナン君はそれに応えながら夕暮れの道を走って行った。・・・やっぱり絵になるなぁ・・・うん?夕方?

 

「あ」

 

そう言えばナギのゲームの相手、すっかり忘れていた。怒っていたらどうしよう・・・まあいいか。もしもの時は言葉の力を使うまで(キリッ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、何故か猫耳メイドに女装して涙を流すハヤテと、上機嫌のナギとマリアさん、そして何故かときめいているタマとクラウスさんを見つけ、ハヤテに同情したけどおかげでナギが怒ってないから助かったと安心してみたり。

 

「ゾンビに猫耳メイドの格好をさせて何が楽しいんですかァァァァァァァァァッ!」

『安心してハヤテ』

「ユー、もう僕の味方は君しか・・・」

『似合っているから』

「うわーん!」

 

・・・明日ガチでハヤテに謝るか。




と言う分けでコナン編終了。ついでに原作で言う第八話をここで終わり。次回は第九話にするべきか、それとも第二巻に移るべきか・・・というか早く白皇に通わせたいんですよね。と言う分けでちゃっちゃと進めることにします。

今回ので、コナン君と繋がりを持つことに成功したユーさん。コナン君、かなり狼狽していましたね。勘がいい人なら分かるかな。いつかあの二人の話も書くことにしましょうか。ユーが遭遇する形で。

ではまた次回、お楽しみにです。

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