これは執事ですか?はい、だけどゾンビです   作:放仮ごdz

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久々の更新。ユー&コナンの名推理(なのか?)。急展開です。やっぱり推理は難しいので簡単にしましたです。

※2017年3月12日:記憶操作呪文を追記しました


これは殺人ですか?はい、名探偵の出番です

ユーside

「被疑者は木崎正平 34歳。近くの米花コンシャルテンツの社員ですね。死因は落下してきた鉄骨による頭部損傷。恐らく事故だと思われます」

「そうか高木。では今回は名探偵の出番はないな」

 

現場にやって来たのはお馴染み目暮十三警部と高木渉警部。やっぱり原作より少々年を取ったように見える。にしても、何時まで経っても警察の目は節穴なのかな?

 

「ちょっと待ってください警部!」

「おお、コナン君じゃないか。偶然・・・というか君はよく現場の近くにいるね」

「まあそれは・・・事件が僕を呼ぶって言うか?」

「どちらかというとコナン君が事件を呼んでいる気が・・・」

 

そりゃぁ歩く死神だからなぁコナン君。というか警部たちが嬉しそうにしているところを見ると、やっぱり今じゃ小五郎さんと同じ扱いなんだコナン君。多分出しゃばって何回も事件解決してるからだろうなぁ…さっき調べた時もネットに「【ホームズの弟子】【キッドキラー】小学生探偵 江戸川コナン君、迷宮入り確実かと思われた事件を見事解決!」って名前が出ていたし。

 

「ところで、そちらの少女は何で甲冑を着ているんだい?」

「というかそもそも一体誰かな?ズカズカと現場に入ってきて」

 

・・・あっ。うーん、普通に現場に入って死体を調べていただけなんだけど…警察仕事しろ。私はメモにペンを走らせ、警部たちに突きつけた。

 

『私は綾崎悠。三千院家のメイドをしている。今日はそこのコナン君と一緒にいたら事件に巻き込まれた。それと、この事件は事故ではない、殺人事件。どう見ても他殺』

「そ、それは本当かね!」

「というかなんでメモ・・・?」

「あー、悠さんは喋らないんだよ。それに、悠さんが言う通りこの事件は他殺。見て、このワイヤーの切り口。千切れた様に乱雑になっているならともかく、こんな風に綺麗に切れているなんて何かしら人為的にワイヤーを誰かが斬ったということ。そして事件はついさっき起きたばっかりでこのビルから出た人間はいない。犯人はまだ、この建物の屋上若しくは、裏口から出てこの付近にいる!」

「な、なるほど…」

『それに、この人はスマホで電話している時に殺されたみたいだから、リダイヤルすれば犯人が分かると思う』

「おおっ!では早速かけてみるか」

 

そう言い、死体の傍に落ちているスマホを拾って手袋をはめた手で操作する警部。すると・・・

 

 

 

ピリリリリリリリリッ!ピリリリリリリッ!

「くそっ!」

「「「「!?」」」」

 

人混みの中から電話の着信音が鳴り、一人のガラの悪い男が逃げ出した。アイツが犯人か!

 

「追うぞ、高木君!」

「はい、警部!」

 

警察二人が追いかけるも、もう数十メートルは離れている。だけどコナン君なら…

 

「逃がすか・・・よ!」

 

コナン君はキック力増強シューズのダイヤルを回し、電光が迸った右足を高く振り上げて近くの空き缶を蹴り飛ばす。それは見事、犯人の頭部にクリーンヒット。犯人の男は転倒するも当たり所がよかったのかすぐ立ち上がり、ナイフを片手に突進。近くにいた女性を人質に取った。面倒な・・・

 

「おい刑事に探偵!近付くとこの女が怪我するぜ!」

「ま、待ちたまえ!落ち着くんだ!」

「うるせぇ!せっかく俺の元恋人を奪いやがったアイツを殺したんだ・・・こんなところで終わってたまるかよ!」

 

うわぁ・・・典型的な逆恨みタイプだ・・・多分その性格のせいでその恋人さん別れたと思うんだけどな・・・しょうがない、私の下僕を呼ぼう。頭痛いけど。

 

「・・・スゥ、ハヤテー」

「はい、呼びましたかユー?」

 

めっちゃ棒読みに呼んだのにすぐ来たよ。やっぱ私の言葉パネェ。じゃ、そういうことで。

 

『ハヤテ、どうせお前は死なないから代わりに人質になって、倒して来い』

「ええー。そんな理由で僕を呼んだんですか?」

『何か文句ある?ゾンビだから問題ないでしょ、ほら行って来い』

 

ゲシッ。そんな感じに私はハヤテを渾身の力で蹴り飛ばした。その場の全員が呆然とする中、一人の執事は宙に舞い、男に頭から激突、人質にされていた女性は解放され、慌てて目暮警部の元に駆け寄る。よしっ、MissionComplete♪

 

「ちょっ、ユー!?いきなり蹴るとか酷過ぎですよ!?貴方一応僕の妹ですよね!?』

『知るか。早くその犯人ブッ飛ばせ下僕』

「おい、いいのか?綾崎悠・・・さん」

 

何かコナン君が戸惑いがちに尋ねて来るけど無視無視。それより早く私に面白いものを見せな、ハヤテ。

 

「て、テメェ!俺を無視してんじゃ・・・ねぇよ!」

「ん?ほっ!」

 

激昂して背後から斬りかかってきた男のナイフを体をずらして避け、右肩を下から右腕にぶつけてナイフを落とさせ、そのまま左肘を決めるハヤテ。しかし男はそれでも諦めず、ナイフを拾って横一文字に斬り付けた。執事服の欠片と共に、鮮血が舞う。・・・ありゃぁ、普通だったら致命傷レベルだね。あーあ、脇腹辺りの服が台無し。こりゃあとでマリアさんに怒られるね。

 

「ぐぅ・・・」

「くひひっ、あーはっは!俺の邪魔するからこうなんだよ!次はどいつからやられたい?オラ、どいつだ?」

 

蹲るハヤテを見て高笑いを上げ、意気揚々とナイフを手に周りを威嚇する男。しかし、私はハヤテがこちらに向けて目で合図をしたのに気付き、自分から前に出る。

 

「ちょっ、綾崎悠・・・?!」

『ほら、私から刺せ。その代わりお前は痛い目にあう』

 

私はコナン君の制止も聞かずにそう書いたメモを突きつける。すると男は一瞬驚いたように顔を歪ませるがすぐに笑顔になった。

 

「何だおい、餓鬼かよ。その甲冑は玩具かなんかですかー?ヘン、コスプレ女が。自分が強いとでも思っているようだが・・・それは夢なんだよ!」

 

・・・私これでも強いんだけど。まあ人が多いからできないけどさ。それに・・・

 

『宣言する。お前は私に指一本触れられない』

「何だと・・・?ぐほばっ!?」

 

すると男は自分の右後ろから放たれたハイキックを諸に右頬に喰らい、グルグルと高速回転してからコンクリに叩き付けられた。そこには、腹部からドバドバと血を出しながら鬼の形相で「シュコー」と白く見える息を吐きながらハイキックの体制をしたハヤテがいた。周りはその光景に驚いている。でもさすが私の下僕♪

 

『やりすぎ、ハヤテ。もう少しスマートに。警察の目だってあるんだから』

 

どうせコナン君以外の記憶からハヤテと私の記憶はこの「非日常」な部分だけ魔力操作で消すけどね。だって後々面倒だし。

 

「いや、ユーの命令でしょ・・・もう、あんな無茶して」

『私はお前より超強いから心配ない』

「そういや此間ヤクザと対等に戦っていましたね・・・」

『ところで血、大丈夫?ゾンビでも貧血したら倒れる、日中だし』

「へっ?ハァ~」

 

するといきなりへ垂れ込むハヤテ。あー、限界が来たな。ゾンビは日光に当たるとからからになるんだよね。まだ大丈夫そうだから・・・日影にでも置いとくか。そう思い、ハヤテをずるずると引き摺りながらコナン君以外の記憶を操作する。

 

「エマシテレスワ モカ モニナ モメユ モイア」

 

・・・これでよし。ほら、高木刑事に「またお手柄だったね」と褒められてコナン君はてなマーク浮かべているし。警察は男をしょっ引いて引き上げていくし。これでいいっしょ。

 

「・・・取り敢えず先に帰る。ハヤテも目を覚ましたら負け犬公園に来い」

 

一応手をかざして治療したハヤテを日影に置き、私は口に出してそう言い、その場から立ち去った。・・・もちろん、追跡者(チェイサー)と言う名の小学生を連れて。

 

 

 

 

 

 

負け犬公園

さて・・・ここでいいか。やっぱり始まりはここだよね。

 

「・・・出てきなよ」

「!」

 

私が頭痛に耐えながらそう言うと、コナン君が顔を出して私に近付いてくる。…さてと、何処から話すか。

 

「・・・さっきのは一体誰だ?警部たちに何をした?」

『彼は綾崎ハヤテ、私の兄。そして、貴方が求めていた存在。「私の言葉で」ゾンビとして死に際から復活した男。そして、警部たちは色々面倒だから記憶を操作しておいた』

「・・・バーロー、俺を馬鹿にしているのか?そんなこと、出来る分けが無いだろ」

 

おお、生「バーロー」!・・・じゃなくて、興奮している場合じゃなかったね。

 

『江戸川コナン。君は相当物知りの様だけど、探偵だったら真実を見極めることができるはず。私の言葉が本当になるという情報は正しい。私が「江戸川コナンを工藤新一に」とでもいえば戻れる。だけど私は、毛利小五郎のファンだから彼を悲しませることをできるだけしたくない。それでも、貴方に覚悟があるのなら・・・少しだけ元の姿に戻してあげる。どう?』

「・・・」

 

私が書いた長文を読み、訝しげに眼を細めるコナン君。さあ、どう出るかな。そう思っていると、ちょうどハヤテがやって来た。・・・何故か痣だらけでパン一で。

 

『ハヤテ、どうしたのその恰好』

「えっと、ここに来る途中でトラックに轢かれそうな子猫を助けたら自分が轢かれてコンクリに跳ね上げられて空中で高速回転して服が全部脱げてしまいました」

「「・・・」」←私とコナン君の馬鹿を見るような目

 

・・・何でこいつはアニメ一話での相川歩と同じ行動をしているのだろうか。もうツッコむのは止めようそうしよう。すると私の着メロ(これゾンのオープニング曲、無かったから私が歌った奴)が流れて私は携帯の電源を入れ、嫌々ながら口を開く。

 

「どうしたんですか、マリアさん」

『あ、大変ですユーさん!早くハヤテ君と屋敷に戻ってきてください!』

「・・・何ごと?」

『あの天下の大怪盗、怪盗キッドから予告状が来たんです!』

「「「!?」」」

 

マリアさんの言葉に驚く私たち三人。・・・マジですか?




はい、あっさり事件解決。コナン君、非現実な事に頭を悩まされるの巻。事件は適当です。被疑者も名前があるだけのモブ、しかも設定なし。犯人の男もジムに通っているからそれなりに強かっただけですね。

にしてもユー、マジ万能。そしてハヤテマジゾンビ。次回は怪盗キッド登場、彼が狙う宝石とは一体?お楽しみに。

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