桂ヒナギク in the 仮面ライダー電王   作:桂ヒナギク

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第02話:ヒナギクとウラタロス

 荒野を走っているデンライナー。その食堂車には、ヒナギクとモモタロス、ハナ、ナオミの姿があった。

「ねえ、モモタロス」

「何だ、ヒナギク?」

「貴方と私、被ってない?」

「何が?」

「戦闘用の武器」

「それは俺も思った」

 デンライナーが二〇一四年二月の銀杏商店街に着く。

 ヒナギクはデンライナーを降りた。

 走り去るデンライナー。

 ヒナギクは喫茶どんぐりに入る。

「いらっしゃい、ヒナちゃん」

 と言うのはマスターの加賀 北斗(かが ほくと)だ。

「マスター、コーヒーちょうだい」

「分かったわ。ちょっと待っててね」

 ヒナギクは席に着き、コーヒーを待つ。

「はい、おまちどおさま」

 北斗がコーヒーをヒナギクの前に置く。

 ヒナギクはコーヒーを(すす)る。

「あれ? 豆変えた?」

「よく分かったわね」

 扉が開き、客が入ってくる。

 その客は、水色短髪で童顔の男、綾崎(あやさき) ハヤテだった。

「ハヤテくん、お久し振りね」

「お久し振りです、マスター」

 ハヤテがヒナギクに気付く。

「ヒナギクさんもお久し振りです」

「久し振り。最後に会ってから、八年になるのかしら」

「そうですね」

「ハヤテくん、アテネとはどうなったのかしら?」

「結婚しました」

「そうなんだ。私はまだ独身よ。東宮くんにプロポーズされたけど」

「結婚するんですか?」

「しないわよ」

「そうですか」

「じゃあ、私は行くわね」

 ヒナギクは飲み終えたコーヒーの代金を払って店を出る。

 そこへ黄色い光の玉が現れる。

「人魂?」

「違う! イマジンだ!」

 モモタロスが言う。

 玉はヒナギクの体に飛び込んだ。

「うっ!」

 砂がこぼれ落ち、亀型イマジンに変わる。

「お嬢さん、貴方のお願いを叶えましょう。貴方が払う代償はたった一つ……」

「お願いなんてないわよ」

 デンライナーがやってくる。

 ヒナギクはその食堂車に乗り込んだ。

「うわっ!」

 水色の亀イマジンがヒナギクの体から投げ出された。

「てめえ、俺のヒナギクに何しようってんだ?」

「誰が貴方のよ!?」

 亀イマジンは立ち上がる。

「あ、先輩ですね?」

「ああ?」

「僕より先に憑いたから先輩」

「おうよ」

「亀さん、貴方は何で私に憑いたの?」

「可愛いから。僕は可愛い女の子に目がなくてね」

「そう。貴方にも一緒に戦ってもらうことになるわね。名前を付けましょう。……ウラタロスでいいかしら?」

「別に、僕はどんな名前でもいいさ。でもウラタロスはネーミングセンスがないんじゃない?」

 ヒナギクは正宗を握る。

「木刀なんかでどう……!?」

 ヒナギクが正宗を振るうと、衝撃波がウラタロスを(かす)った。

「わーお」

「おい、ヒナギク。今の技、俺に教えろ」

「教えてほしいの?」

「ああ」

「絶対教えないわよ」

「ケチ」

「ケチで結構」

「へえ。お嬢さん、ヒナギクって名なんだ」

「うん」

「で、一緒に戦うって?」

「貴方には電王になってもらうわ」

「電王か。別に構わないよ」

「ありがとう」

じゃあ──ヒナギクはデンライナーを降りた。

 同時にどんぐりからハヤテが出て来る。

「電車?」

 走り去るデンライナー。

「あ、ハヤテくん、見ちゃった?」

「見ました。今の電車ですよね? 線路もないのにどうやって走ってるんですか?」

「電車じゃなくてタイムマシンよ」

「タイムマシン!?」

「詳しいことは言えないけどね」

 ヒナギクはそう言って歩き去る。

 

 

 負犬公園のベンチに座る三千院(さんぜんいん) ナギがイマジンと話をしている。

「願い事? どんな事でも叶えてくれるのか?」

「ああ」

「そうか。じゃあ、ハヤテが欲しい」

 契約が成立し、実体化するイマジン。

 イマジンはハヤテを捜しに出た。

 ハヤテを見つけ、ナギの下へ連れて行く。

「お前の願いは叶えてやった。時間はもらう」

 イマジンはナギの記憶を辿って、彼女がハヤテと初めて出会った時間と場所に向かう。

 放心するナギ。

「怪物がお嬢様の中に!」

 そこへヒナギクがやってくる。

「モモタロスの情報は正しかったみたいね」

 ヒナギクはチケットをナギに(かざ)した。

 チケットに日付と時間が現れる。

 ヒナギクはパスを取り出して開き、出現したベルトのバックルにタッチした。

「変身」

 光に包まれ、電王・プラットフォームに姿が変わる。

「ヒナギクさん、その姿は?」

「電王。時の運行を司る戦士よ」

 電王は現れたデンライナーに乗り込み、マシンデンバードにチケットを入れたパスを差し込んで過去へ向かう。

 過去に着き、イマジンの下へ行くと、イマジンが負犬公園で暴れていた。

「待ちなさい!」

「ああ?」

 振り返るイマジン。

「何だ、てめえ?」

「電王よ。噂くらいは聞いてるんじゃない?」

「電王だと? 裏切り者め」

 イマジンが電王の懐めがけて駆ける。

 電王は青いボタンを押して、パスでバックルにタッチした。

{Rod form}

 アーマーとデンカメンが出現してロッドフォームになる。

「お前、僕に釣られてみる?」

 電王はイマジンの攻撃をひらりとかわし、デンガッシャーを竿状に組み立てた。

「それ!」

 デンガッシャーでイマジンを突く。

 怯むイマジン。

 電王はパスをタッチした。

{Full charge}

 ソリッドアタックで敵の動きを封じ、デンライダーキックを叩き込む電王。

「うわああああ!」

 イマジンは爆裂霧散した。

 電王はベルトを外して変身を解いた。

 デンライナーで現代へ戻るヒナギク。

 

 

 To be continued...

 


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