ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

83 / 84
……遅くなって、すいませんでしたぁぁぁ!
半分エタってしまってる……。


スパイダーマッ‼︎

イッセーサイド

 

イリナが転校して来たから数日。

彼女は見事にクラスに馴染んでいた。

 

「はーい! 私は借り物競争に出ます!」

元気よく手をあげるその姿にクラスにいる男子達はデレデレと顔を緩ませている。

勿論俺もその1人だ。まさかあの男っぽかった幼馴染みがこんな風な美少女になるとはなぁ。ぜんっぜん思ってなかったぜ!

まあ、その事は置いといて。

今はホームルームの時間、そろそろ体育祭の季節。だから俺たちのクラスはホームルームの時間に自らの出る競技を決めているのだ。

例年通りなら俺も楽な競技を選んで他競技に参加する女子のおっぱ……応援をするんだけどな。

だから今年も適当に競技を決めて……って思ってたんだけど。今年の体育祭の競技が可笑しい。

 

〜体育祭、プログラム〜

 

開会式

準備運動

100メートル走

イナズマ玉入れ これが超次元玉入れだ!

フォークダンスで Go to hell⁉︎

組体操

 

昼休憩

 

応援合戦

エア綱引き

ムカデでマイケルジャクソン

騎馬戦

二人三脚

リレー

閉会式

 

何かところどころ怪しい競技があるんですけどおおおおおおおおおおおおおおお⁉︎

え? ちょっと待ってよ! 去年は無かったよねこんな競技⁉︎

 

「ヤハッ……」

やっべーよ。

犯人分かっちゃったよ。まあ、大体みんなも予想できてたと思いますけどね⁉︎

隣で怪しげに微笑んでる問題児さんだよ絶対に。

 

「あら? 兵藤、あんた制服の右脇の下破れてるわよ?」

 

「うぇっ⁉︎ マジで?」

ブレザー、破れたのか?

一着しか持ってないから替えがきかないんだけどなぁ。確かに最近はよく動く事が多かったし、破れても仕方ないかもな。

そう思って俺は桐生に指摘された所を確認しようと右腕を上げる。

 

「よしっ! 兵藤が二人三脚にアーシアと出るそうです!」

 

「なぬっ⁉︎」

いや、まぁアーシアと出るのは別にいいんですけどね?

そんなにいきなりやられると少し困っちまうぜ!

 

「ついでに人気のない競技にも出てくれるらしいですっ!」

おい待てっ!

それってあれだよね?

あの、明らかに怪しいとしか思えない競技の事だよね?

 

「おお! そうか、兵藤! やる気があって先生は嬉しいぞ!」

ちょ⁉︎ 先生ぃぃぃぃぃ⁉︎

あ、コラ! 何、目をサッと晒してんだよ⁉︎

委員長と副委員長も何でそんなに黒板に俺の名前書くのが強いんだよ⁉︎

兵藤って書くだけなのに今、三本ほどチョーク折ったよね⁉︎

 

「「ふぅ……」」

 

「「「「………」」」」

委員長と副委員長何をやり遂げたぜ的な清々しい顔してんだよ⁉︎

 

「あと、クラスのお前たちもサムズアップしてんじゃねぇ⁉︎」

クラス内の俺の扱いに堪らず立ち上がる。

周りを見渡して指を指していく。

 

「お前ら何時もだったらアーシアと組んだことに嫉妬してるよね⁉︎」

そう。

普段であるのならば、このクラスの男子共は松田と元浜の二人を筆頭にして怨嗟迸る目で俺を見てくるはずだ。なのにどういうことだ、こいつらときたら俺と目を合わせようとすらしてねぇ⁉︎

現に俺がクラスを見渡してもサッと目を逸らされてしまう。こ、このチキン野郎達がぁ。

 

「なぁ、イッセー」

 

「何だよ朧⁉︎ 今、忙しいんだけど⁉︎」

俺が席を立ち、荒ぶっている隣の席。そこに座ったまま、朧は静かに俺へと声をかけてきた。

その顔には先程まで浮かべていた笑みは無く、真剣な表情そのものである。

その姿に荒ぶっていた俺の心は一旦沈静化してしまう。

目を閉じて俺に話しかけた朧は、まっすぐと黒板に向いていた顔を此方へと向ける。

そして、目を開け言い放った。

 

 

 

 

 

「ツッコミ……疲れない?」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疲れてるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

勿論疲れてるに決まってんでしょうがぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぉぁぉぉぁぁぁぉぁ⁉︎

 

て言うか元凶貴方のせいだからね⁉︎

そこんところ理解して⁉︎

ハァハァと肩で息をする俺。その横で肩を震わせて何かに気づいた様な表情をしている朧。

 

「この気持ち……これが……愉悦……」

うぉい⁉︎

反省の色無しですか⁉︎

ちくしょう、黒板に書いてあるのは絶対に変えられないだろうし。くそ、こうなったら。

 

「松田と元浜も一緒に参加するらしいです‼︎」

手を上げて大声で叫ぶ!

 

「「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉︎」」

こうなったら道連れじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎

俺と一緒に地獄までランデブーしようぜ!

 

「おい、イッセー! 俺たちを巻き込むな⁉︎」

 

「そうだそうだ! 地獄にはお前一人で行けよ!」

 

「連れないこと言うなよ……。俺たち友達だろ?」

 

「「何キメ顔になってんだ⁉︎」」

フッ……と言う微笑みと共に松田と元浜をみる。

ああ、分かる。これが慈愛の気持ちと言う奴なんだな。

そして、チラリと黒板の目の前に立っている委員長と目を合わせる。

委員長は俺の視線に何かを察したかの様に、手にチョークを取り出す。そして、俺の名前を書き殴った時の様に松田と元浜の名前を一緒で怪しい種目欄に書き上げる。

速い! そうか、これがダイレクトドライブゾーン! 一緒の視線の交差でチームメイトとの動きをシンクロさせる!

 

「いや、違ぇよ」

 

朧が横で何か言っているが今はどうでもいい事だ。

委員長の次に、俺は副委員長に視線を向ける。やはり副委員長も察してくれた様だ。生徒会への種目登録用紙に一緒で俺たちの名前を書き足しやがった。

ちなみに俺と委員長と副委員長のやり取りは三秒以内に終わっている。まさに神速!

 

「俺が言うのも何だが……このクラスどうなってんだ」

ほんと今更じゃないか! 朧さん。

 

「「黒板⁉︎ 俺の名前、いつの間に‼︎」」

松田と元浜が黒板に書いてある名前に気づいた様だ。だが、時すでに遅し‼︎

これはもう決まった事なのさ! 俺に一瞬でも気を取られた時点でお前達の敗北は決まっていたのも同然!

 

「イッセー⁉︎ お前、まさか!」

 

「ふふふ、委員長と副委員長はいい仕事をしてくれたよ」

くくくはははははははははははははははははははは‼︎

笑いが止まらないぜ‼︎

 

「い、イッセーさんが悪役っぽいですぅ……」

アーシア……。

しょうがない事なんだよ、だって俺は悪魔でドラゴンなんだ。悪役が板につくのも仕方のない事さ。

 

「くっ……こ、こうなったら‼︎」

松田は何を思ったのか黒板前まで移動し、副委員長の持っていた生徒会への種目登録用紙をひったくる。

そして元浜も何をしようとしているのか気づいた様に、教室の扉を開け放つ!

 

「はははははははは! こうなったら俺たちで用紙を書き換えてやるぜぇぇぇぇぇ‼︎ 行くぞ元浜!」

 

「おうよ‼︎」

そう言って奴らは教室からダッシュで逃げて行った。

数瞬、教室内の空気が静まり、直後に爆発した。

 

「「「「まっ、待ちやがれぇぇぇぇぇぇぇ」」」」

教室内の殆どの学生達が松田と元浜達の後を追って教室から飛び出していく。

担任の先生も何故か黙認している。

 

「はっ⁉︎ アーシア! もしかしたら二人三脚のペアが変えられるかもしれないわ⁉︎ 今すぐ追うわよ‼︎」

 

「ええっ⁉︎ わ、分かりました桐生さん!」

教師に残っていた数少ない生徒の桐生がアーシアを伴って出ていく。

 

「ふむ、アーシアの為だ私達も協力するとしようか」

 

「えええ……? この学校って何時もこんな感じなのかしら?」

桐生とアーシアの後をゼノヴィアとイリナが追いかけていく。何だかんだあったけど、教会三人娘達が仲良しでお兄さんは何よりだよ。

さて、教室に残ったのは俺と朧と先生。

そして何故……。

教室に俺がいるのか。 俺も松田や元浜のとった行動なんて考えついたさ。でも、無意味なんだよ。

 

「ヤハハッ! 種目登録用紙……すり替えておいたのさ!」

朧の机の上には体育大会の種目登録用紙。

 

 

 

ほらね? こう言う事さ……。




次回はラジオ回!
久しぶりだから、はっちゃけるぜ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。