ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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お久しっ!
久しぶりに書いたから変な文章かもしれません。



大胆不敵で華麗な

イッセーサイド

 

朧が両手の指に挟んだテーブルナイフを持ち優雅にたっている。

その出で立ちが気に食わないと言うかの様に、朧と対面していた物たちは手を突き出し魔法を放つ。魔法は様々なもので、部長の滅びの魔力の様な珍しい物はないが炎や、水、雷などが朧に向かっていく。

 

「おや、せっかちですね……っ‼︎」

持っていたナイフを投げて軌道をそらし、時には絶妙な体技で次々によけていく。それらも充分に驚くべきことだが、何より驚いたのはその後。

なんとナイフで炎の塊を切り裂いたのだ。

いや、どうして切れるの⁉︎

 

「貴様、なんだそのナイフは⁉︎」

 

「こちらですか? 曇りの無いように念入りに磨いたナイフは魔法をも切り裂くのです」

知りませんでしたか? とでも言いたげな表情で相手に向かって微笑む朧。

いや、無理だからね? そんなのできないからね⁉︎

 

「そういえばグレイフィアも以前……なんでもないわ」

何かあったんですか部長⁈

俺の横でボソリと呟いた部長の曲が妙にきになる。ええー、メイドさんや執事ってどうなってんだろう。

 

「んむ? あのナイフの色合いに見覚えがあるな」

 

「ナイフ? 朧の持ってる奴か?」

ゼノヴィアは剣を使うからか、俺たちの見ていた視点が少し違うようだ。それにしてもナイフか……白と黒が入り混じった感じのかっこいい奴だな。

……白と黒? まさか。

 

「ぐすっ……」

分かった。

もう、なんのナイフから分かったから追求はしないことにするぜ。だから目頭を押さえて上を向くなよ木場。

 

「では、今度はこちらから行きましょうか」

此方で色々あった内にモニターの中では朧から攻めに行くようだ。何時もとは違い、手にはナイフがある。武器を使った戦いでもするのかな? 猫じゃらしの時は武器って感じがしなかったからなぁ。

 

「たかが執事風情が調子に……ガッ⁈」

後ろの方にいた言葉を発した一人の悪魔がいきなり倒れる。胸には鋭く光るナイフが刺さっており、朧が投げたんだろう。早すぎて全く見えなかった。

 

「「「「なっ⁈」」」」

それはモニターで見ている俺だけではなく、オカルト研究部のほとんどもそうであり、映像に映っている悪魔達のお偉いさん達も同様である。お偉いさん達は驚きのあまり倒れた仲間の所を振り返る。

 

「く、くそっ!……このっ……あ……」

一人の悪魔が倒れた仲間から目を放し、朧の所に向き直るが既に目の前には全身を黒に染めた執事が悠然と立っていた。

迎撃をしようと慌てて手の平を朧に突き出す。しかし手首を掴まれ、手を上に強制的に向けさせられ魔法は上に放ってしまう。

 

「このっ‼︎」

周りにいる悪魔達も朧が近くにいることに反応し、手の平を向ける。

 

「フッ……!」

朧はその顔に微笑みを浮かべたまま、手首を掴んでいる悪魔を振り回す。手首を掴まれている悪魔の手からはまだ魔法の炎がでており、周りにいた悪魔達を無差別に襲って行く。

 

「はあああっ!」

 

「シッ……!」

周りにいるお偉さん達は遠距離では不利だと思ったのか、接近戦に持ち込もうと近づいてくる。それでも朧にはまともに触れることはできない。

 

「すごい、ナイフで確実に手首の脈を斬ってる」

俺の目には朧の持つナイフの軌跡、銀色の閃しか見えないが。騎士である木場には見えているようだ。それにしても手首の脈か……なんか俺の手首までヒヤッとするぜ。

 

そして、朧は次々と悪魔達をリタイアさせていく。

真正面から来た拳をそらし、身体を相手の内側に滑らせて素早く胸を一文字に切り裂く。

上段から剣を振り下ろしてきた相手には横に一歩移動してかわす。その間に魔法を放つ準備していた悪魔の手首をズラして同士討ちを誘う。魔法が放たれた瞬間を確認し、そのまま手首を捻じり無防備なお腹をナイフで斬る。

 

「くそっ‼︎ 威力の高い魔法ではあたらん! 素早く細かい魔法に切り替えろ!」

流石のお偉さん達もこの状況に舐めるのはマズイと思ったのだろう。戦法を切り替えてくる。

朧を囲むように円をつくり、先ほどよりも動作の早い魔法を使ってくる。

 

だがそれも無意味。

嘲笑うかのように上体をそらし、しゃがみ、首を捻ることで次々と魔法を避けていく。一斉に魔法が放たれていたがそこにはタイムラグがあった。俺はバカだからよくわかんねぇけど、放つ時の僅かな時間差や実力の差で起きる物のハズだ。

そして、朧は一人の悪魔に接近して手首を切り裂き。自分が横に動かした手の勢いのまま、その場でコマのように回転して横にいた悪魔の胸をナイフで刺す。

 

「うっ…」

 

「あっ?」

二人の悪魔達は何が起こったかわからない様な表情を浮かべ、その場に赤い血を出しながらくずれ落ちていく。

 

「う、うわあああああぁぁぁぁぁぁ‼︎」

パニックにでも陥ったのか、一人の悪魔が朧の背後から突っ込んでくる。それに対して朧は後ろ回し蹴りを相手の腹に決めて吹き飛ばす。

何時もの朧とは違う。豪快で派手な戦い方ではないが、俺はこの戦い方から目を逸らすことができなかった。多分、魅入られているんだと思う。

 

朧の追撃は終わらない。

走りだし、両手からナイフを投げる。ナイフは適当に投げたのか直撃コースの物もあれば、違った方向に行く物もある。しかし、それが狙いだったのか朧の悪魔達の動きを制限していた。

そのまま朧は二、三人いるところに突っ込み胸、首、手首に向かって銀閃を走らせる。

最後に飛び上がり、惚けていた悪魔の背後に降り立ち。首にナイフをそえる。

 

「ひっ……」

悪魔の顔には恐怖の顔色以外には何も浮かんでいなかった。

背後にいる朧は足を相手に聴こえるように二回、コツコツと鳴らす。

 

「どうしますか?」

 

「リタイアする前に聞かせてくれ。お前はなんだ?」

 

「私? ご存知ではありませんか? 大胆不敵で華麗な執事にございます」

 

「そんな執事いるかよ……リタイアだ」

朧の言葉を最後に、その悪魔はアナウンスと共にフィールドから消えていった。

そして、モニターに映っているのは朧だけとなっていた。

 

「ふう、大変疲れてしまいました」

ニコニコと笑いながらモニターから真正面に映る朧。いやいや、全然疲れているようには見えないんですけどね。

 

「さて、この映像をご覧の冥界にいる方々。私などのつまらない前座にお付き合いいただきありがとうございます」

そういえばこの映像も、冥界中に配信されているんだったよな。貴族のお偉いさん方が人間を嬲るのを映す為にしたことが、仇になっちゃったなぁ。まあ、生徒会長を馬鹿にしたから同情も何もしないけどね!

 

「ですが、前座はここまで。この後は皆様がお待ちかねのレーティングゲーム。サーゼクス・ルシファー様の妹であるリアス・グレモリー嬢、我が主セラフォルー・レヴィアタン様の妹、ソーナ・シトリー嬢の対戦にございます」

両手を大きく広げてアピールするかの様に言葉を紡いでいく。

 

「どちらも若手とは言え、将来有望な方々。皆様が想像するよりも素晴らしい試合が見れることでしょう」

あの、朧さん?

俺たちは勿論気合い入れてるんだけど、なんかハードルあげるような真似はその……。

 

「そして、何より! グレモリー眷属にはあの! 赤き龍の帝王! 赤龍帝がいるのです! これは期待が膨らみます!」

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎

プレッシャーが! プレッシャーがハンパないんですけどぉぉぉぉぉぉ‼︎

 

「では皆様方、またいずれあう日まで」

朧は優雅にお礼をするとモニターに向かってウィンクをした後に消えていった。

恐らく、ゲームが終了した為に元いた場所に戻って行ったのだろう。

 

「…ぽー」

 

「小猫ちゃん?」

 

「…はっ! さあ、次は私たちです」

小猫ちゃん……。

もしや君。

 

「朧、やってくれたわね。でも良いわ! 私たちで朧のゲームが記憶に残らない様にしてやりましょう!」

部長が片手を頭に手を当てながら声を上げる。でも困った様な顔をしていたのは最初だけ、今はとてもやる気のある顔をしている。

 

「勿論っす部長! 今度こそ勝ちましょう!」

 

「ええ、イッセー。さあ、行くわよ私の可愛い下僕達!」

 

「「「「はい‼︎」」」」

部長の掛け声に俺たちは元気よく声を上げる。

さあて! 気合いは十分だぜ!

 

ピンポンパンポーン!

 

『フィールドの準備に暫く時間がかかる為、もう少しお待ち下さい』

 

「「「「………」」」」

し、しまらねぇ。

どこからか、ヤハハハハ! と言った誰かが爆笑する声が聞こえてきたのだが、気のせいだろうか?




うーん?
始めは一人くらい強い相手もいたんですけどね、なんかサイラオーグ見たいな奴になったから削除しました。

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