ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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遅くなりやしたー。
本当はね?仕上がったりしたんですよ。でも、読み直すと気に食わなかったりと二、三回消しました。


もふっ!

朧サイド

 

俺が小猫の手を取り、二人一緒にあの痴女猫の所を向く。隣にいる小猫ら先程までの弱々しく印象は受けない、いつも通りの小猫だ。さあ、楽しもうぜ?

 

「小猫、武器をだせ。俺も武器をだす」

 

「…武器?………ハッ!わかりました朧先輩」

流石だ小猫。

このやりとりだけで俺の言っている意味を理解してくるとはな。

 

「武器?いや、朧と小猫ちゃんって物理で殴るのが主流じゃ」

イッセーが後ろで何か喚いているが聞こえねぇな。聞こえねぇったら聞こえない。

 

「なんにゃ」

武器と聞き、俺と小猫を警戒する痴女猫。

僅かに身体がピクッと反応している。

 

「…私の武器は、この聖魔ハリセンです」

小猫が懐から取り出したのは見慣れたハリセンだった。このハリセンかなりつかってるなぁ。

 

「「「「え⁈それ⁈」」」」

その場にいた、グレモリー、イッセー、痴女猫だけではなく空で戦っていたタンニーン、猿からツッコミが入る。

 

「そして俺の武器は……木場につくらせた……この…」

そう言って俺は懐の魔法陣が刻まれた紙から己の武器を取り出していく。

黒く細い柄、しなやかな鞭のように伸びるそれの先には真っ白なモコモコがついている。大きさは槍の様に長い。

そう、これは……。

 

「聖魔猫じゃらしだ‼︎」

 

「いや、いい加減に木場泣くぞ⁉︎」

 

「巫山戯てるの朧⁉︎」

せっかくカッコ良く取り出したと思ったのだが、どうやらグレモリーとイッセーの気にはめさなかったようだ。ふむ、こんなにカッコ良いのにな。

そしてイッセー。

 

「木場が泣くって言ったな?」

 

「あ、ああ。流石にそれは…」

 

「創った時、号泣してたぜ!」

 

「一度マジで土下座してこいよ‼︎」

泣くに決まっているじゃないか!あいつ、泣きながらいいよいいよ僕は不憫だよって言ってたな。

俺はイッセー達に向かって満面の笑みで答える。親指を立ててサムズアップするのも忘れない。

 

「真面目にやりなさい朧!」

 

「お嬢様、それは酷いぜ」

 

「え?」

グレモリーの声に対して、やれやれと言う風に首を横に振り真剣な顔をして振り向く。真面目にやりなさいだと?それだと俺が真面目にしてないみたいじゃないか。

 

「いつでも俺は!真面目に巫山戯ている‼︎」

 

「わからないわ!私、貴方がわからないわ!小猫はそれでいいの!」

 

「…流石です、朧先輩」

 

「こんなにも私の眷属の事がわからないのは初めてよ‼︎」

ヤハハ、小猫にはこの武器の素晴らしさが分かってくれるようだ。実はこの武器、小猫には何度か見せたことがあるしな。

グレモリーは両手を頭にあててフルフルと振っている。

 

「さあ、行くぞ小猫!」

 

「…はい!」

 

「え?マジでそれでくるのかにゃ?」

当然!

さあて、初の共闘だ。

自分で言うのもなんだが、かなり巫山戯た共闘だと思う。

 

「はぁっ!」

俺は猫じゃらしを振りかぶり、おもいっきり痴女猫に振り下ろす。

流石はランクの高いはぐれ悪魔だけはあり、簡単に横に移動することでよけられてしまう。

 

「マジできたにゃ⁉︎」

 

「…ふっ!」

しかし、避けられてしまうのも計算通りである。俺は何時もの様に一人でふざけ……戦っているのではない。二人で戦って……ふざけているのだから。

 

スパンッ!

 

「痛いっ!このハリセン何気に痛いにゃ⁉︎」

俺の背後に隠れるように接近していた小猫が飛び出し、ハリセンを痴女猫の頭にふるう。見事的中したハリセンはいい音を鳴らしながら振り抜かれた。

ハリセンの思った以上のダメージに驚いている間に俺は猫じゃらしで追撃をかける。

長刀を横に薙ぐように猫じゃらしを振るい、モコモコの部分を顔面に当てる。

 

もふっ。

 

「もふって!もふってするにゃ⁈」

一撃が見事にはいる。

そのまま続けての蓮撃を行うために猫じゃらしを引き、何度も突く!

一撃一撃がモコモコの部分で、顔面に当たるように!

 

もふっ……もふもふもふっ‼︎

 

「顔がっ……! もふっ……って⁉︎」

猫じゃらしの攻撃により上手くしゃべれないようだ。当たり前だ、一番最初の攻撃は目の当たりを狙ったが、今は口の周りを中心として狙っているのだから!

もちろん、痴女猫もそのような状況を許すはずもない。後ろに飛び退いて体制を立て直そうとする。そんな事をむざむざとさせる訳が無い。

一瞬、小猫とアイコンタクトをとる。

 

「…せいっ!」

 

スパンッ!

 

「んにゃっ⁈」

猫じゃらしに意識が集中していた所に後ろからの一撃、意識の外からの攻撃ほど驚く物はない。

小猫とのアイコンタクトも完璧で俺の意図を理解できてくれているため、連係がとてもやりやすい。

後ろからハリセンでたたかれ、身体が前のめりになった痴女猫に俺と小猫はハリセンと猫じゃらしで攻撃を加えていく。

 

スパンッ!もふっ。

もふっ……もふもふもふっ!スパンッ!

スパパパンッ!

もふっ。

 

「い、位加減に……! するにゃぁぁぁぁ‼︎」

どうやら俺と小猫の攻撃で怒ったらしい痴女猫は腕を乱暴に振り回す。

ランクの高いはぐれ悪魔だけはある。その腕を振り回した物も中々の速度であり、威力もありそうだ。

俺はともかくとして、小猫がまともに腕に当たるとマズイ。そのため、俺は猫じゃらしを片手に小猫をもう片方の腕に抱いてグレモリーやイッセーの居る所にまで後ろにさがる。

 

「ぺっぺっ……口の中が猫じゃらしの綿だらけにゃ」

 

「なに……小猫」

 

「…ええ、驚きです。朧先輩」

口の中の綿を取り出すように唾を吐き出している痴女猫を見て俺と小猫は心底驚いたと言う表情をする。

俺達の様子にイッセーとグレモリーは首を傾げて不思議そうにしている。

何故、俺達が驚いているのか。

それは……

 

「「全くダメージになっていない……だと!」」

 

「「「「当然だよ⁉︎」」」」

またもやその場にいる奴ら、正確に言えば俺と小猫を除いた全員からの総ツッコミを受けてしまった。

なんだよ、こいつらの息の合いよう。案外仲良いんじゃないか?

いや、それにしても驚きだかなりの蓮撃を痴女猫に俺と小猫は与えたと思ったのだが……まさか殆どダメージを受けていないとは。

 

「こいつは驚きだぜ」

 

「…そうですね朧先輩。流石は姉様、と言った所でしょうか」

 

「いや、何か違うと思うにゃ……」

痴女猫を見ると心無しかゲンナリとしているようだ。

うん? なんでだろうな。

さて、もう一度行くかと気合いを入れて武器を俺と小猫は構える。

その姿を見た痴女猫はビクッと身体を震わせた後に此方をキッと睨んでくる。

どうやら、お巫山戯はここまでになるようだ。あいつの目は割と本気に近い様に感じる。俺は猫じゃらしをしまい小猫もハリセンをしまって戦闘態勢にはいる。

 

「もう、お遊びはお終いにゃん。……死んじゃえ」

薄い冷笑を浮かべたあと、黒い霧が痴女猫から噴き出す。俺はもちろんの事、グレモリーやイッセーそれどころか辺りの森にまで広がっていく。

んん? 何だこりゃ。その霧を不思議に思っていると隣では小猫が、少し離れた場所ではグレモリーが膝をついてしまった。

 

「…うっ、これは」

 

「こほっ…こほっ」

 

「部長⁈小猫ちゃん⁈」

何だ? いや、状況的に考えてこの霧のせいか?

先ずはこの霧をどうにかしないといけないな。そう思い、俺はこの霧の発動源である痴女猫を殴り飛ばす為に近づこうと思ったのだが……。

既に姿が見えなくなっていた。

チッ、逃げた? いや、まだいる。ただ辺りの気配と自分の気配を馴染ませる事によって隠れているだけだ。

 

「そこかっ!」

自分の感覚を元に痴女猫の場所を探り、近くを殴り飛ばす。だが俺が殴ったのはただの木。

全く、狙いとは外れた位置を殴ってしまった。

 

「無理にゃん、仙術で辺りの気を自分に似せることも簡単にゃん。それにこんなこともできるわ」

痴女猫の分身が多数俺達の周りに現れる。どれにも気配の変化があり見分けるにはハッキリとしない。

霧の発動源を倒せないのならば、この霧を吹き飛ばす!

そう思い、俺は地面を思い切り殴ろうとする。しかし、その事が読まれていたのか動けない小猫やグレモリーの所に魔力の攻撃が飛んでいく。

 

「おら……よっ!」

その一撃はもちろん楽に防げる。たが、一発ならの事だ。四方八方、頭上も余すことなく魔力の攻撃が飛んでくる。くそったれめ、似たような状況が前にもあった気がするぜ。

 

「三人を庇いながらいつまでもつかにゃん?」

 

「ハッ!こんなもん余裕だってぇーの!」

 

「……ふーん」

うおおっ⁉︎

魔力の攻撃の数が増えやがった。俺は小猫とグレモリー、イッセーを守るために三人を円を描くようにかばっていく。

 

「朧! 俺も手伝う!だからこの霧を頼む!」

 

「まてや!イッセー、取り敢えず倍加してからにしろ!素のお前じゃ何の役にも立たねぇよ!」

 

「ひ、ひでぇ……」

 

「早くしろや!」

 

「お、おう!ドライグ!」

めんど癖ェなぁ!会話をしている間も絶え間なく魔力弾が飛んでくる。イッセーがこの魔力に耐えられるまで倍加出来れば俺がこの霧を吹き飛ばすことができる。あと、何秒だ?

それにしてもおかしい、イッセーの所から籠手の倍加する時の音声が全く聞こえてこない。

 

「おい、イッセー」

 

「……」

 

「イッセー!」

 

「ひ、ひゃい!」

ひゃいって何だひゃいって。てめぇはアルジェントか?今はそんな返事はどうでもいい。何故、倍加を行わない。気になったおれはチラッとイッセーを見る。何やら大量に冷や汗をかきながらドライグと話しているようだ。

 

「あ、あのぉ〜朧さん?」

 

「あぁん?」

 

「えっと、赤龍帝の籠手が動かないみたいです」

 

「使えねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

はぁ⁈動かないだとぉ?

柄にもなく叫んじまったじゃねえかよ。

 

「お前も使えねぇけど、ドライグも使えねぇなぁ!本当に役に立たない変態共だなぁおい‼︎」

 

「ぐふっ、朧の言葉が何時も以上に辛い。あと、ドライグ泣くな!俺も泣きたいんだから」

 

「…無様。……こほっこほっ」

いや、小猫さんよ。お前何気に余裕あるんじゃね?呑気にイッセーにツッコミを入れてる場合じゃねぇんですけどこっちはね。

 

「にゃははは!赤龍帝ちんの神器は動かない。絶望的だにゃん」

 

「お前は黙ってろ!痴女は静かにしてればいいんだよ!」

 

「にゃっ⁈失礼な奴にゃ!」

 

「やべっ、魔力弾が更に増えやがった」

しまった。

つい、痴女猫に悪口を何時もの調子で言ってしまった。この状況ではマズイよな。

後ろで朧何やってんだよ。ってイッセーが呟いた気がしたので魔力弾を一発ワザと見逃してあいつの足下に落とさせた。

 

「うおおおっ⁈朧さんごめんなさいでしたぁぁ!」

分かればよろしい。

さて、この状況だが本格的にジリ貧だな。俺の体力的にもまだまだ問題は全然無いのだが、打開策も対して思い浮かばない。どうするべきか……こいつらを放置して霧を吹き飛ばすか?いや、魔力弾に毒の状態の小猫とオマケでグレモリーが耐えられるか分からない。

様々な思考を巡らせながら魔力弾を防いでいると。

後ろからとんでもない言葉が聞こえてきた。

 

「部長……胸を、おっぱいを突つかせて下さい!」

 

「…ッ‼︎イッセー……分かったわ!」

 

………………。

こいつら、イッセーとグレモリーを守る価値はあるのだろうか?

小猫だけを守るのならばまだ打開策があるのだが、こいつらを放置して実行してやろうか?

 

 

「イッセー……」

 

「な、何だ朧」

 

「今から俺は小猫だけを守る」

 

「待って!お願い後少し待って!」

 

「…朧先輩。私だけを守るって……ふふっ」

 

「ちょおおおおお⁉︎小猫ちゃんは照れてないで⁉︎俺と部長!もっと言えば眷属仲間と眷属の主が見捨てられようとしてますからねぇぇ!」

チッ、ダメか?ダメなのか?

俺に守られておいて変な事をほざいているこいつらが悪いと思うんだがな。

イッセーは真剣な表情で何故か胸を突つく理由をはなしだした。

 

「朧。おっぱいを突つけば禁手ができると思うんだ」

ダメだわ。

こいつ、末期だわ。

 




朧くんでも苦労します。
あと、小猫ちゃん可愛い。

テイルズオブハーツRとテイルズオブイノセンスRをクリア!
現在、シンフォニアをプレイ中。
コレットあざとい。
朧くんなら魔神拳とか殺劇武荒拳とかできそうだな。
やったらカオスすぎるのでやりませんが。

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