ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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遅くなり申し訳もございません。
待っていて下さった方々、ありがとうございます。
この小説は皆様の紳士力と、ロリの力によって成り立っております。


颯爽登場ッ‼︎

イッセーサイド

 

俺は今、いけない事だろうとは思うのだけどパーティー会場からいなくなった小猫ちゃんを部長と一緒に追いかけている。

部長の使い魔の蝙蝠に後をつけさせて、パーティー会場の周辺の森にいることを調べた。

朧もついて来させようとしたのだが、いつの間にか姿がなかった。何故だ?

 

「いたわ、気づかれないようにねイッセー」

 

「はい、わかってます」

森にいる小猫ちゃんを見ていると、誰かが現れて小猫ちゃんに話しかけてきた。

和服を着崩した美人だ。おっぱいでかい!

 

「久しぶりにゃん。白音」

 

「…黒歌…姉様ッ……!」

体を震わせて、出しづらいように声を出す小猫ちゃん。というか姉⁉︎あの人は小猫ちゃんのあねだったのかよ!

ん……、てことは成長すれば小猫ちゃんも…。

あ、鼻血が……。

 

「イッセー?」

 

「部長!小猫ちゃん達をしっかり監視しましょう!」

ふぅ、部長の視線が怖いぜ。

今回はおふざけなしで行きたいぜ!……なるべくね?

 

「んん?おいおい、あれはもしかしてグレモリー眷属かい?」

この声は……!

孫悟空の美猴じゃねぇか!禍の団がここに⁉︎

その前に気づかれちまったか!

 

「隠れても無駄だぜぃ。仙術を知ってるとよめるんだよねぇ気配が」

既に俺と部長の場所はバレている。ならばここは普通に出て行くしかないだろうな。

俺と部長はゆっくりと物陰から姿を現す。

 

「なんでここにお前らがいるんだ?ヴァーリの野郎も、いるのか?」

 

「そんなに何度も質問すんじゃねぇよ。黒歌がこのパーティーを見学してくるからってねぇ、その迎えさ。因みにヴァーリはいないぜぃ」

俺の問いに二人、黒歌と美猴は笑う。美猴の言葉によるとヴァーリはいないらしい。

 

「んなことより、黒歌〜。帰ろうや」

 

「そうね、でも白音は連れてくつもりにゃん」

 

「勝手に連れてったらヤバイんじゃないの?」

 

「大丈夫にゃん。この子にも私と同じ力があると分かればヴァーリも納得するはずにゃん?」

 

「そうかねぇ?」

俺たちの事を無視して二人で小猫ちゃんを連れて行くということを話し出す。ふざけんな!

小猫ちゃん、怯えてるじゃねぇか!

 

「まてよ、俺たちの仲間を連れて行かせるわけねえだろうがよ」

 

「イッセーの言うとおり、この子は私の大事な眷属。連れて行かせるわけにはいかないわ」

流石!

部長ありがとうございます!

俺と部長は小猫ちゃんを庇うように前に立ち美猴と黒歌を睨みつける。

 

「ふーん、めんどいから殺すにゃん」

なんだこの感触は⁉︎

まるで違う場所に移されたような感覚だ。空気が変わったのがよく分かる。

 

「これは⁉︎」

 

「この森一体を結界で覆ったにゃ。だから、ここで貴方達を殺しても他の悪魔達にはバレないにゃ」

結界⁉︎

くっ、と言う事は援軍とかはあまり期待できないってことか……。

 

「結界で閉じ込められるとはな……」

突如、空から声が降ってくる。見上げると俺を鍛えてくれたドラゴン、タンニーンのおっさんがいた!

 

「おおお!ありゃタンニーンじゃないかぃ!ハハッ!こりゃやるしかねぇよなぁ!」

美猴の野郎も戦闘狂なのか?

見るからに喜んでいるように見える。俺だったら絶対に戦いたくない相手だけどな。

 

「ふうん、龍王を狩ればヴァーリ達も許してくれるかもにゃん」

マジかよ……。

タンニーンのおっさんを倒すってのか?

 

「筋斗雲ッッ!」

うおっ!すげぇ!本物の筋斗雲だ!

美猴が叫ぶと同時に金色の雲があいつの足元に現れ、それに飛び乗りタンニーンのおっさんがいる空に移動していく。

 

「なるほど何者かと思えば孫悟空か。猿を相手にするとはな」

 

「孫悟空じゃなくて美猴だって。ところでよぉタンニーン」

 

「なんだ猿」

 

「お前さんの頭で寝てるの誰よ?」

 

「んん?ああ、朧のことか」

とうとうその事に触れてしまったか……。

あのね、俺と部長も一応気付いてはいたんだよ?

でもね? 絶対に朧が起きたらカオスになるからスルーしてたんだよ。

 

「ZZZ……」

 

「気にするな猿。朧がいきなり俺の頭に飛び乗って来て眠り出しただけだ。対した問題はない。それにお前に対してのハンデとしても問題ないだろう?」

イヤイヤ、気にするなって無理だぜおっさん。

さっきまでスルーしてた俺が言うのもなんだけどね。

 

「ハハッ!言うねぇ!負けた時の言い訳にすんなよぉ!」

 

「ほざけっ!」

美猴が自らが持っていた棍をとりだした。その棍が伸びておっさんに迫る。しかしおっさんは朧を頭に乗せたまま器用に回避する。

ってかあれ如意棒か?

そうこう考えているうちにおっさんと美猴は空で激闘を繰り広げていく。おっさんだから問題はないはずだ。

問題なのはこっち、小猫ちゃんのお姉さんのことだ。

 

「姉さま、私はそちらに行きます。だから二人は見逃してください。最後に……朧先輩も見れたし満足です」

 

「何を言ってるの!許すわけないでしょう小猫!」

小猫ちゃんが突然言い出した言葉に部長が怒鳴る。当然だ俺だって怒るに決まってる。何を言い出すんだ小猫ちゃんは!

 

「ダメなんですよ……部長たちじゃ姉さまには勝てません」

 

「ふざけないで!そんな事関係ないわ!私が…」

 

ドオオオオン⁉︎

部長が小猫ちゃんの言葉に返そうとした声を遮る様に空から何が降ってきた。土煙りが立ち上がりよく見えないが、よく知った声が聞こえてきた。

 

「颯爽登場ッ‼︎」

 

「「「「⁈」」」」

 

「冥界!美少年ッ‼︎朧ッ‼︎」

バーン!という効果音がつきそうな程の決めポーズをしながら、土煙りの中から朧が現れた。

ちょっ、空気読んで⁉︎

 

「……朧?少し黙って貰えないかしら?私達、今大事な話しをしているの」

ヤバイヤバイヤバイ‼︎

部長、すっげえ怒ってらっしゃいますよ⁈口元物凄くヒクヒクしてますもん。

 

「んー、寝たふりもあきたしな混ざりにきたぜ!」

 

「こいつダメ人間にゃ!」

 

「おお?久しぶりだな痴女猫じゃないか!猫じゃらしで遊ぶか?」

 

「その認識辞める!こっち来るんじゃないにゃ!」

ええ?

さっきまで俺たちシリアスな空気だしてましたよね?小猫ちゃんとそのお姉さんの問題で慌ててましたよね?

なんで?え?なんで?

 

「よぉ、小猫。かなりまいってるようじゃねぇか」

 

「…朧先輩」

小猫ちゃんのお姉さんと部長がかなり怒っているが、それを無視して朧は小猫ちゃんの前まで歩いていく。と言うか寝たふりだったのね。

 

「んで?お前は禍の団にいくのか?」

 

「…ッ私は」

朧ッ!

お前からも言ってくれ!小猫ちゃんを止めるように!お前なら説得できるかもしれねぇ!

 

「まぁどっちでもいいけどよ」

 

「…え」

朧の言葉を聞いて泣きそうになる小猫ちゃん。表情を滅多にださない小猫ちゃんがだ。俺でもすぐにわかるぐらいに寂しい表情をしている。

 

「朧ッ‼︎あなたねぇ‼︎」

流石に部長も今の言葉だけは許せないようでかなり怒っている。今にも朧にむかって魔力の塊を放ちそうな勢いである。そういう俺も今の発言には納得できない。

 

「お前が禍の団にいくなら俺も行こっかな?」

 

「…朧…先輩?」

 

「約束したじゃねぇか?ずっと一緒にいてやるって。だからお前が何処にいようがいなくなったりしねぇよ」

 

「…あ」

そういう意味での発言ですか⁈

一見いい言葉だけど俺たちの所から小猫ちゃんだけじゃなくて朧もいなくなるって事ですよね⁈

 

「んー、内部から禍の団をカオスにするのも楽しそうだな」

 

「お前はいらないにゃ!絶対来るな!」

 

「オイオイ、ひでーな。かなりの戦力の増強になる筈だぜ?」

 

「リスクを考えての結果にゃ!」

ですよね!

朧さんがまともに命令とか聞いて禍の団に協力するとは思えないっす!

 

「…朧…先輩。私は……」

 

「選べよ小猫。俺と一緒にお前の姉についていって、テロリストになるか。俺と一緒にこいつをぶっ倒してイッセー達と学生するか」

 

「私は…私はッ…!」

小猫ちゃんは絞り出すように言葉を紡いでいく。

 

「どっちを選んでも俺は側にいる、選べよ小猫。俺はもう選んだんだぜ?」

朧はいつもの様に挑発的に、不敵に、ふてぶてしく笑いながら小猫ちゃんに手を差し伸べる。

 

「…私は、皆と……朧先輩と一緒に学生したいですッ‼︎」

 

「ヤッハハッ‼︎いいぜ!だったら俺と一緒にお前の姉をぶん殴るで決定だ!」

 

「…はいっ!」

手をつかんだ小猫ちゃんは朧と一緒に笑いながら、小猫ちゃんのお姉さんの所をむく。

とてもいいシーンだし、朧と小猫ちゃんが禍の団に行かなくて良かったとも思う。

だけどね?

 

「イッセー」

 

「なんですか、部長」

 

「これ、私達いるのかしら?」

 

「……それはいっちゃいけません」

俺たちいるのかなぁ?

 




オマケ
朧家の日常

小猫サイド

私は朧先輩の家に住んでいる。私から望んだことだし、朧先輩のことも……その……ねぇ!
だから問題はない。
ただ、朧先輩のことをたまに変だと思うことがある。

「小猫!」
バン!
リビングの扉が勢い良く開けられ朧先輩が入ってくる。そしてそのままソファで座っていた私の所まで歩いてくる。

「…どうしたんですか?」

「俺、喧嘩売られたぞ!」

「…は、はぁ?」

「いやぁ、楽しみだなぁ。明日で俺の命は終わりだってよぉ!」
多分、他校の生徒だろう。私達の学校で朧先輩に喧嘩を売る人はまずいないはずです。

朧先輩は変だ。
たまに喧嘩を不良に売られると、何故かとても嬉しそうに帰ってくる。

「ヤハハ!楽しみだぜ!」
そんな先輩でも笑顔が見れるから良しとする私も、多分変なのだろう。





オマケシリーズを続けるかは人気次第。
作者の書きたい小話です。

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