ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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真剣で私に恋しなさいのゲームやってましたわ。
一子可愛いねぇ。
紋白様?
殿堂入りだよ。


誘拐ナウ。

ヴェネラナとのダンスレッスンを半ば強引に切り上げた俺は、グレモリー家のメイドに話を聞いて小猫のいる部屋に向かっていた。

 

「ここか…」

メイドの話によると小猫はちゃんと目を覚まして体調的には問題はないらしい。今は、主であるリアスと女王である朱乃がついているらしいが…。

 

さて、どのようにして部屋の中に入ろうか……。

ライザーがいた時のように扉をぶち破るのはワンパターンな気がして芸がないよな。

うーん、やはり小猫は倒れた訳だからあまりツッコミに負担がかからない入りかたがいいだろう。

よし!

 

ココココココココココココココココココココココココココココココココココココココッ‼︎

 

「このノックの仕方は朧ね⁉︎絶対に朧でしょう⁉︎」

 

コンコッコッココンコンコッコッコンコンコッコンコンコッコンコンコッコッコッコンコンコン‼︎

 

「リズム刻んでないで入ってきなさい‼︎」

 

「あらあら」

小猫のいるであろう部屋の中からリアスの大声と朱乃の何時も通りのおっとりとした声が聞こえてくる。

何故、俺のノックで正体がわかったのだろう?

全然わかんねぇなぁ。

 

俺は一声、入るぜと言って部屋の扉を開ける。すると目に入ってきたのは白い猫耳を生やした小猫と何処か疲れた様子のリアス、何時も通りの朱乃だった。

 

「朧、これは……」

 

「だいたいわかってる」

俺のわかってる、の言葉に小猫は身体をビクッと揺らす事からあまり俺に触れて欲しくない話題なのだろう。

俺は気にしないんだけどな。

 

「よお、小猫。ぶっ倒れたんだって?」

 

「…何を、しに来たんですか」

機嫌が悪そうな声だなぁ。

あまり俺にこんな風な声をかけるのはないんだがな。

 

「お前を爆笑しに……まて、冗談だ。だから、手に込めた滅びの魔力と雷の魔力をしまえ」

どうやら、この場所ではあまりふざけてはいけないようだ。朱乃とリアスが大変お怒りになるらしい。おお、怖い怖い。

 

「…なりたい」

 

「どした?」

 

「強くなりたいんです。オカルト研究部の皆みたいに、アーシア先輩みたいに回復の力のような特別な力もない。私だけ役に立たないのはいやです。……弱いのは嫌なんです」

確かにあいつらは強くなったと思う。イッセーだって純粋な体術では小猫に敵わないだろう。でも、あいつにはドライグって言う反則な物がある。

 

「それで、お前はどうしたいんだ?」

 

「…ッ、…猫又の力は使いたくない。姉さまの様に力を暴走させるのは嫌です」

初めてだ。

俺の前で涙を流した小猫をみるのは……。

力を暴走させたくない、だから猫又の力を使わないで強くなるためにオーバーワークをして倒れた。

 

「いいんじゃね?使いたくないなら別に使わねぇでも」

 

「ッ‼︎」

 

「おいおい、そんな睨むなよ。ただ、まぁ俺は今のグダグダ悩んでるお前は好きじゃねぇなぁ」

 

「朧先輩は、朧先輩は強いからわかんないんですよ!私の気持ちなんて!今は話すことなんてありません。強くなれない!足手まといの気持ちなんてわからないくせに!不愉快です。……もう、出てってください!」

おっとっと…。

怒鳴られちまったな。まぁ、自分でも無神経な事言ってんのはわかってる。

 

「小猫、少し落ち着いて話しを……」

珍しく大きな声をだした小猫に対してリアスが静止の声をあげるが、今の状態ではあまり聞く耳をもっていないようだ。

 

「…出てってください」

 

「ん、分かった。じゃあな」

 

「…………っぁ」

軽い挨拶をして、踵を返して部屋を出る。小声で朱乃に「小猫のケアを頼む」と言って置いたから、俺が出て行けば少しは落ち着くだろう。

さて、俺には俺のやることもあるし……。

とりあえずはシトリー家にまで戻るとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

シトリー家に戻ると決めたはいいが、なんの挨拶もなく、グレモリー家を出て行くのは流石に、少し、小指の爪の先ほど悪いと思ってヴェネラナに会いに行こうとする。

しかし、その道中の途中で紅い髪をしたちっこいガキに出会った。

ふむ、紅い髪。リアスの親戚か何かか?

 

「おい、紅髪ショタ」

 

「ひょわっ⁉︎」

廊下を歩いている所を後ろから急に声をかけたせいか、変な声をだして飛び上がる。

 

「だ、誰ですか!」

 

「んあ?あー、……俺の名前はオボロ・ジャ・ナーイだ。そういうお前は?」

 

「お、オボロ・ジャ・ナーイさん?ぼ、僕の名前はミリキャス・グレモリーです」

グレモリー家とな?

そういや、何と無くサーゼクスに似ているような気がするな。かまをかけてみるか?

 

「サーゼクスには世話になってるぜ。今度よろしく言っといてくれや」

 

「お父様の知り合いですか⁉︎」

なるほど、この紅髪ショタはサーゼクスの息子か。

先ほど似ていると考えたのはあながち間違いではなかったらしい。

 

「おう、今日はお前の家庭教師としてこの家にきた」

 

「え!僕のですか?」

 

「ああ、と言っても俺が教えるのは机の前でする勉強じゃない」

 

「机の前でする勉強じゃない?じゃあ、何を……?」

結構口から出まかせを言っているんだが、中々にいい反応を示してくれるな。このまま、遊んでみるかな?面白くなりそうだし。

 

「社会科見学だ!というわけで、早速出発するぜ?」

 

「え?ちょ、わっ!あの、そこ窓ですよ?あと、ここ結構上階ですよ?」

ヤハハ、問題ねぇ問題ねぇ。

そして俺は紅髪ショタの首根っこを掴み肩に担ぐ、そして毎度お決まりの窓からダイブをきめる。

 

「アイ、キャン、フライ!」

 

「落ちてます!落ちてますうううううう!」

ああ、いいね。

この落ちる時の感触は、スリルがあって超楽しいぜ!

 

ズドオオオン!

大きな音と共に足に激しい衝撃が伝わってくる。

土煙りが少々起こって煙たい。

 

「きゅ〜」

 

「んあ?目ぇ回してやがる、とりあえず行くか」

あれ?

これって普通に誘拐になっちまうのかな?

流石にやべえか?

こいつ、魔王の息子なんだし。グレモリー家の者でもあるし。

 

「お嬢様に連絡しとくか……。紅髪ショタ、誘拐ナウっと」

懐から携帯を取り出し、お嬢様にメールをする。冥界でも普通に使えるからすげぇな、やわらか銀行。流石、つながりやすさNo.1。

 

「さぁて、おい!起きろ!」

 

「は、はいっ⁈あ、あれ?」

 

「お?起きたな?」

 

「んじゃあ、行くぞ!」

 

「え、あ、は、はい」

戸惑いながらも返事をしてくる紅髪ショタ。こんなに素直で大丈夫なんだろうか?

 

オボロサイドアウト

 

 

 

 

ブゥゥッブゥゥッ。

 

「あら、朧からメール?………」

 

「リアス?」

 

「ミリキャスが誘拐されたわ⁈朧に⁈」

 

「あらあら、でも護衛的に問題ないし大丈夫じゃないかしら?流石に怪我をさせるようなことはしないでしょうし」

 

「護衛的に問題なくても。性格への影響的に問題あるわ」

 

「……」

 

「何か言って朱乃⁉︎」




ミリキャス君のTS化も実は考えていた。
しかし、流石に朧がロリコン過ぎるので断念。

ワン子マジ可愛い。

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