あと、今回から原作に戻ってきました!
しかし、朧君は出てきません!
今回だけですよ!
イッセーサイド
朧が、冥界の果てを見に行ってくるぜ!って言っていなくなってからしばらくたった。
普段だったら割と直ぐに戻ってきたり、見つかったりするんだけど数日間行方不明のままだ。
どこ行ったんだろ?
朱乃さんとかが心配してたしな、羨ましい……
そんな俺たちは今、魔王領の都市のルシファードの一番大きい建物のエレベーターに乗っている。
なんでも若手悪魔達の顔見せがあるらしい。匙みたいに俺以外の兵士もいるんだろうな。
き、緊張してきた。
「皆、もう一度確認するわ。平常心をもちなさい、何を言われても落ち着くのよ。ライバル達に無様な姿は見せられないわ」
部長のいつも以上に気合いのこもった声に眷属一同で頷く。緊張しまくりだけど大丈夫だ!落ち着け!俺!
「正直、朧がいなくて助かったわ……」
「「「「……」」」」
いや、そのね……。
俺もたやすく想像できちゃうんですよね。朧がいたら顔見せどころじゃすまないよな。
皆も想像したのか苦笑いして何も言わない。
「サイラオーグ!」
エレベーターが停止して、案内の使用人に従って進んでいると複数の人影があり部長はその一人に話しかけた。
知り合いかな?
「久しぶりだなリアス」
「ええ、そちらもね。彼はサイラオーグ・バアル。私の従兄弟よ」
バアル?
バアルってたしか魔王に次ぐ大王って地位じゃなかったっけ?うひゃー大物だ。
しかもがっしりとした体形にイケメン。勝ち組か……。
「でもなんで廊下に?」
「ああ、それはなーー」
心底嫌そうな顔をして何か話そうとした時だった。
ドオオオオオオオオオン!
大きな物音がしたところを見ると大広間が破壊しつくされていた。
うわ、高そうなものがいっぱいなのにな。もったいない。
「ゼファードル、こんなところで何かしら?バカなの?死にたいの?」
「るっせぇ、俺のアニキをバカにしたんだ。一発殴らせろ」
同い年くらいのメガネの目つきの鋭い美少女と顔にタトゥーを入れた緑の髪のヤンキーっぽい人が睨み合っていた。
な、何があったんだろう。
ヤンキー兄ちゃんはすげえキレているのか。すごい怖い。静かな怒りって言うのかな?オーラがやばい。
逆にメガネの姉ちゃんは口では強く言っても顔に冷や汗の様なものが見える。
「全く、面倒ごとには関わりたく無かったんだがな」
部長の隣にいたサイラオーグさん?は首を二、三鳴らして今にも爆発しそうな二人のところに歩いていった。
「イッセー、彼をよく見ておきなさい。彼が若手ナンバーワンの悪魔よ」
「なっ⁈マジすか⁈」
ナンバーワン……。
一番強いってことか……。
俺が驚いているとサイラオーグさんは既に二人の間に入っており、その場にいる殆どの人の視線を集めていた。
「シーグヴァイラ、ゼファードル。これ以上騒ぎを起こすな。いきなりだがこれは最終警告だ。無視するのであれば俺が相手をするぞ」
「関係ねえよ。俺のアニキをバカにしたんだ。俺は絶対に許さねぇ!」
ドゴンッ!
激しい打撃音と共にヤンキー兄ちゃんは地面に殴りつけられた。
すげえ……。あんなのまともに当たれば気絶なんかじゃすまないだろ。
「痛ぇな、コラ!」
そう思っていたのだが、ヤンキー兄ちゃんは直ぐに起き上がり、下からアッパー気味にサイラオーグさんを殴り返した。
「グッ!……今ので気絶しないとはな。少し舐め過ぎていたようだな」
「ハッ!それ以上の拳を知ってんだよ、こっちはよ」
「なるほど、以前に俺以上の拳を受けたのか。通りで今の一撃に耐えられるハズだ」
「チッ、てめぇも俺の拳を受けてピンピンしやがってよ。バアルの無能って認識は変えねぇとな」
どっちも普通じゃねえ。
俺も少しは強くなったって思ってたけど、何回の倍加をすれば今の一撃に耐えられる?
「喧嘩の理由はなんだ?世間で聞いていた凶児とは違った印象を受けるお前がくだらない事で怒る様には見えんのだが?」
「……チッ、アニキをバカにされたんだよ」
兄弟の事をバカにされたから怒ったのか?
ヤンキーっぽくても以外と良い兄ちゃんなのかな?
少し印象が変わったぜ。暖かい目で見よう。
「ど、どうしたのイッセー。いきなりほっこりした顔になって」
部長……。
気にしないでください。俺は唯、兄弟愛ってものにほっこりきただけです。
「アニキ?元次期当主のカーシャモラルはそんなに良い兄だったのか?俺の認識では犯罪者だろう。お前も、そう考えたのだろうシーグヴァイラ」
「え、ええ」
犯罪者⁈
ヤンキー兄ちゃんのアニキって犯罪者だったの?
あ、でもヤンキー兄ちゃんが庇う様に怒るってことは冤罪か何かなのか?
「あんなゴミ以下のクソミソカス野郎が俺のアニキィ?ざけんな!」
えええええええええええええええ⁈
アニキ、ボロカスに言われてる⁈
何で⁈
「では誰の事だ。魔王であるファルビウム様をバカにする事なんてもっとないだろう」
「勿論よ、魔王様を貶すなんて馬鹿じゃない限りしないわ」
ファルビウム様?
それって確か今の魔王様の一人だよな。
ってことはヤンキー兄ちゃんは部長と同じ魔王の血族かぁ。
「あ?なんだ、シーグヴァイラはカーシャモラルの野郎をバカにしてたのかよ」
「え、ええ。そうなるのかしら?」
「なんだよ、なら最初からそう言えよ!うし、ドンドンバカにしていいぜ!」
「「「「えええええええええええええええ⁈」」」」
ヤンキー兄ちゃんはさっきの怒りは何処に行ったのかってぐらいの爽やかな笑顔で親指を立ちながら言った。
なんで⁉︎
「ゼ、ゼファードル。じゃあお前のアニキとは誰なんだ?」
「あ?決まってんだろ。そんなん……」
サイラオーグさんが少し戸惑いながらも話しかける。ヤンキー兄ちゃんは言葉に少し、間をおいて言い放った。
「三日月 朧のアニキの事だぜ‼︎」
……。
………。
…………三日月?
……………………朧?
はて?何処かで聞いたような気がするなぁ?
「ほう、その者は強いのか?」
「ったりめえだ!俺と俺の眷属達を一撃ずつでぶっ飛ばすくらいだからな!」
朧かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁈
あいつだ!絶対にあいつだ!
グレモリー領から居なくなったと思っていたら何しちゃってんの⁈
「「「「………」」」」
グレモリー眷属一同黙ったまんまだよ!
もう、なんも言えねぇよ‼︎
「なるほどな、それは中々に強そうだ」
「だろ?おっと、その前に。シーグヴァイラ、すまなかったな俺の勘違いで」
サイラオーグさんとヤンキー兄ちゃんが和かに話し合っていると、ヤンキー兄ちゃんは思い出しかのようにメガネの姉ちゃんに頭を下げた。
「い、いえ。こちらこそ……」
突然頭を下げられたからか、今までの話しに付いていけなかったのか、メガネの姉ちゃんは少々戸惑いがちだ。
俺もわけわかんねぇもん。
「サンキュー、シーグヴァイラ。あと化粧直してこいよ俺も準備があるしこれで失礼するぜ?サイラオーグ、てめぇとの試合が楽しみだぜ」
「ああ、俺もだ」
ヤンキー兄ちゃんはそう言って後ろで控えていた自らの眷属であろう者たちと一緒に何処かに行ってしまった。そしてメガネの姉ちゃんも化粧直しの為か控え室にでも行くらしい。
「ふむ、ゼファードルも中々だな」
「そ、そうね」
戻ってきたサイラオーグが部長に話しかけるが部長はうまく頭が回らないのか口調が安定していない。
「それにしても、三日月 朧か。いずれ合って手合わせ願いたいものだ」
「そ、そうね。近いうちに逢えるかもしれないわねー」
「む?どうしたリアス?」
「な、何でもないわよ⁉︎あっ!ほらサイラオーグ見て!空気よ!」
「本当にどうしたリアス⁉︎」
部長!落ち着いてっ⁈
話の逸らし方がすっごく雑ですよ!
なんですか見て空気よ!って。そんなのそこら中にあるじゃないですか⁈
何この綺麗なゼファードル……。
どうやらグラシャラボラス領は綺麗になったようです。
ペストちゃんといい。
PSvitaのフリーダムウォーズ買ったぜ。
すっごく面白い。
時間を忘れてプレイしゃいました。