すいません。
そして更新が約一ヶ月振りとか…
やーねー。マジでごめんなさい。
別にダンガンロンパにハマってたりとかしてないですよ?
「おっと。ほいっと…」
無数に飛んでくる鳥型の魔剣を避ける。オーフィスにも当たらない様にしているから結構めんどくさい。オーフィスなら当たっても無傷な気がするけどな。
「良く避けるね。ではもっと追加だ」
「まだ少ないぜっ!…とぉ!」
カーシャモラルの言葉を後に鳥型の魔剣の数が増える。そして地面から鮫の背ビレのようなものが二本突き出てきた。
「へぇ。今度は魚と魔剣のキメラか?」
背ビレの所が剣にでもなっているのかかなりの切れ味だ。地面大丈夫か?すげぇ切り刻まれているぜ?
「そうだよ。とりあえず二匹だ」
「いいね!いいねぇ‼︎おい、オーフィ。起きてみろよ!魔剣のキメラの博物館だぜ…って…おい」
「おぉー」
もう既に起きてやがった。こいつなんかわりかしいつもより目がキラキラしてないか?本当に自由だなこいつ。俺がツッコミにまわるなんて余程だぜ?
「たまには武器ってのも使ってみるか…」
「朧?」
俺は飛んでくる鳥型の魔剣を二匹?二本?を両手に掴み取る。掴み取った魔剣共はギィギィと奇声を発しながら暴れ出す。
「黙れ。潰すぞ?」
メキメキっと魔剣の柄にあたる部分に力を入れる。すると魔剣共はいきなりおとなしくなった。うんうん、理解が早い奴は好きだぜ?
「オーケー。じゃあいくぜ!二刀流ってやつだ!」
「れっつぱーりー」
なんでちょくちょく訳のわからないことを喋り出すんだ?俺の頭の上の龍神様は。俺は別に奥州で筆頭の独眼竜じゃないぜ?
「な⁈私の魔剣が⁈無茶苦茶だな⁈」
「うるせぇよっとぉ‼︎」
飛んでくる魔剣を拳では無く両手に持った剣で弾く。拳の方がやっぱ攻撃力が上か…
「朧、武器より強い。おかしい」
「おめぇもだろが!」
そりゃあな!俺と頭の上のこいつだったら下手な武器を使うまでもなく大丈夫だろうさ。
「オーフィ、ちょっと揺れるぜ?」
「我、強く掴まる」
「首を絞め殺さない程度に頼むぜ?」
「心得た」
オーフィスが言葉の通りに俺の頭にがっしりとしがみついてくる。いてぇいてぇ⁈強えって⁈
「無茶苦茶だね本当に。更に追加だ」
「まだ増えんのかよ」
「まあね。君も退屈しなくてすむだろう?」
「サービス精神が多くてありがたいなぁ!オイ!」
鳥型の魔剣、魚型の魔剣を両手に持った剣でさばいていく。剣で対処できないものは脚を使ったり、身を捻って避けたりする。
「朧、後ろ」
「わかってるぜっ!」
オーフィは様々な魔剣が見えるためか起きている。相変わらず俺の頭の上に乗っていることは変わらないのだが。あまり重くもないし問題ない。
「めんどくさいなっ!直接攻撃だっ!」
「なっ!チイッ!」
両手に持っていた剣の内の片方をカーシャモラルに投げつける。あいつも上級悪魔なだけあって少しは驚くが難なく避ける。
「ほうら!もういっちょ‼︎」
「ガッ!」
「すとらいく。朧、ナイスコントロール」
「だろ?」
もう一つ持っていた剣を先ほどよりも強く投げると今度はカーシャモラルの腕にかする様にあたった。少々抉れているから中々に痛そうだ。オーフィスと話しているとカーシャモラルがものすごい形相で睨んできた。
「貴様ぁぁぁぁぁぁ⁈私に傷をつけたなぁ‼︎」
「オイオイ、丁寧だった口が汚れてきたぜ?」
「豹変、我、ビックリ」
「だから無表情でそんな事を言われてもなぁ」
「朧、失礼」
「だいぶ前から俺の頭の上から動かねぇ奴には言われたかねぇって」
本当になんでなんだろうなぁ。こいつ、マジで俺の頭の上が気にいったのか降りる気配が全然感じられねぇ。こんな風にオーフィスとまた話しているとカーシャモラルがまた怒りだしてきた。
「舐めているのか貴様らはっ‼︎もういい君の死体はサンプルにしようと思ったがここで跡形もなく消すっ‼︎」
「ふう、直ぐに怒りすぎじゃね?最近の若者は短気でしょうがないぜ」
「やーねー」
「こ、のっ‼︎……まあ良いこれが私の最高傑作だ」
かなり怒っていたが少し落ち着いたのかまた芝居がかったような喋り方に戻ってきた。情緒不安定か?カーシャモラルの言葉の後に魔法陣が現れる。魔法陣は大きい、その中から出てきたのは…
「ヤハハ、ドラゴンねぇ」
ドラゴン。
それもただのドラゴンじゃなさそうだ。翼や背ビレが剣の後になっており鋭く生物的な感じがしない。爪や牙も剣の様な輝きをしている。そして気に入らないのが目が既に死んでいることだ。
「……」
「オーフィ?」
頭の上にオーフィスが少しだけ反応する。勘違いかもしれないがオーフィスの俺を掴む手に力が入った様な気がする。
「ハハハ、このドラゴンはね。捕まえるのに苦労したよ。子供のドラゴンを人質にとったりしてね。まぁ、その子供もいいサンプルになったよ」
「へーすごいすごい。わーすごいなぁ。すごすぎてすごいしか言えねぇや。すごいすごい」
「貴様はっ⁈どれだけ私をっ」
「んじゃあ、無視して始めますか」
とりあえずあのカーシャモラルは無視の方向でいいだろう。オーフィスが機嫌悪くして暴れられたら困るし。
「グガァァァァォ‼︎」
「吼えることはできるのか」
魔剣のドラゴンは俺とオーフィスを噛み砕こうとして口を大きく開いてくる。
「オラよっ!」
「グオッ⁈」
大きく開いた口を閉じさせるように顎の下を蹴り上げる。口を閉じると同時に俺の蹴りの威力により上体も仰け反る。
「追加だっ‼︎」
上体が仰け反った状態のドラゴンに向かって飛び上がり殴ることにより追い打ちをかける。見事に俺のパンチはジャストヒットしてドラゴンは壁に向かって吹き飛ぶ。いいあたりだったぜ?
「朧、人間?」
「人間だよ。失礼だな。それよりさっさと決めるぜ」
そこら中に飛び回っている魔剣を二つ掴み先ほどと同じ様に言うことを聞かせ、起き上がろうとしているドラゴンに向かって走りだす。
「また、れっつぱーりー?」
「それは違う」
オーフィスさんや?マジで気が抜けちまうからやめてくんねえかな?こっちは割と真面目にバトルしようとしてるんだから。
「行くぜ!はああああっ!」
木場やゼノヴィアの見様見真似だが結構上手くいったと思う。ドラゴンの首を切断することに成功した。勢い良く血が出るので直ぐにその場から離れる。
「朧、ありがとう」
「何の話だ?俺はタダ厄介な相手を早めに倒しただけだぜ?それよりもカーシャモラルの奴は…ガッ⁈」
オーフィスと軽く会話をしていると俺の背中が斬られた。咄嗟に身体をズラしたので致命傷にはならなかったのが幸いだ。斬った奴の姿が見えなかった。
「グラシャラボラスの悪魔の力か…」
「ハハハ!ドラゴンが倒されるのは予想外だったよ。でもどうせ君はここで消す!それに変わりはない!」
チッ、声のする方向にずっと留まってはいないか。直ぐに移動してやがる。
「チイッ!」
剣が体に触れた瞬間に避けることはできるが、浅く傷つけられていく。あと周りの魔剣共も鬱陶しいなぁ。
「オラァ!」
「ハハハ!何処を狙ってるんだい?」
手に持っている魔剣を投げつけるしかし俺の攻撃はカーシャモラルには当たらず飛んでいる魔剣に当たる。その魔剣は俺の投げた魔剣ごと粉々になって地面に散らばる。
「はあっ‼︎」
地面にいた魚型の魔剣を二匹共引っこ抜き振り回しながら鳥型の魔剣を壊していく。カーシャモラルには当たった感じはしない。
「驚いたよ。この部屋にある魔剣全てを壊すなんてね。でも私には当たっていないよ?」
「朧、手伝う?」
「黙って見てろ。すぐ終わらせる」
俺は頭の上にいるオーフィスに心配するなと言う様に軽く背中を叩く。そして俺はその場で立ち止まり目をつぶる。
「目をつぶってなんだい?諦めたのかい?今すぐに殺してやるよ!」
パキッ
「ヤハッ!見いつけたぁ‼︎オラァ!」
「ガアッ!」
俺のパンチは今度こそカーシャモラルに当たり、奴を壁にまで吹き飛ばす。姿がはっきりと見えるようになったな。ああ、スッキリした。しかしどうしようかこのボロボロの制服。
「何故、私の場所が…」
「俺が考えなしに魔剣を粉々に砕いた訳ないだろう?」
壁際でうずくまってこちらを睨んでいるカーシャモラルに近づいていく。そう睨むなよ。
「足音か…」
「正解!もうちょっと早く気付けばよかったな。じゃあもう寝てな。後はゼファードルに任せるからよ」
「クソッ」
カーシャモラルの顎を蹴る。奴はぐったりとして意識を失ったようだった。
「ああ、いい暇つぶしになったぜ。とりあえずグラシャラボラス領にまで帰るか。オーフィス、こいつ担ぐからそこ降りろ」
「拒否、そいつは引きずればいい」
「お前、怖いことをいう奴だな」
オーフィスとは色々と話しあったが結局俺の肩から降りることはなく、カーシャモラルの足を掴み引きずりながらグラシャラボラス領にまで帰ったのであった。
「アニキ、もう行くんですか?」
「まあな、もうここに用はねぇしな」
廃屋からグラシャラボラス領に帰った後は直ぐにグラシャラボラスの屋敷まで行きゼファードルを探した。その際、カーシャモラルを引きずっていた為に領民達からはビビられていた。ペストを筆頭とする子供達のおかげで誤解は解けたと思いたい。
「オーフィの姉御は?」
「ん?あいつもあいつで忙しいらしいからな。先に別れたよ」
テロ活動でもするんだろうか?あまりイメージがわかないのだが。今度あったら敵同士だろう。今から楽しみだ。
「そうっすか…。アニキ」
「なんだよ」
「俺、強くなるっす。もっともっと強く。だから俺が強くなったら今度は真面目に俺と戦ってくれますか?」
「当たり前だ、いつでもこい」
「うす!」
ゼファードルの返事を後に俺はグラシャラボラス領から出て行く。さて今度は何処に向かうとしようか。その前にこのボロボロの制服をどうにかするべきだったかな?忘れてた。
そして俺は奴と再開することになる。
「あ!君は☆」
「お前は…」
そう、魔王で魔法少女なあいつに。
奴との再開。
決してソフィアリング・SP・サターン7世ではない。
爆ぜろリアル!
弾けろシナプス!