現在、一夜ででかくなったイッセーの家。
何があった…兵藤家。
「冥界に帰る⁈俺をおいてくんですかぁ!部長ぉ!」
「大丈夫よ、私があなたを置いて行くわけないじゃない。だから涙を拭きなさいイッセー」
イッセーの涙をグレモリーが拭い、頬を撫でる。まったく情緒不安定か?
「冥界に行くわ、長期だし皆準備しなさい」
「ヤハハ!俺もかお嬢様?」
俺は一応、オカルト研究部の一員ではあるが悪魔の眷属ではないし人間だしな。
「もちろんよ」
お?アザゼルが今、家の中に入ってきたな。不法侵入者め。
「…朧先輩も来てくださいよ」
小猫が俺の服の袖を掴みながら言う。ん?なんかいつもより元気がないように感じるな。
「冥界か…。天国に行くために仕えていたが悪魔になったしな。これまで地獄に送ったものと同じ世界に行くとはね。ふふ、皮肉を感じるね」
「大丈夫だって、地獄でもなんでも面白そうなら何処にでも付き合ってやるよ」
「そ、そうか…。それは嬉しいな」
ゼノヴィアが、なんかわけのわからないことで悩み出したのでフォロー?を入れておく。実際に面白いなら何処にでもいくしな!
「俺も冥界に行くぜ」
「「「「ッ⁉︎」」」」
アザゼルがいきなり発した言葉に俺以外の奴らが驚く。おいおい、気づかなかったのかよ。
「ど、どこからきたの?」
「普通に玄関からだぜ?」
グレモリーやイッセーなどが驚きながらアザゼルに尋ねる。
「修行不足だぜ?お前ら。まぁ、俺に気づいていて何も言わなかった奴もいるけどな」
「ヤハハ!てっきり、気づいて無視してると思ったんだよ。アザゼルに影薄キャラをつける為にな」
「うおおい⁈俺は一応先生だぞ!」
「俺は問題児だ」
「意味わかんねえよ⁉︎」
アザゼルも意外とツッコミキャラなのか?キレがハンパねぇぜ!流石は堕天使の総督…
「ヤハハ!んで何のようだよ」
「たくっ…。俺も冥界に行くんだよ、なんせお前らの先生だしな」
「先生(笑)」
「てめぇはさっきからなんか恨みでもあんのか⁈」
いやぁ、別にぃ?
俺とヴァーリの戦いにイッセーをけしかけたことを恨んだりしてねぇよ?
「ではアザゼル先生は私たちに同行するのね?予約はこちらでしていいのかしら?」
「おう、よろしく頼むぜ」
冥界ね…
焼き鳥のときに行った以来か?また転移の魔法陣でもつかうのか?
朧サイドアウト
イッセーサイド
なんやかんやで到着しました!
冥界です!
駒王のデパートの地下にあんな設備があるなんて知らなかったぜ…
しかも、冥界行きの電車だぜ?
ビックリしすぎたわ!
電車の中でも大変だったんだからな…
朧が電車をジャックしたり…
朧が最後尾の列車を壊したり…
朧が電車の窓から俺のエロ本を冥界じゅうにばらまいたり…
あれ?
朧が全部の原因じゃね?
あ、あと小猫ちゃんが朧と一緒に行動しなかったのも珍しかったな。どうしたんだろ?
ちなみにアザゼル先生はサーゼクスさま達と会議があるらしくここでお別れだ。
そして俺たちが駅のホームに降りた瞬間…
「「「「リアスお嬢様、おかえりなさいませ!」」」」
「ひっ、人がいっぱいですぅ…」
メイドさんや執事さん達がかなりの数でお出迎えをしてくれた。ギャスパーはびびって小猫ちゃんの後ろに隠れてるし…
そして、馬車にのり城に向う。
城って…馬車って…
スケールでけえ⁉︎
「ついたようね」
「リアスお姉さま!おかえりなさい!」
紅い髪のかわいらしい少年が走りより部長に抱きついた。
「部長、その子は?」
「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さまの子供よ」
はあああああっ⁉︎
サーゼクスさまのお子さま⁈
てことはリアル王子さまっすか⁈
「ほら、新しい私の眷属達にあいさつをして」
「はいっ!ミリキャス・グレモリーです!初めまして」
「こ、こちらこそ。俺は、僕は兵藤一誠です」
やべえよ…
自分より小さい子供に緊張してるよ…
ははっ…
「屋敷に入るわよ」
部長が促し、眷属全員でついていく。大きな門をくぐり、玄関ホールっぽいところにたどりついた。でけえな、シャンデリアとか初めてみた。
「あら、リアス。今、帰ったの?」
玄関ホールをジロジロ見渡していると、階段を登った上の方から声が聞こえてきた。階段から降りてくる声の人を見ると部長に似た美人さんだった。髪の色が亜麻色だけど。お姉さんかな?
「お母様、ただいま帰りましたわ」
……。
………⁈
……………What?
「マザー?嘘ダァ⁈どうみても部長とあまり変わらない女の子じゃないですか⁉︎」
「女の子だなんて嬉しいことを…」
「イッセー、悪魔は魔力で見た目を自由に変えられるのよ。……それと、お母様に熱い視線を送っても何も出ないわよ」
マジですか⁈
本当の本当にお母様なんですか⁈
「その子が兵藤一誠くんね」
「はい、お母様。それでこっちが僧侶のアーシア」
「は、初めましてっ!アーシア・アルジェントですっ!」
アーシアかなり緊張してるよなぁ。おれもかなり緊張してるよ!
「こっちが新しい騎士のゼノヴィアです」
「どうも、ゼノヴィアと言う。リアス・グレモリーの騎士をやらせてもらっている」
いや、部長のお母様にその言い方はどうかと思うんですけど!どうかと思うんですけどっ‼︎ゼノヴィアさん!
「それでこっちが協力者の人間の朧ですわ、お母様」
「?リアス、何を言ってるの?誰もいないじゃない」
部長のお母様が顔を傾げる。え?誰もいない?あれ?朧はどこにいった?
部長も慌てて顔を後ろにむける。
「朧はどこに行ったのかしら?イッセー、アーシア。何か知らない?」
「すいません、俺もいまきづきました」
「わ、私もです」
アーシアも知らないか…
ゼノヴィアは俺と一緒にあいさつしてたし。朱乃さんは何故か笑顔のままだし…
「…モグモグ」
「チューチュー」
小猫ちゃんがシュークリームを頬張り、ギャスパーがトマトジュースを飲んでいた。
「小猫、ギャスパー。それは何かしら?」
「「…朧先輩からもらいました」」
「朧はどこに行ったのかしら?」
「…ちょっと冥界の果てを見に行ってくるぜっ!って何処かに行きました」
なんかデジャブ⁉︎
前にもなかったっけこんなこと⁈
「何故、私に知らせなかったのかしら?」
ああっ⁈
部長の頬が引きつってきてる⁈
落ち着いて部長⁉︎
「えっとぉ、お嬢様には言うなよ!って言われて…」
「嘘おっしゃい‼︎お菓子が欲しかっただけでしょう⁉︎」
「「…はい」」
「くっ!この後輩二人はっ‼︎」
冥界でも朧は自由人らしいです。
イッセーサイドアウト
朧サイド
さて、グレモリーのところから冥界の果てを目指したのは言いとして…
「お前、何」
「ヤハハ、どういうことだ?黒ゴスロリ」
かなり走ったところで、黒髪の無表情のゴスロリ少女に絡まれてしまった。こいつ、かなり強そうだな。
冥界、珍道中…
いきなり面白くなりそうじゃねーか。
ヤハハ!