「えい…えい…」
「ヤハハ、粗方片付いたな」
オカルト研究部の部室で俺はギャスパーとテロリストっぽい奴らをちょめちょめしたところだ。ギャスパーはまだ攻撃してるが。オーバーキルだぜ?
「あっ、朧先輩。神器の暴走はさっき解けましたんでもう大丈夫ですよ!」
「おっ?そうか。じゃあ、そろそろ戻るかな?」
「はい!行きましょう朧先輩」
俺たちは部室にいた魔術師を全員、縄で亀甲結びにしてグランドのほうに向かった。
俺とギャスパーがグラウンドにたどり着くとアザゼルがいつの間にかいた痴女を倒したところだった。腕を切り落としたか…
「ん?やあ?朧」
「よお、ヴァーリ。見たところやっぱ裏切ったか?」
「ふふっ、まあね。俺は強者と戦えればそれでいいからな。ちなみに今、一番戦いたいのは君だよ」
「ヤハハ!いいねぇ!」
ヴァーリが白い鎧を纏い、空から俺に話しかける。いいねぇ、久しぶりに強い奴だ。
「朧⁈ギャスパーは無事なの⁈」
「ああ、俺の後ろにいるだろ?」
グレモリーがギャスパーの心配をする。ギャスパーは俺の後ろに隠れているままだったがグレモリー達を見て少し安堵したのがわかる。
「ギャスパー、グレモリーのところに行ってろ」
「はい!朧先輩!その、怪我しないでください」
そう言ってギャスパーはグレモリー達のところに行く。小猫や朱乃、ゼノヴィアが俺を心配そうに見ているが笑って大丈夫だと言っておく。
「行くぜ?ヴァーリ」
「ああ、こい」
ヴァーリの表情は鎧でわからないが多分嗤っているだろう。何故なら俺が…嗤っているからな!
「うおりゃぁぁぁ!」
「ぐっ…」
俺は宙にいるヴァーリの懐にまで跳び上がり地面に向かって殴り飛ばす。ヤハハ!今のをガードするか!
ヴァーリは受け身とりすぐに立ち上がるがすぐさま追いつきアッパーぎみに殴りつける。
「調子にのるな!」
殴られたヴァーリは怯まずにすぐさま俺を殴り返してくる。
「がっ…ッラァ!」
殴られた反動をいかし身体をひねり、回し蹴りを顔面に叩き込む。ヴァーリはまた殴り返してくるが今度は拳を掴み取る。
「甘いな!朧!」
「⁉︎」
『Divide!』
「ぐっ…」
半減の力で一瞬、力が抜けたところに腹を蹴られて吹き飛ばされる。
「…朧先輩!」
「朧が吹き飛ばされるところ始めてみた…」
小猫は心配そうに声をかけてくるが…イッセー、てめぇは後でお仕置きだ。
「まさか、一瞬で半減した力が無効化されるとはね。驚きだよ朧」
「ヤハハ!その一瞬があればお前は十分なくせによぉ。ヴァーリ」
口から流れでる血を服の袖で乱暴に拭い去る。
「はぁっ‼︎」
『Divide!』
「ぐあっ⁈」
殴ると同時に半減されてガードごとダメージを受ける。ヴァーリは一瞬で後ろに回り蹴り込んでくるがなんとかしゃがんでかわす。
「わっ⁉︎」
「ははは、本当に人間かよあいつ!ヴァーリと渡りあってやがる!」
「「「「……多分」」」」
ヴァーリの蹴りの風圧で驚くイリナ。アザゼルの問いに苦笑しながら答えるグレモリー眷属一同。まてや、こら。
「ドラァッ!」
ヴァーリの顔面を殴り鎧が破壊されながら吹き飛ぶ。距離が離れたヴァーリは手をこちらに向ける。そして手の先から極大の魔力が俺に向かって放たれる。
「ッ!リアスすぐにこちらに集まりなさい」
サーゼクスやミカエル達が結界をはったのを横目でチラリと確認する。
「防げるか!朧!」
コカビエルよりも強力な一撃が目の前にせまる。ヤハハ!いいぜ!
「はっ!しゃらくせぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
極大の魔力に拳を叩き込む。
ズドオオオオオオオオオオオンッ!
「朧くんっ‼︎」
「ヤハハ!無事に決まってんだろ朱乃」
あたりに充満していた煙を打ち払い。姿をみせる。無事つっても、腕から少しばかり血が流れてるけどな。
「流石だ!さぁ、探り合いは十分だ。本気でやろう朧ォォォ!」
「ヤハハ!ついてこいよぉ!ヴァーリィィィィ!」
俺たちは互いに嗤いながらまた殴り合う。
朧サイドアウト
イッセーサイド
今、グラウンドの中央では朧が戦っている。俺たちは手を貸さない、いや貸すことができない。サーゼクス様たちは俺たちを戦いの余波から守るために結界をはっているためにうごけない。
「流石だ!さぁ、探り合いは十分だ。本気でやろう朧ォォォ!」
「ヤハハ!ついてこいよぉ!ヴァーリィィィィ!」
はあ⁈今までのが探り合いィィィィ⁈なんか自信なくすぜ…
ゴッッ‼︎
ズガアァァァァァァァァァァァァァンッ‼︎
朧とヴァーリの拳は互いの顔を捉える。で言うか、笑ってない?あいつら?
「まだまだギアを上げるぜ!ヴァーリィ‼︎」
「望むところだ!朧ッ!」
もうやだ、あいつら。なんなの!学園がもうヤバイよ⁈ソーナ先輩、学園見てブツブツ言ってるよ⁉︎
「ズアァッ‼︎」
「うぉらぁああっ‼︎」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガ‼︎
朧とヴァーリはグラウンドの中央の地面に脚をつけ、ノーガードで殴り合っている。砕けたヴァーリの鎧の宝玉が側に転がってきた。
「オラァ!」
ゴンッ!
「くっ…」
朧の頭突きによってよろけるヴァーリ。あの朧とどつきあってやがる。でも、朧の方がまだ強いみたいだな…
「ヤハハ!どうしたヴァーリ…まだまだこれからだろ?」
「ふっ…当たり前だ!悪いが能力を使わせて貰うぞ!」
『Half Dimension!』
ヴァーリが手を校舎のまわりにある木々に向ける。すると、木々が半分になる。マジで半分になるのか!ってか校舎の景観を壊すなよ⁉︎ああっ!ソーナ先輩が両手で顔を覆ったよ⁉︎泣いちゃうの!
「赤龍帝、兵藤一誠。このまま、あいつらのバトルが長引けばリアス・グレモリーのバストも半分になっちまうかもしんねぇぞ?」
…………。
はぁ?
………半分……。
部長のおっぱいが半分になる?
俺の全てが?
はっはっは。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
『Welsh Dragon Over Booster!!!!』
アザゼルからもらっていた腕輪のおかげか俺はなんの犠牲もなしに鎧を着ていた。
「あん?」
「っ⁈ははは、アルビオン。何故かはわからないが兵藤一誠の力が桁違いにあがったぞ?」
『ドライグ…泣いていいか?』
『黙れ!アルビオン!泣きたいのは俺の方だ!』
俺の力が上がったからか朧たちは戦いを止めてこちらをみる。あとドライグ!宝玉どうしで喋ってんじゃねぇよ!
「あっはっはっは!おっぱいだけで強くなりやがった!いみわかんねぇ!」
黙れ!アザゼル!俺にとっちゃ死活問題なんだよ!あと、ソーナ先輩、バランスブレイカーでグラウンドの一部を吹き飛ばしたの謝りますから、そんな睨まないで下さい!
『だが、相棒。力が桁違いにあがったが、まだあいつらには程遠いぞ』
ッ⁈まだダメなのかよ!
あっ!そういえば、さっきヴァーリの宝玉がこっちに…
ドライグ…イメージは伝わるか?
『ふっ、本気か相棒?』
「もちろんだ!ヴァーリ!貰うぜお前の力!」
ヴァーリの宝玉を俺の右手の宝玉を叩き割りぶち込む。ぐぅっ!痛ええええええええええええ!
『馬鹿かドライグ?そんなことをすればただではすまんぞ』
「うがあああああああ!」
『Vanishing Dragon Power is taken!!』
俺の右手が眩い光に包まれて、そこには白い籠手があった。あー、すげぇ痛かった。
『ばかな⁈ありえんぞ!』
「へへっ!やったぜ!さぁ、ヴァーリィィ!部長のおっぱいを半分にはさせないぜぇぇぇ‼︎」
おっぱいのために、俺は戦うっ‼︎
半分なんかにするかよぉぉぉぉぉ!
「ヤハハ!相反する力を手に入れたか!」
朧には悪いが今はあいつをぶっとばすだけだぁぁぁぁぁぁぁ!俺はヴァーリに光速で近づきうでを摑む。
「なっ!速いっ⁈」
ヴァーリが驚くがしるか!
「これが部長のおっぱいの分!」
ヴァーリの腹を殴る。俺の脳内で部長のおっぱいが揺れた!
『Divide!』
移植したばかりの力でヴァーリの力を半減させる。
「ぐはっ!」
鎧の隙間から血を吐き出すヴァーリ!そんなのおかまいなしだ!
「これは朱乃さんのおっぱいの分」
顔面を殴る。兜が朧との戦いでなかったのでもろにあたる。俺の脳内で朱乃さんのおっぱいが弾む!
「これが成長中のアーシアのおっぱいの分!」
ヴァーリの背中にある翼を壊す!俺の脳内でアーシアのおっぱいが育つ!
「ゼノヴィアのおっぱいの分!」
空中に向かって蹴り上げる!俺の脳内でゼノヴィアのおっぱいが喜ぶ!
「そしてこれは…半分にしたら。まるっきりなくなっちまう小猫ちゃんとギャスパーのロリおっぱいの分だぁ!」
猛スピードでタックルをして地面にたたきつける。ヴァーリは口から血を吐き出す!ざまぁーみろ!
「小猫ちゃんはなぁ!俺に朧は大きい方が好きなのかリサーチするくらい気にしてんだぞ!毎日、牛乳だって飲んでんだぞ!それを半分だぁ!あの子をこれ以上苦しめるなぁ!」
「ヤハハ!小猫、イッセーにそんなこと聞いたのか?」
「…イッセー先輩…後で殺す……」
ごめんね!小猫ちゃん!黙ってられなかったんだ!許してくださいっ!
「おもしろい!アルビオン!今の兵藤一誠ならば覇龍をみせる価値があるんじゃないか?」
『自重しろヴァーリ!我が力に翻弄されたいわけではないだろうっ!』
なんかアルビオンが怒ってる。覇龍?なんだそれは?あと、朧さん?ヴァーリがまだパワーアップしそうな感じで喜ばないでくださいっ⁈
「ヴァーリ、迎えにきたぜぃ」
俺がヴァーリに一撃を放とうとしたときに俺とヴァーリの間に人影が現れた。誰だよ!
「美猴か。なんだ?」
「そろそろ時間だからよぉ。俺っちと帰ろうや」
「そうか、わかった」
何勝手に話を進めてやがる!
「誰だよ!」
「闘戦勝仏の末裔だ」
答えたのはアザゼルだ。なんだそりゃ!
「ヤハハ!ってことは孫悟空か!」
「え!マジで⁈」
朧がおもしろそうに笑いながら言う。孫悟空?マジか!
「まぁ、正確に言えば少しちがうがねぇ。ってことであばよ!赤龍帝」
美猴は持っていた棍を地面に突き立てる。地面に黒い闇が広がりヴァーリたちがズブズブと沈んでいく。
「逃がすかよ!」
捕まえるために動こうとするが鎧が解除され地面に倒れこんでしまう。
「アザゼル!まだあのリングはないのか!」
「やめとけイッセー。てめえはもうボロボロだ」
ッ⁈確かに朧の言うとおり、俺の身体は急激な力の上昇によりかなりの疲労が襲う。
「兵藤一誠。俺は忙しいんだ。互いに強くなってまたやろう。そして、朧」
「ああ、わかってるヴァーリ。またやろう」
「「ここで」」
「やめてくださいっ⁈」
朧とヴァーリがまた学校でやろうと言った瞬間にソーナ先輩が涙目で叫んだ。ソーナ先輩…苦労をかけます。
そしてヴァーリ達は闇の中に消えていった。
「さあて、イッセーくん?よくも俺の獲物を横取りしたなぁ」
はっ⁈
俺は地面に倒れたまま、首を横にうごかす。朧が満面の笑みで拳をポキポキ鳴らしていた。
ひぃっ⁉︎
「…朧先輩」
あ!小猫ちゃん!お、朧を止めてくれぇ!
「…私も付き合います」
「ヤハハ!いいぜ。さぁ、やるか」
神は…死んだ…!
あ、もともと死んでたっけ。
その日、俺は星になった。